この素晴らしい世界に怪獣を!〜三つ首皇帝と紅魔の族長娘〜 作:アスフィア
あと、ゆんゆんの喋り方を原作に近づけたつもりなんですが……どうですかね?
「むぅ……ここは……?」
我は先程、ゆんゆんの部屋に入らせてもらった筈。なのに、今いる場所は宿屋などでは無かった。
神々しい様でいて、何も無い。辺りを見渡しても、光のグラデーションが広がっているだけの世界の様な……
……とは思ったが、ここ一度来た事あるぞ。
「早速すまんのぉ、モンス……いや、エクス殿」
声のする方を見ると、やはりあの御老神がいた。……え、まさか我は死んだ?
「いや、死んどらんよ。ちょっと急用での……お悪いが主の身体には眠ってもらっている」
「……今、我の身体はどうなってる?」
「お主の仲間が介抱しとるよ。する必要も無いのじゃが」
……無駄な心配掛けたくないからとっとと終わらしたい。
「それは安心せい。儂等としても転生させた者に干渉するのは禁じられておるからな。今回は特例と言うことで干渉しておるから早く済ませなければならぬ」
心読まれるのは慣れんな。しかし、特例と言うことは相当な事情があるのだろうな?
「あぁ……儂とは違う所での出来事なんじゃが、『怪獣を召喚できる道具』を求めた馬鹿がおってな」
……待て、嫌な予感しかしない。
「その道具を使った馬鹿はもう召喚した怪獣に殺され、道具も怪獣に破壊されたのじゃが……」
「怪獣がそのままなんだろう?」
「その通りじゃ」
こいつ等は干渉出来ないって言ってたからなぁ……
「もう言われなくても分かる。それを倒せと言うんだろう」
「話が早くて助かる。ただ、お主の敵になる者、お主と同じ様に人として暮らしてる者もおるからそこは注意しとくれ」
成る程……って待て!!
「我の様に人として暮らしてる者もいるのか!?というか人として暮らしてるってまさか我よりも前から!?」
「前からじゃよ」
「何故無視してたんだ!?というか其奴等に頼めば良いだろう!?」
「いや……それなんじゃが、儂等は転生者にしか干渉出来ぬ。その者達はあくまで『転生者に召喚された』だけじゃからの」
「むぅ……我は転生者の身体を媒体に蘇ったから転生者扱いと言う事か……」
「悪いが、もう時間切れじゃ。最後に伝えておくとなると、その者達もお主の様に縮んでおるからそこは安心せい」
「この姿のまま本来の大きさの怪獣を相手にするのは流石に我でも無理だからな。それはありがたい」
怪獣か……我の知る限りではガイガンにヘドラ、エビラとカマキラスにクモンガ、ジラにラドン、アンギラス……キングシーサーにマンダとモスラ……そして我々ギドラ一族に……あの忌々しい……
「あ、お主とは別の世界の怪獣もおるぞ」
「……はっ?……いや待てそれはどういう……」
それを聞こうとした瞬間。我は光に包まれた。
「エクスさん!エクスさん!!」
「……ぬぅ……?」
「エクスさん!!!」
ゆんゆんの声に起こされ……うぉっ!?
「ち、ちちち近い!!」
ちょっと涙目になったゆんゆんが目の前にいるものだから驚いた。……心配しすぎだろう。
「良かったぁ……心配したんですよ!?いきなり倒れたんですから!!」
「う、うむ。介抱してくれてありがとう。多分慣れない事したから倒れたんだろう。あの魔法は強いが控えた方が良いな……」
倒れた理由を適当に作り、誤魔化しておこう。丁度良さそうな行動も取ってた事だしな……
「そうしてください。……で、でも、一応慣れて置いた方が良いかもしれませんけど……」
……めぐみんとか言う奴、爆裂魔法で何かしら手柄挙げたな?そうでもなければこんなぶっ倒れた後なのに慣れろとか言わないだろう……?まぁ、それは別にいいか。
「……少々気にしてたんだが、我に敬語は使わなくても良いぞ?」
「え、あ、そうですか……?」
「そもそもお主の方が先輩だろうが」
「そ……そう、そうね。それじゃ、これから改めて宜しくね、エクスさん」
ゆんゆんは笑みを見せ、そう言ってきた。
……やはり、我の冒険者カードは間違ってる。運が無ければ、こんな笑顔を見れる世界になんて来れなかっただろう。
〜〜〜〜〜
「む……もう昼時か。話は後にして、取り敢えず飯を食べるとしようか」
エクスさんはそう言って、ベッドから起き上がる。
「あ、身体は大丈夫なの!?」
「大丈夫だ。少しだけだが、睡眠を取ったから問題無い」
そう言って肩を回すエクスさん……本当にこの人、人間なのだろうか?
「エクスさん待ってくださいよー!」
「ふむ……ジャイアントトードの肉がここまで美味いとは思っていなかったな」
エクスさんは、この街ではお馴染みのジャイアントトードの料理を満足そうに食べる。
「私も最初は驚いたけど、食べると美味しいですよね」
「あぁ。……さて、食べ終えたし……話をする前に、ちょっと街を回って見ても良いか?」
エクスさんは少し申し訳なさそうに、聞いてきた。
彼はこの街に来たばかりらしいからまだこの街の事をよく知らない筈。
「……そうね。分かったわ。それじゃ、行きましょう!」
私はそう言って、一緒にお店を出たけど……
……よ、よく考えてみたら、これってまさか、で、でででデート!?
「……?どうした、顔が真っ赤だぞ?熱でもあるのか?」
「いっ!?いえ、大丈夫、です……」
「?」
さ、さっきまで意識してなかったけど……周りのエクスさんを見る女性の目が結構輝いてて……その後に私を見る時の目はちょっと嫉妬してるようだし……
……恥ずかしい……!!
「……む……?」
そんな時、エクスさんが喫茶店の前で立ち止まった。
「ど、どうしたの?」
「……店の前で待ってろ。恐らく知り合いがいる」
「え?ちょ、ちょっとエクスさん!?」
それだけ言うと、エクスさんは喫茶店へと入っていった。
「……そう言えば、ここってどんなお店なんだろう?」
喫茶店なのだが、あまり人目につかない場所にある。
その上、入っていく人が全員男性で……
「——い——貴——」
「——な——X—何——」
「……?」
そんな事を考えてたら、お店の中から変な声が聞こえ————
「だからアレは事故だったって俺っち言ってるでしょうよぉぉぉぉ!!」
「分かってるがそれでも一発殴らせろぉぉぉぉ!!!!」
————たと思った瞬間、扉が勢い良く開き、エクスさんが誰かを追いかけながら出て来た。
「え!?え?!何が起こってるの!?」
「ひぃぃぃっ!!この鬼!悪魔!!人でなし!!!」
「待ちやがれ!!こンのチェーンソー野郎がぁぁぁ!!!」
そのまま、エクスさんは私を置いて、知り合い(?)を追い掛けて行った。……って!!
「置いていかないでー!!」
「はぁ……はぁ……どこ行っちゃったんですか、エクスさん……」
あの後、全力で追い掛けたけど追い付けずに置いて行かれてしまった。
「あら?貴女、エクスの知り合い?」
そんな時に、誰かが声を掛けてくる。
「え……?」
その人物は金髪の女性だった。周りの男性の視線が釘付けになるくらいに美しく、身体も……簡単に言って、ダイナマイトボディだ。
「ふふ……私は彼の友人よ」
「そうなんですか……?」
そういえば、エクスさんは友であり、ライバルである人がいるって言ってたっけ……
「うーん……友達なんだけど、私と彼はライバルなのよね。そんな感じの事を彼から聞いてないかしら?それ以外に彼の友人だって事を証明する術が無いのだけれど……」
「エクスさんからそう聞いてますから大丈夫ですよ」
「あら、それなら良かったわ。で……貴女、名前は?……あ、名乗りづらかったら普通に名乗っていいからね?」
多分紅魔族の名乗りを知ってるみたい。……普通にやらせてもらおう……
「私はゆんゆんです。宜しくお願いします」
「ゆんゆんちゃんね。それにしても可愛いわねぇ……食べちゃいたいくらい♪」
笑いながらそう言う女性。
「うふふ……私はランド。宜しくね、ゆんゆんちゃん……♪」
そう言ったランドさんの笑みは、とても美しく。
それでいて、どこか恐ろしさを思わせて……
次回、第一章EX突入!!