【5月14日 日曜日 午前9時30分】
◎秋葉原駅◎
「よーし、今日は記録会だ。さらにタイム更新するぞー」
「でもよかったね。今日の記録会は組数が少なくて午後から開始だからいつもより遅くていいなんて」
「だよな~。今年最初のなんて午前8時半開始だったから、めちゃくちゃ早く行かなきゃならなかったよな」
ジョータ・ジョージ・平田が話しながら、そして王子が音楽プレーヤーで音楽を聴きながら駅の改札前に集まっていた。
今日は高校インターハイ路線の東京都大会、そして東京体育大学の記録会の日となった。
インターハイ組は、今日は高志が出場する3000m障害が、翌週にはハイジ・ムサ・ユキが出場する5000mが行われるため、4人は試合会場の「駒沢オリンピック公園陸上競技場」へ行っている。
それ以外の、先月支部予選敗退となった平田を含めた5人は東京体育大学の記録会の5000mに出場することになっている。
4人は現在、カケルの到着を待っていた。
「今日の試合、俺ら3人同じ組っすね」
「先輩には負けないっすよ」
「おう。かかってきやがれ」
(・・・だが、陸上歴1ヶ月のこいつらに負けたらカッコ悪いよな・・・)
宣戦布告する双子に平田は返事を返すが、少し不安にもなっていた。
「お~い、みんな~!」
「「「ん?」」」
その時、誰かの呼ぶ声が聞こえた。
ジョータ・ジョージ・平田は声のする方を向くと、真姫・花陽・凛の3人がジャージ姿でやってきた。
王子も3人の姿を見つけ、イヤホンを外す。
よく見ると、花陽が眼鏡を掛けていないことに気付いた。
「おはよう!ジョータ君、ジョージ君、王子君」
「おはよう、みんな」
「お・・おはよう」
凛・花陽・真姫が順に挨拶をする。
「3人とも、どうしてここに?」
ジョータが訊ねる。
「実は昨日、穂乃果先輩たちが駅伝部の付き添いに行くって言ってたんだにゃ」
「それで、私たちも行こうって話になって」
「私は別にいいって言ったんだけど・・・」
凛・花陽・真姫が答えると、ジョータ・ジョージは目を輝かせた。
「本当!?やったー!」
「今日もマネージャーが来てくれたよ!」
ジョータとジョージはあまりの嬉しさにピョンピョン飛び跳ねながら喜んだ。
「お前らもしかして、あのアイドルグループの新メンバーか?そういえばお前ら2人、ライブ見に来てたよな?」
平田は真姫たち3人に訊ね凛と花陽をジッと見つめるが、3人とも彼の強面を見て少し恐がっているようだった。
花陽に至っては、真姫の影に隠れようとしているように見えた。
「大丈夫だよ3人とも。平田先輩はこんな見た目だけど気のいい先輩だから」
3人の様子を見てジョータが優しく声を掛ける。
「平田先輩、恐がらせちゃダメですよ」
「いや、俺はそんなつもりじゃ」
ジョージに咎められ平田は首を振って否定する。
「あ、あの・・・ごめんなさい」
「いや、気にすることはねえよ。警戒されるのには慣れてるからよ」
花陽が謝罪し平田が返事を返す。
「はじめまして、小泉花陽といいます」
「星空凛です」
「西木野真姫です」
「「「よろしくお願いします」」」
3人は揃って自己紹介をし一礼をする。
「おう。俺は3年の平田彰宏だ。以後よろしく」
平田は笑顔で返し、3人とも安心したように微笑み返した。
「そういえば小泉さん。眼鏡はどうしたの?」
王子が訊ねる。
「昨日からコンタクトにしてみたの。変かな?」
「ううん。よく似合ってるよ」
「うん!小泉さん、とってもかわいいよ!」
「さらにアイドルっぽくなったじゃない」
「凛はこっちのかよちんも好きだよ」
「えへへ。みんなありがとう」
王子・ジョータ・ジョージ・凛に褒められ、花陽は嬉しそうに微笑みながらお礼を言った。
すると真姫が突然、顔を赤くしながら花陽と凛に対して口を開いた。
「ね、ねえ・・・昨日から言いたかったんだけど・・・眼鏡とったついでに・・・私のこと、名前で呼んでよ。私も、名前で呼ぶから。花陽、凛」
真姫はこんなお願いをしてきた。
どうやらµ’sに入ったことで、少しばかり素直になれたようだった。
「うん!よろしくね真姫ちゃん!」
花陽は嬉しそうに微笑みながら名前を呼んだ。
「真姫ちゃ~ん!真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃ~ん!」
一方凛は嬉しそうにはしゃいで真姫の名前を連呼しながら彼女にくっつき始めた。
「も、もう・・うるさいっ!」
真姫は恥ずかしそうに顔を赤らめるがどこかまんざらでもなさそうな表情だった。
「「「あははははは」」」
その様子を見てジョータ・ジョージ・王子は楽しそうに笑いだした。
「西木野さん照れてる照れてる~」
「て・・照れてなんかないわよ!」
ジョージが茶々を入れ、真姫はムキになって言葉を返す。
そんな彼女たちの様子を、平田は微笑ましそうに眺めていた。
(みんな、仲が良くて幸せそうだな・・・・・・・もしあいつがいたら・・・仲良くできたかな・・・・)
「じゃあ俺たちも、みんなのこと名前で呼ぶね。よろしく、真姫ちゃん!」
「よろしく、凛ちゃん!」
「よろしくね、花陽ちゃん」
ジョータ・ジョージ・王子がそれぞれ名前を呼ぶ。
「うん!よろしくにゃ~!えーと…ジョータ君?…ジョージ君?」
凛は双子を見て混乱し始めた。
顔なじみではあるが、まだどっちが誰か判断できずにいた。
「そういうときは、このホクロで判断すればいいよ」
ジョータは正面から見て右の目の下のホクロを指しながら言う。
「このホクロがあるのが俺、ジョータね」
「ないのが俺、ジョージね」
「分かったわ。よ、よろしくね…ジョータ」
「よろしくにゃ~、ジョージ君」
「よろしくね、茜君」
双子の説明を聞き、真姫・凛・花陽は改めて呼び返した。
「はぁ・・はぁ・・すまん!遅くなった!」
「みんな!おはよう~!」
すると、カケルと穂乃果が揃って走ってやってきた。
「「「おはようございます!カケルさん!穂乃果さん!」
「「「おはようございます」」」
ジョータジョージ・・王子が揃って挨拶をし、真姫・凛・花陽も挨拶をする。
「遅ぇぞカケル」
平田が言う。
「すいません。穂乃果の奴が寝坊してしまって」
「ごめんなさ~い」
「それで、待っててあげてたんですね」
「でもいいっすね~、一人暮らしなうえにお互いすぐ近くに住んでるなんて」
ジョータ・ジョージが言う。
カケルが穂乃果の家のすぐそばのアパートで一人暮らしをしていることは、すでに駅伝部員とµ’sメンバー全員に知れ渡っていた。
「これで全員か。それじゃあ早いとこ、試合会場に行くぞ」
「「「はい!」」」
平田は最上級生として全員に声を掛け、一同は駅の改札をくぐる。
ちなみに海未とことりは高志のサポートをするためにインターハイ組の方へ行っていた。
「真姫ちゃん。今日は俺頑張ってくるから、応援とサポートよろしくね」
ホームに向かって歩きながらジョータが言う。
「ま、まぁ・・あなたにはこの前お世話になったもんね。いいわ。今日は精一杯応援してあげるから、その・・・頑張んなさいよ」
「うん!もちろん!」
真姫が少し恥ずかしそうにしながら檄を飛ばし、それを受けたジョータは満面の笑みで返事を返す。
「じゃあ凛はジョージ君のサポートをするにゃ~」
「ありがとう!俺、頑張るよ!」
「じゃあ、茜君には私が」
「うん。よろしくね」
2人の様子を見て凛も花陽もやる気になっていた。
「お・・俺もいるぞ・・・」
平田がさみしそうに呟く。
「よかったな穂乃果。新しい仲間が出来て」
「うん!3人が入ってきてくれてさらに賑やかになったよ!」
カケルが言うと穂乃果が嬉しそうに答える。
(どうやら、守るべきものが増えたな)
カケルも嬉しそうな表情をしながら思った。
一同は最寄り駅に到着し、平田を先頭に東京体育大学に向かって歩き出した。
「カケル君は今日はどれぐらいで走るの?」
「そうだな。14分半は切りたいかな」
「さすがカケルさんですね。俺もそのぐらいで走れるようになりてー」
「ねえねえ、駅伝部って毎日どのくらい走ってるの?教えてほしいにゃ」
「そうだね。練習内容にもよるけど朝練でほぼ毎日10kmは走って、さらに午後練もあるから平均して20kmは走ってるかな」
「に、20kmを毎日・・・すごいです」
「そりゃあ、長い距離を走るのが長距離選手なんだからあたりまえよ」
「そう、真姫ちゃんの言う通り、日々の積み重ねが大事なんだよ」
カケル・穂乃果、そして1年生たちが談笑し合い、みんなの前を平田が歩いていた。
(うちの部も、ずいぶんと賑やかになったもんだな。)
みんなの会話を聞いて平田は思った。
すると一同は途中で、とあるアパートの前に止まっている一台のバンから、男性2人が一人暮らし用の冷蔵庫を運ぼうとしているのを見かけた。
その様子を1人の若い女性が心配そうに見守っており、どうやら男性たちは女性の引越の手伝いをしているようだった。
しかし冷蔵庫が重いのか、2人がかりでもなかなか上手く持ち上げられずにいた。
「二人とも大丈夫!?」
「うぅ・・ぐぐぐ・・・ダメだ!上手く持ち上がらない!」
「くそ・・思ったよりも重いぞこれ」
「なんか大変そうだね」
「手伝ってあげたほうがいいかな?」
その様子を見ながら穂乃果・ジョータが心配そうに呟くと、突然平田が口を開いた。
「よし。ここは俺に任せろ」
平田はやる気に満ちた声でそう言うとバンのもとへと向かっていった。
「ひ、平田先輩!?」
「大丈夫かにゃ~?」
一同は心配そうに平田の背中を見つめる。
「失礼します。こいつは俺に任せてください」
平田はそう言って1人で冷蔵庫に手をかけた。
「ええっ!?君、1人で運ぶ気かい!?」
「あぶないよ!これ相当重たいよ!」
男性2人が注意するが、平田は腕に力を込め始めた。
「オラァッ!!」
すると平田は雄叫びを上げながらその冷蔵庫を軽々と持ち上げてしまった。
「うわぁ!!」
「こ、これはすごい!」
男性2人は驚きの声を上げた。
「うわぁ~」
「すっごいにゃ~」
「「平田先輩すげー!」」
カケルたち8人もその様子を見て感嘆していた。
「これは、どこに運べばいいですか?」
平田は女性に訊ねるが、その表情は重いものを担いでいる辛さを感じさせない余裕の表情だった。
「あ、はい!こちらです!」
女性は声を掛けられるとすぐに部屋へ案内し平田も冷蔵庫を抱えながら後に続いた。
運び込みを終えると、一同は再び大学へ向け歩き出していた。
「わ~い浮いた浮いた!」
「平田先輩力持ちだにゃ~」
「へへっ、まだまだ余裕だぜ」
その途中、平田が左右それぞれの腕に掴まっている穂乃果と凛を、腕を上げ下げして持ち上げていた。
「本当にすごいパワーですね」
「ホントですよ。あんなに重そうなもの担いでたのに全然キツそうじゃなかったっすもんね」
カケル・ジョータが感心しながら言う。
「まぁ、一応工務店の息子だからな。ガキの頃から仕事の手伝いで鍛えられてきたんだよ」
平田が答える。
「平田先輩、ちょっと腕に力入れてもらっていいですか?」
「ああ。いいぞ。・・・ヌンッ!!」
ジョージに言われると、平田は腕まくりをして両腕の肘を曲げて力を入れ、見事に発達した筋肉を披露した。
「うわぁ~すごい筋肉!」
「ムッキムキだにゃ~。ほら、かよちんもさわってみて」
「ええっ?し、失礼します・・・あ、すごいです」
穂乃果・凛・花陽はすっかり興味津々になりペタペタと平田の腕を触り始めた。
「まったくみんな、はしゃぎ過ぎよ・・」
真姫がその様子を見てため息交じりに言う。
「でも、平田先輩もまんざらじゃなさそうだよ」
「ああ。みんなに受け入れられて嬉しいんだろうな」
ジョータとカケルが平田の気分良さげな表情を見ながら言う。
(なんか・・・女子にこんな風に興味を持ってもらえるなんて・・・初めてだな)
尚もペタペタと腕を触られながら平田は思った。
◎東京体育大学:陸上競技場◎
いよいよ王子の組の試合開始時間の10分前となった。
今日の記録会は、13時から18時過ぎまで全16組が出走する。
王子は13時からの第1組目
ジョータ・ジョージ・平田は13時50分からの第3組目
そしてカケルは17時30分からの第14組目での出走となっている。
王子はスタート地点付近でカケルと花陽に付き添われながらユニフォーム姿になりストレッチをしていた。
「王子。調子はどうだ?」
「まあまあですよ。前回よりは確実にいいですね」
「とにかく選手にしっかり食らいつけ。お前は前回一度どん底を経験しているんだから、ある意味気が楽になってるだろう」
「まぁ、そうですね。とりあえず行けるところまで行ってみます」
そう言って王子はスタート地点に向かおうとした。
「あ、あの・・・茜君」
すると花陽が呼び止めた。
「花陽ちゃん?」
「が・・頑張ってね茜君。ゴールで待ってるから」
花陽は王子に優しく微笑みながらエールを送った。
「うん!行ってきます!」
王子は笑顔で手を振りながらスタート地点へ向かった。
「小泉さん。しっかり王子のこと、応援してやってくれ」
「は、はい!」
王子の背中を見送る花陽にカケルが声を掛けた。
「位置について!」
パーーーーーーーン
スタートの号砲が鳴り各選手が一斉に飛び出した。
「王子ファイトー!」
「王子君頑張れ~!」
コースの外側で双子・穂乃果・凛・真姫が大きな声で声援を送る。
平田は別の地点でビデオカメラで撮影を行っている。
やがて半分を過ぎたが、王子はやはり最後尾の位置となっていた。
表情も歪んでおり苦しそうだった。
(王子、前回よりは状態はマシだけど・・・やっぱりキツそうだな)
王子の走りを見ながらカケルは思った。
「王子君しっかり~!」
「しっかり前を追いなさい!」
「ファイトー!」
「王子まだ行けるよ~!」
「あきらめんな~!」
みんなそれぞれ声を掛けるがやはり相変わらず苦しそうだった。
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
(ダメだ、キツイよ~・・・ちょっとは強くなれたと思ったけど、やっぱり僕の力なんてこんなもんだよ・・・)
「茜君!頑張れーー!」
その時、大きな声で一生懸命声援を送る花陽の姿が目に入った。
(花陽ちゃん・・・そうだ!花陽ちゃんが見てる!これ以上格好悪い姿見せちゃいけないな)
王子は気持ちを奮い立たせ、諦めずに前の選手を追っていった。
やがて王子は20分11秒のタイムでフィニッシュした。
最後の直線で1人の選手を抜き、なんとか最下位は免れた。
「茜君!」
「ハァ・・ハァ・・花陽ちゃん・・」
ばったりと倒れ込む王子に花陽が駆け寄った。
「お疲れさま」
花陽は微笑みながら手を差し出し王子を労った。
王子は手を掴むとゆっくりと起き上がった。
「花陽ちゃんの声、しっかりと聞こえたよ。ありがとう・・おっととと!」
「あっ!茜君、大丈夫!?」
「ご・・ごめん花陽ちゃん」
王子は疲労からフラフラになっており、花陽に身体を支えられながらゴール地点を後にした。
その様子を、一緒に迎えに来たカケルが見守っていた。
(お疲れ王子。よかったな、応援してくれる人が出来て)
続いてジョータ・ジョージ・平田の出走時間が近づき、3人も準備に入っていた。
お昼過ぎという時間帯のため、少し気温が上がり始めていた。
「あっちいなぁ~」
ジョータがユニフォーム姿でストレッチをしながら呟いた。
「はい」
すると真姫がジョータに給水ボトルを差し出した。
「暑いんだから、水分はしっかり摂っときなさい」
「真姫ちゃん・・・ありがとう!」
「べ、別に・・・ただ、ここに来たからには何かマネージャーっぽいことしなきゃって思っただけよ」
笑顔でお礼を言うジョータに真姫はツンとしながら答える。
一方凛は足を開いて座るジョージの背中を押し、彼のストレッチを手伝っていた。
「このくらいでどうかにゃ?ジョージ君」
「うん。ちょうどいいよ」
「今日は頑張ってね。応援してるにゃ~」
「うん!頑張るにゃ~!」
凛の言葉にジョージは同じ語尾で返し、2人で笑いあっていた。
「ちぇっ、うらやましいぞチクショウ」
それぞれの様子を見ながら平田が呟く。
そしてレースがスタートした。
3人とも揃って先頭集団に食らいついており、勝負は接戦となっていた。
(このペースだとだいたい16分10秒から20秒くらいか。しかしあの双子の成長率はすごいなぁ・・)
ビデオカメラで撮影中のカケルは3人の走りを分析していた。
やがて残り1kmに差し掛かった。
すると双子が少しきつそうな表情になり、先輩の平田から少し遅れだしていた。
「ジョータ、まだいけるわよ!」
「ジョージ君ファイトー」
真姫と凛が檄を飛ばす。
2人の声を聞くとジョータとジョージは再びしっかり前を見据え選手を追っていった。
「はぁ・・はぁ・・」
「平田先輩!余裕持ってしっかり前見て走って!」
双子の前を走る平田にカケルが声を掛ける。
平田はチラリと自分の時計を見た。
(このペース、前回のレースとあんま変わんねえじゃねえかよ・・)
平田は心の中で毒つく。
そしてラスト1周に差し掛かった。
(この1周でスパートかければ一気に変わる・・・あぁダメだ・・・もうキツイ)
平田はスパートの余力もなくなっていた。
(とりあえずこのまま無難にゴールして・・・!!)
すると双子が猛然とラストスパートをかけて一気に平田に追いついてきた。
(や、やべぇ!・・くそ!)
平田も負けじとスパートをかける。
(ハァ・・ハァ・・先輩として、そう簡単に負けるわけにはいかねえんだ!)
3人とも並ぶような形でラスト200mを駆け抜け、そしてフィニッシュした。
結果は平田が最後に双子を振り切り、16分23秒でフィニッシュした。
続いてジョータが16分25秒、ジョージが16分26秒となった。
「ゼェ・・ゼェ・・先輩お疲れっす・・」
「ハァ・・ハァ・・おう・・お疲れ・・」
3人とも力を出し切り息を切らしながらゴール地点を離れる。
「お疲れさまー!」
「お、お疲れ」
「あ、真姫ちゃん!」
「凛ちゃん!」
すると凛と真姫が3人を迎えに来た。
「惜しかったわね、ジョータ」
「うん。負けたのは悔しいけどベスト出せてよかったよ」
「ジョージ君、ナイスランだったにゃー」
「えへへっ、ありがとう」
真姫と凛はそれぞれ声を掛ける。
(俺はさっさと退散するか)
「平田先輩も、お疲れさまです」
すると真姫がその場を後にしようとする平田に労いの言葉を掛けながら給水ボトルを渡した。
「お、おう!サンキュー!」
平田はお礼を言いながらボトルを受け取った。
そして、今日の試合を振り返りながら水を口に含みみんなと共に歩き出した。
(しかしあぶなかったなぁ・・・このままだとやがて2人に抜かれちまうな・・・先輩としてもっとしっかりしねえとな・・・)
思ったより長くなったので分けました。
次回はカケルと高志の試合です!