あり得ない光景が目の前に展開されている。
100機を超える艦載機が天を覆い隠す……。
俺とレ級はその圧倒的な戦力の前にただ呆然と立ち尽くしてしまっていた。
「遅いぞ那珂、ギリギリ間に合ったから良いけど、流石の私でもあのレ級flagshipは手に余るよ」
川内の後方から数人艦娘が現れた。
「艦隊のアイドル那珂ちゃんだよー!よっろしくぅ!」
センターに立っているのが那珂ちゃんの様だ。
「……空母がいないよ?」
レ級が呟く。
「ハボクックは私たちより更に後方にいる、私達を倒さないと空母には近付けないよ!!」
制空権がどうのこうのという問題ではない、この空を埋め尽くす程の艦載機……いつでも俺達を殺せる筈……。
「提督さん?これが最後の通告だからね?良く考えて行動しなよ?私にはあんたから発せられる音で全て解るから妙なことはしない方がいい、僅かな筋肉の軋み、心臓の鼓動……人間なんて音の塊だからね?」
くっ、流石は盲剣の川内……。
万事休すか……。
「……」
レ級も悔しそうに川内を睨み付けている。
あれ?もしかして今ならレ級のおっぱい触っても大丈夫なんじゃ……。
俺の脳裏に邪な思考が駆け巡る……死を前にした人は種の保存の本能により性欲が増大するという噂を聞いたことがあるが……それが今だということか!!!
「レ級!死ぬ前に俺の子を産んでくれないか?」
「…………」
レ級は特に反応しない
「よし……まずは胸を揉むぞ?」
「ちょっ!!あんたこの状況で良くそんな事……」
川内は顔を真っ赤にして耳を塞いだ。
「……胸ダケで良いの?」
お?レ級もここにきてノリノリだ!!これは俺の童貞卒業も近いぜ!!
「いや!もっと下も良いのか?」
「くっ!やめろってば!!破廉恥な奴め!!!」
異常聴力を手にした川内では、耳を塞いでいても俺達の会話が完璧に聞こえてしまう様だな……。
川内は頭を海中に突っ込んでいる。
「隙アリだ!!!」
「え?」
レ級が叫んだとたん、俺の体をデジャブとも言える毎度お馴染みの浮遊感が襲う!!
「食らえぇ!!!」
レ級が尻尾をうまく使い、俺を時速150Kmの速度で投げ捨てる!
「ぬぅおおぉ!!!」
俺は真っ直ぐ川内目掛けて突っ込んでいく。
「ふぅ……終わった?」
川内はタイミング良く頭を海中から出した。
なんというタイミング……レ級の奴、全て見越していたと言うのか?
そのまま俺のデコが川内の顔面に直撃する。
砲撃の方が効果がある気がするが……これはレ級の優しさなのかも知れない……。
俺の意識はまた遠退いていくのであった。
「あっれぇ?川内ちゃん大丈夫……きゃあ!!顔はやめて!!」
心配した那珂ちゃんが近寄ろうとしたところで、レ級の魚雷が命中し、大破してしまった。
更にその他の艦娘も次々に大破していく。
「……」
レ級はいつもの表情は崩さず空を見上げている。
気絶した提督は川内に覆い被さるように倒れている。
「あれなら溺れないし、攻撃もされないカナ……」
レ級は静かに最後の時を待つ……。
全ての艦載機がレ級目掛けて爆撃を開始しようとしたその時であった!!!
物凄い衝撃と轟音が鳴り響き、上空で無数の爆煙が立ち上る。
「三式弾?イヤ……破壊力が違いすぎる……」
圧倒的な破壊力の三式弾が数発放たれると、空を覆い尽くしていた艦載機が半数以下にその数を減らした。
「……何処の誰だか解らないけど……このチャンスは逃さないよ!?」
レ級は艦載機を飛ばし、残りの敵艦載機をあっという間に全滅してしまった。
「うう……いったぁ……」
川内がデコをさすりながら起き上がる。
「うわ!何だこいつは!!」
そして覆い被さっていた提督をクロネ○ヤマトの作業員の如く放り投げた。
「おっと、オカエリ」
そいつをすかさずキャッチするレ級、提督は足手まとい以外の何者でもなかったが、この反撃のきっかけを作ったのは紛れもないこの変態であった!!!
「さぁて!第2次攻撃が来る前に……終わらせるよ!」
レ級の艦載機と魚雷と砲撃が一人残った川内目掛けて放たれる!!!
反撃の始まりである!!!
100円で10000経験値売ってくれれば良いのに……