この中に1人、ハニートラップがいる!   作:佐遊樹

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読み返すと意外と夏休み編長くてワロタ


幕間
ハニトラの夏、ISの空/Disc1


・BREAK THROUGH

 

織斑一夏(俺・属性イケメン・童貞)の朝は早い。

 

掛け布団を跳ね飛ばし、むくりと起き上がってぐっとのびをする。

ベッドから這い出て、ケータイの受信メールを確認した後、寝巻きからウェアに着替えてストレッチ。

その後外に出て走りこみ。グラウンドには俺と同様、朝のジョギングをする生徒たちが列をなして走っていた。その一群の中にしれっと混ざる。

揺れるポニーテイル。

流れる汗。

俺はランニングタイツとハーパンにドライシャツだが、スパッツにタンクトップの子とか何考えてんでしょうね。ガン見した俺は悪くない。

そんな感じで軽めのトレーニングを終わらせた後は部屋に戻ってシャワー浴びて汗を洗い落とす。そのまま制服に着替えちまう。

 

学食で朝飯を食べる。朝はぶっちゃけ食欲があんまりないから少なめがいいんだけど朝食はしっかり食えって姉さんからしつけられてんだ。

天井からつる下がっているモニターに映るメニュー表を閲覧。甘いものが食いたい。

 

「おばちゃん、甘いもんが食いたいんだけど」

「やーねぇ、いい男にはサービスしちゃうわよー!」

 

そう言って食堂のおばちゃんがカウンターに置いたのは、MAXコーヒー。

MAXコーヒー。

 

「おい待て待ってください俺の朝飯250gかよっ!?」

「ごめんねぇ、ちょっと甘いものは女の子のためにとっとかなきゃいけないから」

「クッソッ女尊男卑がこんなところまでェェェェッ……!」

 

怨嗟の声を吐き出しながら、俺はMAXコーヒーを掴んでカウンターを離れた並んでいる他の生徒に悪いし、何よりぶっちゃけ250gでも十分なぐらいだ。

食欲の低下。

臨海合宿から帰って来て以来、俺はそのことに気づいていた。別に胃袋が縮んだわけじゃないらしい。食べようと思えば食べられるし、むしろ今までより入る。

でも、食欲はわかない。

 

「……やれやれ、この調子だと最低系の主人公みたいになっちまうな」

 

あれ? もう最低系だっけ俺。

副作用で五感がなくなっていくのは黒王子様がやってくれたからか、三大欲が消えていくタイプ多すぎだと思うんだよね。でも俺の性欲は負けない。多分他の二つを食いつぶしてでも生き残るレベル。ただしハニトラ問題あり、このジレンマどうすんだよ。

 

「はよーっす」

「あ、おはよう!」

 

一人で座っていた谷ポンの真ん前を陣取る。テーブルの上にはサラダとサンドイッチ。

 

「一人?」

「ううん、後でしずちゃんが来るー」

「オーライ」

 

カシュ、とプルタブを開けた。大半がミルクで構成されただだ甘の液体を喉に流し込む。

糖分はいいね。糖分は脳を潤してくれる。地球の生み出した養分の極みだよ。

 

「私はQまだ二周しか見に行ってないよ」

「俺は七周」

「廃人め……」

 

みゆきちの声聞いてたら劇場で豚になってた。他意はなかった。みやむーに浮気した時期もありましたよええ。

谷ポンがドヤ顔の俺を罵っている間に、しずちゃんがコーンフレーク山盛りの大皿を抱えてひょこひょこ歩いてくる。やっべぇ和む可愛い。

 

「あ、織斑君、おはよう」

「はよー」

「今日って数学演習ムズい?」

「京大の過去問でしょ? 問題文が日本語なだけマシじゃん」

 

まあ前は問題文フランス語でみんな死にかけてたもんな。

デュノア嬢だけ余裕しゃくしゃくだったけど。あの時のドヤ顔へのみんなのイラつきは本気で顔面粉砕機にかけるレベルだった。

 

「ていうか織斑君、それ……」

「私がツッコミ入れずにやり過ごそうとしてたのに何でわざわざツッコムのしずちゃん!」

「テメェこの惨状をスルーしようとしてやがったのか!」

 

あんまりに扱いに紛糾する食卓。

俺の朝食は結局、MAXコーヒーとサラダ少々とコーンフレーク大盛りにジョグレス進化した。

 

 

 

 

 

「織斑、起立」

「はい」

「和訳しろ」

「そのバクテリアの特徴は人間が入った洞窟で天井から雨のように岩が降ってくるほど早い速度で岩を食べる強靭な顎を持っていることである」

「それがなんの役に立つ?」

「複数種のバクテリアの特徴を兼ねた遺伝子組み換えバクテリアにこのバクテリアの特徴も加えることで火星の岩を砕き地中の二酸化炭素を放出し擬似的な大気を生み出すことで火星の環境を人が住めるようにすることに役立つ」

「座れ」

 

リーディングの授業キツすぎワロタ。

教室内ネットワークとは別のネットワークで、机に表示されるウィンドウの一つが常に動いている。

 

『誰か設問3の答え教えて!』

『そこは多分エだよ(ノ・ω)ノ』

『ありがと(●⌒∇⌒●)』

 

……まあ、いつの時代でもこういうのはよくあるよな。

一切れの紙を手紙と称して回してた時代が懐かしいぜ。俺の中学時代にもあった。あれって女子と女子の間にいると仲介役頼まれて、少しでも手紙の折り目がおかしかったら俺が途中で見たみたいに扱われるんだよな……なんでだろう、涙が出てきた。

 

そうこうしているうちに英語担当の三船(通称鬼ババ)の授業は淡々と進んでいく。一回当てられたし、よほど気を抜いていない限りはもう指名されないだろう。まあ教卓のまん前なので油断はできないが。なんだよこの席ケータイもいじれねえしクラスメイトと話したりもできねえ。角っこの箒や相川と時々アイコンタクトとるぐらいしか無理じゃねえかクソがッ。

 

7ケ国語を自在に操るという三船のネイティヴ顔負けな発音を聞き流しながら。

ふとこういう時に考え込んでしまう。

 

――この教室に、ハニートラップがいる。

 

「…………ッ!!」

 

ぞくり、と背中を悪寒が駆けた。気分が悪い。視界がぐらぐらする。

何だよ。何でだよ。

春から夏まで、この夏期講習まで、代表候補生や俺に縁のある人たちばかりを疑っていた。クラスのみんなが、ハニトラとの戦いの癒しになっていたのだとようやく気づいた。

もう遅すぎる。俺は、クラスの誰を信じていのか、いや信じるべき人間がいるのかさえ分からない。

何も分からないんだ。

 

三船が黒板(を模した電子ボード、面倒なのでみんな黒板と呼んでいる)に顔を向けたスキに、教室を見回す。集中していた生徒も含めみんなが俺を不思議そうに見た。

俺以外の全員、敵。

クラスメイトたちの顔が、仮面がはがれるようにして豹変する。そんな幻覚を本気で現実と間違えそうになる。頭痛がひどい。めまいもする。

色彩が換わって変わって回り廻り――

 

ぐるんと、世界が反転した。

 

天井と床がさかさまになる。あれっ、俺何してんだろ。なんで俺、天井にへばりついてんだ。

重力と逆向きに置かれた椅子の上から転げ落ちる。天井に吸着剤も塗ってあるのか、床にたどり着けない。呼吸音がおかしい。ボンドでも喉に詰めたんじゃないのかっていうぐらい酸素が回ってこねえ。

落ち着け、落ち着け。

足音がうるさい。みんな駆け寄ってきて、顔が青ざめていて、三船お前どんな顔してんだよ。なんだ、アラサーのくせに可愛い表情できんじゃん。ていうかそういえばお前福音戦に一応いたな、今思い出したわ。

 

「……あ…………ん、ね……」

 

あーっとね、うん、寝てる姿勢だし、下着丸見えだぞお前ら。

そう言おうとしたけど、言葉が出てこなかった。

ぶつんと意識の糸が切れた。

 

 

 

 

 

一年一組教室。

帰りのHR(ホームルーム)の時間になって、やって来たのは担任でも副担任でもなく英語科兼IS操縦射撃部門主任の三船だった。

 

「HRを始めます。日直、号令」

「えっ……あ、はい。起立」

 

三船がトレードマークのメガネを少しかけなおした。

全員着席した後、鎮痛な面持ちで語る。

 

「今日の授業中に早退して面会謝絶になっていた織斑くんですが、身体に異常はありませんでした」

 

教室にホッとした空気が流れる。

しかしそこでふとわく疑問。

 

「あの、でも、何で?」

「……一つには、精神的理由が考えられます」

 

がたり、と音を立てて箒が立ち上がった。

 

「……アンネ、まさか」

「何、どうしたの」

「一夏が倒れたときに言っていた、アンネという名前」

 

一拍。

 

「臨海学校で出た戦死者の一人なんだ」

 

つらつらと語りが始まる。

言っていいのかどうかは分からなかったが、とにかく箒は自分の知っている情報をあらいざらい話した。

ドイツでの出会い。

好意を寄せられていたこと。

戦場で再会したこと。

 

「そんな、ことが」

 

誰かがぼそりと呟いた。

そう考えれば、いくらかの思い当たる節、授業中に様子がおかしくなったり、突然あたりを見回した顔色を悪くしたりと、臨海学校から帰って以来、彼は少しおかしくなっていなかっただろうか。

気づけるはずの手がかりは、あった。

 

「……医務室に、PTSDの診察を頼んで見ます」

 

三船が顔色を変えて言う。

そのままバタバタと教室を出て行ってしまう。

 

「……一夏、やはり」

「そりゃショックだよね。だって確か、首から上は発見されなかったらしいし」

「大丈夫かな……でも、何ができるのかなんて……」

 

シャルロットが困ったように言ったところで、部屋の隅で沈黙を保っていた少女が呟いた。

 

「『大いなる力には大いなる責任が伴う』」

「……ボーデヴィッヒ?」

「昔読んだアメコミのフレーズでな、これの実写化したもののDVDを、あいつにこの間貸した」

 

クラス全員、銀髪の少女の言葉に耳を傾ける。静寂の中ラウラは唇を動かし続ける。

 

「おいDVD貸したって何だ詳しく話せ」

「ちょっと黙ってください」

 

視界の隅でわめくサムライガールを英国淑女がクラスメイトらと結託して取り押さえていたような気がしたが、ラウラにとっては取るに足らないことだった。

シリアスな空気を教室に拡散させつつ(例外有)、彼女は中核に触れた。

 

「あいつにはやっと、力を持つものとしての自覚ができつつある。それは、私にも足りなかったものだ」

 

そのまま腰を90度に折った。

 

『!?』

「……織斑から、これが日本の正しい謝罪方法だと聞いた。土下座したらなぜか怒られたからな」

 

驚愕に教室の空気が騒然となる。

少ししてから、ラウラは顔を上げた。少し恥ずかしそうにして、

 

「あいつの『イチカのパーフェクト謝罪教室』とやらは役立っただろうか……」

(なにしてんねんあいつ)

 

教室の感想が一致する。不思議な連帯感に思わずラウラを含め全員噴き出した。

しかし問題の解決にはまったく近づいていない。

そして、解決法の検討もつかない。

 

「時期の問題なんだ。いつかきっと、すべてが丸く収まる時だって来る」

 

ラウラのその言葉に全員縋る思いだった。

 

 

 

 

 

頭が痛ぇえええええ!!

毛布を跳ね飛ばした起きた。ヤバいヤバい!! マジでッ、痛いッ!

 

「寝不足かな……」

 

知ってる天井である。保健室とかちょいちょいお世話になるし。

先生はいないようだ。枕元に置かれているスポーツドリンクをコップについでから飲み干す。

 

「寝不足なんですか?」

「!!!」

 

気づかなかった。慌てて振り向くと、俺のベッドの脇に巨乳先生が座っていらっしゃる。

やっべぇ……不覚。教えてくれよ『白雪姫』ぅ。

 

「ああまあ。色々、ほら、考えちゃうんですよ」

 

だって思春期なんだもん。

だってハニトラ被害者だもん。

 

「そうですか」

 

何やらタブレット端末に指を走らせつつ、巨乳先生は頷く。

俺も、少し、聞きたいことがある。

 

「先生……変わりましたよね」

「え?」

「前はスーツじゃなかったし、授業もシャキッとするようになったし、何より……雰囲気が変わった」

 

変わってないのはメガネとドジな所ぐらいか。

授業中に教壇から足を踏み外した時とか反射的に受け止めようとして机にひっかかって俺もずっこけたりする。

超ハズくてしばし倒れっぱの俺と比べそのままクールに授業を続ける巨乳先生マジ巨乳。あっミスったクール。

 

「私も、少し思うんです」

 

メガネをくいっと上げる。その動作も決まってる。

 

「私、そんなに変わりました?」

「はぁ?」

「ああいえ、その……」

 

少し躊躇いがちに俯いて、迷って、悩んで、結局言葉を吐き出した。

 

「私って、前からこうじゃありませんでしたか?」

「ないわー」

 

即答。

 

「いや、洗脳でもされたんじゃないかってぐらい変わりましたよ」

「そう、ですか」

「ええ」

 

少し巨乳先生が悲しそうな表情をする。

俺は、踏み込もうとした。

 

「聞かないでください。何も。これは私の問題です」

 

でも阻まれた。眩しい笑顔だぜ。保健室+スーツ+巨乳美人+笑顔は童貞には刺激が強い。

まあ、本人がそう言うなら俺は、踏み込まない。

 

「そすか」

「ええ」

「あーでも、あれっすね」

 

頭をがしがしと掻く。

 

「笑顔は、かっ、可愛いまんまですよ」

 

どもる俺カッコよすぎワロタ。

……うわあ。黒歴史が、また増えた。キザな台詞吐こうとしてこのザマだよクソッタレ!

 

「……顔真っ赤ですよ、ふふっ」

「~~ッ!」

 

耳まで熱くなってくる。なんだこれ。立場逆だろ普通。

でも、俺をからかうように笑う巨乳先生は、なんだか入学したばっかのころと対して変わらないような気がした。

 

「あ、でも変わらないトコ他にもありますね」

「どんな所ですか?」

「バストサイズ」

「殴りますよ」

 

 

 

変わらないのは、探せばいくらでもあるけど。

変わってしまったものには、探してもなかなか気づけない。

 

だから。

だから早く。

変わってしまう前に、すり替わってしまう前に、成り果ててしまう前に。

 

誰か、誰でもいいんだ、『俺』に気づいてくれ――――

 

 

 

 

 

・BAD COMMUNICATION

 

「やあ織斑君」

「……EUの企業の社長が駅前のスタバにいるなんてあんまり想像できねえな。っつーかもっとフォーマルな格好のほうが良かったか?」

「やっはろー。私もそんなに格式ばってないから大丈夫だよー」

「下僕お前そのダッフルなに? バスト偽装用? まあ冬だしアウターでスタイル誤魔化せゴフゥ」

「邪王真眼(物理)を発動するわ……!」

「テンメッ、何誇らしげにしてんだよ」

「まあまあ落ち着きたまえ。今は仕事の話だ」

「チッ……」

「はいはい。あ、注文? 俺はベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースチョコチップエクストラコーヒービターキャラメルフラペチーノで」

「おい」

「おい」

「てへぺろ」

 

「で、話ってのは何なんだよ」

「シャルロットのことだ。あいつには、はっきり言ってデュノア社からできる限り離れてほしい」

「……経営、か?」

「ううん、私たちの研究所と共同で作ってる新型パッケージは売れてるよ。イグニッション・プランに向けての第三世代機開発も割と進んできた」

「彼女たち倉持の研究員の開発思想がいいブレイクスルーになってくれたようだ」

「いいのかよこんな変態たちに影響されて……」

「それで、新兵器のアイデイアがここにざっと数十ある」

「俺に意見を?」

「まあな。ただ用途は公的なものじゃない」

「シャルロットちゃんへのプレゼントだってさ」

「……あ?」

「なんだその表情は。縁を切る、まあ、手切れ金のようなものだ」

「あーなるほどなるほど」

 

「まず一つ目」

「これは、パイルバンカー?」

「ただのパイルバンカーじゃないよ。『灰色の鱗殻(グレー・スケール)』の改良型」

「……で、『鉛色の鋼殻(グランド・ダイバー)』か」

「自立移動都市じゃないよ?」

「言われなくても分かってるっつーの!」

「打ち出す鉄杭の口径を大きくしたのもあるが、最大の特徴は二本連結式にしたことだ」

「縦に二本並べてるから威力も増加してる、際どい点の攻撃じゃなくて面の攻撃に近づいてるの」

「後この、何? 射出機能?」

「ああ、見ての通りだ」

「うん、見ての通りだね」

「射程距離600mか……これもうパイルバンカーじゃねえな」

「仕方ないことだ、汎用性を高める処置である」

「いや汎用性の低さこそがパイルバンカーの美点っつーかさ」

「はいはいその辺はロマンの人に任せときましょうね、次!」

 

「えっと次は、弾体加速装置?」

「ああ。特殊な磁力を発生させ、それで弾丸を打ち出す」

「簡単に言っちゃうとハンドサイズのレールガンよ」

「うぇっ!? めちゃくちゃスゲーじゃん! これにしろよ!」

「ただ一つ問題がね……」

「あ? どんなのだよ」

「実用化されていないのだ」

「じゃあ持ってくんな!!」

「ああっ、機密書類を投げ捨てないで!」

「一応技術思想としてはあるんだ……ちょっと操縦者の脳を弄るだけでいいんだ……」

「何アブねーこと自分の娘に処置しようとしちゃってんの!?」

「だからシャルロットにそんなことはできん。却下だ」

「ああ……うん……その辺はちゃんと娘かばうんだな……ていうか却下って自分で提案しといて自分で却下って何言ってんだよ……つーかやっぱその辺分かってんなら根本的に提案すんなよな……」

「はいはい、次!」

 

「重力子放射線射出装置」

「ムリムリムリ!!」

「すみません技術的にも無理でした! 次!」

「次などない!」

「おしまい!」

「テンション高ぇーなあんたらっ!」

 

「……まあ、最初のやつだな」

「ああ、すでに発送をしている」

「おい」

「ていうか社長さん、いい加減本題に入りなよ」

「んっ、ああ……」

「……デュノア嬢なら、元気だよ」

「! そ、そうか」

「この一言のためにわざわざ日本まで? 物好きだよな、あんた」

「娘の安否を気遣わない父親がどこにいる」

「ったく……おい下僕。デュノア嬢とかみんなへのお土産用に、ここのクッキーとかどうよ」

「おっ、君にしては優しい発案だね!」

「それはいいな、私が払おう」

「いやこいつが払うんで」

「えっ」

「ああ、なるほど」

「よろしく。俺は社長さんにこの辺案内してくる」

「ストロフおじさんで構わんよ」

「う、うぜぇ……」

「ちょ、ちょっ、マジで私の支払いなの!? ねぇっ、まだ給料日前なんだけどーーっ!」

 

 

 

「……社長さん」

「……何だね」

「あんたの娘さんは、デュノア社から離れようとはしてねえよ」

「しかし」

「そっちの方がいいって本人が言ってんだ。利権がらみだか何だか知らねえけど、いいじゃんか」

「……そうか」

「なあ織斑一夏君。――――」

「……ああ。任せろよ」

 

 

 

 

 

 

 

・今夜月の見える丘に

 

 

彼女の大きく丸い瞳を、私はまだ覚えている。

棺に収められた遺体。その中身は決して外から見えないよう密閉された状態で葬儀を終え、軍人墓地に埋められた。参列者は部内の人間ぐらいだった。

彼女の首から上は見つからなかった。

 

私は、彼女の墓の前で額を地面にこすりつける織斑一夏に、なんと声をかければいいのか分からなかった。

 

「……おい」

「……ハルフォーフさんっすか」

 

やっと気づかれた。どれだけの間、私が貴様の後ろで棒立ちになっていたと思っている。

 

「今のは、日本の土下座というやつだな。マンガで読んだ覚えがある。日本のサラリーマンは土下座のプロフェッショナルで、学生の指導要領に土下座が入っているのだろう?」

「どこの民明書房ですか」

 

呆れたように織斑は笑った。

ひどく乾いた笑みだった。

地に着いた膝を上げて、立ち上がる。安そうなダークスーツだ。

花束は、恐らく彼が置いたのであろうものと、私の手の中にあるもので二束。

曇天の下で私は、不意に泣きそうになった。

 

「私も、アンネも、実験器具が母親だ」

「……知ってます」

「理想的な環境で生育し、最適な化学食料と効率的なトレーニングを通して生きてきた私たちは、人間ではなし得ないアクションやミッションをこなせる」

「……知ってます」

「だが、ある姉弟は、片やその人造人間たる私たちの『指導』をこなし、片や私たちの訓練をどうにかこなした。どちらもただの人間であるにもかかわらず、だ」

「…………知ってます」

 

織斑千冬は理想的な教官だった。ボーデヴィッヒ隊長に限らず、あの方に憧れた者は多い。

織斑一夏は魅力的な人間だった。アンネや私に限らず、彼に惹かれた者は多い。

だからこそ。

 

「その姉弟をもってしても、アンネは救えなかった」

「……それは、知らない。守れなかったのはバカな弟のせいだ、姉は、関係ない」

 

私は彼を押しのけるようにして墓前に立ち、花束を置いた。

ぽつりと雨粒が降る。

 

「教えてくれ織斑。私は、私たちはどうすれば良かった? どうすれば、今此処に眠る優秀な部下を失わずに済んだ?」

「…………」

 

我ながら意地の悪い質問だ。彼の信念は、私だって十分に知っているというのに。

織斑は唇を噛んで空を見上げた。本格的に降りだしそうだ。

 

「おり、むらくん」

「!」

 

外に待たせていた部下が、様子を見に来ていた。

シュヴァルツェ・ハーゼの強行班が――つまり、織斑がドイツ在住中に寝食を共にした相手が――この場に全員揃っている。

ただ1人、アンネを除いて。

雨が降り出した。誰も傘を差さない。

 

「…………ッ、俺は……」

「いいよ、もう」

 

隊員の1人が、雨に打たれながら歩み寄り、織斑の手を取った。

 

「私たちは『そうなること』も織り込み済みで造られた、だから、アンネだって覚悟はできてたはず」

「そうじゃない、問題はそこじゃないんだッ」

「織斑ッ」

「やめてくれ!」

 

私は織斑の肩に手を置いた。織斑は、私も、隊員の手も、振り払った。

 

「『気にするな、お前のせいじゃない』! 『仕方ない』! どれも最低最悪で俺の大嫌いな科白だッ!」

「……、なら、どうしてほしいのか、言ってよ……、じゃないと、分かんないよ」

「言わなくてもいい、私には分かる」

 

隊員達が私を見た。どいつも目に涙をためている。

私は懐からオートマチックを抜いた。

防水・防圧性の特殊仕様。

9mm口径で彼の額をポインティング。

 

「副隊長ッ!?」

「……『お前のせいだ』! 『お前が守れなかったから』! 『死ね』! 『役立たず』!」

 

トリガーを引くまでもない。次々と言葉の弾丸を撃ち込んでいく。

普通ならつらい。私も、こんな科白を向けられたら、きっと堪えられない。

なのに。

 

「……嬉しそうだな、織斑ァァッ!」

 

トリガー。

彼女の墓前で、私は、彼女の愛した男を撃った。

 

 

 

 

 

「織斑一夏臨時少尉であります!」

 

そう言って、彼は私に敬礼した。なかなかどうして、さまになった敬礼だった。

吸い込まれそうな双眸を一瞬見て、すぐに視線をそらす。

動揺する隊員たちから一歩出た所で、彼に敬礼を返す。振り向いて、副隊長として説明を始める。今隊長はいないし、何よりあれは誰も隊長と認めていない。

 

「これから少しの間我々で面倒を見ることになったIS操縦者で、見ての通り男だ」

「ご迷惑をおかけすることもあると思いますが、よろしくお願いします」

 

彼の専用機、『白雪姫(アメイジング・ガール)』とかいう第二世代機が日本語を全自動でドイツ語に訳してくれた。ドキュメントに書き起こされた彼の言葉を見て、再びその目を見る。

予感が、した。

私は多分、恋に落ちると。

 

織斑一夏はすぐに部隊の中心的な人物になった。

元々男慣れしていない隊員たちだったが、彼については生活を共にする中で受け入れていったのだろう。

考え方や行動はかなりぶっ飛んでいたが、本当に害となるようなことをするやつではなかった。

 

「誰も聞いてこないんですよ、なんでISを動かせるんだって」

「あいつらは、見かけは確かに華やかですが、軍人ですので。知るべきことと知る必要のないことの区別がついているのですよ」

 

なんでもない日、珍しく二人で――普段こいつは隊員たちと5人か6人で食事を摂取している――昼食を取っている時、擦り切れた笑顔で織斑が話してきた。

 

「俺の方が、ツラいんです」

「……嘘でもついているのですか」

「はい」

 

珍しく弱気の口調だ。普段は頭のおかしい発言ばかりな分、意外というか嬉しいというか、不安になる。

1日ぐらい私がついてやった方がいいのではないか。

 

「聞けば、教えてくれるの?」

 

織斑は曖昧に微笑んだ。

触るとすぐに破れてしまいそうな薄い笑みだった。

 

 

 

織斑一夏は強者だった。

驚嘆すべきだったのはその戦闘技術だ。スペック上は開発中の第三世代機(レーゲン型)どころか現行の第二世代機に劣るというのに、『アンファム・アインス』を駆る隊員たちをまったく寄せ付けない強さだった。

 

私も戦いを挑んだ。

ただし、『アンファム・アインス』ではなく、試作段階の第三世代機『シュヴァルツェア・ツヴァイク』で。

我ながら卑怯だとは思ったが、データ取りのため指定されたのだ、使い捨て部隊としては拒否のしようがない。

にもかかわらず、私は負けた。AICは途中で見切られて以降まったく用を為さなかった。

言い訳はできなかった。あいつは私を上回っていた。

 

さすがは織斑教官の弟だ、と目を輝かせた隊員の頬を私は張った。なぜ、なぜまだ何も理解していないんだ。本人がシャワーに行っているのをいいことに私は好き放題ぶちまけた。

あれは織斑千冬とはまったく別の意味での化け物だ。

小手先の戦闘技術とせせこましい小技であんなに戦闘力を底上げしている。何の才能もないくせに。なのに私たちを追い上げ、追いつい、追い抜き、置き去りにしていく。

その恐縮すべき勝利への執念を、私は怯えのこもった目で見ていた。

 

「違います! イチカは、そんな怖い存在じゃない! 彼は人間です!」

 

逆に私が頬を張られる番だった。

私をビンタしたのは、部隊の落ちこぼれだった。『越界の瞳(ヴォーダン・オージェ)』の移植により一時期遅れを取った隊長と違い、元から落ちこぼれていた少女。そのことを受け入れ、半ば定着していたから、本人も黙っていた。

彼女は、織斑と最もよく一緒にいた。

彼女は、織斑との訓練を経て、私に匹敵するほどの技量を得た。部隊のナンバー3だ。

普段の彼女からは想像できないほどの激昂。私は頬を押さえて呆然と突っ立った。

 

「アンネ、ちょっと落ち着いて!」

「やだっ!」

 

普段は寡黙か、壊れたように立て続けて喋る極端な性格の少女。

ここまで感情を発露したのは初めて見かけた。

 

「……アンネ、何暴れてんだ?」

 

本人が、来た。

私は織斑すら怒鳴り散らした。

彼は錆びた笑顔を貼り付け、ただ機械のように喋りだした。

 

一度命を落としたこと。

心臓をISコアと取り替えることで蘇生したこと。

彼が起動できるのはISではなく『白雪姫』だけであること。

 

その語りが終わった所で、我々にスクランブル発進の指令が下った。出撃しようとしたのは、私とアンネ。

皆気まずい雰囲気だった。織斑本人も、話すタイミングを間違えたかなと苦笑していた。

 

ISに乗り込む前に戦闘が基地内で始まった。

敵の狙いは私のツヴァイクだった。

『ラファール・リヴァイヴ』に『ソニックバード』や『打鉄』。イグニッション・プランにおける対抗馬を潰すための刺客だったのだろう、出元の分からない多国籍機で構成された強襲部隊が我々の基地に接近していた。

迎撃し、各個撃破が目標。

ただあまりに敵の展開と侵攻が早すぎた。

隊員たちも銃を手に応戦したが、戦力差は覆しがたかった。全員の左目が金色に変わろうとも、戦況は覆らない。

迫る死。アンネは歯を食いしばった。

情けないことに私は悲鳴を上げた。ある男の名を叫んだ。

 

「織斑アアアァァァァァーーーー!!」

「呼んだっすか?」

 

瞬間、来た。

 

鎧袖一触。

そんな日本語を思い出すほど、あの戦いぶりはーー相手の立場に立てばーー圧倒的で、瞬間的で、一方的で、絶望的だった。

覚えているのは、白い残映、振るわれる巨剣。

目の前にいたのは二機、まるで羽虫を払うかのような手際で織斑はそいつらを蹂躙した。確か『ソニックバード』と『リヴァイヴ』だったはずだ。最後はスクラップとなり果てて、命からがら逃げ出していたのだが。

彼は言った。

 

「殺しはよくねーよな。あの感覚はマジで気持ち悪い」

 

聞けば、スクランブル発進した『アンファム・アインス』二機が基地の外で足止めされている間、織斑が単騎で敵勢力を駆逐していたらしい。

その戦果より、織斑は名誉ドイツ人の資格と中尉への昇進を得た。

 

「つっても俺が劇的に変わるわけじゃないんだけどな」

 

……あの襲撃事件には様々な憶測が飛び交っている。

一般的には、資金やISの出所が分からない以上は他国お抱えの機密部隊だろうと言われている。汎用性だけでなく普及率も高い『ラファール・リヴァイヴ』『ソニックバード』『打鉄』はそういった部隊によく採用される。『アンファム・アインス』がそういった面で選ばれないのは甚だ不本意だが。

一方で、少数派ながら、こんな説もある。

狙いはツヴァイクではなかった。

狙いは『白雪姫』と織斑だった。

しかも彼の拉致や殺害ではなく、純粋に彼の実戦的訓練のためだった。

バカバカしい話である。どこに、彼一人の訓練ために複数機のISとパイロットを動かす組織があるのだろうか。

実にバカバカしい話だ。

 

でも……その説を否定できないのも、確かだ。

織斑のバックボーンに、天災と世界最強の名がチラつく限りは。

 

織斑が国に帰る日、みんな泣いた。

空港まで見送った者、ジープでジェット機を追った者。

一番ひどかったのはISで追いかけ、あわやユーロ空軍のスクランブル発進を招きかけた馬鹿者だ。使用されたのは『アンファム・アインス』とツヴァイク。何を隠そう私とアンネである。上官も苦笑いで、私たちを厳重注意に留めた。

 

最後の日、織斑は『越界の瞳』を、私たちの目を綺麗だと言ってくれた。

だからこの金色は、部隊の、私たちの誇りだ。隠す必要などない。

そうだったんだ。

 

みんな織斑が好きだった。あいつを嫌う人間なんかいるはずがなかった。

当然、私も。

 

そして誰より何より、アンネも――――

 

 

 

 

 

「……マジかよ」

 

織斑が顔を引きつらせた。

墓前で、私はトリガーを引いた。

でも、弾丸は届かなかった。

 

風が吹いた。

それで十分だった。私の視界を覆うように木の葉が散る。鉛玉は織斑の頬を掠るに留まった。

 

「……アンネが、止めてくれたんです」

 

隊員の一人が言う。

でも織斑は首を横に振った。

 

「んなワケねーだろッ、あいつは死んでんだよ、俺みたいに生き返りもしなかった亡者に何ができるッ」

「でも、織斑君を今助けてくれたのはきっと……!」

「違う! いつまでも引きずるわけにはいかねえんだよ、俺たちは!」

 

両手を広げて織斑が叫ぶ。

その眼光が私を射抜いた。

 

「俺さ、いつかアンネのこと、どっか記憶の片隅にやっちまうかもしれねえ」

「何だと貴様……!」

「覚えてるんだ、きっといつまでも、どこか頭の中じゃない――胸の奥底に、いつまでも沈みこんでるんだ。……自分で言っといて、なんだか、悲しくなるな」

 

寂しげに笑う。

 

「いつまでも念頭に置いているわけじゃない。きっと名前を出されて、ああそういうヤツもいたっけ、ってなるかもしれない。でも忘れるわけじゃない。忘れねえよ。あんな可愛い子」

 

その場の空気が凝縮する。

後悔はしねえよ。

 

「なあ織斑」

「……なんすか」

「また来てくれるか?」

「当たり前っすよ」

 

今度は朗らかに笑う。

その笑顔が好きなんだ。私も、アンネも。

だから。

 

「いつ帰るんだ?」

「明日の朝。今日の夜は、――実は泊まるアテないんすよねぇ」

 

チラッチラッとこちらを見てくる。

全員顔を見合わせて、噴き出した。

 

「今晩は月が綺麗だ。宿舎から月見でもしよう」

「団子があったら完璧なんすけど」

「お団子なら副隊長が大きな大きな団子を二つぶら下げてボグゥ」

 

口を慎めレディ……いやいやちょっとコークスクリューはやりすぎたかもしれん。

さすがに頬を引きつらせる織斑に、私は笑いかけた。

今日の夜は久々に憂鬱でないかもしれない。

そう思って。

 

 

 

 

 

 

 

・没エピソード(セシリア登場編)

 

数コマを無難に過ごして、昼休み。

昼食時間とあって、廊下の人通りが増え、ついでに俺を珍獣のごとく見ていく人々も増えた。正直いい気はしないが。

 

クラスの皆が持ってきた弁当や食堂のメニューで腹ごなしをする中、俺は――自分の席でおでんを煮込んでいた。

自前のコンロに土鍋を置いて、大根や糸こんにゃくを煮込む。今回は醤油ベースなのでさくっと食べられるはずだ。

ちなみに教室の後ろ側を向いて立って煮ているため、皆こっちをガン見している。注目を集めるのは嫌いじゃねーが、一人ぐらいお客さんが来てもいいんじゃねえか?

と、今の今まですごく微妙な表情でこっちを見ていた箒が、俺の席に座って真正面に陣取った。

 

「そろそろ大根が煮えたころか」

「……あいよ」

「いくらだ」

 

指を一本立てた。

箒は顔をしかめた。

 

「高いな、百円か」

「ちげーよ、どれも十円だ」

 

今度は驚きが箒の表情を彩った。

 

「安いな……じゃあ大根と卵とちくわを。ほら」

「あいよ」

 

底の深い皿に汁と一緒に盛り付けて出す。

品物を先に渡してから代金を受け取った。金に頓着する暇があったらおでんの道を更に極めるのが、真のおでん職人ってモンだ。

 

『え、あれ売ってるの!?』

『篠ノ之さんすごく美味しそうに食べてる……』

『行きたいな……行ってもいいかな?』

 

いくらか声が上がる。まだ見ぬお得意様がたに向かって、俺は一応の注意を促すことにした。

 

「釣り銭は用意してねーから、小銭のない人はお断りだよ」

 

数秒おいて、皆一斉に財布を取り出した。

 

『あった、十円玉サイコー!』

『何で百円玉しかないのよぉぉぉ!』

『谷本さん、ごめん、ちょっと三十円貸して!』

 

最前列で箒と、いつの間にか陣取っていたやたらだぼついた制服を着ている女子が、満足げな表情で後ろを見ている。

 

「おりむー、私は卵とちくわと牛すじがいいな~」

「あいよ」

「皆まだまだ速さが足りないな」

「まったくだね~」

「……その態度は見せかけか、あざといな」

「うーん、何の話?」

「たわけ、ここを陣取った時の素早い動きをごまかせると思うな」

 

何やら眼前で剣呑な雰囲気が。

まあ店主は客の会話に水は差さねーもんだ。静かに煮込むとしよう。

 

「それにしてもこの大根は至高だな。味の染み込みといい絶妙な崩れ加減といい、どこで仕込まれたものなのか」

「牛すじもいいね~。牛すじマスターの私が言うんだから間違いないよ、ベリーグッド~」

「私は大根の方が好きなんだがな」

「牛すじの方が良くないー?」

「は? どこがだ? 一点も勝っている箇所が見当たらないぞ」

「は? しののん頭おかしくない? 逆に大根のどこがいいの?」

「あ?」

「あ?」

 

こいつら勝手にキャットファイト始めやがった。

後ろの並んでる客がドン引いてるのに気づいてねえのか、メンチの切り合いを続行してやがる。

やべーな放置したのはミスだったわ。このままじゃ今後の客足にも支障が出かねねえ。

しゃーねえ、面倒だが仲介してやるか。ったく高校生なんだから少しは慎みを持てって

 

「ちょっとよろしくて?」

 

突然聞こえた声。

真後ろに振り向けば、そこに弾が好きそうな金髪の見知らぬ女子が立っていた。

 




ひょっとしたら「ISの何か」が手に入るかも
んんwwwこれもヤーティ神のお導きですかな?www



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