ふと目を覚ます
まだ外は少し暗い
時計を見ると4:15分となっている
「二度寝して寝過ごすのも怖いし起きておくか
なんか飲み物でも飲もうかな」
体を起こしキッチンへと向かう
すると廊下から
キッチンの電気がついているのがわかった
「母さん消し忘れたのかな?」
そっとキッチンを覗き込むと
そこには料理をしている母さんの姿があった
「母さん早いね」
「あらカム、もう起きたのね」
カム「なんか目が覚めちゃった」
「ふふ、そんなに旅に出るのが楽しみなのね♪」
「それは無いかな、それより何を作ってるの?」
母さんに近づき煮込んでいる鍋を確認する
「これは」
「カムの大好きなカレーよ
旅に出る前にママのカレーを食べて
元気よく旅をスタートしてほしいと思って!」
このキツすぎないスパイスと野菜の香り
寝起きを忘れさせるほどの空腹がこみ上げる
「凄く嬉しいよ!
これならずっと頑張れるよ!」
「それは良かったわ♪
でももう少し待っててね」
「まだ出来てないの?
俺ならすぐにでも食べれるけど」
「オーキド博士にポケモンを頂いてからよ
少しでも長くこの味を覚えててほしいからね!」
「そっか、わかった楽しみにしてる」
お母さんが少し寂しそうな顔をした
その顔を見た俺は
「少し散歩してくる」
そう言って外に出る
母さんになんて言えばいいのか
今の俺には言葉が見つからなかった
「今更旅に出たくないなんて言いづらいしなぁ」
オーキド博士にポケモンを貰う約束しているからには
今更断る方が難しい
それに母さんは俺を旅に出したがっていた
母さんとしては自分たちが経験してきた
旅の楽しさを知ってほしいからでだろう
カバンに必要なものを詰めている時の
母さんのイキイキとした表情はまるで
自分が旅に出るかのようだった
それくらい母さんは俺が旅に出ることを
期待していてくれているんだ
色々と考えていたらいつの間にか町を1周していた
「さて、そろそろ家に戻るか」
家の方へ向かい歩く
すると、
「ふんふーん♪」
なにやら鼻歌交じりにゴキゲンな表情の男がこっちに近づいてくる
「あの人もこんな朝早くからゴキゲンだな
いい事でもあったのかね」
そう呟いていると相手がこっちに気づいた
同い年くらいか、そういえば引越の手伝いばかりで
まともに外出れなかったもんなぁ...
なんて考えていたら男は俺に近づき
「やぁ、見ない顔だけど最近引越してきた人かな?」
「あ、あぁ
先週引越してきたんだ、俺の名前はカム、よろしく」
と言っても今日から旅に出るからもう会うことは無いだろうけどね
そう思いながら自己紹介すると
「そうか、じゃあな」
男はそのまま通り過ぎようとする
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
慌てて俺が呼び止めると
「ん?なに?」
男は面倒くさそうにこっちを向く
「君の名前は?」
「なんで初めて会ったヤツに名前教えなきゃならないんだよ」
「初めて会ったからこそだよ
君はまるで僕とは2度と僕と会うことは無いような素振りだったけど」
「なんだ察しがいいじゃねぇか
そうだよ、お前とはもう2度と会うことは無いから
名乗る必要が無いんだよ」
コイツ友達いないんだろうなぁ
「会うことは無い?
引越すの?」
「引越すなんてくだらねぇ
旅だよ!俺は今日から旅に出るんだよ!」
「そうなんだ
実は僕も今日から旅に出るんだ」
こんなヤツと同じ日に旅に出るとか嬉しくねぇなぁ
「へぇ、お前みたいなのが旅に出るのか
ま、俺とお前じゃ
旅のスタートから天と地の差があるがな」
「それはどういう事かな?」
「お前に言う必要は無いね、じゃあな」
結局自分の事を何一つ開示しないまま
男は去ってしまった
「最後まで面倒な人だったなぁ
まぁ気にしてても仕方ないか、帰ろう」
面倒な男と旅の日が被ってしまったことを
不幸に思いながら家へと帰る
家に帰ると母さんがリビングのソファで眠っていた
起こさないようにそっと毛布をかけ自室に向かう
部屋に入り服を着替える
母さんがいつの間にか用意していた
旅用の服だ、着心地が良く
とてもしっくりくる
着替えを終えて
母さんを起こさないようにそっと外に出る
「少し早いけど研究所に行ってみようかな」
俺はオーキド博士の研究所へと向かうことにした
オーキド博士のポケモン研究所
町の建物の中でも圧倒的な存在感を放っている
「改めて見るとやっぱりデカイな」
感心しながら入口に近づくと中から人が出てきた
「おや、君は」
なんと現れたのはオーキド博士だった!
突然のオーキド博士に慌てる俺
「あ、えっと、は、はじめまして!
俺カムっていいます!」
「そうか!君がセンリ君の息子か!
そんなに慌てなくても良いぞ
ささ、ついてきなさい」
そう言って研究所に入るオーキド博士
「はい!失礼します!」
俺も緊張しながら研究所に入っていく
研究所の中はたくさんの機械やファイルがあり
チラチラポケモンの写真や映像が見えた
周りを見回しているとオーキド博士が立ち止まる
「さて、ここにモンスターボールが3つあるじゃろ?そのうちの1匹を君に託す」
機械の上に3つのモンスターボールがセットされている
このボールの中に俺と旅を共にするポケモンが...!
突然のワクワクとドキドキで爆発してしまいそうだ!
まだ旅すら始まっていないのに....
すると俺の顔を見て気持ちを察した
オーキド博士が
「初めての旅、最初のポケモンと何もかもが新しい事だらけじゃ、
この思い出はお主の一生の宝物となるじゃろう」
オーキド博士が笑顔で言うと
俺は意を決して一つのモンスターボールに手を伸ばす
これからが俺のポケモントレーナーとしての第1歩...
何分、いや、何時間であろうか
1番左のモンスターボールに触れてから
かなりの時間が経った気がする
すると
オーキド博士が僕の意識が戻ったのがわかったのか
「どうじゃ?初めて感想は」
カム「なんと言うか、かなりの時間このモンスターボールに触れていた気がします。変な言い方かも知れませんが運命を感じたって言い方がしっくりきます」
そう言うとオーキド博士は満足そうに頷く
オーキド「何も変ではない、その運命を信じてその子と旅をしてほしい」
「はい!頑張ります!」
「うむ、期待しておるぞ
それでは早速、顔合わせをしようか
モンスターボールのボタンを地面に向けてみなさい」
「わかりました!」
いよいよ初めてのポケモンと顔合わせ!
ゆっくりとモンスターボールを地面にかざそうとすると
「じぃーちゃーん!!」
どこかで聞いた声が聞こえた
声が聞こえた方を見ると朝出会った
男がこっちに向かってきていた
「じぃちゃん!俺のポケモンは!」
「これこれ
他の人がいる前で騒ぐでない」
「そんな事よりポケモン!」
オーキド「全く、そこの2匹から選ぶんじゃ」
「2匹?3匹じゃなかったのかよ」
「そのうちの1匹は彼が連れいくことになっんたんじゃよ」
男と目が合う
嬉しくない
「お前今朝の...なんでお前がここに」
男が苛立ちの表情をしている
「彼の母親と交友関係でな
今回彼の初めてのポケモンを
授けることになったんじゃ」
「ふーん、まぁいいや」
興味無さそうだな...自分が聞いておいて
「それじゃぁ俺が貰うポケモンは...」
ふと、俺の方を見た気がする
そして1番右にセットされたモンスターボールを手に取った
「コイツを貰うぜ」
「うむ、では2人がポケモンを選んだところで
これを渡そう」
オーキド博士は俺と男に空のモンスターボールと
赤い機械を渡してきた
「これからはお主たちが新しい仲間を見つけるんじゃそのために必要なモンスターボールをプレゼントしよう
そしてもう一つはポケモン図鑑といって
一度見たポケモンのデータが保存される
ハイテクシステムじゃ!
これをでお前達にポケモンたちのデータを集めて欲しい」
なるほど、旅をしながら俺達はポケモンたちの知識がついて、オーキド博士達はポケモンたちの分布なんかのデータがとれるっていうwin-winの関係か
面白そうだし、是非とも引き受けよう
「わかりました、精一杯頑張ります」
「俺に任せてれば何も問題ねーよ」
「2人とも頼もしいな
さて、長話になったが2人とも気をつけてな
2人の旅の安全を祈っとるぞ」
「はい!それでは失礼します」
オーキド博士に別れを告げ研究所を出ようとすると
「おい待てよ」
男に止められた
「なにかな?」
「せっかくポケモンを貰ったんだ
今ここでバトルしようぜ」
「今ここで?」
周りを見渡すがここでバトルすれば
研究所が大惨事になってしまうだろう
初バトルでそれは避けたい
カム「どうせなら広いところでやらないか?
せっかくの初バトルだし」
「いいぜ、じゃあ行こうぜ」
「全くお前は仕方ないヤツじゃのう
ワシは審判として付き添うぞ」
こうして研究所でのバトルを避け
外でバトルする事に成功した
しかし初めてのポケモンバトル
緊張するなぁ...
そう考えるとずっと自信満々の男が少し羨ましくなる
「よし、ここなら良いだろう」
「あぁ、わかった」
「それでは2人とも少し離れるんじゃ
ポケモンの攻撃がこちらに来ては危ないからの」
そう言われ俺と男は一定の距離を置く
お互い自分のポケモンを知らない
初バトルどこまで戦えるかな
凄く緊張する
「それではこれよりシングルバトルを始める!」
でも...
「ボコボコにしてやるぜ!」
そんな緊張を忘れさせるくらい
「よろしくお願いします」
ドキドキして...ワクワクする!
「ででこい!」
男がボールを投げポケモンが現れる
俺もボールを、地面にかざす
「出てきてくれ!俺のポケモン!」