この素晴らしい世界に怪獣を!〜三つ首皇帝と紅魔の族長娘〜   作:アスフィア

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遅れて申し訳ありませんでした。

リアルの多忙と、それの所為で執筆の意欲が大きく削がれてしまい、中々書けませんでした。


それを吹き飛ばす為に、シン・ゴジラ観に行ってきました!!

熱線を吐く瞬間、思わず涙しそうになりました。

ではどうぞ!!



このトカゲもどきの討伐(?)を!

「さて、リザードランナーに近い謎のモンスターの討伐……準備は出来たか?」

 

「はい!大丈夫です!」

 

カズマにリザードランナーの討伐依頼を持ってきた王国検察官のセナから、面白い依頼を受けた。リザードランナーに近い謎のモンスター……レベルを上げるのにも丁度良いと判断し、一度宿屋に戻って準備をしている最中……いや、準備を終えた所だ。

 

「しかし……トカゲか。アイツを思い出すな……」

 

「……?」

 

我の呟きに、ゆんゆんが反応する。

 

「ん……あぁ、聞こえてたか?」

 

「はい。その……アイツと言うのは……?」

 

ゆんゆんが興味深そうな表情で聞いてくるので、我はそれに答える。

 

「ジラと言う怪獣だ。リザードランナーの姿は見たこと無いが、特徴を聞くに体形はそれに似ている筈だ」

 

「そうなんですか」

 

「あぁ。しかし、アイツは速いだけで弱くてな。我が死んだあの戦争で、一番最初に宿敵に殺された怪獣だ」

 

「そ、そうなんですか……」

 

ところで、最初に殺されたのはガイガンなのかジラなのか。ガイガンは実際一度死んでるからな……復活したが。

 

「アイツは無駄にテンション高くてな……うるさい奴だったが、それと同時にムードメーカーだった。今思えば、結構アイツの世話になった気もするな」

 

「……す、すみません……」

 

「何故謝る?我が死んだ奴を思い出して悲しむと思ったのか?まぁ……確かに、かつての戦友が死んだのは辛いものもあったが、我等はいつ死んでもおかしくない事をしてたんだ。死ぬのも当然だし……というか死んだし……」

 

もう気にする気持ちも無い。今はとにかく、依頼を遂行するだけだ。楽しくな。

 

「とにかく、準備が終わったのなら行こう。もたもたしてると被害が出るかもしれんぞ?」

 

「はっ、はいっ!」

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

「これがリザードランナーか……」

 

二足歩行のトカゲがあちこちにいる。

 

その中で一際異彩を放っている個体と、それに付き添う個体がいる。多分それが姫と王だろう。

 

「エクスさん、あれって王様ランナーと姫様ランナーですよね?」

 

「多分な。しかし、そいつ等の始末はカズマ達だろう。我々は謎のモンスターを優先するぞ」

 

「わ、分かりました」

 

そう言って、ゆんゆんは我の後ろから付いて来る。

 

「しっかし……何と言うか……似てはいないが似ている様な、何とも言えない感じだ」

 

「えっと、ジラさんにですか?」

 

「ジラにはさん付けしなくていいだろ」

 

他愛の無い会話をしながら、丘を登っていく。

 

「この丘を越えたら目的地だ。多分そのモンスターも見えるだろ」

 

「……エクスさん」

 

「何だ?」

 

「確か、エクスさん達は死んだのに何故かこの世界で蘇った、って言ってましたよね」

 

「そうだが」

 

ゆんゆんは何が言いたいのだろうか。

 

「って事は、もしかしたら今回のモンスター……その怪獣って可能性もありますよね……?」

 

「…………プッ」

 

「な、何で笑うんですか!!」

 

何を言うかと思ったら……ゆんゆんはこんなジョークも言えるのか。

 

「いや、我々みたいに転生してるのは現状、強さのランクで上位に位置する怪獣だけだぞ?」

 

「で、でも……」

 

「そんな状況なのに、同じ大きさならこの世界のモンスターにさえ負けかねない下位中の下位の怪獣がこっちにいる訳」

 

「ギシャアァァァン!!」

(今下位中の下位っつったかゴルァ!!)

 

「あったぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

マジか。目の前にジラがいる。しかも結構怒ってる。

 

「えっ……まさか本当にこのトカゲがジラさんですか?」

 

「ギシャアァァァン!?」

(今トカゲっつったか?あぁん!?)

 

結構じゃないな。ブチ切れてる。なんとかせねば……

 

「落ち着け落ち着け。まさかこんな所で会えるとは思ってなかったぞ」

 

「ギシャアァ!!」

(テンメェどこのもんだ!!そこの街のもんか!!)

 

ダメだこれ。一度黙らせるか。

 

「……ギドラ」

 

「ギシャアァ!!……ギシャァ!?」

(マグロ置いてけ!!……ってギドラ!?)

 

相も変わらずマグロ好きだなこいつ。

 

「久し振りだなぁ、ジラ。人間の姿になってるが……我が誰か分かるか?」

 

「ギシャァン」

(一人称が我だったの皇帝だけじゃないっすか。分かるに決まってるじゃないっすか)

 

「……だな」

 

チラリと目を向けると、そこにはまったく現状について行けてないゆんゆんの姿。ジラの言葉は通じないからな。

 

「ギシャァン?」

(いやー、にしてもここって何処なんすか?)

 

「後で話す。あと、お前我について来い。謎のモンスター扱いされてて討伐依頼出てるぞ」

 

「ギシャン!?」

(マジで!?)

 

「……なぁゆんゆん、こいつを殺さずに依頼を達成する方法ないか?」

 

「えっ?えーと……」

 

こんな事を考えてると、向こうからギャーギャーと声が聞こえてくる。多分カズマ達のパーティーだろう。

 

「……ペ、ペットにする、とか……?」

 

「ギッ」

(えっ)

 

「おぉ、それいいな」

 

「ギシャッ」

(えっ)

 

「しかし……無傷で罠も無く捕らえて、既に懐いてる状態と言うのは流石におかしいよな」

 

「そ、そうですけど……」

 

「……すまん」

 

「えっ」

「ギシャッ」

(えっ)

 

最初に謝り、ジラの顎に蹴りを入れる。

 

「ギッ」

 

「ジ、ジラさーん!?」

 

ジラは小さく声を上げると、そのまま倒れ伏した。

 

「……やべっ、やり過ぎた」

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

「……成る程。やはり貴方は規格外ですね」

 

「それは褒めてるのか?」

 

「はい」

 

街に戻り、セナに今回の依頼の報告をする。ジラを連れて来た時、一瞬よろけた様に見えたが気のせいだろう。

 

因みに、ゆんゆんは先にギルドの掲示板を見に行っている。

 

「それにしても……いよいよ家を買わなきゃいけなくなったな」

 

「流石にペットとはいえモンスターを入れてくれる宿屋は無いでしょうね」

 

「ギシャァァ……」

(間に合わせだからってロープで首輪作らんといて……首吊りロープみたいになってるよ……)

 

何かを愚痴るジラを無視し、報告を済ませる。

 

「さて、報告ありがとうございました。では、また何かあったら頼みに行くかもしれないので、宜しくお願いしますね」

 

そう言って、セナは笑みを浮かべて手を振る。……成る程、ガイガンが惚れる訳だ。

 

「見ぃ〜〜〜つけたぞぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

「……ハァ……」

 

噂をすればなんとやら。この叫び声を聞いた瞬間、セナが硬直する。

 

「ギシャッ!?」

(え、今の声ってガイガンさん!?)

 

「もう疲れました……」

 

セナのその言葉と同時に、ガイガンが扉を開けて突っ込んでくる。

 

「何やっとんじゃゴルァァァァァ!!……あ、セナさんいたの?」

 

「!?」

 

我もセナもてっきりセナ目的で突っ込んで来たのかと思ったが、今回は違った様だ。

 

「セナさん、後でお茶でもしない?迷惑料代わりに。うん本当。で、本当にエクスお前何してんの!?」

 

「何ってこいつをペットにしただけだが」

 

「ギシャァン……」

(せめて馬代わりと言って欲しい……)

 

「「お前の背には乗れないだろ」」

 

「ギシャン!!」

(ヒドイ!!)

 

何か言ってるジラを適当に相手して、どうやらガイガンの目的はジラをペットにした事についての様だ。

 

「まっっったく……外でエクスが変なモンスタートカゲを連れてるって聞いたから何事かと思ったぜ……」

 

「ギシャン」

(もう慣れたよ。俺はトカゲだよ畜生)

 

「で、ガイガン。お前に頼みたい事があるんだが」

 

「いーよいーよ。どうせこいつを飼える家を作れってんだろ?」

 

「話が早いな。で、頼めるか?」

 

「答えはNO。なんで条件の揃ってる家があるのに作らなきゃいけないんだ」

 

「……あるのか」

 

「あります」

 

「ギシャン!」

(お値段たったの398!)

 

「「うるせぇ」」

 

「ギシャン!」

(泣きたい!)

 

 

 

〜〜〜〜〜

 

 

 

「んじゃ、これが地図ね。担当の人送っとくから、後はその人に聞けば家の説明してくれるよ」

 

「助かる。では、お前も……程々にしとけよ」

 

「あぁ。そんじゃーな!」

 

ガイガンとの話も終わり、我は冒険者ギルドへと向かう。

 

すると、丁度ゆんゆんがギルドから出てきた。めぐみんと共に。

 

「あ、エクスさん!」

 

「どうした?随分嬉しそうだな」

 

「はい!今日からしばらくめぐみんが一緒に泊まるんです!」

 

「よろしくお願いします」

 

成る程。友人が泊まりに来るともなれば、嬉しくなるのは当然か。

 

「……ところで、エクスさんは本当にこのゆんゆんのパーティーとしてやっていくつもりですか?」

 

「……お前にとってのゆんゆんはどういう人物だ?」

 

「頼まれれば知らない人にも付いて行きそうな危なっかしい甘っちょろい友人です」

 

「めぐみん!?」

 

「……ゆんゆん、流石にそれはどうかと思うぞ……」

 

「ちちち違います!!私そんなんじゃありませんから!!」

 

「さっき変なおじさんに絡まれて普通に話し聞こうとしてたのに何言ってるんですか」

 

「めぐみん!!」

 

「ほぉ、そいつは誰だ?ちょっと挨拶しないとな」

 

「ギシャァ!!」

(ヤメロォ!!)

 

ジラは無視し、話を続ける。

 

「で、宿屋なんだが……引っ越すぞ」

 

「えっ?」

 

「こいつを飼う為に家を買った。結構安かったし、四人は住める家だから宿屋に金払って泊まるくらいなら家に来い」

 

「え、ちょ、ちょっとそれは……!!」

 

「……これ素ですか。やっぱりゆんゆんの仲間になる人は変わってますね」

 

「どういう事だオイ」

 

我とめぐみんがそんなやりとりをしていると、ゆんゆんが我の服を引っ張る。

 

「あとエクスさん!私の仲間募集の紙にこんなのが書いてあったんですよ!!」

 

そう言って、ゆんゆんはあのとても悲しい募集の紙を見せてくる。そこには、新たな紙を貼り付けて、メッセージが書いてあった。

 

『こちらアークウィザードと冒険者一名。両者とも前衛後衛両方とも出来る為、もし宜しければウィズ魔法店まで来て下さい。店主にこの紙を見せれば大丈夫です』

 

「新しい仲間と会えるかもしれませんよエクスさん!」

 

「あ、あぁ、そうだな……」

 

ゆんゆんが喜んでるので、言い出せないが……我としては、仲間が増えるのは好ましくない。

 

我は正体を隠している身だ。だからこそ、真実を知りかねない者は出来るだけ作りたくない。故に、最も真実を知る事に近くなる仲間は……

 

「本当に甘っちょろいですね、ゆんゆんは」

 

……作りたくない。でも、尻尾があったらブンブン振ってそうな程に喜ぶゆんゆんを見てると、それは絶対に言い出せない。

 

 

 

 

……だからこそ、後悔した。まさか、あんな事になるとは……

 

 




最高だったさ。

予想してなかった曲も流れ、予想外の展開。

最高だったさ。


だが人間の作戦会議BGM、お前だけは許さん。
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