真・女神転生デビルサマナー ~時と世界と魔法を超えて~   作:ナベリウス

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勢い余って第11話も投稿しました。

今更ながら関西弁って難しい……
小学2年生から卒業するまでの間の5年間、クラスメイトに京都府南部出身の女の子がいたのですが、その子の話し方を思い出しつつ手探りで書いている所です。
ですのではやてのコレジャナイ感が半端ないという(;´Д`)
その都度修正していきますのでご勘弁くださいませ。



2013 7/26 2:15 誤字,脱字を修正


第11話 神話覚醒(上)

―4月27日早朝 相原家地下室―

 

 

 

「……おいでなさいケルベロス!」

 

『グルゥアァァァァァァァッ!!』

 

 

 東の空が仄かに明るくなってきた頃、私は地下室に赴き封魔管のケルベロスを召喚した。

 

 

『……突然オレサマヲ呼ビ出シテ、一体何ノヨウダ』

 

「貴方の力が必要になる時が近づいているの。私に力を貸しなさい」

 

『中身次第ダガ、マァ話ダケハ聴イテヤロウ』

 

 

 ケルベロスに海鳴市が未曾有の危機に晒されている事、日を追って被害が拡大し尚且つ何者かによる罪無き市井の人々を巻き込んだ無差別的な攻撃に発展している事、謎の光子砲が放った第三勢力らしき何者かの存在についての事等を説明した。

 そして最後に、私が不在の時に晃祐と匠真、そしてはやてちゃんの3人を代わりに"万が一"の事から守って欲しいということを頼んだ。それにいずれ晃祐か匠真が悪魔召喚師を志す様になった時、最低でも心から信頼出来る仲魔は1体は居た方が良い。かつて悪魔召喚プログラムを駆使して悪魔の軍勢や魔王ルシファーと戦い、ヤタガラスから"伊弉諾の再来"との異名をもって呼ばれた"あの男"の相棒がケルベロスだった様に……

 

 

『……フザケルナ!何故オレサマガワザワザガキ共ノ"オ守リ"ヲシナクテハイケナイノダ!!』

 

「貴方は永い間封魔管に閉じ込められていて凄くストレスが溜まっているのでしょう。もし邪悪な悪魔が現れたとしたら大暴れ出来るチャンスじゃない?」

 

『ガキノ相手ヲスルノガオレサマノ役目デハナイ!ソレナラ寝テイタ方ガマダマシダ!!』

 

「あら、そんな事を言っていいのかしら?子ども達はまだ年端も行かないけれど、修行も何もしていないのに悪魔が見えたり"何者か"の光子砲が見えたりしているわ。特に2人の子どもは貴方の主――私のお祖父様――の曾孫なのよ、将来有望だって思わない?」

 

『貴様ノガキガドウナロウガ知ッタ事カ、寝ルゾ!』

 

 

 やれやれ、聞き分けの無い悪魔だ事。咄嗟にアンリ・マンユの封魔管を取り出してケルベロスの眼前に突き付け、ダメ押しの一言を言い放つ。

 

 

「貴方に拒否権は無いわ……残念ながらね」

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 ケルベロスを否応無しに従わせた私は、次に晃祐の部屋に忍び込む。ドアの前まで来て寝ている事を"バイオセンサー"の脳波測定機能で確認すると、細心の注意払って侵入する。目的は晃祐の鞄だけれど、途中で立ち止まって彼の寝顔を見る。

 

 

「ん、んぅ……それ俺のぉ……」

 

 

 (ふふっ、もう中学校三年生になったのに寝顔は小さい頃と変わらない。これから貴方は大人になって行くけれど一体どんな道に進むのかしら?でも、例えどれだけの月日が流れても今までと同じ、真正直で思いやりの心に溢れている貴方で居てね……さて、日が完全に昇る前に目的を果たさないと!)

 

 

 私は寝息を立てている晃祐を横目に、彼が休日に外出する際に何時も肩にかけているメッセンジャーバッグのポケットの中に封魔管を忍ばせた。頼むわよケルベロス!

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

(ジリリリリリリリリ)

 

「ZZZ……(カシャッ)ぅ、う~ん、今日もいい日や~!!」

 

 

 目覚まし時計が鳴って目が覚めると、私は上半身をおもっきし伸ばしてカーテンを開けた。うーん、今日の私の心みたいに雲ひとつない青空やね~。そんで今日はタッ君の誕生日!自分の誕生日やあらへんけどめちゃめちゃ嬉しいねん!!何時もよりちょっと早う起きた私は、台所で朝ご飯の支度をしておった那緒実さんにワガママ言うて兄ちゃんの部屋に連れてってもろて、まだぐっすり寝とる兄ちゃんを起こしに掛かる。

 

 

「(ゆさゆさ)兄ちゃん!兄ちゃん!もう昼やで!!」

 

「ZZZ」

 

「兄ちゃん!今日はタッ君の誕生日やろ!はよ起きてや~!(ゆさゆさ)」

 

「ZZZ」

 

 

 身体を揺すっても兄ちゃんはちっとも起きてくれへん。ほなこうなったら!

 

 

「(にやにや)……何時まで経っても起きへん悪い子は"コレ"でおしおきや~」

 

「ZZZ……ハッ!何か命の危機が迫った気が「うわわわわっ!」……はやて?」

 

 

 突然兄ちゃんが目ぇ覚まして身体を起こしよったもんやから、めっちゃビックリしてもうてベッドから落ちそうになってもうたわ!!

 

 

「な、なははは……兄ちゃんおはよーさん♪ほな早う着替えてや!お昼飯冷めてまうで~」

 

「お、おう……って、お前が居ると着替えられないんだけどさぁ」

 

「せやけど兄妹なんやから私は気にせぇへんって」

 

「でもなぁ~」

 

「とにかく着替えてや!私後ろ向いて見ぃひん様にしとるわー」

 

「わ、解ったよ」

 

 

 私がそっぽ向くと兄ちゃんは着替え始めた。ちょっと見てもバチ当たらんやろ?と思って兄ちゃんの方に振り返ろうとすると、

 

 

「(ごそごそ)……おい、何さり気なく見ようとしてるんだよ」

 

「てへ、バレたか~」

 

「バレたかじゃねぇよ!」

 

 

 兄ちゃんが着替え終わるとおんぶしてもろて茶の間まで連れて行ってもらう。茶の間に入ると既に崇さんの姿はとっくに無く、タッ君と那緒実さんが椅子に座って私達を待っておった。

 

 

「兄さん遅いよ!」

 

「悪い悪い」

 

「兄ちゃん中々起きてくれへんくてな~」

 

「さあ3人共、早くご飯を食べましょう」

 

「ほな、いただきま~す」

「いただきます」

「いただきまーす!」

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「ごちそうさま」

「ごっそさんでした~」

「ごちそうさま!」

 

「晃祐、2人の食器を下げたら話があるからちょっと待ってて。匠真とはやてちゃんも」

 

 

 俺が3人分の食器を下げ終わると、ソファーに座って母さんが話し出すのを待つ。

 

 

「晃祐、後で翠屋にケーキを取りに行って貰うけど今日は3人一緒に行って貰うわ」

 

「別に俺1人で行けばいい事だろ?それになんで匠真まで連れて行く必要があるんだよ。せっかくの誕生日なのに楽しみが無くなっちまうじゃないか」

 

「この間の巨大植物の件といい、何時危険な事が皆に降りかかるか解らないわ――この家だって例外じゃない。万が一家の中に居て近くのあんなのが現れでもして逃げ道が塞がれたらどうするの?それならまだ建物の少ない大きな公園に逃げ込んだ方がまだマシよ」

 

「兄さんはここぞという時にすぐパニクって何をしでかすか解らないから、母さんはそれを心配して言ってるんだよ」

 

「うぐぐ……」

 

「一応匠真とはやてちゃんにコレを渡しておくわ」

 

 

 言い返せなくなっている俺を横目に、母さんが2人に見慣れない道具を手渡した。

 

 

「那緒実さんコレ何~?」

「コレってあの時の!」

 

「それは"コアシールド"っていう結界を発生させるマジックアイテムよ。飛んでくる瓦礫程度なら完全に防ぐ事が出来るわ」

 

「母さん俺には?」

 

「晃祐は3人の中で唯一健康体なんだし、なんて言ったって逃げ足が速いから問題無いでしょ?」

 

「ええ~そんなご無体な~」

 

 

 俺は1人だけぞんざいな扱いを受けた事に母さんに対して不満の声を上げる。

 

 

「その代わり晃祐にはコレを預けておくわ」

 

「えぇっ!スマホ!?」

 

「それは私が使っているCOMPのスペア。中には悪魔の出現率を感知する"エネミー・アピアランス・インジケーター"と、生体反応とそれに関係する様々なモノを調べられる"バイオセンサー"に、空間中のMAGの濃度やMAGから放たれる一種の生命波長を察知する"MAGスキャナー"、そして様々な物体の温度を視覚化する"サーモグラフィー"……といった各種センサー系アプリが内蔵されているわ。それを使って、出来る限り"最悪の事態"を回避するのに務めるのが貴方の役割よ。使い方は普通のスマホと同じだから」

 

「わ、解った」

「おお~何かホンマ凄い事になっとるな~」

 

「あと念のために、怪我をした事を考えて"魔石"っていうヤタガラスで使用されている特別な傷薬の様な物と、ディスポイズンやディスパライズといった所謂バッドステータス治療用のアイテム一式も格納しておいたわ」

 

「それなら安心だな」

「油断は禁物だよ兄さん」

 

「そうそう、一応竹刀袋に"檜の木剣"を入れておいたから」

 

「"ぼっけん"って何~?」

 

「木剣ってのは木刀みたいなもんだよ……でも木剣は流石に無いわー。もっとマトモな武器は無いのかよ?」

 

「ふふふ。タダの木剣だと思ったら大間違いよ!ヤタガラスの構成員が訓練で使用する物で、ある程度の悪魔なら充分実戦でも使えるシロモノなんだから~」

 

「凄いんだか凄く無ぇんだか良く解らねぇし……ちょっと庭に出て素振りしてみるわ」

 

 

 俺は竹刀袋から檜の木剣を取り出して実際に持ってみる。とても使い込まれた様子で、初めて持ったはずなのになんだか手に馴染んでいる気がする。ふと、柄頭の所に目をやると"N・S"のイニシャルが刻まれていたんで、気になって母さんに見せてみる。

 

 

「母さん、これって「それは私が使ってた物よ」」

 

「私の急性は白鐘だから、"Naomi Shirogane"のN・Sね」

 

「"白鐘"ってあの有名な"白鐘直彦"と同じやけど親戚なん?」

 

「あの人は私の叔父に当たる人で、晃祐と匠真のひいおじいさん――14代目葛葉ライドウこと"白鐘勝之進"の次男。直彦叔父さんって実は15代目ライドウを継いだ人なのよ。詳しくは機会があれば話してあげる」

 

「よし、じゃあ振ってみるか!」

 

 

 庭に出て何時もの部活でやっている様に、檜の木剣を正眼に構えて面,小手,胴と振ってみた。するとコレが"タダの木剣とは全くの別物"だという事をすぐに思い知らされた。持った感じは一般的な木刀と同じでずっしりとしているのに、振ってみるとまるで竹刀を扱っているかの様に軽く振り下ろせてしまった。凄い!コイツぁ凄いぜ!!

 その後も30分程軽く摺足や打ち込みをして身体を慣らし、シャワーを浴びて外出の準備をした。

 

 

「よし、匠真もはやても準備出来たか?」

 

「うん」

 

「バッチグーや!」

 

「何も無い事を祈ってるけど、気を付けてね」

 

「ああ!それじゃ行ってきます!」

 

「行ってきます」

「行ってきま~~~す!!」

 

 

 俺は肩に何時ものメッセンジャーバッグと竹刀袋を下げ、匠真ははやてを乗せた車椅子を押して家から出た。

 ……今日は本当に天気が良いな。家に帰ってくるまで何事も無かったら良いんだけどなぁ。

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

―同時刻 海鳴市高層ビル屋上―

 

 

 

「さあ……行こう。アルフ」

 

「あいよ!シャクだけど仕方ないねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

次回に続く




第11話から第13話までは上中下編となっておりまして、アニメ第1期では第7話と第8話に相当する回です。
実はA's編序盤までの展開は私の頭の中で第1話を投稿する以前から既に出来上がっていまして、時間さえあればすぐに文章に出来る状態だったりします。ですので暇を見付け次第、順次作成して行きたいですね。

因みに那緒実の旧姓がP4の直斗と同じなのは、直斗が白鐘一族の5代目であるということを逆手に取って、"超力兵団"と"アバドン王"でライドウの本名を「白鐘勝之進」という名にしていたからです。つまり、探偵業と15代目を継いだ直彦とは直斗の祖父(名前が出て来なかったはずなので執筆中に勝手に決めてしまいました)になり、直斗とは那緒実,晃祐,匠真にとっては遠戚にあたる事になります。
直斗もいずれは登場させる予定でいますのでご期待ください。







それでは悪魔に身体を乗っ取られぬよう、お気をつけて……
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