危険な提督と娘達   作:片栗虎

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最近未成艦をいろいろ調べております。


埋まらない溝 妄想の戦艦

「ったく……」

 

北上が舌打ちをしながら立ち上がる。

 

「き……北上?」

 

「アレが帰ったんだから私も此処にいる意味はないし、もう帰っても良いでしょ?」

 

うむむ……くそう!

 

「ダメじゃ!ヴェールヌイも帰さん!!神通よ!手筈通りじゃ!」

 

「了解しました」

 

通信機で神通に指示をだす。

 

最悪の場合には実力行使も想定しておる!

 

出入り口には我が鎮守府の第1艦隊が待ち構えており、神通が指揮をとる我輩の護衛艦隊での挟撃作戦じゃ!!

 

「……ん~多分無理だよ?アレを止めるのは……」

 

何やら北上が不吉なことを言って有りもしないフラグを立ておったぞ?

 

「我が鎮守府の誇る精鋭部隊2つがそう易々と突破されはせん……はずじゃ……」

 

「そう?全力じゃないんじゃないの~?大体取って置きを使わないで作戦失敗ってのがお決まりでしょ?」

 

ぐぬぬ、流石に此処で奥の手を使う訳にも行かぬ……。

 

「えーい!我輩が出れば解決じゃ!!この部屋を出るなよ!」

 

我輩は妙な胸騒ぎを覚えて部屋を飛び出し艤装を装備する、武器は勿論ハンドキャノン・フェイファー・ツェリザカ二丁持ちじゃ!

 

まぁ、我輩が出るまでもなく川内達が説得(脅迫)して回れ右じゃろうがな!

 

出入口の前で神通が立っている。

 

もう、終わってしまったかの?

 

「お?戦況はどうじゃ?じんつ……!?」

 

神通の肩に触れようとした右腕が空を切る……。

 

「神通!!」

 

神通はその場で前のめりに倒れた。

 

呆気に取られた我輩の眼前に広がる光景は……。

 

「な……なんと言う……」

 

そこには第1艦隊と護衛部隊の艦娘達が瀕死の重傷を負って倒れていた。

 

「ば……ばかなっ!!ヴェールヌイは護衛を一人だけしか連れてはおらんかったはずじゃ!!」

 

「び……BIGboss……」

 

全身に火傷を負い、大量出血している右脇腹を押さえて神通が立ち上がる。

 

「ば!馬鹿者!そんな状態で無理をするな!救護班!急いで負傷者の治療をするのじゃ!」

 

「……相手の装備……41cm砲が……200基……ゴホッ!!」

 

それだけ言って倒れる神通を支えてやる。

 

主砲200基……馬鹿な、アレは構想段階……と言うより妄想でしかなかったものじゃったはず……金田中佐の五十万トン戦艦……艦娘としてこの世に現れておったとは……。

 

その後、救護班の懸命の治療により辛うじて死者は出なかったが、大湊鎮守府との溝が更に深まってしまった事は言うまでも無いことであった。

 

その後北上と長門と我輩で今後の方針を協議して会議は終了した。

 

舞鶴の方も佐世保との関係は多少軟化はしたが、基本的な方針は変わらず大湊とは敵対し、佐世保とは中立を保つ事になった。

 

 

 

BIGboss執務室

 

「はぁ~……」

 

これで何度目の溜息じゃろうか……自分自身の情けなさに涙が出そうじゃ……。

 

「これで255回目の溜息ですよ?」

 

至るとこらに包帯を巻いた神通が茶々を入れてくる。

 

「嘘をつけ、そんなに吐いとらんわ……」

 

「また泣いてますよ?」

 

「うるさいわい!病人は寝ておれ!!」

 

我輩は机に突っ伏して神通に顔を見られないようにした。

 

「大丈夫ですよ、BIGbossが諦めなければ必ず上手く行きますから」

 

「……」

 

「旅行に行ってるうちのヴェールヌイさんもそろそろ帰ってくるようですし、次は大丈夫です」

 

ボロボロの神通に励まされるとさらに情けなくなる……我輩に着いてきた結果が今のおぬしだと言うのに……。

 

「すまぬ!神通!我輩はもっと強くなる!強くなって必ずや日本の鎮守府をまとめあげてみせるぞ!!」

 

こうして第2回鎮守府会議はなんの進展も無いまま幕を閉じたのであった。

 




金田中佐万歳!
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