ラブライブ! 委員長はアイドル研究部のマネージャー   作:タトバリンクス

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メリークリスマス

そんなわけでお楽しみください。


四十一話 学園祭

 1

 

 学園祭当日──私は屋上の階段でμ'sのみんなと一緒にいると、ある問題が発生してた。

 

「うわぁ~、すごい雨」

 

「お客さん全然いない」

 

 凛ちゃんと花陽ちゃんが屋上の入口から顔を覗かせて、外の様子を口にする。

 

 運の悪いことに今日は雨で、そのせいでライブ会場である屋上にはお客さんは誰もいなかった。

 

「この雨だもん、しょうがないわ」

 

「私たちの歌声でお客さんを集めるしかないわね」

 

「そう言われると燃えてくるわね」

 

「その意気ですにこ先輩、そのまま真白になるまでどんどん燃え上がってください」

 

「それ燃え尽きてるわよね!?」

 

 雨が降ってようが関係なく、何時ものように自分たちができる最大限のことをする気持ちでいるにこ先輩たちを見て、私は安心する。

 

「でもライブ中はいつも以上に足下には気を付けてね」

 

 念のために私はみんなに注意をしておく。

 

 一応ライブが始まるまでは、シートを敷いて簡易ステージが雨で濡れないようにしている。

 

 ただこの雨の様子だと、ライブ中もずっと降ってると思うから足下が濡れてステージ全体が滑りやすくなって、怪我に繋がることがあるかもしれないから。

 

「そうね、特に最初の曲は激しい動きが多いからみんな注意しましょう」

 

 私が言いたいことが理解してくれたのか絵里ちゃんはみんなにさらに注意を促してくれた。

 

「どうしたの沙紀? 笑顔で私を見て」

 

「何かこういうときって絵里ちゃんは頼りになるよねって思ったんだよね」

 

「何よ……急に……褒めても何もないわよ」

 

 急に褒められてちょっと恥ずかしそうにする絵里ちゃんを見て私は──

 

「可愛くて抱き付きたい……むしろ無茶苦茶にして辱しめたいと思ってしまった」

 

「いやいや、思ってしまったじゃないわよ、思いっきり口にしてるわよ」

 

「あれっ? 私に出してました? ウソ!? 待って、今の無しで!!」

 

 にこ先輩に指摘されると私は慌てて、さっきのことをなかったようにしようとするがもう遅い。周りの目線がとても冷たく痛かった。

 

「なんというか……」

 

「色々と台無しだにゃ~……」

 

「ぐっ……」

 

 その言葉に私の心にクリティカルヒットする。

 

「とにかくみんなライブ中は何時もより気をつけてやること以上!!」

 

「無理矢理誤魔化したわね」

 

 結局この空気に耐えきれず、自分が伝えたかったことだけ伝えて、私はさっさとその場から逃げ出す。後ろから真姫ちゃんの呆れた声が聞こえたけど気にしない。

 

 そのまま私は急ぐように階段を下りていくと、海未ちゃんとことりちゃんが何やら話してる姿が見えたから立ち止まる。

 

「本当にいいのですか」

 

「うん……本番直前にそんな話をしたら穂乃果ちゃんにもみんなにも悪いよ」

 

 話の内容を察するにどうやらことりちゃんの留学の話をしてたみたい。

 

「でも今日がリミットなのでしょう」

 

「うん、ライブが終わったら私から話す……みんなにも穂乃果ちゃんにも」

 

 昨日私に電話したときと変わらず、ライブが終わったら他のメンバーにも話すつもりらしい。

 

 そのことを海未ちゃんに伝えて、ことりちゃんはゆっくりと階段を下りていき、その場を離れていった。

 

「さっきの話……沙紀は聞きましたか?」

 

 一人取り残された海未ちゃんは、私に気づいていたみたいで、私の方を向いてそう聞いてきた。

 

「うん……昨日ね」

 

「そうですか……ことりはちゃんと沙紀にも伝えたのですね」

 

「話を聞いてる限り、ことりちゃんはあまり行きたがってない感じがしたけど」

 

「やはり沙紀もそう感じましたか、どうやら私の勘違いではないみたいですね」

 

 その反応からどうやら海未ちゃんもことりちゃんの話を聞いてそう感じたらしい。

 

「海未ちゃん的には、どっちがことりちゃんのためになると思うの?」

 

「私には分かりません……どちらがことりのためになるのかなんて……」

 

「そう……」

 

 私は海未ちゃんに質問しておいてそう答えることしかできなかった。

 

 確かにどっちがことりちゃんのためになるかなんて考えたら、どっちが良いのかなんて答えを出すのが難しいよね。

 

「もし……穂乃果がその話を聞いたら何と言うのでしょうか?」

 

 海未ちゃんはここにはいないもう一人の幼馴染の名前を口にした。

 

「何て答えるんだろうね、でもその答えもライブが終わったらハッキリとすると思うよ」

 

 ことりちゃんはライブが終わったら話すつもりでいるから、そのときになったら、その質問の答えが分かると思う。

 

「そうですね……今はライブに集中しなければ」

 

 海未ちゃんは内心まだ複雑そうな雰囲気はあるけど、もうすぐ始まるライブに気持ちを切り替えようとする。

 

「辛いとは思うけど頑張って、私も応援してるから」

 

 私はそれだけ伝えて、再び階段を下り始めていく。

 

 一先ずは今からことに集中して、これからのことについてどうするのか何て後で考えればいい。

 

「そういえば穂乃果ちゃんを見てないけど、どこにいるの?」

 

 さっき海未ちゃんの口から穂乃果ちゃんの名前を聞いて、ふと私はそんな質問をする。

 

「そういえば今日はまだ会ってませんね」

 

「まさか……寝坊なんてないよね?」

 

 何時も一緒に学校に通ってる海未ちゃんが不安なことを口にするから、あまり考えてたくない可能性を口にする。

 

 さすがにこんな大事な日に限って、そんなことはないよね。そうだと言って欲しい。

 

「……有り得るかもしれません」

 

「マジですか……」

 

 海未ちゃんがとても残念そうにそう言うので、私は戸惑ってしまう。

 

「今から電話して確認します」

 

「じゃあ……私は校内の見回りがてら穂乃果ちゃんを探してみるね、もしかしたら来てるかもしれないし」

 

 このあと実行委員長として校内の見回りをするつもりだったから、もし穂乃果ちゃんが校内にいるのなら、その方が効率がいい。

 

「お願いします、私も穂乃果の居場所が分かり次第、沙紀に連絡します」

 

「分かったよ、私も見つけたら部室に連れてくるから、あと一応ライブ直前には部室に行くね」

 

 ライブ直前に少し慌ただしくなりながら、私は校内の見回りをして穂乃果ちゃんを探すことになった。

 

 2

 

「お化け屋敷はあちらの階段を上がって、右から二つ目の教室です」

 

 私は学園祭に来てた二人組の中学生に実行委員長として道を教えていた。

 

「ありがとうございます」

 

「どういたしまして、うちの学園祭を楽しんでいってくださいね」

 

 中学生のお礼を言われて笑顔でそう言う。本当は穂乃果ちゃんを探したいんだけど、これも実行委員長の仕事だから無下に出来ない。

 

「あとこれから屋上で、この学校のスクールアイドルのライブが始まるので、良かったら見に来てくださいね」

 

 もちろんμ'sのライブの宣伝も忘れない。こういうところでお客さんを増やすしていかないと。

 

「ホントですか、先にそっちに行こっか」

 

「うん、そうだね、ありがとうございます、先にそっちに行ってみますね」

 

 どうやらライブに興味を持ってくれたらしく、中学生は私に再びお礼を言って、楽しそうに校内を歩いていった。

 

 私も再び校内の見回り兼穂乃果ちゃん捜索を続けようと歩き始めた。

 

 今のところは校内に異常はなしで、実行委員長としての私は一安心だけど、いまだに穂乃果ちゃんを見つけられないからマネージャーとしての私は心配しかない。

 

 ライブまだもう時間がないし、そろそろみんなの様子を見に部室に行こうかな。

 

 そんなことを考えてると、私の携帯からバイブ音が聞こえてポケットから携帯を取り出す。

 

 携帯の画面を確認すると、海未ちゃんからメッセージで『穂乃果と連絡が着きました。今は部室にいます』と書かれてた。

 

 そのメッセージを見て、穂乃果ちゃんが無事に学校に来てたことに私は一安心して、私は海未ちゃんにメッセージを送り返す。

 

『了解、今から部室に向かうね』

 

 私は携帯をポケットに入れて、みんなの様子を見に行くために部室に向かう。

 

 良かった。無事に穂乃果ちゃんは学校に着けて、それにしても何で穂乃果ちゃんは来るの遅れたのかな。まあ着いたら聞けばいいよね。

 

 もしかしら海未ちゃんの言う通り寝坊したなんてのも有り得るかも。

 

 色々と考えながら私は階段を下りようとすると──

 

「これは刺激的なことが起きそう」

 

 すれ違い様にそう呟く女の子の声を聞こえて私はすぐさま後ろを振り返る。

 

 しかし、振り返ると私の後ろには誰もいなく、階段を上がっていく音が聞こえると、直ぐ様再び階段を駆け上がっていき、声の主を追いかける。

 

 まさか……、あの子がそんなわけが……。

 

 私はあの子がここにいることに戸惑いを感じながら階段を駆け上がっていくが、あの子の姿が一向に見えず、気づいたら屋上の入口まで辿り着いていた。

 

「私の聞き間違い……」

 

 いや明らかにあの声、あの口癖、絶対に間違えるはずがない。

 

 あの子が何をしにここへ来たのかは分からないけど、そもそも昔からあの子は何を考えてるのか何て……。

 

「もしかしたらこの先に……」

 

 私は屋上への入口を開いて外を確認すると、そこにはすでにμ'sのライブを見ようとして集まったお客さんが多くいた。

 

 私は雨が降っていることを気にせず、そのまま屋上に出てあの子を探し始める。

 

 雨が降っているせいでお客さんはみんな傘をさして後ろ姿では判断できず、探すのに手間取ってしまう。

 

 どこに……そもそもどうしてあの子が……何て色々と疑問に思いながら探してると──

 

「みなさん、こんにちは」

 

 簡易ステージの方から元気な声が聞こえて、私はステージの方を向くと、μ'sのみんながそこに立っていた。

 

 どうやら私があの子に探すのに夢中になってる間に、ライブの時間になってたみたい。

 

 穂乃果ちゃんがお客さんに向けて挨拶をしてから、少しすると曲が流れ始めて、μ'sのみんなが元気よく踊り始める。

 

 さっきより雨が強くなって、もう既にステージには水溜まりが出来ているが、みんな問題なく踊っている。

 

 今のところは問題はなさそうだね。良かった。

 

 曲が終わりに差し掛かってみんなの様子を見て安心をしたので、私は再びあの子を探し始めようと目を離すと同時に曲が終わるそのときだった。

 

 ステージの方から何かが倒れるような音が聞こえて、私は恐る恐るステージの方を見ると──

 

 穂乃果ちゃんがステージの上で倒れていた。

 

「えっ?」

 

 私は突然の状況に一瞬思考が停止してしまう。

 

「穂乃果!!」

 

 体感で数分経ったくらいに海未ちゃんが穂乃果ちゃんを呼ぶ声に、私は我に返り、その場走り出してステージの──μ'sのみんなが居るところへ向かった。

 

「穂乃果ちゃん!!」

 

 大きな声を出しながらステージに上り、穂乃果ちゃんを抱き抱えると、その体はとても熱かった。

 

「すごい熱!!」

 

 まさか、熱があるのにこの雨の中ライブをしてたの。何で……。

 

「次の……曲……」

 

 ボソッと穂乃果ちゃんの口から何かが聞こえた。

 

「せっかくここまで……来たんだから……」

 

 朦朧する意識の中苦しそうな声で、まだ踊ろうとする穂乃果ちゃんを抱き締め、他のみんなが何か動いてるなか私は──

 

 何で何時も大事なときにこんなことになるの。

 

 そう心の中で強く思った。




そんなわけでこの話が来てしまいました。

果たして沙紀はμ'sはこれからどうなってしまうのか。お楽しみに。

何か感想などありましたら気軽にどうぞ。

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