篠ノ之家の弟は阿頼耶識使い   作:木の人

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世界初の男性操縦者

「くっ、ふっ、へっ!」

 

 

 僕を狙ってくる弾丸の雨を肩や足のスラスターからエネルギーを放出、踊るように躱す。見える、前だけじゃない後ろも右も左も周囲全てが見える! 分かる、どこに動けばいいのかどんな動きをすればいいのかが手に取るようにわかる!

 

 僕の周囲を取り囲むように宙に浮き、動き回るガトリング砲やショットガン、弓矢といった兵器は躱し続ける僕を捕らえ撃ち殺そうと追ってくる……現在の僕の手には銃、マシンガンと呼ばれる種類の物が握られている。躱しながら最小限の動きで一つずつ破壊していこう。使い方も分かる、教えてくれる、阿頼耶識が、耶識が、僕の脳に直接送り込んでくる。僕はIS、ISは僕、着るんじゃない、纏うんじゃない、使うんじゃない、使われるんじゃない、僕は僕自身で動いて戦う。

 

 背後に回ったショットガンは撃ち殺すべく射撃を行ってくる。それを僕は肩のスラスターからエネルギーを一瞬だけ放出してその場で回転するように躱しマシンガンを1秒乱射、破壊に成功した。あと9個か……長いようで短いかな? いいや、考えるのは後回しで今は全部壊すだけ!! ガトリング砲の乱射は軸線から離れて一気に接近、掴んでバンカー射出。動きが止まった僕を射殺そうと矢が飛んでくるけど掴んだガトリング砲を盾代わりに利用して二撃目が来る前にマシンガン乱射。破壊成功! 数が減ってくれば後は僕の独壇場! 弾や矢が掠ることなく同じ手順で兵器を全て破壊する――よし! 今日の朝練終わり!!

 

 

「お疲れ様です。重火器の特性はもう理解しているようですね」

 

「そりゃあ毎日やってれば嫌というほど分かるよ。あと耶識が教えてくれるんだ……どう使えとか何ができるとかね。でもいつも思うけどクロエさんってび、ビットっていうんだっけ? あれ操るの上手いよね? 何度か当たりそうになって焦ったよ」

 

「いえ……殆どは束様が組んだプログラムによるもので私は何もしていません。此処に移動して等の命令を送っているだけです」

 

「それでも予想外の事があるから上手いよ。複数のビットが破壊されることを想定して一個だけ死角に入れて射撃してくるとか……あれ怖かったんだからね?」

 

「それを初見で躱しパイルバンパーを撃ちこむ凪様も大概だと思うのですけれど?」

 

「よしこの会話はやめよう。じゃ~シャワー浴びてくるね~?」

 

 

 僕がISを動かしてから約2年半が過ぎた。年齢は15歳、普通なら中学校に通ってそろそろ受験で忙しい毎日を送っていなければいけないけど拉致されて阿頼耶識を埋め込まれた状態で普通の生活を送ることはできないため現在もたばねぇとクロエさんと一緒に世界各国を転々としている。殆どすることが無いせいなのか分からないけど背中の阿頼耶識でISを起動できることが判明してから今日まで毎日二人の空いた時間を使ってさっきのような訓練をしている。もう趣味みたいなものになってるけど僕は悪くない。体を動かすのは好きだしISは大好きになったしもうやめられない。でもまさかこうして銃を撃ったりするようになるなんて思わなかったなぁ……殆どたばねぇが原因でもあるけれど。

 

 「なっくん! 折角だから色んな武器を使ってみようよ!!」という発言が原因で現存する全ての武器に触れることになった。だからと言って全部使えるわけじゃなく耶識の拡張領域(パススロット)に入れてるのは刀に鉈、斧、ハンマー、P90って銃だけ。このP90って奴小回り効くし撃ちやすいしほぼ見た目で選らんだけど中々良いね。ただ耶識は殺しに向いていると言うかISじゃなく操縦者に強いダメージと恐怖心を与える系統が好みのようで今の僕の悩みの内の1つになってる。鉈とかハンマーとか斧とか確実に引かれるよ……! もっとも刀は箒姉と剣道してた名残で使ってるけどやっぱり才能無いみたい。銃? あれは撃てればいいから……!

 

 

「さて今日のご飯は何にしようかな」

 

 

 服を脱いでお風呂場に入りシャワーを浴びる。やっぱり体を動かした後のこれは気持ちいいね! 偶にたばねぇが乱入してくるけどクロエさんが何処からともなく現れて引っ張ってどこかに連れて行ってくれるから安心だ。さすが僕の先生! 見た目年下だけど。ただそのせいでここ最近悩みが一つ増えた、いや正確には疑惑なんだけど。

 

 

「……どっちなんだろ」

 

 

 この2年と半年、度々クロエさんを目で追っている僕がいる。そんな僕を見て静かに微笑んでくるのでたちが悪い。これって僕は鯉、じゃなかった恋という奴なのかな? しかも相手のクロエさん、一緒に料理してる時にお互いの手が触れると嬉しいような恥ずかしいようなと言う反応をしたり、一緒に勉強している時はたばねぇがいる時以上に笑っているしなにやら嬉しそうだし……うーん、謎だね。なんだろうね? 好きなのかな? 僕もクロエさんも両思いなのだろうか――やめよう、何かあって気まずい雰因気とかになりたくないし。もう少し時間が経ってからちょっとずつ考えて行こう。

 

 シャワーから出るお湯を止め鏡を見る。やっぱり……身長があまり伸びてない気がする。拉致されて阿頼耶識を埋め込まれるまでは162cmくらいはあったのに2年経った今でもあまり変わってないように見える。たぶん165cmくらいかな? ま、拙いかもしれない……!! このままでは箒姉に身長で負けてしまうかもしれない……! 僕が唯一勝てるものだったのに!! あっそういえば髪そろそろ切らなきゃ。あまり長いのって僕苦手なんだよねぇ~その割にもみあげ長いけど。い、いやけしてモテる髪型うんぬんかんぬんと書かれた雑誌を見て真似ているわけじゃない……ほ、箒姉も似合わないとか言ってこなかったし……!

 

 あまり長くいると風邪を引くからさっさと上がって体を拭く。うん、背中の端子に当たるのはなんかなぁ……もう2年経ってるけど未だに慣れないや。

 

 

「遅いよなっくん! そしておはよ~♪ お風呂上りのなっくんもカッコいいね~!」

 

「それ毎日言ってない? あっご飯作っててくれたんだ?」

 

「はい。凪様には及びませんがこの程度なら私でも作れますしなにより朝の訓練でお疲れでしょうから」

 

「ありがと~うん! いい匂いだ!」

 

 

 椅子に座っていただきますと言ってからテーブルにある朝ごはんを食べる。真っ黒なものしか作れなかったクロエさんだが僕と一緒に料理をする内にどうにかここまで立て直すことが出来た……長かった! 何故かは知らないけどレシピ通りに作っても真っ黒、ちゃんと時間を計っても真っ黒、これはもうたばねぇの仕業だとこの時だけは本気で思ったね。でも努力のお蔭で白米、味噌汁、目玉焼き、サラダその他諸々と簡単なものは真っ黒にならなくなった。そして味は美味しい、うんいいお嫁さんになれると思うよ?

 

 

「たばねぇ、今日は何してるの? またIS開発?」

 

「ふふん♪ あったりまえさぁ!! もう少しで完成しそうなんだよ!! いやはや大変だったけどやっとここまでこれたんだから~♪」

 

「何でもできるたばねぇがここまで時間かかるって逆に珍しいけど、無理せず適度に休みながらやってよ? また一週間徹夜とかやったら本気で怒るからね」

 

「ご褒美ですか!?」

 

「一週間、口をきかないよ?」

 

「はいわかりましたやめますやらないですぜったいにぜぇぇったいにやりません!」

 

「凪様はISの勉強と訓練ですか?」

 

「うん。二人のお蔭でなんとか覚えきることが出来たけど不意に度忘れしかけるから予習復習は徹底しないとね。それに耶識と一緒に動いていれば僕の癖とか知ってもらえるから時間があれば動かないと」

 

 

 この2年間、何度も耶識と一緒に訓練してきたけど未だに耶識から返答という返答がない。いやISコアの深層に宿る思念だから返答が無くて当たり前なんだけど反応が少し早くなるとかそういう事で返答してほしいな。まっこればっかりは時間かけないとダメらしいし仕方がないけどね。

 

 

「またまた~この天才なお姉ちゃんとくーちゃんが教えているんだよ? そんじょそこらの奴らなんかより知識はあるから誇って良いんだよ? はいごちそーさま!! 美味しかったよくーちゃん」

 

「食べるの早いよ……もう。クロエさんもたばねぇの手伝いするの?」

 

「いえ。今の作業は私が手伝えるものではないので良ければ凪様の訓練をお手伝いしたいと思いますがよろしいですか?」

 

「勿論。こっちこそお願いするところだよ」

 

 

 食べ終わってごちそうさまと言ってから食器を片付ける。洗い物を終えてからまずはISの勉強を昼までしてご飯を食べる。そして1時間くらい本を読んだりTVを見たりして本番の戦闘訓練へと移る。

 

 朝は重火器だったけど今回は拡張領域に入っている武器の扱いの向上がメインの予定だ。そのため宙に浮くビットは剣とか槍とか偶に銃とかを持った人形が浮いている。たしかたばねぇが作った僕専用の練習相手だっけ? ISの武器扱いだから破壊しても直せば何度でも使えるそうだ。さすがたばねぇ。

 

 

「凪様、準備の方は?」

 

「うん。何時でも良いよ」

 

 

 上を脱いでいつもの様に丸い奴を背中にはめてISを起動する。どうもこの丸い奴が無いと耶識と接続できないっぽいんだよね。まぁ今はどうでもいいか。集中集中っと。部屋の真ん中に立つと朝の様に周囲を取り囲まれる。考えない、心を乱さない、落ち着いて、体の動くままに破壊していこう。

 

 片手に鉈を瞬時に展開すると槍を持った人形が突撃してくる。見える、大勢に紛れて銃口を向けてきている人形の姿が視界に入らなくても分かる。身体を逸らすと同時に槍兵に肘打ちを喰らわして鉈で頭を割り、身体を掴んで銃撃の盾にする。用が済んだら放り投げて先ほどの銃兵にスラスターから最低限のエネルギーを放出しながら突撃、数体の人形とすれ違う際に回転切りの要領で腕を切断、足を切断を忘れない。銃撃は当たらない、見えるし分かるし理解しているから。1秒以上かけずに接近しハンマーを展開、地面を殴って土煙を起こす。人形たちは一瞬だけ僕の姿を見失ったのか動きが止まる、これを逃す手は無い。ハンマーから手を離し銃兵の胴体を殴り、背後から頭を割る。その後、地面にハンマーが倒れる前に掴みその場で振り回す。感触から何体か巻き込んだかな……上々。

 

 一旦距離を取ると今度は複数で襲い掛かってくる。剣に槍に斧、ナイフもいる……この数とこの配置、躱せないわけじゃない。ハンマーで地面を殴って再び土煙を起こし僕は空を飛ぶ。やっぱり追尾してくるか……予想通りで少し嬉しくなる。一番最初に接近した人形が剣で横払いをしてくるけど体を屈めて胴体に鉈の刃を喰いこませる。此処で鉈の役目は終わりかな? 接近している剣兵の真下からハンマーで殴り破壊、その勢いで地面に放り投げて軽い地震を起こして相手の意識を逸らす。流石たばねぇが作ってプログラミングしているだけある……反応が人に近い。ちょっとだけありがたいかな。向かってくる人形を殲滅するべく斧を展開し泳ぐように頭、胴体を叩き切って破壊……っと銃を使う人形がまだいたか。当てれるかな?

 

 空を泳ぐように飛行しながら銃撃を躱し、向かってくる人形を破壊する。剣での攻撃は斧で受けて瞬時にバンカーを叩き込む、槍は突きの瞬間を狙い武器を掴んでへし折ってから斧で本体を破壊、見える、やっぱり凄い、自分が武器を持って戦っている感じがする。さて銃撃もそろそろ終わらせよう。斧を投擲し意識を逸らさせる、その隙に刀を展開して瞬間加速。銃兵の真下に降りて一刀両断。これで遠距離持ちはいない……だったら後は簡単だ。さっきまでと同じようにすればいいだけだしね。

 

 

「お疲れ様です。やはり凪様の動きはISの動きとは思えませんね」

 

 

 人形を全部破壊すると操作していたクロエさんが入ってくる。たばねぇ曰く「ISであの動きは殆どの人は出来ないと思うよ~あっちーちゃんは別ね」って言ってたぐらいだもんなぁ。というかちー姉ちゃん僕と同じ動きできるの? さすが初代ブリュンヒルデ?

 

 

「阿頼耶識システムのお蔭だけどね。頭の中にダイレクトで情報が入ってくるから姿勢制御とかが簡単なんだ。あれぐらいなら慣れている人ならだれでもできると思うよ?」

 

「国家代表と言えど凪様と同じ動きが出来る方は限られるかと……どうでした? 武器を扱ってみて何か思う所はありましたか?」

 

「とりあえず使いやすいのは鉈かな、次に刀。ハンマーと斧は重いから僕の戦い方に合いにくい感じがする……慣れてないだけかもしれないけどね。生身で戦ってる感覚だから小回りが利く方が使いやすいよ」

 

「なるほど……本来ならあらゆる場面を想定し武器を格納出来れば良いのですが……」

 

「耶識の拡張領域少ないからねぇ~それに入れ過ぎると脳の負荷が高くなるみたいだし今の数が限界なんだよね。たばねぇがとりあえず全部入れて見よっかって大量に武器を送ってきた時は死ぬかと思った、主に胃が」

 

 

 阿頼耶識システムで繋がってるせいなのか分からないけど大量に武器データを送られてきた時、お腹が食べ過ぎた状態に近い事になって胃が破裂するかと思った。元々第一世代だから拡張領域は現在のISより少ないんだけど僕のせいでさらに少なくなってしまった。現在は鉈、刀、斧、銃、バンカー用杭、弾薬。武器より弾薬の方が数多いけど小さいから拡張領域使用率は高くないみたい。

 

 

「あ、そう言えば肩と足のスラスター部分が消耗してるのか変な負荷がかかっているみたいなんだけどたばねぇに言えばいいかな?」

 

「そうですね。他に違和感がある個所はありますか?」

 

「今のところはその辺りかな。多分姿勢制御でスラスターを使用しすぎてるから消耗が激しいんだと思うんだけど負荷があると頭が痛くなるから早めに直さないと」

 

「では束様に後で見てもらいましょう。どうします? 訓練を続けますか?」

 

「後で見てもらうなら今は訓練かな。それじゃ次をお願い」

 

 

 次は近接武器と重火器を同時に展開して間合いの取り方を把握する訓練。近接武器を持った人形や重火器のビットが縦横無尽に動き回って襲い掛かってくるけどなんとか全て破壊して今日の訓練は終わる。いや~やっぱりクロエさんは上手いよ、近接兵での波状攻撃を仕掛けて死角からの射撃、しかもこれは躱されることを想定しているようだったから躱した先でガトリングの銃口が僕を見つめていて乱射されるとは……近くにいた人形にバンカー撃ってた手にして防いだけどあの時は当たるかと思った……! クロエさんはなんで反応できるんですかと疑問の表情をしてたけど全ては阿頼耶識のお蔭なんだよね。うん。

 

 

「ほうほう~スラスター部分の消耗とな。それぐらいならお任せあれだよなっくん!! ついでにオーバーホールして他の箇所も見てあげちゃうよ!! なっくんの感覚じゃ分からない所も負荷掛かってるかもしれないしね」

 

「ありがとうたばねぇ。やっぱり僕って使い方下手なのかな? 前に見てもらった時からあまり時間が経ってないと思うんだけどまた消耗させちゃったし」

 

「そのあたりは阿頼耶識システムで操縦してるからかもね。お姉ちゃんはよく分からないけどなっくん的には生身で動いている感覚なんでしょ~? 生身にスラスターは無いし反応が良すぎるとその部分の消耗が激しくなるのはどこでも一緒さぁ。お姉ちゃんは何時でもなっくんのためなら整備点検その他諸々ぜ~んぶやってあげるから安心してよ!! お礼はもちろんハグハグで!!」

 

「明日の晩御飯はたばねぇの好きなものを作るからそれで……あれ? 番組変わった?」

 

 

 晩御飯を食べながら見ていたTVがいきなり別の番組に変わった。そこには速報! 初の男性操縦者現る! ってタイトルのニュースだった……へぇ、僕以外にも動かせる人いるんだ? と言っても僕は阿頼耶識のお蔭で動かしてるようなものだけどこの人は……流石に違うよね? えっとその人の名前は――織斑一夏? あれイチ兄?

 

 TVには黒髪の所謂イケメンと呼ばれるであろうタイプの男の人が映っている。そして名前は織斑一夏、いやこれイチ兄だよね? うわ~面影ある~じゃなくてなんで動かしてるの? ちらっとたばねぇを見ると悪戯大成功という表情をしていた。あっ察してしまった自分が怖い。

 

 

「きゃ~いっくんがIS動かしてる~!! もうさっすが~♪ およ? なっくんどうしたんだい?」

 

「これさ、たばねぇがなにかしたんじゃないかなって?」

 

「ふふふ……実はその通り!! 実はリアルタイムでいっくんの動きを把握してISコアにいっくんが動かせるように設定したってわけさ!! お、怒らないでねなっくん!? 仕方がないんだよ!! こうでもしないと亡国機業(ファントム・タスク)の連中からいっくんを護れないんだもん!!」

 

「亡国機業かぁ~あれしつこいよね? でも最近襲い掛かってこないからありがたいけど……でもそっか。ちー姉ちゃんってブリュンヒルデって異名で世界最強だもんね。僕の時と同じように拉致されたら大変だからやったってわけね――あとでイチ兄に謝っておかないとダメだよ?」

 

「それは勿論さ!! ふふん♪ やっぱりIS学園にいれるよね~そうだよね~分かりやすいなもう♪ でもモルモットにしたら潰すけど。でもこれでなっくんは2人目になっちゃったね?」

 

「最初とか2人目とか興味ないからどうでもいいかな~でもIS学園か、たばねぇ? 僕も行っちゃダメかな?」

 

「はいぃ!?」

 

 

 あっ僕の発言にたばねぇとクロエさんが驚いてる。なにか変なこと言ったかな? そういえばIS学園って女子高だったっけ? でも僕もISを動かせるから入学する権利ぐらいあるよね? あと中学校中退もどきだから高校ぐらいは出ておきたい。というかイチ兄に会いたい。

 

 

「な、凪様……わ、私達との生活がい、嫌になったのですか……? 束様ですか? 束様ですね? そうですよねあんなセクハラの嵐に耐えられるわけがないですよねそうですよねやっぱり束様のせいじゃないですかどうしてくれるんですか」

 

「くーちゃん落ち着いてねぇ!? なに!? 此処に来て初めての反抗期突入なの!? 顔が怖いよくーちゃん!? なっくん!! なんで!? なっくんはお姉ちゃんと一緒にいれば安全なんだから行かなくていいんだよ!?」

 

「だってイチ兄に会いたいし。あと亡国機業対策なら尚更僕が行かないとダメじゃない? だってイチ兄、多分IS初心者だよ? 僕の様に阿頼耶識があるわけじゃないし不意に襲われても対応できるかって言われたら無理だと思うし。いやイチ兄がIS戦闘得意だったらごめんなさいだけど……どうなのたばねぇ?」

 

「う、うん。いっくんはISの事は初心者だよ……ちーちゃんが触れさせてないと思うし。で、でもでも!! それだとなっくんが危ないよ!? 高校生の女たちは獣なんだよ! きっと食べられちゃうよ!」

 

「そんなわけないでしょ……僕みたいな前例あるし何かあってからじゃ遅いんだよ。だからお願い! それとクロエさん、決してこの生活が嫌だってわけじゃないよ? 確かにたばねぇのセクハラは呆れてるけど嫌いじゃない。勿論クロエさんも嫌いじゃないし。これはイチ兄を助けるために行くんだ。小学校の頃の恩を返したいから行くんだ」

 

 

 あとできれば箒姉がいてくれたら嬉しいんだけど……無理そうかな? ISの事嫌ってるし態々勉強しに来ることもないだろうなぁ。

 

 

「……分かったよなっくん。それじゃちーちゃんに連絡しておくけど気を付けてね? IS学園の生徒は世界各国から学びに来ているし代表候補性もいる。つまり各国からのスパイが一杯ってわけなんだ。なっくんの阿頼耶識システムがばれちゃうと男でも使えるシステムって言って悪用されかねない。最悪箒ちゃんにも被害がでる……でもでもそこはお姉ちゃん! ちゃんと箒ちゃん専用機を現在開発中なのだ!! だからなっくんは阿頼耶識の事といっくんの事だけ考えていればいいよ!!」

 

「ありがとう。でもこの2年間必死に作ってるなぁって思ってたけど箒姉の専用機だったんだ? でもまだ完成してないなんて珍しいね?」

 

「実はなっくんの阿頼耶識システムの原理をちょこっと利用して阿頼耶識無しの操縦で生身に近い挙動、高い反応速度を実現できる新しいシステムを構築中なのだ! と言ってもそれやるには基本構造から作りこまないとだめなんだけど折角の箒ちゃん専用機なんだからハイスペックなものにしないとね!! 世代的には第四世代、違うかな? 第四.五世代って所? ま~無理なら展開装甲だけにするけどね」

 

「……やり過ぎないでよ? だ、だからクロエさん……き、機嫌を直してほ、ほしいなぁ~? ちゃんと連絡するし無茶はしないから!」

 

「……分かりました。ですが何かあればすぐにご連絡してください。すぐに駆けつけますので――束様を置いて行ってでも」

 

「だからくーちゃん? 反抗期? 遅れてきた反抗期なの? 実は束さんのことが嫌いなの? と、とにかくお姉ちゃんも全力でサポートするからね!! よーし色々と頑張るぞ~!!」

 

 

 不機嫌になったクロエさんをどうにか説得し、僕がIS学園に向かう事を了承してくれた。

 

 この2年間、亡国機業と言われている人達から襲撃されることがあったけど僕と耶識でなんとか撃退していた。でもここ最近は何も無くて諦めたのかなって思ったけどこんなニュースが出ちゃったらイチ兄が狙われかねないからある程度戦える僕が近くにいてイチ兄が慣れるまでサポートしよう。僕もそこまで操縦上手いってわけじゃないしイチ兄は昔の記憶だけど運動とかできるし呑み込みが早かった気がするから多分すぐ追いつかれるかもね。

 

 さてそれじゃあ準備と――自己紹介の挨拶を考えなきゃ! 久しぶりに同年代の人達と会うんだし失敗しないようにね!




P90はスパイラル推理の絆でカノンが撃ちまくってたのが印象に残っているので出しました。銃の種類にはあまり詳しくありません。

余談ですがくーちゃんはISを起動して生々しい動きをする凪を見て顔が引きつってました。
そして紅椿の強化フラグ。
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