真・女神転生デビルサマナー ~時と世界と魔法を超えて~   作:ナベリウス

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第17話です。
今回はちょっと個人的に納得出来てない部分があるので、おいおい加筆や修正等を行うという形にしたいと思います。




2013 8/22 9:41 一部文章を改訂
2013 8/23 13:49 誤字,脱字を修正


第17話 召喚師の道

 俺が母さんに悪魔召喚師になりたいと決意を表明してから10日が経った。その間、母さんに「YESとNOどっちなんだ?」と問いただしても常にはぐらかされるばかりだった。でも今日の朝学校に行こうとした時になって突然、

 

 

「学校が終わったら一人で翠屋に来なさい」

 

 

 と言って来た。なんで一人で行かなくちゃいけないんだと思いながらも、母さんの言う通りに学校が終わるとそのまま翠屋へ向かう。

 

 

 

-5月8日午後4時 喫茶店翠屋-

 

 

 

「あら、晃祐君いらっしゃい」

 

「どうも。母さんに言われて来たんですけど何か用事でも?」

 

「裏に那緒実さんがいるから入っていって良いわ」

 

「解りました。お邪魔します……」

 

 

 遂に"答え"が得られるか!?と思うと、嬉しさと不安が入り混じった複雑な気分になる。俺は桃子さんの言葉に従ってカウンターの裏から高町家の住宅部分へ上がっていくと、リビングに母さんの士郎さん、そして恭也さんの3人がいるのが目に入って来た。

 

 

「晃祐君?学校帰りで済まないね。まあこっちに来て椅子に座りなさい」

 

「は、はぁ……」

 

「そんな警戒する様な顔なんてしないでくれ。別に君が悪いことをした訳じゃないんだからさ」

 

 

 士郎さんと恭也さんに言われるがまま席に座ると、目の前では母さんが俺に見向きもせず、テーブルの上に何個も並べられた"特大のマンゴープリン"を食べて今にも昇天しそうな位幸せな顔をしていた……おい、幾らマンゴープリンが好きだからってコレは流石にどうよ!?

 

 

「那緒実さん?晃祐君来ましたよ」

「母さん?」

 

「(はむっ……もきゅもきゅ)んふふふふふ♡――――ハッ!!ごご、ごめんなさい晃祐っ!」

 

「おいおい、母さんが俺に此処に来いって行った癖にそりゃ無ぇぜ!」

 

 

 母さんは俺に気付いて慌ててティッシュで口元を吹くと、

 

 

「コホン……晃祐、此処に呼んだのは貴方も解ってると思うけど「この間の事か?」――ええ」

 

「翌日那緒実さんから晃祐君が"悪魔召喚師になりたいと言われた"と相談されて、恭也や美由希とも話し合ったんだが……」

 

「正直に言うわ。私は晃祐がそう言ってくれた事はとても嬉しかった――でも悪魔召喚師になるのは反対ね。"親として"は常に命懸けの危険な事はさせたくないもの」

 

「私も那緒実さんと同じ様に基本的には反対だ。但し晃祐君の意識と今後の成長次第では任せても良いと思う」

 

 

 やっぱりダメか。でも士郎さんから"これからの俺次第で変わってくる"という好感触な答えが返ってきたのは嬉しかった。そして恭也さんの方に顔を向けると話し始める。

 

 

「俺は2人と違って全面的にという訳じゃないけど一応賛成だよ。俺や美由希の様に幼い頃から本格的な"敵を倒す"術を修練してきていないし、何より実戦経験が無い。様々な経験をこれからどう積んでいって行くか、そして晃祐君自身がどそれ等をどうこなして行くかによっては考えていってあげて良いと思うんだ」

 

 

 恭也さんはやっぱり賛成してくれた……経験なんてソレ位どうにかしてやるよ!

 

 

「晃祐……」

 

「何だよ母さん?」

 

「"親として"反対なのは今行った通り。でも"悪魔召喚師として"言えば、私も40歳を超えて身体に衰えを感じて来ている……だから士郎君の後を恭也君と美由希ちゃんが継いだように、私の後を継いでくれる後継者が欲しいのも事実なのよ?で、なんだけど」

 

 

 母さんは徐ろにハンドバッグから拳銃の様なモノを取り出して俺の前に置いた。これは拳銃に見えるけど銃口がない……コレってもしかして。

 

 

「母さんに約束して欲しい事が有る。絶対に"自分の命を粗末にしない"って事。幾らはやてちゃんを守りたいからって自分の命を簡単に投げ出す様な事は絶対にしちゃダメよ?それに召喚師としての修練にカマをかけて学業や部活を疎かにしない事。自分から言い出した事なんだからどんな時にでも決して弱音は吐かない事……今言った約束を絶対に守れる自信が有るのなら、その拳銃型COMP――"GUMP"を貴方に託すわ」

 

「母さん……っ!」

 

「……召喚師の道は貴方が思っている程生易しいものじゃない。もし少しでも手を抜いた事が解ったりり諦めの感情が表に出て来たりした様だったら、その時は直ぐにコレを取り上げるから」

 

 

 思ってもいなかった母さんの言葉に、心の底から嬉しさが沸き上がって来たのがハッキリと解った……これは約束を最後まで果たす以外、俺に選択肢は無いだろうよ!

 

 

「勿論約束するよ。俺はへこたれないっ!!」

 

「晃祐君、あくまでも今からは訓練生以前の所謂"試用期間"という事になる。これからは普段の生活面と悪魔召喚師としての行動を那緒実さんが、悪魔等から身を守ると同時に攻撃する術は私や恭也が厳しくチェックし、最終的な結論を1年後に出すつもりだ」

 

「俺達は君の事を信頼しているけど、悪魔召喚師として一人の戦士としての信頼は別だ。これから将来、信頼出来るに足る人物に成り得るかどうかを試させて貰うからな!」

 

「――――はい!母さん、士郎さん、恭也さん……本当にありがとうございます!!俺、どんな困難に直面しても挫けない様に頑張ります!!」

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 私が晃祐に"約束"を言うと破顔して本当に嬉しそうな顔をしていた。こういう所は中学生とは言えどまだまだ子どもね……でも"頑張る"じゃダメなのよ?

 

 

「晃祐、今"挫けない様に頑張る"って言ったけど、頑張るじゃダメ。そこは"絶対に挫けない"って言わないと。努力するんじゃなくて、"そうして貰わないといけない"のよ?これから先悪魔だけじゃなく時空管理局――つまり人間とも実際に戦わないといけなくなる。つまり貴方は下手をすれば"人を手に掛ける"かもしれない」

 

 

 私の「人を手に掛ける」という部分に士郎君と恭也君の顔が一瞬強張った。きっとなのはちゃんの事を考えたに違いない。

 

 

「ああ。解ってる……解ってるさ。はやてを守るためなら俺は何だってするさ」

 

「そしてもう一つ。はやてちゃんを守るからと言って他の人の命も疎かにしてはいけない。今後ヤタガラスに入らないでフリーランスの召喚師をやるつもりなら別だけど、もしヤタガラスに入るつもりなら人々や街を出来る限り守る事も考えないと」

 

「そっか、そうだよな……」

 

 

 晃祐は私の言葉を聞いて、ハッとした後それまでの表情とは一変して複雑そうな表情を浮かべる。流石にそこまで考えていなかったか……まぁこの歳でそこまで考えろって言うのも難しい事ではあるけれど。

 

 

「もし万が一"はやてちゃんと街の人のどちらかを選ばないといけない"事態になったとしたら、君ははやてちゃんを優先して構わない。私が在籍していた隠密部隊の様に、悪魔召喚師がカバー出来ない部分をカバーする部隊がヤタガラスには存在しているからね」

 

 

 士郎君が晃祐の頭の中を見透かす様にフォローを入れると、若干表情が明るくなり直ぐに目つきが鋭くなる。そして強く頷き、

 

 

「――――覚悟するよ……母さん、さあこれから何をするんだ!?」

 

「じゃあ、先ずは早速GUMPの説明と使い方を練習しましょうか。戦闘術は今度の土日から……で、士郎君良いわね?」

 

「ええ。平日は私が、土日と祝日は恭也か美由希を付けます」

 

「話も決まった所で……父さんは店の方に出て良いよ。後は俺が……」

 

「……解った。那緒実さん、召喚の練習なら稽古場を使ってください」

 

 

 恭也君に促されて士郎君はエプロンを付けて店の方に出て行った。私達はそれを見送ると恭也君の案内で高町家に併設された稽古場へと向かうのだった。

 

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

 

 稽古場に移動してから1時間程度、母さんから渡された拳銃型COMPの機能や使い方の説明を受けた。このGUMPには悪魔召喚プログラムがインストールされているらしく、今現在の自分の状態だと封魔管よりもタイムロス無く召喚が出来るという。またメモリには8体分の悪魔が格納可能らしく、現在2体分のスペースが埋まっているから「残りの6体は自分自身の力で仲魔にしてみせろ」との事だ。他にも母さんから以前借りていたスマホ型COMP同様にセンサー類も完備している。しかし欠点として、悪魔召喚用に容量が取られているために"アイテム格納用のメモリがスマホ型COMPよりも少ない"という点があるとの事だった。

 

 

「――で、悪魔召喚についてなんだけど、このGUMPは最新型で使用者の思念を読み取るセンサーの様なモノが付いていて、いちいち後ろのセーフティを外して画面とコンソールを出さなくても召喚師したい仲魔を頭の中に浮かべてトリガーを引くだけで召喚が可能になっているの」

 

「でも今は何が格納されているか解らないから、普通にコンソールを操作して出さないといけないんだな?とりあえずやってみるわ」

 

 

 俺はタッチパネルになっているスクリーンとコンソールキーに触れて使用者登録を行った後、悪魔召喚プログラムから可能な悪魔を見てみると2体の悪魔が表示された。

 

①魔獣 ケルベロス/Neutral/相性:火炎吸収,氷結弱点/魔法:リカーム/特技:ファイアブレス,かみつき,アイアンクロウ,フォッグブレス,バインドボイス/???:???/???:???

②妖精 ジャックフロスト/Neutral/相性:氷結吸収,火炎弱点/魔法:ブフ,ディア,マカカジャ/特技:アイスブレス,フロストパンチ/???:???/???:???

 

 

 ……"???"で隠れて不明な部分があった。

 

 

「なぁ母さん、この"???"って何だ?あとケルベロスって封魔管に入ってたヤツなのか?」

 

「"???"については今後の晃祐と仲魔の成長次第で明らかになるわ。それでケルベロスの方は晃祐の言う通り"あの"ケルベロスよ」

 

「よーし。とりあえず呼んでみるか!」

 

 

 先ずは再びスクリーンに触れ、ケルベロスを召喚準備状態にしてトリガーを引くと、足元に魔方陣が描かれた後にその中央から光の柱が立ち上って、それも直ぐに消えて行った。その光の柱の中からケルベロスが現れたのを確認すると、続いてジャックフロストも同様に召喚する。光の柱が消えると青い帽子に青い襟巻き、青い靴を履いた"雪だるま"みたいな悪魔が現れた。

 

 

『アァオォーン!!……久々ダナ』

 

『ヒーホー!初めましてだホ~!!』

 

「ひぃ、ほぉ????」

 

『コイツの口癖ミタイナモノダ。気ニスルナ』

『そーだホ!気にしてたらあっという間に頭がハゲるホ~』

 

「お、おう……それでこっからどうすりゃ良いんだよ?」

 

 

 召喚したのは良いけど、その先が解らなくて母さんに助けを求めた。

 

 

「悪魔召喚師と仲魔は基本的に"対等な関係"なんだから、晃祐が無理矢理命令した所で言う事なんて聴いてくれる訳が無い。これから先、共に戦う同士になるために"最初にやるべき事"は何かしら?」

 

 

 俺が最初にやるべき事……そうか、向こうは俺の事を殆ど知らないんだ。

 

 

「俺は相原晃祐。駆け出しの素人だけど、皆の力を借りてどんな困難にも打ち勝つ事が出来る様な悪魔召喚師になりたい。これから決死の覚悟で努力を惜しまずやっていくんで宜しく頼んます!」

 

 

 俺は2体の悪魔に名前を名乗ると同時に決意を口にした。

 

 

『マァ、良イダロウ坊主……改メテ、オレサマハ魔獣ケルベロス』

 

『晃祐~、オイラは妖精ジャックフロストだホ~!』

 

 

 

 

 

『――コンゴトモヨロシク……』

『――コンゴトモヨロシクホ~♪』

 

 

 

 

 この時、俺は遂に悪魔召喚師としての第一歩を踏み出した。"試用期間"とは言え、皆を絶対に失望させる様な事だけはしない……そう心に固く誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

次回に続く




まあ願いが聞き届けられなければ物語として成り立ちませんよね(汗)
但し1年間の試用期間を設ける事で、召喚師,戦士としての意識を高めるという事にしました。
そして今回はGUMPを使った召喚の説明でした。最初からケルベロスとヒーホーくんの2体を使える事にしたのは、ただ単に絞り切れなかったからです。まぁ両方共マスコット的な存在(?)なのでどうかご勘弁を。
この作品でも仲魔は成長していくにつれて、スキル等が強化されたり開放されたりして行きます。

次回は高町親子による戦闘技能編+αです。





それでは悪魔に身体を乗っ取られぬよう、お気をつけて……
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