ラブライブ! 委員長はアイドル研究部のマネージャー 作:タトバリンクス
これも最近暑いからいけないんだ。
言い訳もこれくらいにして十七話をお楽しみください。
1
「ねぇ、沙紀ちゃん。どこに向かっているの?」
お昼休みのとき沙紀ちゃんが付いて来てほしい場所があるって言って穂乃果たちは放課後──沙紀ちゃんと一緒にどこかに向かってたんだ。
だけどどこに行くのか聞いてなかったから沙紀ちゃんに聞いてみると──
「穂乃果ちゃんはUTXで私と初めて会ったときの事覚えてる?」
なんて質問が返されちゃった。
「覚えてるよ。だけど、それがどうしたの?」
あそこでA-RISEを見て衝撃を受けたからこそスクールアイドルをやろうって思ったし、そこで沙紀ちゃんから色々とスクールアイドルについて教えてもらったから忘れるわけないよ。
でも、どうして沙紀ちゃんはそんな質問をしたのかな。
「じゃあ、あのとき私と一緒に居た先輩の事って覚えてる?」
「沙紀ちゃんと一緒に居た先輩? そんな人あそこに居たかな?」
あの日のことを思い出してみるけど一ヶ月前のことだし、思い出すのは変な格好した不審者みたいな人しか(インパクト強すぎて)思い出すことしか思い出せないよ。
他に音ノ木坂の生徒は居たけど先輩みたいな人いなかったし覚えてないや。
「ごめんね。全然覚えてないや。変な不審者みたいな人しか思い出せないよ」
「大丈夫。その変な不審者みたいな人で合ってるから」
「えっ? そうなの」
あれ? そうだったの? 全く覚えてないや。
「そういえばそんな話──私たちと沙紀が知り合ったときにしてましたね」
「そうだね。確かアイドルに拘りを持っている先輩が居るとかって話してた気がする」
海未ちゃんもことりちゃんも思い出したかのように言うけどそんな話したかな。全く覚えてないや。
「じゃあ、今からその先輩のところに行くの? でも……」
ことりちゃんが周りを見てみるけどしょうがないよね。だって今歩いて居るところ、とても先輩に会いに行く場所じゃないもん。
今──歩いている所は三年生の教室がある場所とは反対方向で空き教室ばっかりでたまに文化系の部室があるだけの一階の廊下を歩いていたんだよね。
「今までの話の流れではその先輩に会いに行くのが目的なのは分かりますが今──こんなところを歩いてまで会いに行く理由が分かりませんから」
海未ちゃんの言う通り沙紀ちゃんの話からその先輩に会いに行くのは分かるだけど、どうしていま会いに行くのか全然分からないだよね。
普通に会いに行くだったら三年生の教室に行けばいい話だもんね。
「そうだね。その前に海未ちゃん。一つ質問しようかな」
「何でしょうか」
「部活を申請する際に必要な事って何か分かる?」
てっきり難しい質問かなと思っていたら思っていたより簡単な質問でビックリしたけどこれなら穂乃果でも分かるよ。それに答えるのが海未ちゃんならもっと簡単だよね。
「それは部員が五名以上達していれば生徒会に申請できます。現に私たちはその五名以上になるように勧誘活動をしようとしてましたし」
そうそう。穂乃果たちがそんなことを全然知らなくって生徒会に三人で申請しに行ったら駄目って言われて追い返されたんだよね。
そのあと、沙紀ちゃんが入って四人になったけど結局最後の一人が集まらないままライブの日になっちゃったけど。
「そう。部員が五名以上達していれば生徒会に申請できる。だけどそれは似たような部活がない場合だよ」
へぇ~、そうなんだ。全然知らなかったよ。
「どうして似たような部活があったらダメなの」
「今の音ノ木坂は生徒も少ないし予算もそこまで出ないからむやみやたら部活を増やせないんだよ」
生徒が少ないのがそんなところまで影響を与えてるんだ。ますます廃校を阻止しなきゃ、って気持ちが強くなるよ。
「何故、そんな話を……まさか!!」
海未ちゃんも同じことを思ったみたいだけど沙紀ちゃんの話を聞いて何か分かったみたい。穂乃果は全然ピンと来ないけど。
「そう。海未ちゃんが考えている通りだよ。仮に穂乃果ちゃんたちが五名以上揃えても生徒会に申請は出来なかったよ」
「だってもうアイドル研究部って部活があるんだから」
そう言って沙紀ちゃんはある部屋の扉の前に立ち止まって鍵を取り出して鍵を開けて部屋の中に入って行っちゃった。
穂乃果たちも沙紀ちゃんに付いて部屋の中に入るとそこには──
部屋いっぱいに置かれたアイドルグッズが飾られた部屋だった。
「ようこそアイドル研究部へ」
部屋の奥で沙紀ちゃんはそう笑顔で言った。
2
「こっちにはA-RISEのポスター」
「あっちには福岡のスクールアイドル」
「校内にこんなところがあったなんて」
穂乃果たちは部屋の中に入って多くのアイドルグッズに驚いていたんだ。
「まあまあ、そんなところに立ってないでどうぞ座って」
部屋の真ん中にあるテーブルに座るように進める沙紀ちゃん。
「うん」
「はい」
穂乃果と海未ちゃんは言われるがまま座るけどことりちゃんはある場所をじっと見つめていたんだ。
「ことりちゃんどうしたの?」
ことりちゃんに声を掛けながら見ている方を見るとそこには誰かのサインが飾られていたんだ。誰のサインだろう。
「それ? 確か伝説の秋葉のカリスマメイド──ミナリンスキーさんのサインって先輩が言ってたかな」
へぇ~、メイドさんのサインなんだ。伝説って付く位だから凄いにメイドさん何だろうなあ。
「ことり、知っているのですか?」
「ううん」
海未ちゃんがことりちゃんが知っているのかって聞くと首を横に振ったから知らないみたい。けど、サインとか飾ってあると誰のサインか気になるよね。多分ことりちゃんもそんな感じて見てたのかな。
「私の記憶だとちょっと前に先輩がネットで買ったとか嬉しそう私に自慢して本物に会ってみたいって、言ってたから取り敢えずサイン買うだけ買っといた感じかな」
何て沙紀ちゃんが説明しているとなぜかことりちゃんはホッとしていたけど何でだろう。
「ことりちゃんもそんなところに立ってないでどうぞ座って」
「うん」
ことりちゃんも沙紀ちゃんに進められてイスに座る。それを見て沙紀ちゃんは棚から湯飲みと急須を取り出した。
「お茶温かいのしかないけどいい?」
「穂乃果も大丈夫だよ」
「私も大丈夫です」
「ことりも」
三人とも温かいものでいいと言うと部屋の中にあったポッドから急須にお湯を入れて少ししてから湯飲みに入れて穂乃果たちの前に置く。その作業の流れの手際がすごく良かったんだよね。
「あとはお茶請けだけど何か合ったかな。この前適当に買ってきたのがここに仕舞って置いたはず」
沙紀ちゃんは棚の中を探しているんだけど、なかなか見つからないみたい。それにしても沙紀ちゃんこの部屋に何処に何があるのを知っているみたいだけど、どうしてだろう。
「おっ、あったあった」
そうして取り出したのはおせんべいで、それをお皿に入れてテーブルの真ん中に置いてから沙紀ちゃんも座る。
「女子高生のお茶うけにおせんべいはいささかあってない気がするけど、お茶といえばやっぱりこれだよね」
沙紀ちゃんの言うことは分からなくないなあ。だってお茶とおせんべいは合うから仕方がないよね。まあとても女子高生の発言とは思えないけど。
「それにしても先輩まだ来てないみたいだし、私から今日の練習メニュー取りに来るはずだからゆっくり待ってて」
自分の分のお茶を飲んで沙紀ちゃんはホッと一息付いて、ゆっくり先輩を待つためくつろいでいたんだけど、穂乃果たちは沙紀ちゃんが言ったに気になっていたんだ。
「そんなことよりも沙紀。あなたどうしてこんなにもここに詳しいのですか。それに練習メニューを取りに来ると言ってましたけど、それじゃあまるで……」
海未ちゃんが穂乃果たちが気になっていた事を言ってくれると、沙紀ちゃんは思い出したみたいな顔をしていたんだ。
「そういえば言ってなかったね。海未ちゃんが思っている通り私ここの部員兼マネージャーをやっているから、当然部員である先輩の練習メニューも考えてるよ」
それは穂乃果でも分かるくらい予想通りの答えだった。それはそうだよ。マネージャーをやっているだったら練習メニューを考えるよね。それよりも気になることがあるんだよね。
「それは……」
「どういうことなの? 沙紀ちゃん」
海未ちゃんが何か言おうとしていたけど穂乃果が先に沙紀ちゃんに理由を聞こうとする。
なんでそんな大切な事を黙っていたのかが気になる。沙紀ちゃんの事だから騙そうと思ってこんなことをした訳じゃないのは分かるよ。
騙そうとしたのならここに連れてくるはずがないもん。
「それについては順を追って説明するよ」
そう言って沙紀ちゃんは一呼吸して穂乃果たちに説明を始めてくれた。
「このアイドル研究部は部員が私と先輩だけで活動していたんだよね」
「部員が二人? 部活として活動するには五人必要な筈では」
「それは申請するときの話。申請した後は何人になっても部員がいなくならければ部活として活動できるんだよ」
そうなんだ。ならなんで沙紀ちゃんはそんなことを伝えなかっただろう。それも説明してくれるんだよね。
「話が逸れたね。説明の続きをするよ」
そうして沙紀ちゃんは説明を続けた。
沙紀ちゃんの話を聞くとこのアイドル研究部は沙紀ちゃんがマネージャーとして活動してその先輩がスクールアイドルとして活動していたみたい。
だけど沙紀ちゃんから見てその先輩はスクールアイドルの上位にはなることは出来るけど、トップにはなれないと思ってその先輩をトップにするために沙紀ちゃんはメンバーを半年間も探していだよ。
半年間って長い時間を探していたのはその先輩がアイドルに対する拘りが高いからそれに付いてきてくれる人が見つからなかったから。
そうして時間だけが過ぎていって、更に廃校の知らせを聞いて沙紀ちゃんはその先輩をスクールアイドルとしてデビューさせることで、とりあえずは廃校を阻止しようと考えて行動しようとしていたみたい。
けどそんななか穂乃果たちがスクールアイドルをやるのを知って沙紀ちゃんは本気でスクールアイドルをやるか熱意を知るためにマネージャーを引き受けた。
穂乃果たちと一緒にファーストライブに向けて練習をしてきた。
そして、ライブ本番。
結果からみれば失敗だったけど、沙紀ちゃんは穂乃果たちの姿を見てスクールアイドルを本気でやろうと言う熱意が伝わったみたい。
「とまあこんな訳だけど、納得出来ないよね。結局の所、先輩のために私は穂乃果ちゃんたちを利用しようとしたんだから」
説明が終わった沙紀ちゃんは説明で疲れたのかお茶を飲む。だけど沙紀ちゃんの顔は今日のお昼の時みたいに暗かった。
「だから、今日のお昼私たちに謝ったのですね。謝る理由もあれだけでは変だとは思っていましたけど」
そう。海未ちゃんの言う通り沙紀ちゃんがお昼のときに穂乃果たちに謝ったけどそうかそんな意味も入っていたんだね。
「ねぇ、沙紀ちゃん。一つ確認したいんだけど沙紀ちゃんがここに連れてきた理由って穂乃果たちをその先輩に会わせるため何だよね」
ライブまでの説明はしてくれたけどここに連れてきた説明はしてなかったよね。
「そうだよ」
「それってつまり穂乃果たちがその先輩に会っても問題ないってことなんだよね」
確か先輩はアイドルに拘りを持っている人って言っていたから、ここに連れてきたってことはそういうことになるよね。
「えっ、じゃあことりたちはスクールアイドルとして十分実力があるってこと?」
「実力があるかどうかはこの先次第だけど、その可能性は感じたよ。あの短い練習期間であそこまでのものが出来るなんて私も思わなかったから正直にすごいと思ったよ」
沙紀ちゃんにそう言われると少し照れちゃうなあ。なんたって、この学校でスゴいって言われている人にスゴいって言われたんだよ。嬉しくないはずないよ。
「沙紀が認めたと言うことは、私たちはその先輩に認めて貰えると思ってもいいですね」
だって沙紀ちゃんは先輩の拘りを基準に判断していたんだから、沙紀ちゃんが大丈夫だと言うことはその先輩にも認められたと同じだよね。
「そうなればその先輩に頼んでこの部に入れて貰えれば晴れて私たちは部として活動出来ます」
「そうじゃん。部活として穂乃果たち活動できるじゃん」
良かった。これで空き教室とか借りられるようになるから雨の日とか練習場所に困らなくって済むよ。それに部活として活動するから色んなことだって出来るし。
「これはあくまでも私の見立てだから先輩が穂乃果ちゃんたちを認めるかどうかは分からないよ」
穂乃果たちが喜んでいるなか沙紀ちゃんはすごく言いにくそうに分からないと言った。
「へっ? そうなの」
「うん。このあと入部させて貰えるか先輩に判断してもらうから入部できるかは穂乃果ちゃんたち次第だよ。もちろんフォローはするけど」
そっか。なら入部させて貰えるかどうかは穂乃果たちで頑張るしかないんだね。
元々は穂乃果たちで始めたことだし、その先輩に穂乃果たちの熱意を伝えればきっと入部させてくれるよね。
「そうだ。ねぇ最後に一つ聞いていい?」
穂乃果、沙紀ちゃんの話を聞いてすごい気になっていたことがあったんだよね。
「え~と、何かな」
「沙紀ちゃんもしかしてライブまでの一ヶ月間すごい忙しかった?」
なんかクラス委員をやって生徒会の仕事を手伝って穂乃果たちの練習を見たり、更に部活もやってたんだよね。それってかなり忙しかった気がするんだけど。
「うん。結構忙しかったよ。色々とやることがあって大変だったけど私は楽しかったよ。それがどうしたの?」
そんな風に言う沙紀ちゃんはとても楽しそうな顔をしていて穂乃果は何となくだけど沙紀ちゃんがずっと黙っていたのか理由が分かった気がする。
「沙紀ちゃん。やっぱり先輩のためもあるけど穂乃果たちを思って手伝ってくれたんだね」
沙紀ちゃんのやって来たこととさっきの顔を見てそんな気がしたんだ。
「えっ? どうしてそう思ったの?」
「だって先輩の為だけだったら、お昼のときのことやこの部の事話さなかったことなんて悩まないよ。それって穂乃果たちの事大切な友達だと思ってくれてるんだよね」
友達だからこそ色々と悩みながらこれから良くするために頑張ってくれてるんだよね。そうじゃなきゃそこまで考えてくれる人なんていないよ。
だからこそ沙紀ちゃんは穂乃果たちがもっともっとスクールアイドルとしてすごくなるために色々と悩んだりしたりして、そしてここに連れてきてくれたんだよね。
「うん……穂乃果ちゃんたちは……私にとって大切な友達だと思ってるよ……だからこそ皆が上に行けるようにお手伝いしたいと思ってるよ」
顔を赤くしてすごく恥ずかしそうに言う沙紀ちゃん。なんかこう照れてる姿はからかいたくなっちゃうなあ。
「そう!! なら沙紀ちゃんの友達の期待に応えるしかないね。海未ちゃん、ことりちゃん」
「そうだね。だって『白百合の委員長』がことりたちを応援してくれてるもんね。ねぇ海未ちゃん」
「うぅ。ことり分かっててそれ言ってますよね。まあ、沙紀が私たちの為を思ってくれているのは嬉しいですので頑張りましょう」
よ~し、まずはここに来るはずの先輩に認められて部員にして貰ってどんどんスクールアイドルとして頑張ってそして廃校を阻止するんだ。
「よ~し、頑張るぞ~!!」
そんな感じで穂乃果たちが気合いを入れているけど全然その先輩は来ない。
「そういえば沙紀ちゃんの話ぶりだととても先輩を尊敬してる感じだったけどそんなにすごい人なの?」
待っても来ないのでことりちゃんが沙紀ちゃんにその先輩について聞いていた。
「確かに気になりますよね。何せあの沙紀が尊敬するくらいの人ですからきっと私たちとは別次元の人間なんでしょう」
「流石に私のこと海未ちゃんは買いかぶり過ぎだよ。まあでも先輩は私とは比べ物にならないくらいすごい人だって言うのは認めるけど」
沙紀ちゃん何時ものように自分はそこまですごくないって言うけど先輩はすごいことだけは認めるんだ。
「そう言われると緊張しますよね」
海未ちゃんが見て分かるくらい緊張してる。そうだよね。なんたって憧れだった沙紀ちゃんがすごいって言っただから緊張しない訳ないよね。
そういう穂乃果も緊張はしているのだけど、何か穂乃果の中のその先輩のイメージは不審者のイメージが強いから凄さが半減してるんだよね。
そんな風に話してると──
「沙紀? 何か話し声が聞こえるけどまた希でも来てるの? ホントあんたたち仲良いわね」
そう言いながら扉を開けて入ってくる沙紀ちゃんの先輩。その姿を見て思ったことは……。
小さい。
3
先輩が来てから穂乃果たち三人はアイドル研究部の部室で取り残されていたんだよね。
理由はやっと沙紀ちゃんの尊敬する先輩が来たと思ったら先輩は穂乃果たちの顔を見てそれから沙紀ちゃんを連れて廊下に出ていったんだよ。
「それにしても二人で何を話しているでしょうか」
「先輩すごい怖い顔して沙紀ちゃんを連れていたけどもしかして怒られてじゃないかな」
「それか沙紀ちゃんがことりたちのことアピールしてくれてるじゃないの」
なんて話していると扉の向こうからバタっと何か大きなものが倒れた音が聞こえてそのあと──
「……先輩の……いただ……し……」
廊下から何て言ってるか分からないけど沙紀ちゃんの声が聞こえてあと先輩だけ部室に戻ってきた。
「あの……沙紀ちゃんはどうしたんですか?」
ことりちゃんが恐る恐る先輩に沙紀ちゃんが居ないのを聞いた。
「沙紀はちょっと用事を頼んで少し出掛けて貰ってるの」
そう言って先輩は扉を閉めるけど廊下には見覚えのある眼鏡が落ちてるのと、海未ちゃんとことりちゃんの位置からは見えないけど穂乃果には微妙にだけど手が見えたんだけど。
何か凄く心配になってきたよ。ホントに出掛けただけなんだよね。
「それで何しに来たの」
先輩は席に座って穂乃果たちが何しに来たのか聞いてくる。あれ? 沙紀ちゃん説明してない?
「アイドル研究部さん」
「にこよ」
「にこ先輩。実は私たちスクールアイドルをやっておりまして」
沙紀ちゃんが説明してないなら穂乃果がにこ先輩に説明しないといけないよね。なんたってμ'sは穂乃果が始めようっていたんだから。
「知ってる」
「おぉ、話が早い」
説明しようとしたらにこ先輩はしていたみたい。何だ沙紀ちゃんはちゃんと説明してくれたたんだ。
「まっ、何れそうなるじゃないのかないかと思ってから」
違ったみたい。沙紀ちゃん説明してない感じがするよ。にこ先輩は穂乃果たちが来るのは分かっていただけだったよ。
「部員が五人以上集まったら希か沙紀がここに連れてくるはずだし、と言うか私もそう思っていたのにそれなのに……」
「あのバカ、昨日の今日で連れてくるとは思わなかったわよ、全くなに考えてるのよ」
にこ先輩はここに居ない沙紀ちゃんに対してかなり怒っている。
うわぁ、これは完全に沙紀ちゃん何も説明してないよ。それどころか穂乃果たちがここに来ることなんて全く伝えないのが分かるよ。
「沙紀のことをバカって言う人がいるなんて……」
「海未ちゃん。そこ気にするところなの」
なんというかすごく今先輩に話し掛けて説明していい雰囲気じゃないのが感じるよ。だから沙紀ちゃん早く戻ってきて。
「にこ先輩。ただいま戻りました!!」
なんとも言えない雰囲気で数分過ぎたくらいにすごく元気な声を出しながら何か袋持って戻ってきたこの状況を作り出した元凶。
「はい、にこ先輩。頼まれてた焼きそばパンです」
袋から焼きそばパンを取り出してにこ先輩の前に置く沙紀ちゃん。
良かった。さっきの眼鏡と手は見間違いだっただね。
「ちょっと沙紀、そんなの頼んだ覚えないだけど」
「はい!! にこ先輩。頼まれてた焼きそばパンです!!」
にこ先輩が何か言っていたけど、沙紀ちゃんが大きな声でさっき言ったことと同じことを言うから全然にこ先輩の声は聞こえなかった。
「それとお茶請けはお煎餅だけだと淋しいからとりあえず適当にお菓子買ってきたよ」
そう言って沙紀ちゃんは穂乃果たちの前にお菓子を置いてたんだけど、そのときに沙紀ちゃんの顔と言うかおでこに絆創膏が貼ってあったのが見えた。
「沙紀ちゃん? おでこのそれどうしたの? 大丈夫?」
ことりちゃんも絆創膏のことが気になったみたいで沙紀ちゃんに聞いてみると沙紀ちゃんはおでこを触って──
「これ? ちょっと買い物行くときにぶつけちゃって。でも途中で保健室寄ったから大丈夫だよ」
そう笑いながら大丈夫だとアピールする。
「それで沙紀、あんたどういうつもり?」
「ん? 何の事ですか?」
「だから!! 何でもう連れてきてるのよ。にこはてっきり五人以上集まったら連れてくると思ってたわよ」
沙紀ちゃんが戻ってきてにこ先輩はなんで穂乃果たちを連れてきてる理由を聞こうとしていた。
穂乃果たちには先輩が来る前に説明してくれていたけどまだ全くにこ先輩には説明してないみたいだから、穂乃果たちにしてくれた説明をすると思っていたんだ。
けど、沙紀ちゃんは穂乃果たちが思っても見なかったこと口にしたんだ。
「えっ? だってもう五人集まってるじゃないですか」
『へっ?』
穂乃果たちとにこ先輩は同じタイミングで沙紀ちゃんの言ったことに首を傾けた。
「そうだね。五人いるよ!!」
最初は沙紀ちゃんが何で五人居るって言ったか分からなかったけど、この部屋を見てすぐに穂乃果は沙紀ちゃんが何で五人って言ったのか分かったよ。
「穂乃果に海未ちゃんにことりちゃんに沙紀ちゃん」
海未ちゃんたちはまだ分からないみたいだから指で部員の数を数えながら自分たちの名前を言っていく。
「そしてにこ先輩。ほら、五人でしょ」
「はい、ここに五人集まりましたよにこ先輩」
何て当然のように言う穂乃果と沙紀ちゃんに海未ちゃんたちとにこ先輩は何も言えなかったよ。
「あんた何で私をさらっと数に入れてるのよ。完全に物は言いようじゃない。しかもまだ入部していいとは言ってないじゃない」
「だって、昨日のライブのあと一緒に帰ってにこ先輩、穂乃果ちゃんたちの事認めてたじゃないですか」
「にこ先輩昨日のライブに来てくれてたんですか!!」
「えぇ、まあ一応わね。あんたたちのことは沙紀から十分に聞かされてたからどんなものか確認しするために見に行ったわ」
まさかライブに来てくれてるなんて思ってなくって驚いちゃったけど、それよりもあのライブを見に来てくれたってことの方がもっと嬉しかった。
「先輩から見て私たちのライブどうでした」
穂乃果はにこ先輩に昨日のライブの出来について聞いてみる。
アイドルに関しては拘りがある先輩が穂乃果たちのライブを見てどう思うのかちゃんと聞いておきたかったから。
「そうね。まだ所々ぎこちない部分はあるけど歌とダンスはあの短期間の間にしては出来ていたと思うわ。けどまだまだね」
厳しめの評価を貰うけどそれは穂乃果たちのライブをちゃんと見てくれてたからこそ、そう言ってくれるから穂乃果たちはにこ先輩が言ってくれた事を胸に刻んでおく。
「あんたたちはアイドルにとって大切なものが足りないわ」
「歌やダンスの他にもアイドルとして必要な技術があるんですか」
足りないものがあると言われて海未ちゃんは他にも技術があるのかって聞くけどにこ先輩は首を横に振る。
「そう言うことじゃないの。あんたたち……ちゃんとキャラ作りしてるの」
『キャラ作り?』
「そう。お客さんがアイドルに求めるものは楽しい夢のような時間でしょ」
「だったらそれに相応しいキャラってもんがあるの」
にこ先輩の言っていることは分からなくはないけど、それとキャラ作りにはどんな関係があるのか分からないよ。
「しょうがないわね」
そう言ってにこ先輩は立ち上がって後ろを向いて振り向くと──
「にっこにっこに~!」
「あなたのハートににこにこに~! 笑顔届ける矢澤にこにこ~! にこに~って覚えてラブにこ!」
一瞬、世界が止まったような感じがした。
「どう」
「うぅ」
「これは……」
「キャラと言うか」
感想を求めてるけど穂乃果たちはあの強烈なキャラ? の所為で何て言えばいいのか分からないよ。ただ一人を除いて。
「良かった。寒いって言う人はいなかった」
「今、あんた寒いって」
「しまった。口がすべ……ゴフッ」
沙紀ちゃんが何か言おうとしていたけどその前ににこ先輩のパンチが沙紀ちゃんのお腹に綺麗に入って、沙紀ちゃんはそのまま倒れた。
「沙紀ちゃん!!」
「あの拳、あの切れにあの動き。にこ先輩……ただ者ではありません」
「海未ちゃんいまそこ分析するとこ!?」
沙紀ちゃんの心配をするけど誰も沙紀ちゃんのもとに駆け寄らない。
「にこ先輩……。今日二回目ですよ……。また愛を頂きました……ガクッ」
そう言って沙紀ちゃんは気を失っちゃった。しかも何かいま沙紀ちゃん二回目って言ってたし、妙に顔が赤かっかけど気のせいだよね。
「でも、こう言いのいいかも」
「そうですね。お客様を楽しませるための努力は大事です」
気を失った沙紀ちゃんを見てこの人をいま怒らせてはいけないと思ったことりちゃんと海未ちゃんはにこ先輩の機嫌を取ろうとしてる。
だって、いまの沙紀ちゃん白目向いて気を失ってるもん。あんな風にはなりたくないよ。
「よ~し、そのくらい私だって」
アイドルに必要な事なら穂乃果は喜んでやるよ。さっきのにこ先輩みたいな事をやればいいだよね。
そうして穂乃果がにこ先輩の真似をしようとすると──
「ならばここは私がお題を作って穂乃果ちゃんたちにやってもらうしかないね」
気を失ってたはずの沙紀ちゃんが飛び上がるように起き上がってきた。
『復活はやっ!!』
この時も四人のタイミングはバッチリだった。案外すぐににこ先輩と仲良くなれそうな気がする。
4
「沙紀ちゃんすごい顔して気絶したけど大丈夫?」
「大丈夫、私丈夫だから。そんなことよりもこんな楽し……面白そうな事をやろうとしてるなか、うかうかと気絶してられないよ」
「わざわざ言い直した意味がないよ沙紀ちゃん」
起き上がってからの沙紀ちゃんは人が変わったくらいハイテンションで誰にも止められない感じになっている。
もしかして、にこ先輩に殴られたショックでおかしくなってるかもしれないかな。
「チッ、もうちょっと強めに殴っておけば良かった」
何かにこ先輩すごく物騒な事を言ってるけど気にしたらいけない気がするからここは無視しておくよ。
「ならば最初のお題は海未ちゃんにやってもらおうかな」
「何で私なんでですか!!」
突然指名されて驚く海未ちゃん。ホント突然だよね。穂乃果がやるって言ったのに。
「お題は妹キャラで」
「何でですか!!」
「いや、だって海未ちゃんみたいな妹が欲しいと思ったからダメ?」
理由がすごく沙紀ちゃんの私情が入ってるよ。しかもそれしかないよ。
「嫌です。やりたくありません」
「いいじゃん、いいじゃん。ちょっとだけいいから」
「うわぁ、酔っ払ったおじさんみたいな絡み方してるよ」
海未ちゃんの両肩を掴んで耳元でひたすら妹キャラをやってとねだる沙紀ちゃん。
そんな事を続けてるとにこ先輩が立ち上がって──
「うるさい」
頭を思いっ切り叩いた。
「ゴフッ、流石に三回目はきついです」
そう言ってまた気を失う沙紀ちゃん。こう言うとき何て言うんだっけ? え~と、そうだ思い出したよ。自業自得ってやつだね。
「助かりました。ありがとうございますにこ先輩」
「気にしないで何時ものことだから」
何時ものことなんだ……。沙紀ちゃん、にこ先輩に何時もどんなことをやってるんだろう。
「ホント、何時も唐突に変なキャラやりだしたり、告白したり、押し倒そうしたり、一線越えようとしたりするから大変よ」
そう言いながらにこ先輩は沙紀ちゃんを運んで(体格差があるから引きずって)隣の部屋に繋がっている扉を開けてそこに沙紀ちゃんを入れてそのまま扉を閉めた。
「告白したり?」
「押し倒そうしたり?」
「一線越えようとしたり?」
にこ先輩が言った沙紀ちゃんの行動にちょっと理解できないことが入っていて(にこ先輩のさっきの行動もだけど)穂乃果たちはそれぞれ疑問に思った行動を口にする。
一瞬、にこ先輩はしまったみたいな顔をしたけどもういいやと諦めた顔をする。
「あんたたちやっぱり気づいてなかったみたいね。こいつ、百合よ」
「百合? 花の?」
何の事か全然分かんないよ。どう意味か海未ちゃんたちに聞こうとしたら二人とも顔を赤くしていた。
「どうしたの!? 二人ともすごく顔が赤いよ」
「えぇ、まあ。その……」
「うん。そう言われればそう見えるよね」
二人は百合と聞いて何となく恥ずかしそうに納得したみたいに見えるけど穂乃果は全然分かんないよ。
「海未ちゃん、ことりちゃん。百合って何? 何でそんなに恥ずかしそうなの?」
「穂乃果は知らなくていいです。知らない方が幸せです」
「穂乃果ちゃんはそのままでいいんだよ」
そう言って海未ちゃんとことりちゃんは穂乃果を仲間外れにする。もういいもん。沙紀ちゃんに直接聞くから。
「それでにこ先輩。沙紀が言ったようにやった方がいいんですか」
いじけてる穂乃果をほっといて海未ちゃんはにこ先輩にさっき沙紀ちゃんに言われた妹キャラをやった方がいいのか聞いていた。
「いいわよ。そんなことしなくてもにこがあんたたちにアイドルがなんたるか教えてあげるから」
「えっ!? それってもしかして……」
にこ先輩の言葉にいじけていた事を忘れるくらいな事を言ってくれて聞き間違えじゃないか確認する。
「もしかしても何もにこはあんたたちの入部を許可するって言ってるの」
「ホントですかにこ先輩!!」
嬉しさのあまり思わず穂乃果は立ち上がってにこ先輩に顔を近づける。
「何度も言わせないであのライブを見て、あんたたちのスクールアイドルに対するやる気が本物みたいだから入部を許可するのよ」
照れくさそうに入部を許可する理由を言うにこ先輩。
ホント、ライブを諦めて中止にしなくて良かったよ。あのとき花陽ちゃんが来てくれなかったら、きっと諦めてライブを中止にしてきっとにこ先輩にも認められなかったよ。
今度花陽ちゃんに会ったらお礼を言わないと。
「それに沙紀に感謝しなさい。あの子が連れてこなかったらあんたたちなんて素直に入れるつもりなんてなかったんだから!!」
そうだね。沙紀ちゃんも色々と頑張ってくれたし、それににこ先輩に何時も穂乃果たちの事を言ってくれたみたいだから起きたらお礼を言わないとね。
「沙紀の事を信頼してるのですね」
「もしかしたらにこ先輩も沙紀ちゃんと同じかもしれないかも」
ボソッと海未ちゃんの耳元で何か言ってることりちゃん。
「違うわよ。そんなんじゃないから!!」
穂乃果は聞こえなかったけどにこ先輩には聞こえていたみたいで何かを否定してる。ことりちゃん一体何を言ったの?
「とにかく、アイドルって言うのは笑顔を見せる仕事じゃない、笑顔にさせる仕事なのよ! 分かった!!」
『はい!! よろしくお願いします部長』
穂乃果たちは立ち上がってこれから一緒にスクールアイドルをやっていくにこ先輩によろしくと言う意味を込めて頭を下げる。
「じゃあ、着替えて練習行くわよ」
そうして、穂乃果たちはにこ先輩と一緒に着替えて練習場所の屋上に向かった。
5
そんなわけで穂乃果たちはにこ先輩に認められて一緒に屋上でにこ先輩のキャラ? と言うか持ちネタのにっこにっこに~をやって今日の練習は終わった。
「それにしてもにこ先輩は悪い人じゃなくって良かったですね」
練習が終わって三人で帰ってると海未ちゃんがそんなことを言う。
「そうだね。なかなか個性が強そうな人だけど、アイドルが大好きって言うのは言葉や練習を見てても伝わるし沙紀ちゃんも尊敬するだけのことはあるよ」
うんうん。分かるよ。にこ先輩のそう言うところがあるから沙紀ちゃんも穂乃果たちと同じようにお手伝いしてくれるだよね。
「何はともあれ結果的に穂乃果たちは部活として活動できるんだからOKだよね。ホント、紹介してくれた沙紀ちゃん感謝しないとね」
これで堂々と学校で活動できるんだから生徒会長にも文句は言われそうにないし、雨の日でも練習できるし、良いことずくめだよ。
「おっ、そうだった。沙紀ちゃんと言えば、今日アイスをおごってもらうんだった。あと、百合について教えてもらわないと」
今日のお昼に沙紀ちゃんのお詫びとしてアイスを奢ってもらう約束と今日話に出てた百合について事を思い出したよ。
「百合についてはあまり触れてあげない方が沙紀にも穂乃果にも幸せだと思いますが」
「もう無理だよ海未ちゃん。完全に穂乃果ちゃんは聞く気満々だもん」
海未ちゃんとことりちゃんは穂乃果が百合について聞くのをすごく躊躇ってるけど、気にしないよ。だって教えてくれなかったし。
「そんなわけで沙紀ちゃん!! アイス買いにいこ!! そして教えて!!」
沙紀ちゃんが居るであろう方を向くけどそこには誰もいなかった。
「あれ? 沙紀ちゃん? 一緒に帰ってたよね?」
「そうだと思いますが、もしかしてにこ先輩と一緒に帰ったかもしれません」
てっきり一緒に帰っていると思ったけどにこ先輩と一緒に帰ってたかな。そんな記憶全然ないけど。
「そもそも練習のとき沙紀ちゃん居た?」
『あっ!!』
ことりちゃんにそう言われて穂乃果と海未ちゃんは思い出したよ。練習のとき沙紀ちゃんが居なかったことに。
「じゃあ、待って。いつから沙紀ちゃん居なかった?」
今日、アイドル研究部の部室に行ってからの出来事を思い出しながら沙紀ちゃんが何時から居なかったかを思い出すと──
『あっ!!』
にこ先輩に殴られたあと、隣の部屋に忘れ去られたことを思い出した。
「どうする? 今から探しに戻る?」
「多分、もう起きて帰っているじゃないでしょうか。確信はありませんけど」
「でももう学校鍵掛かってるんじゃないの?」
時間を確認するともう6時過ぎて流石に校門は閉まっている時間だからもう無理だよね。
「きっと、先生方が見つけて帰してくれますよ」
「そうだね」
なんて、無責任な事を言って穂乃果たちはとりあえず帰ることにした。
そして、その次の日。
アイドル研究部の部室に行くと凄く大泣きした沙紀ちゃんが見つかった。
先ににこ加入回。
これも沙紀が居るからこそってことで。
バトル物じゃないのに三回も気絶させられて大好きな先輩に性癖を暴露されてさらに学校に置いていかれる主人公がいるらしい。
まあ、そんなことは今は置いておいて(置いといちゃダメだけど)これでにこもメンバー入りを果たすわけですけど、次は一体どうなることやら。
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