人生、何があるかは分からない。
といっても全ての始まりは実の姉がインフィニットストラトス、通称ISと呼ばれる物を発明したからだろう。そのせいで僕ともう一人の姉――いや同い年なんだけどね? 所謂二卵性の双子。性別違うし目元以外は似てないけどれっきとした姉弟。あ、弟は僕ね。だって僕が兄っていうと何故か怒るし。いやそんなことはどうでもいいんだ、あんまり重要でもないからこれは一旦別の所に置いておこう。
「これが篠ノ之束博士の弟か」
「妹の方は居なかったが片割れだけでも十分だ、さてガキ。色々と話をしようじゃないか」
何が話しをしようだよ。無理やり拉致した癖に変に紳士ぶるんじゃないよ全くさ。どうしてくれるの? 箒姉が心配するじゃんか。お前らに分かるかー! 小4で重要人物なんたらで家族バラバラにされた人の気持ちが!! ホントは箒姉とも別れなきゃなんなかったのにすんごい無理言って二人暮らしさせてもらってるのにどうしてくれるのさ! てか怖いし! 顔怖いし! あと連れてくるのに首殴るなよ痛いな!!
というわけで色々と言いたいことはありますが僕こと
「……たばねぇの行方なら知らないよ。他ある?」
聞きたい事であろう情報を話したのに殴られた。痛いなぁ……いや慣れてるから良いんだけど。政府からの取り調べとかこんな感じだったし。お蔭で箒姉に隠すのが大変なんだけどなぁ。こんな僕でも大事な弟だって言ってくれるいいお姉ちゃんだから余計にね――そんな箒姉の好意に気づかないイチ兄は怒られるべきだよ。うん。
「ウソはいけないなぁ。痛い思いをしたくなければさっさと吐け。今束博士はどこにいる?」
「だから知らないって言ってるじゃん。それに知ってたら既に日本政府がアポ取りに行ってるよ――っ」
「もう次は無いぞ。良いから吐けやガキ!!!!」
「……だから知らないって言ってるでしょ。何度殴っても結果は同じだよ。もし知ってても絶対に教えないけどね」
今度は腹を蹴られる。いったいなぁ……でも残念ながら知らないし知ってても言わないよ。意地でも。あ、でも少しは情報を知ってるように見せなきゃ箒姉が危ないかな……でも護衛の人も僕が居なくなったことで拉致られたことぐらいは気づいてても良いよね。じゃあと任せたよ名も知らない護衛さん達と日本政府。
「……あぁ、そう言えば箒姉も知らない事あった。でも言わない、たばねぇを裏切れないし。だってたばねぇの事大好きだし。だから悔しかったら口を割らせてみれば?」
「――言ったなクソガキ。そこまで言うんなら仕方がない、こっちも全力で口を割らせることにしよう」
というわけで始まりました拷問祭り。
殴る蹴るは当たり前。水責め熱湯爪剥ぎ等など多分薬以外は全部やられたんじゃないかな……こんな風に思考がクリアな状態が続くなんて人間って凄いな。まぁここまでされてもなにも吐かなかったけど。篠ノ之姉弟随一の意地っぱりの凄さを見たかばーか……いたいなぁ……。
拉致されてからどれだけ経ったんだろう? もう曜日感覚ないし何時なのかすら分からない。あるのは何も吐かないと言う意地だけ。寝てても起こされるからもう何日も寝てない、ただ休んでるだけ、ご飯も少しだけしか食べてない。優しいのか優しくないのかどっちかにしてくれないかなぁ――ありがたいけど。
「キミの意地には敬意を表するよ。まさかここまでやっても何も吐かないとは……流石は博士の弟君というものかな?」
うるさいなぁ。話せないんだから疑問形で話してこないでよ……というより後ろの科学者っぽい人誰? 何その器具――あぁ、嫌だなぁこんな風にすぐに察しちゃうのって。
「もう話せないか。では聞くだけ聞いておきたまえ。これからキミの身体にこれを埋め込む。ここまでやって吐かないのなら博士の妹、キミで言うもう一人の姉に聞く事にした。よってキミはもう不要となったが最後に私達の研究材料になってもらおうか」
殆ど動けない僕の身体を数人の男達が変な台の上まで運んだ。研究材料、か……まぁ良いんじゃないかな? どれだけ時間が経ったか知らないけどたばねぇもきっと箒姉を護るために動いてくれるでしょ。というよりぶっちゃけ篠ノ之家に僕必要ないし。頭脳? たばねぇのように立派なものじゃない。性格? 箒姉のように真っ直ぐじゃない。どれも中途半端、かなり中途半端、これまでだって大人から言われてたしね。なんでキミのお姉さんの様にできないとかなんとか。仕方ないじゃん。僕バカだし。
そんなことを考えていると器具の先端が背中、いや首? のあたりに突きつけられた。あぁ、麻酔も無しかぁ……いたいだろうn――
「――あ、あぁぁぁぁぁああああぁぁあぁぁ!??!?!?!!?!!?!」
「なんだ? まだ叫ぶ元気があったか」
痛いイタイいタイ!?!? 出てはいけない声とか汁とかとりあえず頭が危険だってことを知らせている。痛みで暴れても抑えつけられ二回目、三回目と何かを埋め込まれていく――し、しぬ……!
「――ぁ、た、ばね、ぇ」
「うん? 生きている? 成功か。三本埋め込んで生きているとは素晴らしいな。流石は弟君、さて次は実験と行こう! これに成功すれば男でもISを動かせる手段が証明される!! この阿頼耶識こそ男と女の立場を逆転させる切っ掛けを!!」
何言ってんのか聞こえないけど拙い……脳裏に過去の映像が流れてる……死ぬのかなぁ……たばねぇ……ほうきねぇ……ご、めんね……
意識を失う瞬間、何かが落ちてきた音と崩れ落ちる音が聞こえた……にんじ、ん……お、いしそう……。
「ふふん♪ 私の最愛の弟を良くも汚してくれたね。じゃ死のうか」
……にんじ、ん……たばね、ぇ……どういう、ことなの……
その事が意識を失う前の最後の疑問だった。
始めまして。木の人です。
鉄血のオルフェンズを最後まで見て「あれ? これISでもいけないか?」という良く分からない思考に走ってしまいました。
スランプ気味なのでいつ更新されるかも未定ですがよろしくお願いします。