この素晴らしい世界に怪獣を!〜三つ首皇帝と紅魔の族長娘〜 作:アスフィア
遅れた理由としましては、リアルにそこまで余裕が無かった事と、私のメインの活動場所がpixivであり、そちらの作品を優先させていたこともあります。
最近、コメントを貰いまして、放置していた事を深く反省し、急いで完成させました。
その為、何時もより少し短いですが、それでも読んで頂ければ幸いです。
もう一度、本当に長らく待たせてしまい、申し訳ありませんでした。
では、本編をどうぞ。
なお、前半エクス視点、後半ゆんゆん視点です。
※2月1日、文中に矛盾が発生してるのを修正。
「ほぉ、これが新しい家か」
ガイガンが用意した、我の新しい住処。そこそこの庭もあり、ジラを住まわせるには充分な場所だ。
「ギシャァン」
(穴掘ったら拙いかなぁ)
ジラが何か言ってるが、取り敢えず無視だ。そこら辺はジラ自身に任せるとして、先ずは家の中を見ていく。
「お、お邪魔しまーす……」
「ゆんゆんはこれから『ただいま』になるんですよ?分かってるんですか?」
恥ずかしそうに家に上がったゆんゆんに対して、淡々と述べるめぐみん。瞬間、ゆんゆんは真っ赤になってめぐみんに何かを言おうとしてるが、何も言えてない。可愛い。
「……にしても、これ程の家を買って、お金の方は大丈夫なんですか?この前の亜人を追い払った報酬でかなり貰ったとも聞きましたけど」
「そう言えば、この家自体の代金を聞いていないな。ガイガン自身言ってなかったから忘れてたな……まぁ、1億有れば多分大丈夫だろ」
「あ、あの、その事なのですが……」
いきなり、後ろから声を掛けられる。スーツを着た男で、おそらくガイガンが送ると言っていた説明担当の人間だろう。
「う、上から言われただけで私は何故こうなったのか分からないのですが……代金は結構だそうです……」
「「「……えっ?」」」
我もゆんゆんもめぐみんも、全員が変な声を出した。まぁ、こうならない方がおかしいだろう。
「で、ですから、代金は結構です、と……」
「い、いやいやいや……それは流石におかしいだろう?」
「わ、私もおかしいとは思ったのですが、ガイガンさんが頭を抱えて言ってきたものでして……」
「……まぁ、分かった。タダなら都合が良いからな。もっとも、それを利用して我々に色々言ってくる魂胆かもしれんが……」
そんな事を言いながら、担当者から書類を受け取る。
……パッと見だが、変な部分は無さそうだ。しかし、
「で、では、説明に入らせて頂きます……」
何故か怯えながら説明する担当者。我が何かしただろうか。
「で、では、説明は以上となります……では、お買い上げありがとうございました……」
そう言って、そそくさと逃げる様に帰っていく担当者。……そんなに怖がらなくても良いだろうに。
「……一体何が起こってるんだか。我に関係無い事を祈るしかないか……」
「あ、あの、エクスさん……」
おそらく通じないであろう祈りを口にしてみたところでゆんゆんが話しかけて来る。一体なんだろうか。
「あ、新しい家の事も良いんですけど……」
「あぁ、新しく仲間になるかもしれない奴等に会いに行くんだったな……ウィズ魔法店と言ったか」
正直なところ、我が怪獣という存在だという事を知る事になるような者は作りたくない。我の正体がバレてしまえば、グランドやガイガン……それに、我と関わっているゆんゆんにも危機が訪れるだろう。
怪獣は迫害されるもの。そういう風に父上から聞いた。実際にはどうなのかは分からないが……
「え、エクスさん?」
「ん、あぁ、ちょっと考え事をしてた。そうだな……取り敢えず荷物を置いたら行こうか……」
新しい仲間が出来ると思っているゆんゆんを見ると、行かないという選択は出来ない——————
〜〜〜〜〜
「ここが魔法店か……」
エクスさんとめぐみんと一緒に、ウィズ魔法店に訪れる。
「しかしまたゆんゆんとパーティを組みたいって言う人がいるとは……どんな人なのか」
「それどういう意味よ!?」
いつもの様に意地悪を言ってくるめぐみんだけど、深くは考えないでお店に入る。
「あ、いらっしゃいませ!!ウィズ魔法店にようこそ!!」
元気で優しい声で、店主のウィズさんが挨拶する。
「……あれっ?もしかしてゆんゆんさん?」
「はい!お久しぶりです!」
私は以前、このお店で麻痺の魔法の強化ポーションを買った事がある。確かに強化されたけど、自分まで麻痺に掛かる代物だったけど……
「んげぇっ!?紅魔族!?」
「「えっ?」」
そんな時にお店の奥から悲鳴にも近い叫び声が聞こえてくる。
「……ま、魔王軍幹部!?」
少しだけだけど、その姿は見た事があった。手配書に描かれていた、魔王軍幹部ベルディア。
「え、ちょ……アクアの浄化魔法で消えた筈じゃ!?」
めぐみんが杖を構えて言い放つ。カッコ良いんだけど、めぐみんが放つ魔法は100%爆裂魔法なので止めて欲しい。
「いや……俺も消えたと思ったんだけどな……変な奴に助けられてな……『私が死ぬには貴方位の奴じゃなきゃダメだから』とか言われてな……今じゃあ正直あの時浄化されてた方が良かったと思ってる。割と真面目に」
話す前と話した後の二回に渡り、大きな溜息を吐く魔王軍幹部。……一体何があったんでしょうか……?
「というか……もしかしてアレか?そこの爆裂狂はパーティいたし……もう1人の紅魔族とそこの男が彼奴等が言ってたパーティ候補か?」
「っ!その方々の事を知ってるんですか!?」
魔王軍幹部が相手だけど、思わずその話に食いついてしまった。魔王軍幹部も少し引いている。
「あ、あぁ。俺を助けた頭おかしい奴だぞ?悪い事は言わん、止めた方が良い。あとそこの爆裂狂。お前の仲間のあのアークプリーストに言って俺を浄化させてくれ。真面目に」
「苦労してるなら浄化させなくても良い気がしますけどね。私で良ければ、爆裂魔法で成仏させてあげますよ?」
「ふざっっっっっけんな!!だから紅魔族は嫌なんだ!!」
魔王軍幹部は、止めた方が良いと言うけれど……私は、一度は会いたいと思ってる。
「しかしアレですね。本当にゆんゆんの仲間になりたいって人は変わってますね」
皮肉っぽく言っためぐみんに反論を言おうとして、
「貴様ァ!!コレを何処で手に入れた!?」
カウンターの物が落ちて割れる音と共に、エクスさんが叫んだ。
「え、エクスさん!?」
ウィズさんの胸倉を左手で掴み、右手には何かを持っている。
黒っぽい……何かの鱗?
「い、いえ、その、それは……」
驚き、恐がるウィズさんが言おうとしたその時。
「それは俺があげたんだよ。珍しい生き物の鱗っつってな」
お店の入り口から声が聞こえてくる。皆そっちを見て、多種多様の反応を見せた。
髪も服も黒い男性が居て、その後ろには……
「う、ウィズさん……?」
ウィズさんに非常に似た女性が立っていた。でも、髪は黒いし目の下にクマが出来てる。目付きもちょっと怖い感じの女性だ。
そんな中。
「いやぁ、お店で暴れちゃだめだろ?その商品の代金どうするんだよ?」
「…………」
軽い感じで話す男性と、無言で睨みつけるエクスさん。何か嫌な予感がする。というか嫌な予感しかしない。
「……まぁ、そうだよな。お前としちゃあ、話し合う気にはならねぇよなぁ?」
そう言った男性が拳を構える。
それを見たエクスさんは一瞬だけ笑みを浮かべると、思いっきり叫んだ。
「ここで死ねぇ!!ゴジラァァァアァァァァ!!!」
次回は彼等の話の前に、とある怪獣のお話となります。