機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ異伝 ~死の戦記~ <完結>   作:二円

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オルフェンズ二期を待てずに、
本作品を書いてしまいました。
始まる前に完結出来るように頑張りますので、
よろしくお願いいたします。


第一話 暗転

「……何処だここは?」

 

 気がつけば何処かにいた。

辺りを見渡せば暗い部屋の中にいて、

目の前に沢山の収容袋が置かれている。

 

「何だ、この袋は?」

 

 収容袋を開けようとした瞬間、

強烈に激しい頭痛に見舞われ思わず蹲る。

 

「ぐっ!」

 

 締め付けられるような痛みじゃない、

物を無理やりに詰められ押し潰されそうな痛みだ!

頭の中に何かが入り込んでいる!

俺はそれに耐えるしかなかった。

 

 どのくらい時間が経っただろうか?

気がつけば頭痛が嘘のように治まっていた。

頭に入り込む感覚はもう無い。

 

 一体何がなんだか訳が分からない。 

もう一度辺りを見回してみる。

 

 ここは何処だ?

思い出そうとすると、

あるはずの無い記憶が引き出される。

(ここはイサリビの中)

 

 イサリビ?

 聞いた事がある単語が出てきたが、

何処で俺は聞いただろうか?

 

 ……俺?

そういえば自分について確かめていなかった。

俺は誰だろう?

 

 ……思い出せない。

思い出そうとしても全く思い出せない。

それどころか、

何故ここにいるのか分からない。

 

 俺自身を見てみる。

見覚えのない服を着ており、

腕を見れば筋肉質な腕をしており、

明らかに自分の体じゃない。

別の人物の体に乗り移ったのか?

 

 それじゃあ、

この体の持ち主は誰なんだ?

先程と同じように思い出そうとすると、

あるはずの無い記憶がまた引き出される。

 

 CGSでの生活、

ギャラルホルンの襲撃、

鉄華団の結成、

タービンズの出会い、

歳星での貴重な体験、

ブルワーズとの戦闘中の悲劇。

 

 様々な光景が頭の中で過ぎっていく。

その人の今までの記憶のようで、

これで終わりかと思った時だった。

 

(ちくしょう!)

 

その人の声が頭の中に入っていく。

 

 

(指示を出した……俺が不甲斐ないせいでよ……)

 

 どこかで聞いた事がある。

それが思い出せない。

 

(こんな所で、こんなの、自分が死んだ方がよっぽどマシだ!)

 

 思い出した!

テレビで見た事がある!

好きなロボットアニメ、

『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』の登場人物の一人、

『ノルバ・シノ』の台詞だ!

 

 ようやく分かった。

『ノルバ・シノ』。

俺は今、

ノルバ・シノの体に乗り移っている。

時系列は記憶の内容からして、

ブルワーズ戦の後だ。

 

 まさか、

アニメの登場人物になっているとは思わなかった。

これが憑依というやつか。

 

 しかしまずい、

非常にまずい。

俺はこのアニメを全話見ていたので、

話の展開を知っている。

 

 当然、

ノルバ・シノがどうなるかも知っている。

 

 彼はこの後MSパイロットになるが、

MSの戦闘で度々危機に陥った事が何度もあった。

辛うじて最後まで生き残っていたが、

あれは運が良かったとしか言いようが無い。

 

 つまりこのままいけば、

死ぬ可能性が高い人物に憑依してしまった事になる。

 

「……どうすりゃ良いんだ?」

 

 とんでもない展開に放り込まれ、

俺は途方に暮れるしかなかった。

 

 

 




次回予告
「ノルバ・シノ。
本来なら葬式であんたは仲間を送り届けていただろうに。
今の俺にはそれが出来そうに無い。
これからどうすれば良いのか考えているのに必死なんだ。
余裕が無いんだ。
あんたよりも不甲斐ない俺を許してくれ。
次回『葬送の中で』。
俺に何が出来る?」


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