この素晴らしい世界に怪獣を!〜三つ首皇帝と紅魔の族長娘〜   作:アスフィア

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第一章〜皇帝と紅魔娘〜
この皇帝に紅魔娘との出会いを!


冒険者ギルド。ここは、冒険者カードを作り、冒険者のサポートを行う場所。

 

今、冒険者ギルドはちょっとした騒ぎになっていた……

 

「う、運以外のステータスがカンスト!?スキルポイントも爆裂魔法三回覚えられる位に溜まってるって貴方何者なんですか!?」

 

何者と聞かれれば、怪獣、その中でもトップに位置するカイザーギドラと答えたいのだが……そう答えたら確実に拙い。と、ちょっと待て。

 

「……運以外?」

 

我が問うと、受付嬢は気まずそうに目を逸らし、

 

「えっと……運はかなり低くて……」

 

「……そうか」

 

どうしよう、すごく思い当たる。人間がゴジラに変な事をしなければ勝てたものを……

 

……そういえば、ガイガンに背中も斬られたな……

 

「えっと……取り敢えずこの用紙に記入をお願いします」

 

我の表情を伺うようにしてた受付嬢が紙とペンを渡してくる。……うぅむ、名前か……

 

「……エクスにしとこう」

 

カイザーギドラなんて書いたら確実に拙い。モンスターXと書いてもダメだろう。なら、それっぽい名前を書くしか……

 

「書き終わりましたか?書き終わりましたら、職業を決めてください」

 

「職業……ね……」

 

リストを渡され、色々見る。

 

「えーっと、エクスさんならクルセイダーやソードマスター、アークウィザードなどの上級職になれますよ!」

 

「ふむ……ん?この全てのスキルを覚えられる冒険者というのは?」

 

「え?えと、冒険者ですか……?冒険者は全てのステータスが低い最弱職なんですが、覚えたいスキルを見て教えてもらえば、どんなスキルも覚えられるんです。でも、先程申しました様に冒険者は最弱職なのでお勧めはしませんが……」

 

「既に運以外がカンストしてるのにステータスが低いからお勧めしないと言うのも変な話じゃないか?それに、全てのスキルを覚えられるのなら決して最弱職ではないだろう?」

 

「た、確かにそうかもしれませんけど……」

 

この受付嬢はどうあっても我を上級職に就かせたいらしい。元々我に職業なんて概念が存在しないから、やりやすい冒険者がいいのだが……

 

「まぁ、何とでも言えばいい。我は冒険者にならせてもらうからな」

 

「……はい、では……」

 

受付嬢は渋々と手続きを進める。

 

……そんなにいやか?我が冒険者を所望するのは?

 

「完了しました。では、良い冒険者生活を……あ、あちらに仲間募集の掲示板がありますので、そちらも寄ってみてください」

 

「……成る程、最弱職を選ばせたくなかったのはそういう事か」

 

それを聞いた受付嬢は、肩を竦めた。

 

元の能力がどうであれ、職業が冒険者となれば最弱職の人間としてしか見ないのだろう。まったく、これだから人間は……

 

先程まで我の事を見ていた周りの奴等も、冒険者に決めた途端に去って行った。まだ何人かは残って見てはいるが。

 

「しかし、色んな奴等がいるものだな」

 

辺りを見渡すだけで、十人十色という四字熟語を思い浮かばされる。

 

剣を持った男、杖を持った女、短剣を持つ少女、全身鎧を着込んだ男、その他色々。

 

これまた随分と……ん?

 

「ッ!…………」

 

……一人、紅い目をした女性が我と目を合わせたが、すぐに目を逸らした。何だったのだろう。まぁいい。先ずは仲間募集掲示板とやらを見てみるか………

 

 

 

 

 

 

「『盗賊募集』『上級職募集』『魔法が使える人募集※冒険者以外』……確かに、冒険者を求める者は殆ど居ない様だな」

 

「…………」

 

掲示板に張り出されてる紙を見るが、殆どが冒険者NGだ。

 

「何故こうも差別をするのか……いや、この場合は妥当なのか?冒険者は死と隣合わせな筈だからな……」

 

「…………」

 

「……むぅ、やはり少ないな……募集してるものも条件付きだな……」

 

「…………」

 

「…………」

 

さっきから何なんだ。流石に怒るぞ?

 

「……おい、さっきから視線が気になるが……喧嘩でも売ってるつもりか?」

 

振り向き、怒気を含ませて言い放つ。

 

「い、いやっ、その……すみません……」

 

仲間募集掲示板を見る前からこちらを見ていた紅い目の女性がビクリと震えた後、悲しさが含まれた声で謝罪する。

 

……この場所、この時間で一人ということは、恐らく此奴も仲間が居ないのだろう。しかし、それとこれとは別だ。我はそこまで優しくは無い。仲間を見つけたいなら自分で見つける事だ。

 

「ふむ……?」

 

年齢不問、職業不問。本人の職業はアークウィザード。これは丁度良い募集だ。だが……その後の文が……目を合わせなくても話を聞いてくれる人とか哀れすぎる。此奴はどれだけ人付き合いが苦手なのだろうか。

 

「えーと、この募集者の名前は……『ゆんゆん』?」

 

何だこの名前。周りの者の名前と比べるとかなり浮いているが……別に構わないか。後は、このゆんゆんなる人物を捜すだけだが……誰に聞こうか。

 

「…………」

 

「……チッ」

 

飲み物を飲みながら落ち込んでるあの紅目の女に聞くとしよう。不本意だがな。

 

「おい」

 

「ひゃっ!?さ、さっきは本当にごめんなさい!!」

 

「落ち着け。その事じゃない」

 

「え……と、それじゃぁ……!?」

 

この女は目を輝かせながら見てくるが、我は優しくは無い。

 

「言っておくが貴様とは組まん」

 

「うぅ……そう……ですよね……」

 

思い切り落ち込む女。ちょっと周りからの視線が痛いが、どうでもいい。

 

「先程の掲示板で、我を入れてくれそうなものがあったんだがな。如何せん、誰が誰なのかがまったく分からん。だから貴様に聞こうと思ったのだが」

 

「はい……分かる限りでなら……」

 

落ち込みながらの作り笑顔程分かりやすいものは無いのではないか?

 

「その者の名は『ゆんゆん』と言うらしいのだが」

 

「はい、ゆんゆ……えっ?」

 

「あ?」

 

何故貴様が驚く?そんなに凄い奴なのか?

 

……いや、ちょっと待て。そのゆんゆんとか言う奴、職業はアークウィザードとあったよな……

 

此奴の姿を見るに、恐らくウィザードかアークウィザード……

 

……う、運のステータスが低いと言ってたが、流石にこれは無いだろう……!!頼むから違っていてくれ……!!

 

「わ、私がゆんゆんですっ!!」

 

 

 

————あぁ、やっぱり我は運が無いのだな。

 




挿絵を描こうかどうか迷う。上手くは無いけど……
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