篠ノ之家の弟は阿頼耶識使い   作:木の人

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天災なお姉ちゃんと寡黙な少女

「……う、ううん……?」

 

 

 重たい瞼を開けると知らない天井だった。此処どこだろ? たしか拉致されて拷問を受けて……何か埋め込まれて……にんじんが見えてたばねぇが見えて――たばねぇ!! そうだよたばねぇ!! 寝てる場合じゃない!!

 

 起き上がろうとすると体中に激痛が走る。あぁ……そういえば拷問受けてボロボロだったっけ……それにしては何か別なものもあるような……? 例えるなら物凄く柔らかいクッションのような何かが……? そしてなんだか暖かい……?

 

 

「うにゅ~なっくん~すーはーすーはー」

 

「……」

 

 

 僕は夢を見ているのだろうか? がっしりと僕の腰に手を回して抱き付いて何故かは知らないけど匂いを嗅いでいるたばねぇがいるんだけど? あれ? 夢? それにしては感触的にリアルだよね?

 

 

「た、たばねぇ?」

 

「ハッ! なっくんおはよー!! 大丈夫!? 痛くない!? ごめんね助けに行くのが遅れちゃって!! でも安心してなっくんを虐めてた奴らは消えてもらったからもー安心だよ! さぁお姉ちゃんに感謝のハグとちゅーを――」

 

「夢じゃないねこれ。とりあえず離れてくれたらありがたいかなー……体中痛いしあと首辺りが物凄く違和感があるし……?」

 

「……なっくん。落ち着いて聞いてね」

 

「あ、はい」

 

「実はなっくんの首、正確には脊髄にだけどね機械が埋め込まれてるんだ。端子が三本、ほらここだよ?」

 

 

 たばねぇにその場所を教えてもらい自分の手を持っていくと何か硬いものがあるのが分かる。うわー……何か埋め込んで来たのは覚えてたけどまさか機械とは……どうしよこれ? 流石に箒姉に見せるわけにはないしなによりただでさえ拉致されて心配させたのにこれ以上は流石にね……?

 

 

「正式名称『阿頼耶識システム』、ブレイン・マシン・インターフェースっていうものの一つだね。多分だけどなっくんを虐めてた奴らはこれを使ってISに接続させようって思ったんじゃないかな。バカだよね~成功するかどうかも分かんないのにこんなものを作ってさ。まぁ~技術的に面白そうなものはあるけどなっくんをモルモットにしようとしたんだから死んでとーぜん!!」

 

「……つまり、これでなにができるの?」

 

「うん? うーんとなっくんに分かりやすく言うとね、パソコンってディスプレイを見ていろんなものを調べられるでしょ? でもこれを使うと頭の中に情報を送ることができてなんとパソコンのディスプレイはいらないのだ! だからあいつ等……ISに接続して生体ユニット、あるいは部品として起動させようとか思ったんじゃないかなー? でも安心して!! なっくんは何もしなくていいから!! ここでお姉ちゃんと一緒に暮らせばばんじかいけーつ!!」

 

 

 相変らずたばねぇの言う事が理解できないけどとりあえずパソコンは今後必要ないってことは分かった! というよりISって女の人しか使えないんじゃなかったっけ? だから世間は女尊男卑な世の中になってるわけだし……でもISかぁ。箒姉は少し嫌ってるけど僕的にはそうじゃないんだよねぇ。だってカッコいいじゃん。空飛べるし見た目もロボットっぽくて僕は好きだけどなぁ。

 

 何故か知らないけどたばねぇは妄想の世界に入ったみたい。どうしよう……とりあえず色々と聞きたい事あるんだけど――うん? 束様が仰ったことをまとめた紙? ありがとう……? えっとどなたですか?

 

 

「お初にお目にかかります。クロエ・クロニクルと申します。束様と行動を共にさせていただいております。凪様、以後お見知りおきを」

 

「あ、こちらこそ。篠ノ之凪です、たばねぇの弟をしてます」

 

 

 綺麗な銀髪で見た目小学生っぽい女の子が静かに数枚の紙を渡してきたのでそれを受けとった。まず驚きなのがあの他人嫌いで僕達とイチ兄やちー姉ちゃん以外は絶対に相手にしないあのたばねぇが他人と行動をしていることにビックリです。もう驚きすぎて体中が地味に痛いです。

 

 でもなんで目を閉じているんだろう? 前とか見えなくない? 電柱とかにぶつかったりとかしないのかな?

 

 まぁいいや。とりあえずクロエちゃん? クロエさん? がくれた紙を見ましょうそうしましょう。ふむふむ……この三本の端子みたいなのをISに接続するとその情報を頭の中に送り込んでくれる、つまり画面を見なくてもやりたいことが分かる、あ~これがディスプレイがいらないって言った理由か。なにこれ凄い便利! つまり料理のレシピを頭の中に直接教えてくれるから何でも作れる事になるじゃん! あ……でも僕以外につけられた人全員死んでるんだ……成功率低いからあんな風に拉致した人に試してたのかぁ。まぁいいや、僕生きてるし。というよりこれがれば僕でもISが動かせる可能性があるのか!! やってみたいなぁ。

 

 

「ねぇたばねぇ?」

 

「もーやだよなっくん!! そんな裸エプロンだなんて! もうマニアックなんだからぁ~でも大好き!! それじゃ今すぐ着替えてくるね! そしてご飯作ってる時に後ろから――きゃ~!!」

 

「……クロエさん? でいいかな?」

 

「お好きに呼んでください。なんでしょうか凪様?」

 

「ISを動かせるかどうかやってみたいんだけど使っていい奴有るかな?」

 

「……正気ですか?」

 

「え?」

 

「先ほどお渡しした書類に脳死する可能性大と書かれていると思うのですが……?」

 

「……あ、ホントだ。でも僕ってたばねぇよりバカだし案外いけるんじゃない? というより単純にIS見てみたい!」

 

 

 なんだかんだでISってよく見たことないんだよね。政府の人も触らせてくれたり見せてくれなかったし、あと箒姉はISの事がちょっと嫌いだったから雑誌とかも家に置いておけなかったもんなぁ。だから動かす動かさないは後でも良いからとりあえずISだけ見てみたい! あ、クロエさんが呆れてる……そんな表情もするんだ。

 

 

「ほう~なっくんはISに興味津々なのだね」

 

「あ、戻ってきた。まぁね、カッコイイし男としてはああいうの好きだよ?」

 

「――ではでは! そんななっくんにこれをお見せしよう!! さぁくーちゃん!! 戦利品を持ってくるのだぁぁ!!!」

 

「……はぁ。畏まりました束様」

 

 

 若干呆れながらクロエさんはこの部屋から出て行く。というより戦利品ってなに? ISって結構大きいイメージだけどこの部屋に持ってこれるの? あと体痛いからベットから動けないよ?

 

 

「お持ちいたしました」

 

「ありがと~くーちゃん。さぁなっくん! これがなっくんを攫った奴らが持ってたISだよ! 名称無し、世代は型落ちの第一世代だけど良い? 嫌なら現在開発中の特別なものを見せちゃうよ?」

 

 

 クロエさんが台車に乗せて持ってきたのは黒い塊。なんというか鎧のような印象を持ってるけど何故か不気味にも感じる。恐らく人が乗り込む場所の背の部分に変な突起があるけどこれに背中の端子を繋げるのか。そういえばこのまま生きていく前提で話してたけどこれ取れないのかな? たばねぇなら「まかせてよなっくん!」とか言って取ってくれそう。

 

 

「なんか不気味だね……これ」

 

「そうだよ全く。これ人殺す気満々な装備しか付けてないしパイロットを部品と同じにするなんて束さんは許さないよぷんぷん! 私ならロマンと実用性とちょっとした趣味を入れるね!」

 

「ロマンと実用性って一緒にするものなの……? あ、そういえばこの端子って取れないのかな?」

 

「……うん。流石のお姉ちゃんも医療方面はからっきしだし何より無理やり外したら下手をすると一生ベッドの上になるかもしれない。でもでも出来ないわけじゃないよ!? この天才なお姉ちゃんなら数日で取り外して見せようじゃないか!」

 

「うーん……別に良いや、調べ物する時とかに便利そうだし裸見られなければあんまり目立たないっぽいし僕はもうこのままでいいよ。うん。あ、そうだ! 箒姉に無事なこと知らせなきゃ! たばねぇ僕の携帯ある?」

 

「凪様。それはやめておいた方がよろしいかと」

 

「へ?」

 

「うんうん。なっくんが攫われてもう数日経ってるしここで戻ると箒ちゃんとなっくんに色んな疑いが掛かるかも。特にお姉ちゃん方面で。だからこのまま失踪状態が安全かもね~あーでもでも箒ちゃんに嘘つきたくない! でも箒ちゃんって隠し事苦手だし~……どうしようなっくん!!」

 

「確かに箒姉って隠し事苦手だもんねぇ。隠れて連絡とっても監視の人にすぐばれて尋問されるかも……ちょっと嫌だけど隠れてた方が良いかも」

 

 

 今でさえ拉致されて箒姉に迷惑かけてるのにこれ以上は不味い。だから今は隠れててチャンスが来たら実は生きてましたと姿を現そう! 多分ぶん殴られると思うけど。

 

 たばねぇとクロエさんとの話し合いの結果、とりあえずこのまま二人と行動を共にすることになった。一人になった箒姉にはたばねぇが衛星をハッキングして何かあれば助けよーおー! って感じになったけど仕方がない……ごめんね箒姉。後で説教ならいくらでも受けるから……!

 

 それよりもまず、僕は普通に動けるように休んでおかないと。そして全快になったらこっそりあの不気味なISに触れてみよう! そして背中の端子に繋げてみよう! なんて言うかこれだけはやらなきゃいけないと頭の中で男心が叫んでるし。だから今は寝るしかない! 二人につかれたから少し寝るよと言って横になる――あぁ、ホントに疲れてたんだ、意識がもう落ちそう……おやすみなさーい。

 

 翌朝、目が覚めたら隣にパジャマ姿のたばねぇが居た。何でいるんだろうと思った僕は悪くないと思う。




これを書きたくなった切っ掛けその1
グレイズ・アインがカッコ良すぎた。

正直な話束さんなら即行で取り外せそうだけど弟だから危険な賭けはしたくないと言う事で。
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