俺が攻略対象とかありえねぇ……   作:メガネ愛好者

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メガネ愛好者です

少し遅くれての投稿となります
そもそも投稿すること自体遅くなってしまいました
ゲームばかりやっているせいで書く時間が減ってしまったのは申し訳ないと思ってるんです
でもしょうがないですよね?ゲーム楽しいんですもん!
……え? 駄目? ……はい、知ってます。すいませんでした……

四糸乃編と言ったからといって美九を出さないと誰が決めた!そんなお話

それでは


第二章 『謎の存在・堕天使降臨』
第一話 「彼女は何か抱えてる? 知ってる」


 

 

 翌日、俺は再びミクの住まう屋敷にやってきた

 ……いや別にあの続きがしたいとかそういうことじゃねーからな? 前世の俺だったらいざ知れ——いや、そうでもないかも。多分ヘタレる

 何せ俺はボッチだったんだ。そんな俺に異性と接点があるはずがなかろうて。……妹は除くがな

 これっぽっちも付き合いがなかった俺が異性と対面したとしても、どう対応したらいいのかわからずに尻込みしてしまっていたはずだ。ヘタレと言われても仕方がないレベルかと

 いわば「ヘタレ力たったの5か、ゴミめ」——って感じだろう。何も誇れるもんじゃないけどさ

 

 ——あれ? この場合は高い方がいいのか? これじゃヘタレじゃないやんけ

 

 そんな俺だったが、精霊に——女になってからは異性に対する対応で気にするようなことが無くなった

 以前にも言ったが、今の俺は恋愛感情が良くわからない——いわば”無性愛者”みたいな感じになっているんだ

 可愛いとかカッコいいとかは思っても、そこから先には発展しない。そもそも何を基準に好きだと言えるのかがわからんのだ。最早ヘタレを通り越して枯れてると言われても過言じゃない。……だらけて過ごしたいって願う時点で枯れてるわな

 

 まぁいいか。だから何だと言われればそれまでの話だしね。別に不便なこともないから今は気にする必要もないだろう

 とにかくだ。別に俺はミクに対してやましいことなと一切考えていない。あっても成長したなーって感じに妹の成長を喜んでいるぐらいだ

 まぁ……確かにあの変わりようには驚きはしたけどさ

 

 とりあえず俺はミクの屋敷の庭にお邪魔し、窓の先に見える廊下を見て【(ビナス)】で屋敷の中に入りました。見えてさえいれば壁を隔てた向こうにも転移できるからね

 ——え? 不法侵入? 知ってる。でもミクならそんな気にしないと思うんだ。顔パスだよ顔パス

 誰にも見せてないだろなんて言ってはいけない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく9年前との違いを比較しながら廊下を歩き回っていると、目の前の扉がゆっくりと開いた。そこから現れたのは……溜息を尽きながら落ち込んでいる様子のミクさんだったわ

その表情は、何やら後悔しているかのような……失敗をしてしまったかのような表情で、それを見た俺は……

 

 

 

 

 

 「ウィッス」

 

 「ひゃぁああ!?」

 

 「はっはっは。随分と可愛らしい悲鳴だな、ミク」

 

 「ち、千歳お姉様!?」

 

 ——ごく自然に呼びかけた。それはもう、ここにいるのがさも当然かのように

 

 落ち込んだまま、俺に気づかず立ち去ろうとしたミクへの背後からの奇襲は見事に成功。体を少し浮かばせるほどに驚いたミクが少しおかしく、つい笑ってしまうのはしょうがねーと思うんだよ

 俺の声に驚くのと同時に、何故俺がここにいるのかわからずに混乱するミクの慌てっぷりは……実に可愛らしいですねハイ

 

 チトセ は おどろかす を つかった!

 

 こうか は ばつぐん だ!

 

 あいて の ミク は ひるんで うごけない!

 

 ……何やらいじめられた末に紅白玉に閉じ込められ、挙句の果てには洗脳される生き物達の気持ちが分かった気がする。これではどこぞの肉で餌付けして仲良くなる竜の探索者とは比べ物になりませんな。テ〇ーは名作。だがスカウト、テメーはダメだ。肉寄こせ

 まぁどちらも能力値が低いとボックスの肥やしになるか捨てられるかするんですね分かります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「美味しいですかぁ?」

 

 「……」

 

 「それはよかったですー」

 

 「……」

 

 あのドッキリの後、俺達はとりあえず話し合うために場所を移した

 昨日の事なんかはしっかり話し合っておかないとな。今後の関係がギクシャクすんのは嫌ですたい。泣きたくなるから

 

 ——という訳で、現在、俺は食堂のテーブルに着いて食事をしております

 

 今はヒルナンデス(昼なんです)、(気分的に)お腹が空く時間帯なのはしょうがない

 そんな俺の食事光景を眺めて微笑ましい表情を浮かべるミク。それでも尚、出された食事を黙々と食べている俺はミクの視線など気にならないといわんばかりにムシャムシャしてるぜ。ステーキウマァ

 ——え? まさかミクの返事に黙ってた理由が物食ってるから何て理由じゃねーだろうなって? それ以外にねーから

 だって旨いんだもん。しゃーないやん旨いんやもん。だから俺は悪くないぞ? 旨いんやもんて

 

 驚愕の事実、ミク・テ〇ー説浮上!

 

 それに気分的に腹が減ってたんだから仕方無し。……え? お前食わなくても大丈夫だろって? 知ってる

 

 まぁ待て、事にはタイミングというものがあるんだよ。俺はミクと今後とも良い関係を築いて行くためにベストのタイミングを見計らってるだけなんだ。——俺が食い終わると言うタイミングをな

 逆に食べながら話した方が礼儀が悪いでしょーに。良いんですよこれで。料理冷めちゃうし

 

 「あ、そのスープどうですかぁ?」

 

 「……」(グッ!)

 

 とりあえずミクに進められたスープがかなり美味しかったんでサムズアップしとこう。美味でごじゃり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はふぅ……ありがとなミク、御馳走になったよ」

 

 「いえいえ、気にしないでください」

 

 それから俺が黙々と料理を胃に収め続け数分後、食事を終えた俺は食後に出された紅茶を飲みながらミクにお礼を述べる

 いやー相変わらずミクん家の料理は旨いですな。千歳さんは満足ですよ

 

 「最近では私も作れるように腕を磨いてるんですよー? 先程のスープも私が作ってみたんですー」

 

 「あ、そうなの? すげーなミク。見た目も味も結構な出来だったし、料理の才があるんじゃね? 俺なんて簡単なのぐらいしかまともに作れねーってのに」

 

 「そんな謙遜しなくてもいいんですよー? 私は千歳さんの作るお菓子、好きでしたし」

 

 「そう言ってくれるだけ嬉しいが……作り方確認しながら作ったようなもんだし、他の奴が作った物と対して変わら——」

 

 「千歳さんが作ったものだから”好き”なんですよぉ?」

 

 「ソ、ソウデスカ……」

 

 なんか好きという言葉を強調しているような……いや、気のせいだな。昨日のことだって一時の気の迷いだろうしね

 だから、さ? そんな頑張って抑えている感じに表情を強張らせるのはやめてね? それでも抑えきれないって感じに表に出ている、そのギラギラとした目を向けないでね? 千歳さん勘違いしちゃうじゃないか……

 

 因みに、呼び方に関しては「千歳さん」で落ち着いた。流石にお姉様呼びはちょっと、な?

 もう見た目からしてほぼ同年代だし、おねーさんはまだいいとして、お姉様はなんか……隔たりがあって嫌なんすよ。一歩置かれてる感じで

 ……過程は端折るが、多分……転生して一番苦労した。めっちゃ苦労した。もうやりたくない

 

 それからは、この9年間で起きたミクの出来事なんかを聞きました

 いろいろ面白い話が聞けたよ。その中でも印象的だった話は……2つだ

 

 夢が叶ってアイドルになった事、そして——

 

 

 

 

 

 「——え? 精霊になった? 精霊ってなろうと思ってなれるもんなん?」

 

 「私も詳しくはわからないんですけどぉ、何か……ノイズがかった方に力を貰いましたぁ」

 

 

 

 

 

 ——ミクが精霊になったことだった

 

 へー、精霊って人間から生まれ変わった奴の事だったんだな。もしかして十香も元は人間だったのかな? その辺りは詳しく聞かなかったからわからないけど……あの無知さを考えると記憶が無いとかだったりしてなね。ははは、それは無いか

 

 そんな俺達は、せっかくの機会だし自分の霊装を見せあうことにした

 

 「おぉ……ミクの霊装可愛いな」

 

 「千歳さんの霊装はカッコいいですねー。似合ってますよぉ」

 

 「おう、ミクも似合ってんぞー」

 

 俺の改造軍服とは違い、まるで童話の中のお姫様みたいな——待った。なんかこの考え、乙女っぽい。俺には似合わねーから

 ……まぁいいや。それと姿もそうだが天使の方もミクらしい能力だったよ。ノイズの人グッジョブだわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからも他愛の無い話をし続ける俺達。その光景は、まさに9年前の再現だったといえるんじゃないかな?

 ミクも最初は俺の何気ない対応に困惑していた様子も見せていたが、今では昨日の事を頭の隅にでも追いやってるのだろう、9年前と変わらない楽しそうな表情で俺との会話を楽しんでる

 

 ——だが、それも時間稼ぎみたいなものだったんだろう

 話が進むにつれ、ミクは徐々に昨日の事を脳裏に思い浮かべていたみたいだ。時間が経つに連れて次第にその笑顔を曇らせ始めていった

 そして約二時間後、ミクは完全に昨日の失態(であってほしい行動)が頭から離れられなくなったみたいで、その時点で思い出話は終了。ミクは顔を俯けて黙りこんでしまう

 

 まぁその事も片付けておきたかったし、タイミング的にも丁度いいんだけどさ……あんまりミクには暗い表情をさせたくないなぁ

 だからこそ、俺は自身の心情のままにミクに対応する。下手に取り繕うよりはありのままの俺を素に出したほうがいいしね

 

 数分ぐらい無言が続き、辺りがシンと静まり返る中、俺は意を決して……ってほどでもないが、ミクに話しかける

 

 「……なぁ、ミク」

 

 「——っ……なんでしょう?」

 

 俺の声に反応して体が強張るミク。この反応は……叱られていた時のミクに似てるな

 それもそうだろう。ベッドに拘束した上で襲おうとしたんだ。ミクは俺が怒っていると思ってるんだろうね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 別に叱るつもりはねーんだけどな

 

 「そういや言ってなかったわ。今更だけど……久しぶり、ミク。立派に成長したもんだな」

 

 「——え?」

 

 俺はあの時と同じ笑顔——ミクの執事をしていた時にいつも見せていた笑顔を向けて語りかけるのだった

 そんな俺の言葉に唖然とした表情で言葉を漏らすミク。……あれ? 俺なんか間違ってたかね?

 

 「何驚いてんだよ。昨日言えなかっただろ? 俺は数日程度だけどミクからしたら9年程だ。俺は久しぶりに感じないけど……お前にとったらそうでもないだろ? だからこその”久しぶり”だ。挨拶は大事だっていの一番に教えたろ?」

 

 「あ……その……お、お久しぶりです。千歳さん」

 

 ミクは戸惑いが隠せないみたいだが……まぁそんなことは知らん。挨拶大事、これ常識

 ……ん? そもそも俺には常識が無いだろって? 失礼な……

 

 

 ——自覚はあるけど気にしないだけだし(質が悪すぎる……)

 

 

 だが、ミクはそれで納得がいかなかったようなんだわ。俺にあの時の事――昨日の事を問い掛けてきた 

 

 「……あの……そのぉ…………昨日の事については、怒らないんですか? 普通、あんなことやれば……気持ち悪いとか、近づいてほしくないとか……そう思ったり——」

 

 「ねーよそんなもん。……だからと言って、実際に事を成したくはないけどな? 少なくとも怒るつもりは一切ねーから」

 

 恐る恐る藪蛇を突かない様に問いかけてくるミク。多分、昨日俺に対してやった暴走気味……気味? まぁ久しぶりに会えたから甘えたかったんだろうな。……そうでありたい

 その時。俺にした事を思い出してか、ミクの顔は今にも泣きそうな表情がありありと浮かんでいた。多分嫌われるんじゃ~なんて考えてるんだろう

 だからこそ即答する。ミクを嫌ってるわけじゃないと

 全く……少しは察してほしいもんだ。もし俺が嫌いになってたらこうしてわざわざミクのところに行かないっての

 俺はその辺も含め、ミクに語り始めることにするのでした

 

 「気にしてないし、気にする気は無い。だからと言って受け入れるわけじゃねーけど、だからと言ってミクとの関係を終わらせる気はねー。何せ……もう俺にとって、ミクは欠かせない存在なんだ。だから……今更ミクが何をしようが嫌う気はねーから安心しろって」

 

 「————」

 

 俺の言葉を聞いたミクから返答は無い。呆気に取られ過ぎて言葉を話す余裕が無いような感じだ

 俺はそんなミクの様子を伺いながら席を立ち上がる。そのまま少し歩き、何となしに窓の外に目を見やる。そこに広がる綺麗に整地された庭は……9年前と変わらず、同じ姿を保っていた。……別に例えるわけでもねーけど、俺もこの庭と似たようなもんだね。例え時代が変わったって——ミクが成長したって変わらない。ミクの考えが変わったって変わらない。例えミクが変わろうが、俺は変わらないんだよ

 

 言っとくが建前とかじゃねーぞ? 俺の心情そのままの言葉だ

 俺は俺が思うままに答えた。別に隠す意味はねーし、騙すのは特に気にしないが嘘はあまり好きじゃねーからな、俺

 ……いや、うん。日頃の行動を自覚してる俺から見ても嘘っぽく聞こえるわ。日頃の行いって大事なんだね! ……泣きたくなる

 

 ——でも、嘘じゃねーんだよ。冗談は好きだが、嘘だけはつきたくない

 

 だからこそ——

 

 

 

 

 

 「ミクが俺を信じてくれる限り、俺は絶対……裏切ら(嫌わ)ないよ」

 

 

 

 裏切らない。裏切りたくない。彼女の信用、信頼、信義の全てを……

 

 

 

 「——ま、そんな訳だ。いくらお前が昔と変わろうが俺の対応は変わらんさ。実際俺の対応は9年前と変わらんだろ? ……俺の中ではいつまで経っても変わらず不変に——ミクは大切な()なんだ」

 

 

 

 

 

 例え他の奴等から間違ってると言われようが、俺の考えは変わらねぇ。俺にとっちゃ有象無象より大切な奴との約束の方が重いからな、クラスの行事なら家族との用事を優先する。他だってそんなもんだろ?

 

 窓の外を眺めながら未だ席に着いているであろうミクにはっきりと告げる。顔を向けるのは気恥しいのでやめました。ここでカッコつけてミクと向かい合って話すとか無理だから

 だってそうでしょう? 誰もが称賛する程のナイスバディーでビューティフルなミクに正面切って堂々言えと? ……恋愛感情云々よりも先に気恥ずかしさが上回るっての

 自身の想いをミクに言いきった俺は、今更ながら自分で言ったことに恥ずかしさを覚えるのだった……

 

 

 

 

 

  ——ギュッ

 

 

 

 

 

 それも、ミクの行動で頭の隅に追いやられることになる

 

 「お、おおぅ? どうしたミク?」

 

 「……」

 

 ——いつの間にか後ろに這い寄っていたミクが、後ろから俺に抱きついてきたのだ

 

 これは一体どういうことだってばね? 何故急にこんなアクションを……?

 てか俺の背中にすげーやわらけーもんが……いやまぁ何かはわかるけどさ? あえて言わないだけだし

 

 ただ……俺の頭が普通のスキンシップと捉えている辺り、元男としては重症かな? もう元男とか現女とか関係無しになってきた気がしてならないよ

 それでも流石に急なことすぎて状況が呑み込めないんだけどね

 

 「……ぅ……ぅぐ……」

 

 「……ミク?」

 

 現在進行形でミクの行為に慌てていた俺の心も、気付けば静まり返っていた。一気に冷水で冷やされたかのように冷静になり、ミクから伝わる感情が……俺の心に突き刺さる

 背中から、嫌というほど伝わってくる……その感情は——

 

 

 

 「……ありがどぅございます……ッ千歳ざん……ッ」

 

 

 

 ——小さな感謝と、それを飲み尽くすほどの途方もない哀しみだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ——日は沈み、ミクの屋敷を後にした俺は街中にある公園のブランコに座っていた

 

 あの後、心が落ち着くまで俺の背中にしがみついていたミクは、結局最後までその理由を語らなかった。ただひたすらに俺の背中で嗚咽を漏らしながら感謝の言葉を吐き続けるだけで……そんなミクに、俺は背中を貸してやることぐらしか出来ず、苦肉の策に、後ろから前に伸ばしてきていたミクの手に、安心させるよう自身の手を添えるぐらいしか、俺には出来なかった……

 もし下手な言葉を吐いて、余計に苦しめたくはなかった……そんな情けない理由で、他にやれることを思いつかなかったから

 

 しばらくその光景は続き、ミクが落ち着いた頃には、気付けば窓から夕陽が差していた

 落ち着いたミクが背中から離れたことを確認した俺は、ミクの様子がどうなっているか確認するため彼女の顔に視線を向ける

 そんなミクの顔は……泣き続けていたせいで目は腫れて、頬に伝った涙の痕が実に痛々しさを感じさせていた

 ——その顔に、俺は心を絞めつけられるような苦しみを感じたよ

 その分、溜めこんでいたものを吐き出して多少はスッキリしたかのような様子だった。だが……”多少”だ。全てではない

 あれは未だに引きずっている……俺がいない間に何かに巻き込まれたか、何かされたのは、最早明白だった……

 

 「……気に入らねぇ」

 

 最後に見せたミクを見て、少しわかった事がある

 

 今のミクは……脆い

 

 普通にしているように見えて、その心はボロボロだ。何かによって心をすり減らし、今にも崩れ落ちそうな……そんな気がする

 誰も信じられない、信じ切ることが出来ない……そんな疑心暗鬼——いや、拒絶に近い壁を作っている。それが何に対してかはわからねーけど、人を信じる事が出来ずにいるような……そんな危うさを感じたんだ

 それを俺に知られないように――9年前と同じであるようにと必死に取り繕っていた

 多分だが、俺が信じないと思って話そうとしなかったのではなく……俺に何かを知られたくない感じだ。何せ相談の一つもなかったんだからな

 楽しそうに会話していた時も、今思えば俺に気づかれないようにと言葉を選んでいたんだろう、俺に知られたくない何かを隠しながら、今日一日ずっと……

 その隠していることが何なのかはわからない……多分昨日見せたあの行動は、耐えきれなくなった感情の爆発だったんじゃないか? ただの推測だけど……ありえなくは無い話だ

 

 「クソが……何があったんだよ、ミク……」

 

 そんなミクの対応に、苛立ちが無いと言えば嘘になる。俺のことを頼ってくれない、頼りにならないと言われているようで……そんなミクが安心して頼れるような存在じゃない自分自身がとても、気に入らない

 

 「……いつか話してくれっといいんだけどな……」

 

 そう呟きながら空を見上げると……雨が降ってきた

 その雨は、ミクの感情の表れなのか……それとも、頼ってもらえなかった俺の心境なのか……なんて、少し例えてみたり

 

 ……今は様子を見よう。下手にミクを刺激して、取り返しのつかないことになるのは嫌だから

 それでもし、ミクが打ち明けてきてくれた時は……約束する。彼女の頼りになれる存在として、必ずミクの支えになるって

 

 何せ俺は、ミクの執事だからな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨が空から降り注ぎ、夜が深まる公園の中、一人の少女は決意する

 

 それが、自身にとってのトラウマを呼びこむ感情とも知らずに……

 

 

 

 ——そして

 

 

 

 「……」

 

 

 

 そんな彼女を影から見つめる幼い影が、彼女のトラウマを回帰させる一つの歯車であることを知る者は……今のところ誰もいない

 

 




千歳さんのSAN値、これからどんどん減らしていくぞー!
……と、意気込むメガネ愛好者でした。だからと言ってシリアス全開は避けたいのだがどうすればよいんだろうか……

シリアスは好嫌いだー!!

てか美九さんの件どうしよう……なんか千歳さんがほぼ攻略しかけてるような状態なんですが? 何やってん千歳さん? あんさん一体何やってん?

「執事」

あ、そうですか……失礼しました

さて、次回からは四糸乃ちゃんの出番を増やしていこうと思います。来たれ我らが聖女!! 我らが癒しっ娘!! 私にも癒しをください切実に
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