篠ノ之家の弟は阿頼耶識使い   作:木の人

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決闘のお誘い

「色々遅くなっちゃったけど久しぶりだねイチ兄!」

 

 

 一時間目の授業が終わり、僕と箒姉は何故かぐったりしていたイチ兄の元に行き、一緒に教室を出る。流石に時間が少ないから廊下だけどね……というか皆聞き耳を立てすぎじゃないかなぁ? でも仕方がないよね……だって僕とイチ兄は世界で唯一ISを使える男子なんだから。もっとも僕の存在は公表されてないけど。

 

 

「あぁ! 凪、箒、久しぶり。というよりビックリしたぞ? まさか凪もISを動かして此処に居るなんて? テレビじゃ全然言ってなかったし……でも助かったよ。俺一人じゃ辛すぎて泣く所だった」

 

「僕達以外は女の人だけだから気まずいよね~でもこれからは一緒だし何かあったら遠慮なく言ってね。僕も箒姉もイチ兄を助けるからさ」

 

「な、凪!? わ、私は別に助けたりなど……あ、いや、そう、だな。うん、お、幼馴染として助けてや、ってもいい。だがあくまで幼馴染としてだ! か、勘違いするな!」

 

 

 あれ? 会わない間に箒姉、性格変わった? 前までならこんな風に素直……なのかなぁ? まぁいいや、こんな風に言う事なんて滅多に……ごめん、あったね。あんまり変わってないや。多分。でもそうだよ箒姉!! 今此処には男子は僕達だけ! つまり辛い! 主に視線が!! イチ兄だって多分辛いはず! そこを大和撫子、和の心、それで癒せば必ず落とせるよ! 頑張って箒姉! 僕は弟として心から応援する!

 

 

「お、おぅ。でも二人ともあんまり変わってないな? 箒もその髪型とかですぐ分かったし凪も昔とあんまり顔つき変わってない。こうして話すのは6年ぶりだよな? また会えて嬉しいよ」

 

「そう、か……この髪型は凪が似合う、と言ってな。せ、折角の弟が褒めたものを変えるのは姉としてどうか、と思ってだな……それにしてもよく覚えているものだな?」

 

「忘れないって。幼馴染なんだし」

 

「そうか、うん、そうか……こ、の髪型はに、あっているか?」

 

 

 嬉しそうな所ごめんなさいだけど言わせてね。この嘘つき~髪型変えないのは将来イチ兄と再会した時に思い出してもらうためでしょ? もう照れ屋なんだから――アッハイ。黙ります。すいませんでした。

 

 

「あぁ! 箒はやっぱそう言う髪型似合うよな? 実家神社だし」

 

「神社とポニーテールって関係あるの? でも似合うのは事実だしいっか。というかイチ兄? 僕達が話しかけるまでぐったりしてたけどどうしたの?」

 

「……実は授業が分からないんだよ……な、凪はなんで落ち着いてたんだ? まさか分かってたのか?」

 

「うん。先生の教えが良かったのかなぁ~? あの程度なら余裕余裕~ブイブイ、あだっ痛いよ箒姉?」

 

「姉さんの真似をするな。全く」

 

「ご、ごめんなさい。と、とりあえず分かんない所は教えるから後で聞いてね? イチ兄の気持ちは痛いほど分かるから……僕も最初はさ、この単語なに言ってんのここからどうしてそうなるのはぁなんでそうなったし、という感じに混乱したし。ちゃんと勉強してないと分かんないよね~?」

 

「そうなんだよ……俺、ISの事は触れることはおろか聞く事すらダメだったんだぜ? いきなり覚えろって言われても無理だって……だから頼む! あとで教えてくれ!」

 

「良いよ。僕でよかったらいつでも教えるよ。あと箒姉も一緒にね」

 

「な、何故私も!?」

 

 

 もう鈍いんだからぁ、仕方がないなぁ。箒姉の耳元に頭を近づける……あ、いい匂い、じゃなくて離れないでよ? コッソリ言えないじゃん。

 

 

「ここでイチ兄に勉強を教えるとなればきっとイチ兄は感謝してお礼に何かしてくれるかもしれないんだよ? 恥ずかしいのは分かるけど此処は素直になろうよ?」

 

「だ、だが……! 私はISの事はあまり詳しくない……お、教えることなんてできないぞ……!」

 

「そこは僕がフォローするから。大丈夫、箒姉なら出来るって。さっきも少しだけ素直? になったでしょ? それと同じだって」

 

「……うん、お、お前がそこまで言うなら、や、やってみよう」

 

「二人とも何話してるんだ?」

 

「ううん別に~? あっもう終わりそう。教室入ろっか」

 

 

 キーンコーンカーンコーンという懐かしい音を聞きながら僕達は自分の席に戻る。いや~一時間目にも思ったけど懐かしいね! 教室、自分の席、授業の開始の音、先生がいる授業、皆がノートにメモする音、何もかも懐かしいよ。今まではたばねぇとクロエさんしか居なかったし殆ど一緒に勉強してたのはクロエさん、ノートにメモするのだって僕だけでこんなに大勢で一緒に勉強するのは拉致されてからは無かった。うんうん、そうだよこれだよこの日常だようん……まぁたばねぇ達と一緒の生活も楽しかったけどそれはそれ、これはこれ。

 

 そして二時間目もさっきと同じく山田麻耶先生とちー、織斑先生の二人。やっぱりちー姉ちゃんカッコいいなぁ。山田先生も先生なんだろうけどなんて言うか先生に見えないと言うか……失礼だけどね。言葉では言わないけど心の中では言っても良いでしょ。いやダメか。さてさて今回の授業はなにかななにかな? ほう、IS使用による刑罰か。此処って確かかなり初歩の初歩だよね? というか常識? と言っても教わるまで殆ど知らなかったけど。

 

 山田先生の音読を聞きながら大事な所はノートにメモを取る。目の前が箒姉だから授業を受けている姿が良く見えるけど凄いなぁ、背筋を伸ばして真剣に聞いてる。もしかしてさっき僕が言ったことが原因? 頑張れ箒姉! そう言う姿も見せればイチ兄もちゃんと見てくれ――あだっ。

 

 

「篠ノ之弟、目の前の姉に見とれるのは感心せんな」

 

「あ、ご、ごめんなさい……次から気を付けます」

 

「よろしい。だが罰は受けてもらおう。そうだな……アラスカ条約の事を分かる範囲で良い、言ってみろ」

 

「えーと確か……正式名称IS運用規定、通称IS条約、開発者が日本人だったため当初は日本がIS技術を独占していたけど他の国が拙いって判断してこの規定、条約? を作ったんでしたっけ? 内容としては全てのISの情報開示と共有、あと研究のために機関を作った。あと軍事利用はダメ、現存する全ての兵器はISに太刀打ちできないからそのためにこれも追加してたはず……後は世界各国でISコアが割り振られているけどこれの取引、譲渡を行ってはいけない。もし発覚したら重罪、一生刑務所の中にいることになる。ただし軍事利用は出来ないけど防衛としてISは配備できた筈、そこから侵略はダメ、日本で言う自衛隊みたいなものかな? あ、あとは――」

 

「良い。そこまで理解できているならもう少し真面目に授業を受けろ。姉との再会が嬉しいのは分かるがな」

 

「はい、ごめんなさい」

 

 

 よかったぁ!! とりあえず覚えてる限り言ってみたけどあれでよかったよね? 正直アラスカ条約なんて一番最初にやって終わらせてたからあやふやなんだよね……危ない危ない、後で復習しておかないと。ところでイチ兄? なんでそんなことわかるんだよ? って顔で僕を見てるの? 言ったでしょ? 先生の教え方が良かったんだよ。

 

 

「凄いですね篠ノ之君! はい、アラスカ条約ではISの研究のために情報共有などの決まりが書かれています。皆さんはIS操縦者としてこの条約は覚えておかなければいけません。皆さん、今までのお話しで他に分からない場所はありますか?」

 

「……織斑」

 

「は、はい!」

 

「分からないからと言って隣の生徒を見るな。全く……参考書は渡していたはずだがちゃんと読んだか?」

 

 

 え? 参考書? なにそれ? 僕貰ってないんだけど……あっイチ兄が捨てたって暴露した。いやそれはダメでしょと言いたいけどそもそも参考書ってなに? 電話帳と間違えて捨てた……という事はそれぐらい厚いのか、うん。イチ兄……分かるよ、だって電話帳って見る気起きないよね? 本だってそれぐらい厚いと読む気無くすよね……分かる、分かるよ……あれなんでだろう……涙が……!

 

 というか箒姉? 怒ってる? もしかして織斑先生が隣の生徒を見るなって言ってたけどそれ? それなの? ダメだよ箒姉、ここは仏の心、和の心、落ち着いてイチ兄の気持ちになって考えれば――すいません調子のりましただから睨まないで怖い怖いごめんなさい。そしてイチ兄は可哀相に参考書(電話帳)を一週間で読み終えないといけなくなった。なんという事を……! 僕だってあの厚さは無理だと言えるのに一週間! 僅か一週間!! 覚えれません。無理です、たとえクロエさんの教えだとしても……あれ? なんだかやれそうな気がする。そうか……! 教え方が良い人なら電話帳ぐらい問題ないのか!! ありがとうクロエさん! バカな僕に教えてくれて本当にありがとう!!

 

 そしてそこからは何事もなく二時間目が終了。ふぅ、懐かしいけどやっぱり疲れるね。これだったら訓練してた方がまだ良いよ。

 

 

「……凪、何故あそこまでISに詳しいんだ? まさか姉さんか……?」

 

「あー、うん。教えてもらった人は違うけど一緒には居たよ」

 

「そうか」

 

 

 何かを決意した表情で箒姉は僕の肩を掴んだ。何故!? い、痛いんだけど……? ぼ、僕何か悪いこと言った!?

 

 

「――大丈夫だったか!?」

 

「へ?」

 

「あの変質者(姉さん)の事だお前には、破廉恥な事をしていたに違いない! 何もされてないな!? 毒牙に合っていないな!? 隠さなくていい、後で姉さんがあれを懲らしめてやる。お前をあれ(姉さん)には渡さん! あぁ! 渡してたまるか! 絶対守ってやるからな! あれ(姉さん)から!」

 

「あ、あの、箒姉? 肩、痛いんだけど……?」

 

「……す、すまない。あれの傍に居たと聞いて取り乱した……もう、大丈夫だ。すまない」

 

 

 いや気にしてないから良いけどさ……箒姉? 一応たばねぇは箒姉のお姉ちゃんだよ? 変質者とかあれとか言わない方が……言いたいことは分かってるけど。でも破廉恥な事ってあったか……あれ? 僕がお風呂に入ってる時に全裸で突入してくる、目が覚めたら何故か抱き枕にされてる、痺れ薬飲まされた、動けない所を抱き枕にされた、クロエさんに助けられなかったら襲われてた……ありすぎて困る。この事は黙っていよう。たばねぇの命のために。

 

 

「そ、それはそうとだな。私はお前の姉、お前は私の弟だ。つまり私のために何かをする役目がお前にはある……つまりだな――」

 

「箒姉、ISの事教えてほしいならもう少し素直になった方が良いよ? 教えるけどさ」

 

「……うん。教えてほしい、だ、めだろうか……?」

 

「おっけ~それじゃさっきの――ん?」

 

 

 皆の視線が何故かイチ兄に向いてたので同じく見て見るとどうやらイチ兄に話しかける女の人が気になっているようだ。金髪で髪をクルクル……ドリル? なんかそんな感じの髪型の女の子。なんて言うか気品があってお嬢様って言葉が似合うね。しかしこの視線の中凄いなぁ……僕が女の子だったら絶対出来ないね。だって刺されそうじゃん。

 

 

「……なんなのだあの女は……一夏の前で偉そうに……!」

 

 

 箒姉がご立腹である。といっても僕にしか聞こえないように小さく言ってるけどダメだよ? そんな言葉使いしたらイチ兄が幻滅しちゃうよ? でも箒姉の気持ちも分からなくはない。教室中に聞こえるぐらいの声で私に話しかけられるだけでもなんたらって言ってるし。多分本当にお嬢様なのかな? だったら納得だ。あっイチ兄が代表候補生って何だって聞いたら呆れちゃった。

 

 

「セシリア・オルコットさん、イギリスの代表候補生なのかぁ……凄いなぁ」

 

「なっ!? な、凪……何故感心しているのだ!」

 

「だって代表候補生だよ? なりたくてなれるわけじゃない、ちゃんと努力しないとなれない称号だよ? まぁ一人だけってわけじゃなくあくまで候補生だから他にも何人かいるけどそれでも凄いものなんだから。箒姉もちー姉ちゃんが日本の国家代表って奴だったのは知ってるでしょ?」

 

「そ、そうだが……しかしそれとこれは……いや、これではダメだ……うん、ダメだな、うん。怒ってすまなかった。ゆ、許してほしい……」

 

「いや元々気にしてないから別に謝らなくてもいいよ? 箒姉の気持ちは分かるつもりだし」

 

 

 ふむ~僕が居なくなってから箒姉、やっぱり変わったよね? 昔だったら怒ったままぷんぷんしてたのに今はすぐ落ち着けるようになってる……な、何があったんだ……!?

 

 

「コホン。もう一人の方はよく理解しているようですわね? そう、わたくしは代表候補生、つまりはエリート! その中でも専用機を持つことを許された特別なのですわ!」

 

「……専用機? 凪、それってなんだ?」

 

「うん? えっとね~その人だけに許された専用のIS、略して専用機。分かりやすく言うとなんだろ? 優勝した人に渡される記念品? そんな感じかな」

 

「おぉ、何となく言いたいことは分かった。凄いんだな」

 

「そうだね。専用機って欲しくてもらえるわけじゃないから本当に頑張ったんだと思う……あ、えっとバカにしてるわけじゃないからね? ホントに凄いって思ってるから信じてほしい、かな?」

 

「……いえ。分かっていますから安心してくださいませ。貴方はお話の分かる方ですのね? 男性ですのによく理解していらっしゃいますわ」

 

「教えてくれた先生が良かったからね」

 

 

 なんだろうか……一瞬だけ驚いた顔になったような……気のせいかな? でも凄いんだなぁこの子、クロエさんも欲しくてももらえない人がたくさんいるって言ってたからそれを貰ってると言う事はたくさん努力したんだろう。やっぱり女の人は良いなぁ~僕みたいに阿頼耶識を使わなくても動かせるし頑張り次第で認められるし……泣いてないよ? 泣いてない、いいもん。たばねぇとかクロエさんが褒めてくれるから……

 

 

「そうですの。でしたら分からない所があれば教えて差し上げますわ? わたくしは入試で唯一、教官を倒していますの。その凄さもお分かりでしょう?」

 

「……入試ってISを動かして戦う奴か? それなら俺も倒したぞ? 凪は……お、おい? な、凪?」

 

 

 入試、倒す、泣かれる、うっ頭が……違うんだよ違うんだってただ真面目に戦って今までと同じように動いただけなんだよ……なんで泣かれたんだろ……怖かったの? うぅ……ご、ごめんなさぁい……! 今頃になって罪悪感が出てきたよ……後で謝りに行こう、たとえ怯えられたとしても自分の責任だし甘んじて受ける覚悟だ。多分無理だけど、かなり引きずるけど。

 

 

「お、俺なんか悪いこと言ったか?」

 

「ううん……イチ兄は悪くないよ……ただね、普通に戦ったつもりなのに相手の人、泣いたんだよ……勝ったらダメだったのかな? なんかそれを思い出して物凄い罪悪感がね……」

 

「泣かれるって何やったんだよ……?」

 

 

 何をって銃撃躱して杭を射出、躱す動作の瞬間に接近して体勢崩して顎下から鉈で殴ってお腹にドリルキックしてまた銃撃躱して背後に回って鉈で頭を割ってトドメに杭を打ち込もうとしただけだんだけど……何がダメだったの? 今までやってきたことと何も変わらないのに……耶識だって活き活きしてた感じがしたし。違うかも知れないけど。うーん……どうなんだろう!

 

 

「落ち込むな。勝ったのならば堂々としていろ……お前は間違った事はしていないのだろう?」

 

「……多分」

 

「なら落ち込まず胸を張れ。落ち込むぐらいならまた同じことを繰り返さなければいいだけだ。凪なら簡単にできるはずだ? 違うか?」

 

 

 ほ、箒姉!! な、なんて優しいんだ! そうだよ! これだよ! その心を忘れなければ全て上手くいくよ! 僕は今……本当に泣きそうです! 後でたばねぇに箒姉が和の心に目覚めたって教えてあげなきゃ!!

 

 そしてなんで金髪の子はプルプル震えてるの?

 

 

「ま、まさか倒したと言うの……! わ、わたくしだけでは!?」

 

「女子だけじゃないのか?」

 

「ありえそうだね、それ……あっ違うよ? 唯一ってことは他の人は倒していないはずだからそれは凄い事だから! うん!」

 

「……コホン。取り乱しましたわ。もう少しお話をしてあげたい所ですがもうそろそろチャイムが鳴りますのでこれで失礼させていただきます」

 

 

 そしてスカートの端を持って綺麗なお辞儀。優雅だ、やっぱりお嬢様じゃない? というよりイチ兄がなんなんだって顔してるけどとりあえず終わったと思っていればいいんじゃない? 本当にチャイム鳴るし。そして始まりました三時間目! 今回は何とちー、織斑先生が教えてくれるとのこと! 何て贅沢な! ほうほう、武器の扱いや種類、特性について……大事じゃないか!? め、メモ! メモしなきゃ!

 

 

「あぁ。そう言えばクラス代表の話はしていなかったな。丁度いい、少しこの時間を使って決めるとしよう」

 

 

 クラス代表? なにそれ? 多分僕とイチ兄は同じことを考えているだろう。それを見たからなのか織斑先生はちゃんと説明してくれた。ありがとうございます!

 

 

「分からない奴も居いるようだから説明しておく。クラス代表とはそのままの意味でこのクラスの代表だ。役目としては生徒会が開く会議や委員会の出席、クラス対抗戦の出場が主な仕事だ。自薦他薦は問わん、誰かやる奴はいるか?」

 

「はい! 織斑君を推薦します!」

 

「私も!!」

 

「じゃぁ私は篠ノ之君を……あっ弟君の方です!」

 

「織斑は良いが篠ノ之弟、か」

 

 

 うん? ちー姉ちゃんが何かを訴えたそうな目をしてる? もしかして遠慮してるの? それにしてはなんかごめんなさい的な……あっ! クラス代表になれば目立つから阿頼耶識の存在がばれかねないからか。良いよ別に気にしてないからさ? だってこの数時間で分かった――何もやらなくてもしばらく目立つって事。だから大丈夫だよ~? それにさ、気を使って僕を除外しちゃったらそれはそれで目立つだろうし。うん。だからちー姉ちゃんは何も悪くないよ~いいちー姉ちゃんだよ~? あっ呆れられた。

 

 

「……うん? 織斑って俺!?」

 

「え? 気づいてなかったの!?」

 

「い、いやぁ織斑ってもう一人いるのかと……」

 

「いるよね? ちー姉ちゃ――いだっ」

 

「織斑先生だ。はぁ、言ってしまったものは仕方がない。織斑に篠ノ之弟、他にはいないか?」

 

「納得がいきませんわ!!」

 

 

 ドンッと机を強く叩く音が響く。び、びっくりしたぁ……人間、背後からの音に弱いんだから!! 驚かさいでくださいお願いします!

 

 

「片方はISの事を知らず実力もない! そちらの方はISを理解しているようですが実力で言えばこのわたくし、セシリア・オルコットが上! つまりわたくしがクラス代表になるのは必然ですわ!! それを物珍しいからと実力も無いものが上に立つなどあってはいけません! そんなことがあればこのクラス全体が低く見られてしまいます! 第一にわたくしはISを学び、自らの向上のために来ているのであって下に見られるのだけは我慢なりませんわ!」

 

 

 お、おっと……? 何やら雲行きが……い、いやぁ~あのセシリアさん? 言いたい事とかは分かったけど言いすぎじゃない? なんか熱がこもっちゃってるのか分からないけど一応代表候補生なんだから日本の悪口とかは拙いって!? だってこのクラスの半分以上は日本人なんだからさ!? あとちー姉ちゃんも僕も箒姉もイチ兄も!! や、ヤバい……た、たばねぇこの会話聞いてないよね? で、電話したい……! お腹痛い……! 特にどこかで逃げ回っているお姉ちゃんの恐怖のせいで!! あっイチ兄が怒った。

 

 

「イギリスだって文化無いだろ?」

 

「なっ!? 貴方! わたくしの祖国を馬鹿にしますの!?」

 

「お前だってさっきまで日本の事馬鹿にしてただろ? つい言っちまったけど事実だろ?」

 

 

 イチ兄~!? なに売り言葉に買い言葉的な感じで言ってるの!? そこまで怒る要素あった!? お、思い出せ……セシリアさんは何を言った……後進的、島国、猿――猿はダメだよ。気にしてないけど。

 

 

「良いでしょう。世間知らずの貴方に決闘を申し込みます、まさか逃げるとは言いませんわよね?」

 

「あぁ良いぜ! そっちの方が分かりやすい! 凪! 頑張ろうぜ!」

 

「へ?」

 

「何驚いてるんだよ? 今までの話聞いてなかったのか?」

 

「聞いてたけどまさか僕にまで振られるなんて思わなかったからさ……えっとち、織斑先生? 勝手に話進んでるけどいいのかな?」

 

「……はぁ、この馬鹿ども。仕方ないだろう。織斑、篠ノ之弟、オルコットの3人で模擬戦を行い勝利数が多い者が代表だ。時間は今日から一週間後だ、それぞれ準備しておくように」

 

 

 どうやら僕とイチ兄とセシリアさんの3人でどうやら戦う事になったようだ。起こっちゃったことは仕方がないから頑張ろう。代表候補生の人と戦えるなんて滅多にない事だし。どこまでやれるか分からないけど全力で頑張ろう!

 

 とりあえずたばねぇに大好きとかIS製作頑張ってとかメールで送っておこう……だ、大丈夫だ、イギリスはきっと無事だから……きっと無事だから……! そもそも此処に居ないたばねぇが会話を聞いてるわけないしそうだよそうに違いないきっとそうだ――よし! クロエさん、僕の思いが届くならたばねぇをお願いします。

 

 直後、僕の携帯にクロエさんから「束様を気絶させましたのでご安心してください」という素晴らしい返事が届いた。クロエさん……恐ろしい子!




原作よりも箒は落ち着いています。
くーちゃんはイギリス目掛けて何かをしようとした兎の頭を近くにあったもので殴って物理的に止めた模様。
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