牙狼×けいおん 白銀の刃   作:ナック・G

137 / 137
こちらではお久しぶりです、ナック・Gです!(滝汗)

統夜・流牙コンビvsザジの対決直前で話が終わって1年以上放置してしまっていた。(愕然)

牙狼ライブの方を更新せねばせねばといたら、いつの間にか1年以上経っていたのですwww

そんな感じではありますが、一応話を最後まで完結させました!

ザジとの直接対決の結末はいかに?

それでは、EPISODE5をどうぞ!




EPISODE5 「希望〜HOPE〜」

自分のいる世界とは違う世界には飛ばされた統夜は、その世界の牙狼である道外流牙と、その相棒である魔戒法師、莉杏と出会う。

 

さらに統夜はこの世界を脅かす魔獣であるザジが復活しようとしていることを知り、そのザジの祭壇を守っていた魔戒法師とも出会う。

 

その魔戒法師はなんと、統夜の恋人である中野梓と瓜二つの魔戒法師、アズサであった。

 

統夜、流牙、莉杏、アズサの4人はザジ討伐へと向かっていき、その途中、素体ホラーの大群と遭遇する。

 

その数は多かったため、莉杏とアズサが素体ホラーたちを倒す役割を引き受け、統夜と流牙はそのままザジのもとへと向かっていった。

 

祭壇に到着した2人は、今回の事件の元凶であるザジと遭遇した。

 

ザジの目的は、黄金騎士の系譜の抹消である。

 

ザジは統夜が牙狼と似たオーラを放っていると感じたため、間違えてこの世界に呼び寄せてしまったのだが、統夜が白銀騎士奏狼の称号を持つ魔戒騎士と知ると、統夜にも狙いを定めていた。

 

どうやらザジは黄金騎士だけではなく、白銀騎士も目の敵にしていたのだが、流牙の世界の奏狼の系譜は既に途絶えていた。

 

別の世界にて生き残る奏狼の系譜を断つため、ザジの魔の手が伸びようとしていたが、統夜と流牙はそんなザジを倒すために向かっていった。

 

「「……はぁっ!!」」

 

統夜と流牙は同時に魔戒剣を一閃するのだが、ザジは両手を使って2人の攻撃を防ぐ。

 

すかさずザジは反撃と言わんばかりに衝撃波を放っており、それを受けた2人は吹き飛ばされてしまった。

 

しかし、統夜も流牙もすぐに体勢を整えており、再び魔戒剣を構えてザジを睨みつけていた。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

統夜は負けじとザジに向かっていき、魔戒剣を一閃するのだが、これもまた、ザジに防がれてしまう。

 

「愚かな……。同じ攻撃がこの俺に通用すると思うなよ!」

 

懲りずに同じ攻撃を仕掛ける統夜にザジは呆れており、ザジは両手に備え付けられている爪と剣による攻撃を仕掛けた。

 

剣による攻撃は魔戒剣で防ぐことは出来たのだが、爪による攻撃が統夜に迫る。

 

そんな中、統夜は咄嗟に魔戒剣の鞘を取り出すと、鞘を巧みに使ってザジの爪による攻撃を防いでいた。

 

「へぇ、鞘をこんな風に使うのか」

 

『なかなか面白い戦い方をするもんだな、あの小僧は』

 

鞘を巧みに使う統夜の戦い方に、流牙とザルバは感心していた。

 

「よし、俺だって!」

 

流牙は1度魔戒剣を鞘に納めると、少しだけ魔戒剣を抜刀し、また鞘に納めた。

 

すると、魔戒剣の鞘から複数の刃が飛び出してきた。

 

「……統夜!避けろ!」

 

流牙は統夜にこう警告をしてから鞘に入った魔戒剣を振るうと、そこから複数の刃が飛び出してきた。

 

統夜はザジを弾き飛ばすと横っ飛びをして回避をしたため、流牙の放った刃がザジに直撃した。

 

「……!?飛び道具?」

 

『ほぉ、魔戒剣の鞘に仕込み刃とは……。これは面白いぜ』

 

流牙の魔戒剣の鞘に隠されたギミックに統夜は驚いており、イルバは感心していた。

 

「おのれ……!忌々しき騎士どもめ……。俺の本当の力で、貴様らを葬り去ってやる!」

 

ザジは統夜と流牙の2人を睨み付けると、精神を集中させていた。

 

すると、ザジの体は徐々に大きくなっており、その体は先ほどの倍になっており、背中には羽が生えてきた。

 

ザジの体が変化したのと同時に、その場の空間が変化しており、未知の空間へと変化していた。

 

空間が変化したことに2人は驚くのだが……。

 

「そうはさせるか!……行くぞ、統夜!」

 

「あぁ!」

 

そんなことには負けじと、流牙と統夜は互いに顔を見合わせると頷き合っていた。

 

そした、2人は同時に魔戒剣を高く突き上げ、円を描いた。

 

円を描いた部分だけ空間が変化し、2人は円から放たれる光に包まれていた。

 

すると、それぞれの円から黄金の鎧と白銀の鎧が現れると、流牙は黄金の鎧を身に纏い、統夜は白銀の鎧を身に纏う。

 

こうして、流牙は黄金騎士牙狼の鎧を身に纏い、統夜は白銀騎士奏狼の鎧を身に纏ったのであった。

 

「……行くぞ!」

 

「あぁ!」

 

流牙は牙狼剣を構え、統夜は皇輝剣を構えると、そのままザジに向かっていく。

 

ザジは2人が迫ってくる前に強力な衝撃波を放っており、2人はその衝撃波によって吹き飛ばされてしまった。

 

「くっ……!」

 

「何て力だ……!」

 

ザジの衝撃波の強さに統夜と流牙は驚いていたが、どうにか体勢を整えていた。

 

「消え去れ!忌々しき騎士どもよ!!」

 

ザジは素早い動きで統夜と流牙に接近すると、腕に備え付けられた爪と剣を振るい、統夜と流牙を何もない空間へと吹き飛ばしたのであった。

 

「「くっ……!」」

 

『おい、2人とも!どうにか這い上がれ!さもなければこの空間から出られなくなるぞ』

 

統夜と流牙は勢いよく落ちていき、このままでは無の空間を彷徨うことになることをイルバが警告していた。

 

「……こんなところで終わる訳にはいかないさ。なぁ、統夜」

 

「無論だ。俺は生きてみんなのいる世界に帰るんだ!こんなところで負ける訳にはいかない!!」

 

ザジの攻撃によって何もない空間に突き落とされた統夜と流牙であったが、互いに顔を見合わせて頷いており、ザジを倒すことを諦めてはいなかった。

 

そして、2人は精神を集中させ、力を集中させていた。

 

すると、統夜の身に纏っている奏狼の鎧の背中に羽が生え、流牙の身に纏っている牙狼の鎧にも羽が生えたのであった。

 

それだけではなく、流牙の鎧は黄金の鎧だったのが、黒と金の鎧へと変わったのであった。

 

統夜は、かつてメシアの腕と呼ばれたホラー、「グォルブ」を討滅した時に使った力である、「翔翼騎士奏狼」に変わったのである。

 

そして流牙は、自らの心の闇に打ち勝って手に入れた力である「牙狼・闇」へと変化した。

 

2人の鎧に翼が生えたことにより、2人はそのまま上空へと飛翔し、危機を脱していた。

 

そして、変化した姿をザジに見せつけるのであった。

 

「……!?馬鹿な……!奴らの鎧が変わっただと……!?」

 

ザジは、再び2人が現れ、さらには姿を変えて現れたことに驚いていた。

 

「いいだろう。我が全力をもって、貴様らを葬るとしよう。そして、今度こそ、忌々しき牙狼と奏狼の系譜を完全に断ち切ってくれよう!」

 

統夜と流牙の2人が姿を変えたのを見たザジは、周辺にある岩を集中させると、その岩を取り込み、巨大な魔獣へと姿を変えていった。

 

これこそが、現在統夜と流牙の2人が対峙しているザジの真の姿である「邪竜ザジ」である。

 

「こいつ……。さらに禍々しくなりやがって……」

 

「大丈夫だ!俺たちが力を合わせれば誰にも負けない……。そうだろ?統夜!」

 

「そうだな……。俺たちの力を見せてやろうぜ、流牙!」

 

「ああ、そうだな。統夜!」

 

ザジの姿は先程と比べて大きく禍々しいものとなっていたが、統夜も流牙も怯むことはなく、勝利のための希望の翼を羽ばたかせるのであった。

 

「愚か者共め……!これでも喰らえ!!」

 

巨大な魔獣へと姿を変えたザジは、自らが取り込んだ巨大なビルを、2人に向かって放つのであった。

 

いくら2人が鎧を纏っているとはいえ、巨大なビルにまともに衝突すれば、ひとたまりもないだろう。

 

しかし、2人は至って冷静であった。

 

統夜は精神を集中させることにより、自らの魔導馬である白皇の力を借りることなく、皇輝剣を皇輝斬魔剣へと変化させるのであった。

 

それだけではなく、統夜は自らの魔導火を全身に纏うことにより、「烈火炎装」の状態となるのであった。

 

さらに、流牙もまた、統夜に負けじと魔導火を身に纏い、烈火炎装の状態となる。

 

赤い魔導火を身に纏った統夜が皇輝斬魔剣を縦に振るうことで、たったの一太刀で自分の身の丈を遥かに超えるビルを切り裂くのであった。

 

さらに、緑の魔導火を身に纏った流牙は、牙狼剣を3、4度と振るうことにより、緑の炎に包まれた刃を飛ばすのであった。

 

流牙の放つ炎の刃は、統夜の一太刀によって斬り裂かれたビルを、さらに細かく刻むのであった。

 

2人の息の合ったコンビネーションにより、巨大なビルという障害物を取り除いた2人は、そのままザジへと向かっていくのであった。

 

「くっ……。まさか、あれをあっさりと凌ぐとはな……。だが、これならどうだ!」

 

自らが放ったビルを突破されて驚くザジであったが、すかざず両手を構えると、それぞれの手から、巨大なビームのようなものを放つのであった。

 

『……!?お前ら、あの一撃を受けたらひとたまりもないぞ!』

 

「そうみたいだな……。流牙!」

 

「ああ!」

 

しっかりとした打ち合わせはしていないのだが、統夜は左側に展開し、流牙は右側に展開した。

 

2人はそれぞれの剣を構えると、迫りくるビームを抑え込むのであった。

 

「くっ……!」

 

「うっ……!ぐぅ……!」

 

ザジの放つ攻撃はかなり強力なものだからか、2人は烈火炎装の状態にもかかわらず、押されるのであった。

 

そのため、2人の表情は苦痛と共に歪むのであった。

 

ちょうどその時であった……。

 

「……!?あれは、もしかして、流牙?」

 

「それに、統夜か!」

 

ホラーの群れを殲滅した莉杏とアズサがザジの作り出した空間へと到着し、ザジの攻撃に押される流牙と統夜を見つけるのであった。

 

「あれは……!ザジか!封印が解かれ、強大な力を身につけたというのか!」

 

アズサはザジの放つ攻撃に注目し、押されている統夜と流牙を心配そうに見つめていた。

 

「大丈夫よ。流牙と統夜は絶対に勝つわ。だって2人とも、数多の試練と修羅場を乗り越えてきた、守りし者だもの……」

 

「守りし者……」

 

アズサは、莉杏の呟いた「守りし者」という言葉に心を打たれるのであった。

 

「だから、祈りましょう。2人が勝てるように……」

 

「莉杏……。わかった!」

 

こうして、莉杏とアズサは祈るのであった。

 

統夜と流牙の無事を。

 

そして、2人がザジを打ち払うことを。

 

(流牙……。あなたなら、どんな敵が相手でも負けることはないわ。なぜなら、あなたは牙狼。黄金騎士だもの……)

 

(統夜……。何があっても絶対に死ぬな!お前にもしもの事があれば、お前の世界にいる私が悲しむ事になるからな……。それにしても、おかしいな。お前とは住む世界が違うはずなのに……。私は……)

 

2人はこのように祈りを捧げるのであった。

 

そして、その祈りは、統夜と流牙に届くのであった。

 

「……!?莉杏……?」

 

「アズサ……」

 

統夜と流牙の2人は、莉杏とアズサの祈りを聞き、ハッとするのであった。

 

「統夜!俺たち、こんなとろこで負ける訳にはいかないぞ!」

 

「そうだな……!俺たちは絶対に勝つ!2人の祈りに応えるために!そして、元の世界に帰るために!」

 

莉杏とアズサの捧げた祈りは、統夜と流牙をより奮い立たせるのであった。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

統夜と流牙はそれぞれ獣のような咆哮をあげると、皇輝斬魔剣と牙狼剣を一閃することで、ザジのビームを斬り裂くのであった。

 

「!?馬鹿な……!俺の渾身の一撃を凌いだだと……!?」

 

先ほどのビルに続いて巨大なビームによる攻撃も防がれ、ザジは驚きを隠せなかった。

 

ザジがこのように驚いている間にも、統夜と流牙がザジに向かってきた。

 

「おのれ……!忌々しい騎士どもよ……!この俺の力で、その憎き血を絶やしてくれる!」

 

様々な手を使ったが、統夜と流牙を止められなかったザジは、その巨体にて2人を迎え撃とうとしていた。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

統夜と流牙は、それぞれ獣のような咆哮をあげると、皇輝斬魔剣と、牙狼剣を振るうのであった。

 

ザジは、その巨体を生かし、2人の剣を抑え込む。

 

「ぐ、ぐうぅ……!」

 

「くぅぅ……!」

 

ザジの力は相当なものであり、2人による同時攻撃でも、押されそうになっていた。

 

「こんなところで……負けるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

統夜は苦しい状況ながらも再び獣のような咆哮をあげ、ザジの体を斬り裂こうとしていた。

 

しかし、そんな統夜の健闘もむなしく、ザジはその巨体による強大な力で、統夜と流牙を吹き飛ばすのであった。

 

「ぐぁぁ!!」

 

「くっ……まだだ!!」

 

しかし、統夜と流牙は体勢を立て直し、すぐにザジの元へと向かって行く。

 

「何度来ても無駄だ!!ここで貴様らを潰してその血を絶やしてやる!!」

 

一度2人を撃退したザジはこれで気を良くしたのか、強気に統夜たちを倒そうとしていた。

 

「……統夜!少しの間、奴を抑え込めるか?俺に考えがある!」

 

「わかった!お前を信じるぜ、流牙!」

 

流牙はこの状況を打開する策を思いついたようであり、統夜はそれに乗ることにした

 

その言葉に頷いた流牙は、少しだけ後退するのであった。

 

「血迷ったか、黄金騎士!ならば、その小僧を先に潰してやる!!」

 

「させるかよぉ!!」

 

ザジは統夜を倒すために巨大な腕を振るい、統夜は皇輝斬魔剣を一閃し、迎撃しようとする。

 

先ほどのように鍔迫り合いのような状態になるが、流牙がいなくなった分、統夜はザジに力負けしそうになっていた。

 

『統夜!気合いを入れろ!このままじゃやつに潰されるぞ!』

 

「わかってる……よ!!」

 

統夜は自分の持てる力をこの剣に込めるが、それでもザジに押されていた。

 

「終わりだな、小僧!!」

 

ザジは渾身の力を込めて統夜にとどめを刺そうとしたその時だった。

 

「そうはいくか!!」

 

一時戦線を離脱していた流牙が、いつのまにかザジの背後に迫っていたのである。

 

「ふん!無駄なあがきを!!」

 

ザジは自分の体から岩の破片を放つと、それは流牙に向かっていった。

 

流牙は無駄のない動きでザジの攻撃を放つと、魔導火を纏った牙狼剣を何度も振るい、炎の刃をザジに向かって放つ。

 

「ぐぅっ!?」

 

その一撃でザジは怯み、大きな隙が出来たのだった

 

「!今だぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

統夜は渾身の力を込めて皇輝斬魔剣を振るうと、ザジの体を切り裂くのであった。

 

「ぐぁっ!お、おのれ……!」

 

その一撃でザジを倒すことは出来なかったが、追い詰めることは出来ていた。

 

「……流牙!決めるぞ!!」

 

「ああ!わかった!」

 

2人は飛翔しながら合流すると、そのままザジのもとへと向かって行く。

 

「これで……!!」

 

「終わりだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

流牙と統夜はそれぞれの剣を同時に振るうと、ザジの体は2人の剣によって大きく切り裂かれるのであった。

 

「おのれ……!忌々しき騎士どもよ……!だが、俺は何度でも蘇る!黄金騎士の系譜を断ち切るその日までな!」

 

ザジはホラーではなく、牙狼に倒されたホラーの恨みの塊でもあるため、いつの日かは復活する可能性があるのであった。

 

しかし……。

 

「たとえそうだとしても、どの時代、どの世界の牙狼もお前に負けはしない!」

 

「そうだ!……なぜならば……!」

 

統夜は牙狼がザジに負けないと断言することが出来ており、流牙は一呼吸置いてからこのように言い放つ。

 

「……我が名は牙狼!黄金騎士だ!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

流牙の力強い言葉の後、ザジの体は爆散し、その体は巨大すぎる邪気とともに消滅した。

 

「やったわ!流牙!統夜!」

 

「あぁ!まさか、本当にザジを倒せるとは!」

 

ザジが爆散するのを遠くから見ていた莉杏とアズサは、明るい表情で歓喜の声をあげていた。

 

そして、ザジが消滅したことにより、未知の空間は消滅し、統夜たちはザジの祭壇に戻って来ていた。

 

空間が消滅したことにより、統夜たちは駆け寄ることもなく合流できたのであった。

 

「……流石ね、流牙。かなりの強敵だったでしょう?」

 

莉杏は、流牙の姿を見るなり、流牙の戦いぶりを称賛していた。

 

「俺1人じゃ厳しかったかもしれない……。統夜が俺に力を貸してくれたから、ザジを倒せたんだ」

 

「統夜、ありがとう……。流牙と共にザジを倒してくれて……」

 

そして、アズサは、ザジ討滅に貢献した統夜に、称賛も込めて礼を言っていた。

 

「気にすることはないよ。俺は魔戒騎士として当たり前のことをしたんだから……」

 

どのような敵が相手でも、その脅威を振り払い、人を守る。

 

世界は異なっても、統夜は魔戒騎士としての本分を果たしていた。

 

その時である。

 

「あ、あれ……?」

 

統夜の体が徐々に透明になり、今にも消えそうになっていた。

 

「「「!?と、統夜!?」」」

 

まさかの出来事に、流牙、莉杏、アズサは驚きを隠せなかった。

 

「どうやら……。元の世界に帰る時間みたいだ」

 

『やれやれ……。まさかこの世界での役目がザジを倒すこととはな……」

 

統夜はかつて、魔法少女と呼ばれる少女たちが魔女と呼ばれる魔獣と戦う世界に迷い込んだ。

 

その時も、最強で最悪な魔女と呼ばれた「ワルプルギスの夜」と呼ばれた魔女と死闘を繰り広げた。

 

その魔女から放たれる邪気は統夜が感じたことのないものであり、そこから陰我が生まれてしまい、その世界で初めてのホラーである「ワルプルギスのメシア」が誕生してしまう。

 

統夜は持てるすべての力を使い切り、ワルプルギスのメシアを撃破する。

 

その時も、その魔女を倒した時に統夜は元の世界に戻ることが出来たのだ。

 

「そう……。残念ね。出来ることなら、あなたともうちょっと戦いたかったわ」

 

「あぁ。莉杏の魔戒法師としての力、かなりのものだったよ」

 

「統夜、元の世界に戻っても頑張ってね。あ、あと、私と似た武器を使うって言ってた魔戒法師にもよろしくね!」

 

「あぁ、あいつにとってもきっといい土産話になるはずだしな」

 

莉杏は統夜と別れの握手を交わし、統夜が元の世界へ戻るのを見送るのであった。

 

「統夜、お前との共闘、楽しかったよ」

 

「黄金騎士であるお前にそう言われるとは光栄だな」

 

「お前は、若いけど黄金騎士に近い力は持ってるさ。お前なら、これからどんな困難が来ても斬り裂ける」

 

「流牙……」

 

「じゃあな、統夜!お前の世界の牙狼にもよろしくな!」

 

「わかった……!流牙!俺、お前と出会えたこと、絶対に忘れないからな!」

 

そして、流牙もまた、統夜と別れの握手を交わし、流牙もまた、統夜が元の世界へ戻るのを見送るのであった。

 

そして……。

 

「統夜……。行ってしまうんだな」

 

「あぁ。ありがとな、アズサ。俺の知ってる梓とは違うとはわかってはいるけど、お前と出会えて良かったよ」

 

「……っ!統夜!!」

 

統夜の言葉に思うところがあるからか、アズサは統夜の胸に飛び込み、統夜は優しくそれを受け止める。

 

そして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

チュッ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ!?」

 

「おお!」

 

アズサは突然統夜の唇にキスをしたため、それを目の当たりにした莉杏と流牙は驚きからか目を大きく見開いていた。

 

そして統夜もまた、突然の出来事に驚くが、自分にとって大切な人とそっくりな人物からのキスであるため、統夜は恥ずかしがることもなく、満更でもなさそうだった。

 

「アズサ……」

 

「統夜……。元気でな!そして、お前の世界にいる私のこと、ちゃんと大切にするんだぞ!」

 

「ああ、わかってるさ。アズサ、お前に出会えて良かったよ……」

 

「ああ、私もだ!」

 

アズサは今まで、統夜たちに笑顔を見せることはなかったのだが、この時初めて満面の笑みで微笑むのであった。

 

そんなアズサの笑顔を見て、流牙と莉杏も満たされたような表情をする。

 

『ザルバ。どうやらお前さんは俺の世界にいるあのクソドクロと同じようで全然違うみたいだ。お前ともう少し話をしたかったぜ』

 

『やれやれ……。どれだけお前の世界の俺様と仲が悪いんだよ……。お前の世界の俺様とも仲良くな』

 

『悪いが、それだけは無理だ!』

 

「イルバ、お前なぁ……」

 

イルバは、この世界ともザルバとは分かり合えたみたいだが、どうしても、自分の世界のザルバとは仲良く出来そうにはなかった。

 

それを知った統夜は、苦笑いをしつつジト目でイルバを見る。

 

「それじゃあ、流牙、莉杏、アズサ。みんな、元気でな」

 

「ああ!統夜、お前も元気で!」

 

「住む世界は違うけれど、お互いに守りし者として頑張りましょう!」

 

「統夜……元気でな!」

 

「みんな……。本当にありがとう……」

 

統夜は流牙たちに感謝の言葉を述べたとこで、その体は消滅し、自分の世界へと帰っていった。

 

統夜が消えたのを目の当たりにし、流牙たちはしばらくの間その場に立ち尽くすのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ぱい!統夜先輩!」

 

「ん……」

 

誰かの声が聞こえてきたため、統夜はゆっくりと目を覚ます。

 

すると、統夜の目に飛び込んで来たのは、見覚えのある天井であり、自分のことを心配そうに眺めている恋人の梓の姿であった。

 

「あ、梓か……?ここは……?」

 

「学校の保健室です。統夜先輩が倒れているのをたまたま見かけた純が私に教えてくれて、ここまで運んできたんですよ!」

 

「そうだったか……」

 

統夜はゆっくりと体を起こすと、すかさず梓は統夜に抱きつく。

 

「梓……」

 

「統夜先輩のバカ!!何があったかはわからないけど、私、凄く心配したんですから!」

 

梓は目に涙を溜めながらこのように統夜に訴えかけており、そんな梓を、統夜は愛おしそうに見ていた。

 

「梓、心配かけてごめんな……。俺は大丈夫だから……」

 

そして、優しく梓の頭を撫でながら梓のことをなだめる。

 

そのような感じの状態がしばらく続くのであった。

 

「……なあ、梓。今日って何月何日だ?」

 

「?何言ってるんですか?今日は統夜先輩、先輩達を学校で見送ったばかりじゃないですか!」

 

「!?そうなのか!?」

 

「あ、はい……。今日は部活の練習に遅れた純がたまたま倒れてる統夜先輩を見つけて、統夜先輩は3時間くらいずっと眠ってたんですよ」

 

(……!どうやら、俺がこの前異世界に迷い込んだ時みたいに、あまり時間は経過してないみたいだな)

 

《そうみたいだな。まぁ、前の世界は滞在時期も長かったからかこっちの世界では数日経っていたが、あの世界には2日ほどしかいなかったからな》

 

梓から話を聞いた統夜は、この世界と流牙の世界との時間の流れが異なっていることに驚く。

 

しかし、高校2年生の夏休みに異世界に迷い込んだ時は、1ヶ月ほど滞在してしまったのだが、それでもこちらの世界では数日しか経過してなかったのだ。

 

時間の流れが異なっていると改めて感じた統夜は納得したからかウンウンと頷くのである。

 

「……統夜先輩?」

 

そんな統夜の顔を、梓は訝しげに眺める。

 

「ああ、悪い悪い」

 

「統夜先輩、何があったんですか?今日はもう部活は終わりましたし、時間はあるので教えて欲しいです」

 

「わかったよ。それじゃあ、どっかで飯でも食いに行くか。その時にゆっくりと話すよ」

 

「はい!」

 

統夜はもう立ち上がっても問題はないため、そのまま立ち上がると、学校を後にして、梓もそれに続く。

 

そして、立ち寄ったレストランで食事をしながら、統夜は語るのであった。

 

自分がまた異世界に飛ばされてしまったこと。

 

そこで、鋼牙とは違う牙狼である道外流牙と出会ったこと。

 

その世界で、梓と同じ名前で見た目もそっくりな魔戒法師と出会ったこと。

 

黄金騎士を狙う魔獣ザジを流牙と共に撃破し、その後この世界へ戻ってきたこと。

 

全てを語った後、梓は驚きを隠せなかったが、そんな統夜の話を受け入れるのである。

 

食事の後、統夜は梓を送り、この日は解散となる。

 

次の日はいよいよ4月になり、多くの人が新しい生活を始める。

 

統夜もまた、魔戒騎士としてホラーを狩り、多くの人を守っていくことになる。

 

それでも統夜は歩みを止めることはないだろう。

 

なぜなら統夜は……。

 

 

 

 

 

白銀騎士奏狼。

 

 

 

 

 

守りし者であるからである。

 

 

 

 

 

 

守りし者である統夜の戦いはこれからも続くのである。

 

 

 

 

 

 

 

……邂逅!もう1人の牙狼編・終

 

 

 

 




どうにか流牙編を完走出来た……。

翔翼騎士奏狼は、この作品の最初の章で、統夜がメシアの腕と呼ばれたホラー、グォルブを討滅した時に変化した奇跡の形態で、今回満を持しての再登場となりました。

そして、ザジが邪竜ザジへ変化したのは、CR 牙狼 金色になれ の邪竜ザジリーチをだいぶ意識しました。

ただ、リーチ通りに進むのは面白くなかったので、だいぶ苦戦はさせましたが。

統夜が別の異世界に迷い込んだ話というのは、僕が番外編として作ろうとしていたこの作品とまどマギのコラボの話なのです。

こちらは途中で挫折しちゃったけど、時間があって、リクエストがあれば作ろうかな……。

流牙編も終わったことで、この小説は一応は完結となるのですが、忘れた頃に番外編を投稿するかもしれません。

このようなエピソードが見たいというリクエストがあれば、感想欄にて教えて頂けるとありがたいです。

ちなみに、今ちょっと考えてるのが、他のキャラがヒロインだったらどうなるのか?という短編を考えたりしてます。

投稿時期は未定ですがwww

これからは牙狼ライブの執筆メインになるとは思いますが、これからも牙狼ライブと共にこの小説もよろしくお願いします!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。