危険な提督と娘達   作:片栗虎

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80cm列車砲の砲身は28mくらいあるらしい


超巨大未成艦!!フリードリヒ・デア・クローゼ

中立艦隊と大湊艦隊が戦闘をしていると言う報告を受けた、舞鶴鎮守府は迅速に救助作戦を開始した。

 

「そろそろ戦闘海域に着く、気を引き締めろ!」

 

舞鶴鎮守府の第1艦隊、旗艦の武蔵は艦隊の面々に渇を入れる。

 

「ちょっと待って、前方から大勢力の連合艦隊が接近してくるわ」

 

偵察機を飛ばしていた加賀さんの動きが止まる。

 

「何?戦闘海域まではまだ少しあるが……大湊の艦隊なのか?」

 

「そうね、ただ様子が変だわ……負傷者を連れているみたいだけど……」

 

「負傷者を?中立の艦娘か?」

 

「違うわね……あれは……」

 

加賀は精神を集中させ偵察機とリンクする。

 

「大湊の重巡……足柄……重巡棲姫を中心とする第1艦隊……」

 

「何だと!?」

 

武蔵は驚きの表情を見せる。

 

10年も前の話であればお馴染みの表情ではあるが、現在一対一のタイマンであれば、舞鶴では敵無しの実力者にまで登り詰めた武蔵が見せるこの表情は、艦隊の面々にとって大きな意味がある事であった。

 

「と言うことは、大湊の艦隊は撤退途中と言うこと……ですか……」

 

大井は小声で呟く。

 

「とは言え連合艦隊を相手にするのは厄介ですね……武蔵さん、ここは迂回して……」

 

「このまま前進する……」

 

大井の言葉を振り払う様に武蔵が言い放つ。

 

「え?ちょっと!武蔵さん!?何を言って!!」

 

「案ずるな大井、無駄な戦闘はするつもりはないさ」

 

焦る大井に対して冷静に振る舞う武蔵……これこそが、これまで武蔵の潜り抜けてきた修羅場の数を物語っていた。

 

やがて舞鶴の艦隊と大湊の艦隊が向かい合う。

 

「おい!舞鶴鎮守府の旗艦、武蔵だ!」

 

「……先程の偵察機……貴女方ですか……」

 

妙高は敵意を向ける。

 

「そう殺気だつ事はない!我々は戦闘の意思は無い!お前たちも負傷者を早く入渠させたいだろう?」

 

「……」

 

妙高は何も言わなかったが、本心は傷付いた妹が心配で堪らなかった。

 

「1つだけ聞かせて欲しい!貴様らの第1艦隊に其処までの損傷を与えたのは誰だ?」

 

「……言わなくても解っているのでしょ?」

 

「ふっ、そうか……やはり中立の艦娘か……」

 

妙高は答えなかった、しかし武蔵は核心した様ににやついていた。

 

「じゃましたな、早いとこ入渠させてやることだな」

 

武蔵達は妙高達の横を通り抜け前進した。

 

「全く……相手が戦意を喪失していたから良かったものの……肝が冷えましたよ……」

 

「ふふふ……」

 

「ちょっと!武蔵さん!聞いているの!?」

 

武蔵は終始にやついていた。

 

「大丈夫だ、奴は私が何とかするさ……」

 

「はぁ?」

 

この時武蔵の頭の中には、大湊の第1艦隊を全滅させて、第2第3艦隊の戦意を喪失させてしまった艦娘と戦いたいと言う思いで破裂寸前であった。

 

それから暫く経ったとある海域……

 

 

「ここら辺の筈よね?」

 

「そうなのです……って!なんですか!?あの大きなお姉さんは!?」

 

雷電の二人は山のように聳え立つ巨大な艤装を見て驚き戸惑っている。

 

「嘘でしょ!?これが艦娘の艤装だって言うの!?」

 

大井もあまりの驚きに尻餅をついてしまった。

 

「……なるほど、これ程の主砲……足柄が勝てなかったのも頷けるな……」

 

「何?またやられに来たと言うの?」

 

フリードは最後の一発の主砲を大井に向ける。

 

「……あ……あの……えと……」

 

その超大型の主砲の威圧感に大井は言葉を失った。

 

「まぁ待て、私は舞鶴鎮守府の武蔵だ!見たところ先の戦闘で損傷は無いものの、弾薬や燃料を大分消費している様に見える」

 

「……本当にそうかしら?」

 

フリードは強がり言って見せたが武蔵の自信に溢れた表情に半ば諦めた様子である。

 

「いや!確実に消費している筈だ!!」

 

「……そうね……」

 

今この戦艦を残りの主砲で沈めたとしても、他の艦にやられるのは目に見えている。

 

「わかったわ、降参よ……私はどうなっても構わないから、この子達は見逃してくれないかしら?」

 

フリードが言うと、後ろから女の子現れる。

 

「私は友鶴!千鳥型水雷艇3番艇よ!フリードちゃんを苛める極悪人は私が許さないわ!!」

 

「……可愛いのです!」

 

雷が友鶴を見て目を輝かせる。

 

「……タスケテ……」

 

「ヲ……」

 

さらにべそをかきながら空母ヲ級と潜水カ級の幼体が数体出てきた。

 

「……貴様……まさかロリ『ロリコンじゃ無いわよ!』

 

武蔵が言い終える前にフリードは全否定した。

 

「……私は縁あってこの友鶴と放浪の旅をしていたのだけれど、怪我をして泣いているこの子達を発見して……放っておけなかったから……」

 

「成る程な……どうだ?うちの鎮守府に来ないか?」

 

唐突に右手を差し出す武蔵……。

 

「遠慮するわ、私は軍属に下る気はない……貴女達の命令に従うなんて、出来はしないから……私は殺りたい時に殺るの……この子達だけ助けてあげて……」

 

武蔵の右手を無視してヲ級とカ級の幼体を投げ捨てる。

 

「おっと!」

 

武蔵は合計5体の幼体を抱き抱える。

 

「……そうか、わかった……では最後に頼みがある、その巨大な主砲を私に撃ってみて貰えないか?」

 

「は?貴女……まさか脳みそが筋肉で出来ているの?」

 

艦隊の面々は深々と頷いている。

 

「なぁ!?どうだ?」

 

「なんだか解らないけど……それであの子達を頼めるなら、良いわ……」

 

フリードは主砲を武蔵に向ける。

 

「……」

 

武蔵の表情が真剣なものへと変わる。

 

「貴女達は此方へ来なさい」

 

雷が5体の幼体を武蔵から受けとる。

 

「こい!!」

 

「死んでも恨まないでよ!?」

 

巨大な砲搭から5トン近くの重量の砲弾が放たれる!!

 

駆逐艦や軽巡であれば一撃で轟沈しかねない程の一撃、重巡であってもこの近距離で命中したのならばただでは済まないであろう一撃……。

 

その砲弾が武蔵の目前まで迫る!!

 

そして……。

 

「うぐぉっっ!!!」

 

砲弾が武蔵の腹部に命中する。

 

「あの弾は徹甲弾だわ……」

 

大井の予想は当たっていた。

 

装甲を貫通することを目的に開発された徹甲弾、並大抵の徹甲弾であれば武蔵にとっては良くてもかすり傷程度の損傷しか与えられないだろうが、このサイズであれば話が変わってくる。

 

「うおぉぉぉ!!!」

 

武蔵は砲弾を抱えたまま後方へと押し返される。

 

「くっ、流石の威力……だ……」

 

武蔵は口から大量の血を吐きだす。

 

砲弾は武蔵の腹部を貫いてはいなかったがその衝撃で内蔵関係はズタボロになっていた。

 

「うがぁぁ!!!」

 

武蔵が気合いを入れると、砲弾の勢いが徐々に弱まって行き……。

 

「ふっ……耐え抜いた……ぞ……」

 

砲弾が動きを止めて海に沈んで行き、武蔵は前のめりに倒れた。

 

「……」

 

「……」

 

その場にいる誰もが動くことが出来ずにいた。

 

その余りにも常軌を逸した光景を前にして微動だに出来ずにいた。

 

ただ一人を除いて……。

「ちょっと!あなた達!早く手当てしないとその人死んじゃうわよ!」

 

小さな体で大きく跳び跳ねて叫ぶのは友鶴であった。

 

その叫びに弾かれたかの様に赤城と加賀が飛び出し、武蔵を担いで撤退する。

 

「この脳筋の馬鹿なお願い聞いてくれて、有難うございます、次に会えたときも敵対していないことを祈っています」

 

「此方こそ……また会えたら良いわね、とあの脳筋に伝えておいて頂戴……あぁ、それと私の名はフリードリヒ・デア・クローゼ、ドイツの最強の未成戦艦よ、それじゃあね?」

 

フリードと友鶴の見送りを受けながら舞鶴艦隊は撤退した。

 

この超巨大戦艦は今後の世界情勢に多大なる影響を及ぼすことになる。

 

 

 

 

 




グフタスとドーラという列車砲があるらしい
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