「…………」
何だか良くわからないかったが、物凄く悔しい様な悲しい様な、複雑な気分になった。
「どうしても来ないって言うなら、腕ずくで連れてくる様に言われてるんだけど?」
川内は小さな声で呟くと、腰に装着された魚雷発射管から一本の魚雷を抜いて俺の目の前に持ってくる。
さっさと逃げ出せば良かったが、普通くらいの大きさとは言え、こんな可愛い艦娘の胸に抱かれてわざわざ離れる紳士はいないだろう。
「オイ、そこのスケベヤロウハどうでも良いけど、こいつが死ぬと大潮が悲しむからね……そこら辺で止めておいた方が身のためだよ?」
レ級がこめかみに青筋を浮かばせて、怒りを圧し殺した様な笑顔で川内に忠告した。
レ級の笑顔にはずっと前から疑問があったが、やはり怒ってても口だけはニヤついているのか……。
「……その大潮さんは……あれ?いない……」
川内はこの場に大潮がいないことに初めて気が付いたようだった。
「う~ん、まぁいいや、とりあえずあんたを連れて帰るよ?」
「……ふっ、断る!俺は一刻も早く大湊で響に会わねばならんのだ!!」
俺は川内の左胸の恐らくは乳頭であろう箇所を思いきりつねってみた。
「うわっ!?いったいな!!」
「うぉぉぉおおぉぉぉ!!!!!!」
俺は気合いをいれて右乳もいただこうとてを伸ばす。
「させるかぁ!」
「くっ、無念……」
俺は川内に襟を掴まれて引き剥がされてしまった。
艦娘相手とは言え、女の子に片手で持ち上げられてしまうなんて、我ながら情けない事この上ないものだ。
「離せっ!!」
俺が怒鳴ると急に浮遊感を感じる。
「うおっ?」
そして直ぐに海に沈んだ。
「うおぉ!!レ級!ちょっと来てくれ!」
「はぁ?ドウシタノ?」
俺の声に反応してレ級が近付いてきてくれた。
そしてレ級の足にしがみついてやる。
「ちょっと!?いきなり何なんだよ!? 」
「ふっ、お前は知らないだろうが、人間は水面に立つことが出来ないんだ」
俺はレ級の背中によじ登って無理矢理おんぶさせた。
「……いや、それは知ってるけど……」
「そう嫌な顔をするな、すぐにこの海域を離脱するんだ!」
「はぁ?逃げるって?この程度の相手、蹴散らすダケダヨ!」
レ級は全身を黄色いオーラ包み込む、レ級の奴……あの頃より更に出来るようになってやがる……。
「flagshipとなったワタシとじゃ、遊び相手にもならないかな?」
レ級は魚雷と同時に艦載機を発艦させる。
「ふふっ、水雷戦の究極の型である心眼を手に入れた私に雷撃が通じるとでも思ったか!?」
川内はまるで魚雷の位置が正確に把握できているかの様に、全て魚雷で迎撃していく。
「何!?」
流石のレ級も驚いている様子だ。
「何故艦載機が全滅している!?」
艦載機?俺は空を見上げる。
「レ級?何かだか空が暗いんだが……」
「……バカな!空を覆い尽くすほどの艦載機だと!?」
日の光が遮られるほどの膨大な数の艦載機……日照権の侵害であった。
電車でやったら龍田の甘いボイスが電車中に響渡ったのでもう外ではやらない