危険な提督と娘達   作:片栗虎

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すき屋はポークカレーだけは全ての牛丼屋で最強である。


提督包囲網 突破!?

「ふふ、この私の異常聴力を持ってすれば深海棲艦なんて音の塊も同然だよ!筋肉の収縮音や骨の摩擦音で攻撃体制を、心臓の鼓動は相手の心理状態を如実に教えてくれるのさ!!」

 

川内はこの異常聴力によって、砲弾が盾に触れる瞬間を完璧に感じとり、全て受け流してしまう。

 

「宝剣宝玉百花繚乱!!!!!」

 

川内はレ級の砲弾捌き際に物凄い速さの連撃を繰り出した。

 

「くっ……」

 

レ級は両足と右腕に軽症を負ってしまった。

 

「へぇー、傷3つとはやるねぇ~?」

 

川内はニィっと薄ら笑う。

 

「ちぃ……ただの軽巡フゼイニシテハ、少しは出来るみたいだね?砲弾を全て受け流す奴なんて、初めて会ったよ!」

 

レ級の表情は相変わらず普段と変わらずにやけている。

 

「だけど……」

 

レ級は尻尾を海に沈める。

 

「これならどうだい!!!!」

 

次の瞬間レ級の尻尾からは20発もの酸素魚雷が発射された。

 

魚雷は真っ直ぐ川内の方へ吸い込まれるかのように、全弾川内に接近する。

 

「ぬるいわっっ!!!!」

 

川内が気合いと共に亀甲の盾を一振りすると、魚雷20発は散り散りバラバラに明後日の方向へと進路を変えられてしまった。

 

何処かで提督の悲痛の叫びが聞こえた様な気がしたが、レ級も川内も気が付くことは無かった。

 

「そろそろ観念したらどうだい?あんたの攻撃は私には通じない、負けを認めるなら佐世保鎮守府で厚待遇で迎えてあげてもいいよ?」

 

川内は一欠片の油断も無く、攻撃体勢のまま言い放つ。

 

「あはは、ワタシモお前の異常聴力とは違うけど、心眼を披露シテヤロウカ?」

 

「ふふっおもしろいね?やってみなよ!?」

 

「まずお前が先程言った事、私を厚待遇でムカエヤル途かなんとか?アレは嘘だな?お前にはそんな権限は委ねられていないだろう?」

 

「な、何を馬鹿なことを……」

 

川内は動揺を隠せず狼狽えてしまった。

 

「お前が利根からそこまでの信頼を得ているなら、お前を置いて全軍撤退なんてシナイハズ」

 

「な、何が言いたいの?」

 

川内は固唾を飲んでレ級の言葉を待つ。

 

「まだわからないの?お前は利根にトッテ、代わりの利く使い勝手の良い捨て駒ってことだよ!?」

 

「……ふふふ」

 

川内が笑いだす。

 

釣られてレ級も笑ってしまう。

 

「あっはっはっはーー!オカシイネ?愉快だよ!!もうお前はイラナイ子って事でしょ?あはははははははははは!!!!」

 

「何がおかしい!!!!!!!!」

 

「……」

 

「成る程ね?大した心眼だよ、だけど……心眼の使い手は二人もいらない!!此処であんたを倒せばBIGbossだって私を必要としてくれるさ!!」

 

怒り心頭の川内を尻目にレ級は尻尾を真っ直ぐに川内の方へ向ける。

 

「誰かに認めて貰いたいだけなんて、生きていても死んでいても惨めなものだ……」

 

「っっ!!!黙れ!!!」

 

川内の口調は普段とうって変わって乱暴なものへと変わる。

 

「ならばっ!!これでどうだ!!!」

 

川内はレ級の顔の真ん前に盾を構えた。

 

(ふふふ、これで貴様は手足をもがれた達磨同然!!!止めはこの盾ごと貴様の心臓を貫いてやるっ!!!)

 

「ん?なんだ?この音は?」

 

次の瞬間、川内の両手両足は背後からの謎の攻撃によって撃ち抜かれた。

 

「なんだ……これは?牙突か……」

 

川内が後ろを向くとそこには、深海棲艦特有の艦載機が4機飛んでいた。

 

「艦載機……か……私の心眼もまだまだみたいだね……」

 

「それじゃあ、バイバイ」

 

レ級が嬉しそうに主砲を撃ち込もうとしたその時であった。

 

「そこまでだ!!!佐世保鎮守府の川内、助太刀させて貰う!!ここは長門率いる舞鶴鎮守府の艦隊に任せてもらおう!!」

 

「……囲まれてたか……」

 

レ級の回りには長門、武蔵、大井、加賀、赤城、大和が取り囲んでいた。

 

「……美味しいところをもっていかれちゃった……まぁ、こっちはハボクック(切り札)がやられた時点で撤退命令出てたし、仕方ないか……」

 

川内は傷だらけの身体を引きずる様にして戦闘海域を離脱した。

 

 

「……レ級……貴様は私の妹……陸奥の仇だ……」

 

「ソウダッタネ?あんまり昔の事だからワスレテタナ、あはは……」

 

「長門元帥?」

 

大井が長門を宥めようと駆け寄った。

 

「大丈夫だ大井……深海棲艦を遺伝子レベルで洗脳していた装置はあのM作戦で破壊された……口では悪ぶっているこのレ級も先程の川内を艦載機で何時でも殺せた筈だが、それをせずにギリギリ動ける程度のケガを負わせるにとどまった」

 

「……」

 

レ級は諦めたようにその場に座り込んだ。

 

「抵抗するつもりも無いらしい、」

 

「多勢に無勢……昔だったら遠慮無く行かせて貰ったとオモウケド……今の私は生への執着があるみたいだからさ」

 

長門は驚いてレ級の顔をまじまじと眺める。

 

「お前……まさかあの男の事が……」

 

「それ以上の詮索は止めておいてくれよ、自分自身でもわけが解らないんだ、回りに引っ掻き回されるのは耐えられそうもないヨ?」

 

「……ふっ、そうだな、人の恋路を邪魔する奴は、馬にでも蹴られて死んだ方が良いとも言うしな?」

 

長門は何やら確信めいた事を言ったが、レ級は敢えて無視する事に決めた。

 

「それで、その元提督と大潮は何処だ?」

 

「は?提督だったらそこに……あれ?」

 

辺りには舞鶴の艦娘とレ級しか見当たらない。

 

「いなくなった?」

 

レ級の目の前にはただプカプカと漂っている提督がしがみついていた鋼鉄艦の残骸だけが残されていた。

 

「……と、兎に角……その、お前だけでも舞鶴へ来て貰う……」

 

「………………うん」

 

その日から舞鶴鎮守府で大規模な元提督捜索作戦が展開される。

 

 

 

 




元々のサブタイトルは提督包囲網 レ級VS川内改二だったのですが、急遽変更しました。
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