アブソリュート・デュオ〜銀狼伝〜   作:クロバット一世

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最近大学のほうの用事で書けませんでした。ごめんなさい
そんなわけで投稿です


23話 絆双刃の絆

ガキィィィン

 

誰もいない中庭で《長槍》と《騎兵槍》のぶつかる音が響いていた。そこでは悠斗とみやびが互いの《焔牙》を撃ち合っていた。

本来、単純な実力では悠斗の方が上である。しかし、現在みやびは《装鋼》の力で本来の戦闘力を凌駕し、さらに洗脳によって一切のためらいもなく《騎兵槍》を振るってくるのだ。まともに食らえばいくら悠斗といえど無事ではないだろう。

 

「くすっ凄いでしょ…クラスで一番強い悠斗くんをここまで追い詰めることができるなんて…この力ならわたしはもっと強くなれる…弱いわたしから解放される…」

 

虚ろな瞳で微笑みながらみやびは自身の《騎兵槍》を頭上で回していた。

一方の悠斗は自身のスピードでみやびの攻撃を回避しているが、《装鋼》の能力なのか徐々に悠斗の動きを捉え始めていた。

一撃一撃が相手を破壊しかねない攻撃はかすっているだけでもかなりのダメージであった。

 

 

 

「ねぇ悠斗くん…もっとわたしを見て。わたし、こんなに強くなったんだよ。生まれ変わったわたしの力…もっと、もっともっともっとぉ!!見て…欲しいんだから」

 

「みやび…」

 

自身の不甲斐なさゆえにここまで彼女を追い詰めてしまった、そんな自分が許せなかった、そして同時に『それ』が許せなかった。だからこそ、悠斗はみやびに向かって言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「強くなった…か、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺には弱くなっているように見えるよ」

 

 

「……………え?」

 

悠斗の言葉にみやびは、身体が硬直した。

 

 

「俺にはお前が強くなったようには見えない…少なくとも、以前のみやびの方が強く見えるよ」

 

悠斗はみやびの方を見ながら言葉を続けた。みやびはその言葉を聞いていたが、

 

 

 

 

「…酷いよ悠斗くん」

 

顔を歪ませながらみやびは悠斗を見た。

 

 

「なんでそんなこと言うの?わたし、悠斗くんのために強くなったんだよ?どうして……?悠斗くん、どうしてわたしを見てくれないのかな?こんなに強くなったのに、どうして?どうしてどうしてどうしてぇえええええっっ‼︎」

 

 

みやびはそのまま悠斗に向かって《騎兵槍》を突き出し突進してきた。

 

悠斗はみやびの一撃を防ぎながらみやびに向かって言った。

 

「良いかよく聞けみやび!!どんなに強大な力も強力な武器も《正しい心》をもって使わなければ唯の《暴力》だ!!そんなものは誰からも認められない!!」

 

 

そして、みやびに告げる。

 

「それを教えてくれたのは___みやび、お前だろ?」

 

「わた、し……?」

 

名を呼ばれたみやびが反応し、俺は頷く。

 

「毎日毎日走ってたよな。今日よりも明日、少しでも速くなるために……。最初は走りきれなかった距離も、走りきれるようになった。だから、《II》になることが出来たはずだ。……けど、《III》には届かなかった」

 

「…………」

 

みやびの表情が曇るも、構わず続ける。

 

「……でも、な、みやび。今、お前が手にしている《力》はなんだ?そんな借り物の《力》を、偽物の強さを俺に見せたかったのか⁉︎」

 

「う……あ、ああ……わた、しは……わたし、は……」

 

「偽物なんかに頼るな!速く走れるようになりたくて、頑張って毎日走っただろ!その努力で手に入れた《力》を信じろ‼︎努力を続けることの出来た心の強さを信じるんだ‼︎」

 

「ち、から……欲し、い……つよ、く……強く、なりた……見せ……」

 

「俺は信じる‼︎みやびの心の強さを‼︎」

 

弱さ故に悪魔に魅入られ、陥れられてしまった少女を。

けれどその弱さを越えられる、本当の強さを信じて。

 

「俺も負けられないって思った心の強さを取り戻してくれ、みやび___っ‼︎」

 

願う思いは叫びとなり、空気を震わせ___みやびの《魂》を震わせた。

 

「悠斗、くん……わた、し……」

 

空虚だった瞳に、光が戻る。

 

「みやび……」

 

だが___

 

「う、ううっ……‼︎あぁあああああ______っっ‼︎」

 

それも一瞬だった。胸元のアクセサリーのような何かが明滅したかと思うと同時、みやびは苦しそうに叫んだ。

 

「あっ……んっ、あ、ああ……ゆ、うと、くん……」

 

「みやび、大丈夫か⁉︎」

 

「わたしを……見て……」

 

「___っ⁉︎また、戻ってしまったのか⁉︎」

 

みやびが、苦しそうな表情を浮かべたまま、腰だめに《騎兵槍》を構える。

穂先は、まっすぐに悠斗へと定められていた。

 

「行く、よ……ゆう、と……くん……!」

 

みやびが、地を蹴る。

 

「偽物の《力》なんかに負けるな、みやび_______っ!!」

 

迫り来る刺突進を前に微動だにせず、みやびを信じ、天峰悠斗は真っ直ぐに見つめる。

刹那、視線がぶつかり合い________

 

みやびの表情が苦悩と困惑の入り乱れたものとなった直後、彼女は目を閉じ、咆哮した。

 

「うわぁああああああ___________っっ!!」

 

一瞬、穂先の勢いが僅かに鈍るも______

 

ズグン!!《騎兵槍》が悠斗の胸を深々と突き刺した。

 

「か、はっ……」

 

槍が悠斗の体を貫いたところで、動きが止まった。

 

「あ……」

 

自らの手が行ったことに対し、みやびの顔に戸惑いが浮かび______

 

「ああ、あ……悠斗、くん……いやぁあああああああああっっっ!!!」

 

悲鳴が響き渡る。

 

「悠斗くん!!わた、し…わたしは、なんてことを……や、やだ、やだよ、死なないで、悠斗くん、悠斗くぅううううん!!」

 

みやびは後悔と悲鳴の叫びを上げた。

 

 

 

 

 

 

 

「やっ…たな、みやび……」

 

しかし、悠斗は顔を上げて、みやびに向かって優しい笑みを浮かべた。

 

「え……?悠斗くん…生き、て……?」

 

「そうだ、みやびが偽物に勝ったからこそ……俺はこうして生きている」

 

刺突進は止められなかったが、みやびは確かに、自分の意志を取り戻し、殺意を封じ込めたのだ。

 

「悠斗くん______あっ……」

 

その時、みやびの胸元の卵型の何かが明滅していた。

 

「みやび……?」

 

「う…ダメ、体が勝手に……悠斗くん、逃げて…!!」

 

みやびは突然《騎兵槍》を抜き、再び悠斗へと狙いを定めた。

 

(そうか、お前か、お前がみやびを好き勝手してたのか…それなら________ぶっ壊してやる!!!)

 

悠斗は自身の《長槍》を構え、みやび…正確にはみやびの胸元のディバイスに向けて構えた。

 

「みやび……いま、助けるからな!!」

 

《騎兵槍》が悠斗を再び貫こうと突きが放たれたその刹那、《騎兵槍》を躱してみやびの懐に入り込み、槍を構えた。

 

「みやび、俺を信じてくれ……絶対に______助ける!!!」

 

「う、うん……わたし、信じるよ。悠斗くんがわたしを絶対に助けてくれるって信じてる!!」

 

それを聞き、悠斗は優しく頷き、そして放った。自身の愛する、大切な人を救うための一撃を

 

「狼王一閃!!!」

 

その一撃は確かにみやびの体を傷つけず、ディバイスだけを粉々に砕いた。

 

「ゆ、悠斗くん…」

 

「もう大丈夫だ、みやび……」

 

「……ありが、と……悠斗くん……わたしを助けてくれて……」

 

ぐらりと体がくずおれるみやびを、抱きしめる。

 

「当たり前だろ、みやび。いつだって___いつでも困ってる時は絶対に助けるよ…だって俺は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん、やはりそいつではお前の相手にはならなかったか…」

 

 

「______っ!?」

 

 

突如声の聞こえた方向を見るとそこには最新型と思われる《装鋼》を纏い、《幻影剣(イッルジオーネ・スパダ)》をその手に持った幻騎士が立っていた。

 

「幻騎士……悪いが今回は負けてやれそうもねぇ…最初から全力でこないと…すぐ終わっちまうぞ?」

 

「安心しろ、もとより全力で行くつもりだ…」

 

すると幻騎士は突如腕のボタンを操作すると、背中のケースが突然開き、中からパーツが現れ全身をどんどん覆っていった。全てのパーツが装着されるとその姿はまるで未来で幻騎士が見せた《大戦装備》のそれを彷彿させた。

 

「天峰悠斗…俺は全てのボンゴレを滅ぼす。貴様はその手始めだ。貴様は俺のこの新たな力で完膚なきまでに葬り去ってやる」

 

「幻騎士……てめえは絶対に倒す!!」

 

 

 

 

 

因縁の戦いがいま始まる。

 

 




みなさん、お待たせしました。銀狼伝、更新です!!


大学、大変です。ですがこれからも不定期にはなりますができる限り投稿していきますので応援よろしくお願いします!!




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