ああ―――いきている。
生物ではなく物質としての自分がいきているのを感じる。
思考以外は何もない。まるで深海に沈んでいる気持ちだった。
時間も、音も、感触もない無の空間を暫く過ごしているとふと彼女の事を思い出す。
泣きじゃくり自分の目を真っ直ぐ向きながら自分の願いを叶えてくれた。
彼女はどうしているのだろうか、自分のこの旅路の無事を祈っているのだろうか。
つらかったのだろう、かなしかったのだろう。
あの出会いから彼女と自分は色んな日々を過ごしてきたのだ、あの涙が築き上げてきた絆の深さの証である。
だからこそ酷な事させてしまったと――――だがこの事態を収めるのはこの方法しかなかったのだから。
この数週間、自分は第二の人生を謳歌した。それは波乱に満ちた夢物語で、烈火の如く日々を過ごした。
聖杯、サーヴァント、マスター。
この三単語を巡る争いは転生しても味わう確率がとてつもなく低い争いに、自分は参加した。
こうして終わらせた今、作られたとはいえようやく自分の第二の人生で存在意義を確かめられたのだから。
そうあいつも「あいつ」の存在意義を確かめる為に自分と共に戦ってくれたのだから、感謝している。
そして自分の願望を叶えてくれた彼女の世界の中心は彼女が回っている態度は、もう見れないのだ。何故ならば―――――
「起動術式を確認、これから大聖杯接続開始します」
もう時間が来たのか、思った程早かった、無機質な声が自分の思考に響かせる。
これを過ぎれば自分はようやくこの世から消滅する。
皮肉な物だ。作られた第二の人生はこの為に入念に用意されていた物だと、この台詞を聞いて改めて実感する。
異物と合体するなんて肉体があったらきっと痛いだろうか。
生憎自分はこういう大儀式関連の魔術に疎いので、よく分からないが魔術回路を繋ぐと言う作業はきっと痛いのであろう。
「――――」
時間の概念がない為、どのぐらい経ったろうか本当に接続したのか感覚がないので本当に作業しているのかと疑問に思ったが、丁度その答えがやってきた。
「接続完了。これから大聖杯を作動準備に入ります、これから術式を作動します」
もし自分が何も知らなかったらきっと無機質な声にされるがままだったのだろうし、あいつがこんなものに変えられる為に召喚されたのに腹が立たなかったのだろう。
大丈夫だ自分ならきっといける。
自分の
「作動は―――――」
この物語はこの