危険な提督と娘達   作:片栗虎

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3000文字書くだけで、生命力をけっこう消費した。


精密検査 驚愕の事実編

精密検査の翌日……。

 

ーー佐世保鎮守府ーー

 

「利根さん?刻輪台鎮守府に潜入している、千歳さんからの報告があったよ?」

 

……ヴェールヌイの吉報を聞いても、我輩の気分はどんよりと曇天により覆われておる……。

 

「利根さん?聞いているのかい?それとも寝ているのかい?」

 

ヴェールヌイは机に突っ伏している我輩のすぐ近くまで持ってくる。

 

いつものヴェールヌイの良い香りがしてくる。

 

「うむ、すまぬな?起きておるよ……報告を頼む」

 

「利根さん……まだ納得がいっていない様だね?」

 

納得など到底出来るはずもないことであった。

 

「大丈夫だよ利根さん、この作戦は絶対に成功するさ、その為の準備も万全だ」

 

ヴェールヌイは我輩の肩を軽く叩く……。

 

「しかし……単身大湊に潜入して提督に成り代わろうなどと……前代未聞の無茶苦茶な作戦じゃ!!」

 

我輩は乱暴にヴェールヌイの双肩を鷲掴みにする。

 

「利根さん?……い、痛いよ?」

 

華奢なヴェールヌイの肩に、我輩の指が食い込んでいることに気が付いた。

 

「あ、す!すまぬ!痛かったか?」

 

ヴェールヌイの苦痛に歪む表情を確認して、慌てて手を離す。

「大丈夫だよ利根さん……でも、この作戦は必ず実行して、成功させるよ!」

 

ヴェールヌイの意思は固いようじゃな……。

 

「そうか、わかったわい、本当に頑固者じゃのう?じゃがな!決して無理はするでないぞ?作戦よりもお主の身の安全を第1に考えて行動するのじゃ!わかったな?」

 

念には念をおしてヴェールヌイに言った。

 

ヴェールヌイは何処か確信めいたモノがあるようで、この作戦に絶対の自信を持っておる。

 

こうなっては最早こやつを止められる者など、何処にもおらぬか……。

 

「ありがとう利根さん、大丈夫!必ず成功するさ!!」

 

……この自信に満ちた表情、ふふっ、この顔をしておる時のヴェールヌイならば心配は無用じゃな……。

 

「うむ、期待しておるぞ!!」

 

我輩はヴェールヌイの頭を優しくなで回す。

 

「そうじゃった!千歳からの報告をまだ聞いておらんかったな?」

 

「え?あぁ、そうだったね?千歳さんは予想以上の成果を挙げてくれたよ?」

 

刻輪台鎮守府の提督はあの10年前のM作戦で、深海棲艦の源と予想される機関に特攻した。

 

あの場に居た人間はあの男のみである、深海棲艦を産み出すほどの、異色で膨大なエネルギーをまともに浴びたこの男に、何の影響も無い等と言うことは有り得ない!!っと言うのがとある学者の仮説じゃった。

 

「と言うことは……やはりあやつの身体に何らかの影響があったと言うことじゃな?」

 

ヴェールヌイは手元の資料を再確認しておる。

 

「うん、あの提督の……には深海棲艦の源と思われる物質が、毎秒100000000体生産されているみたいだよ……」

 

「深海棲艦の源が……い、100000000体じゃと!!!!ば、馬鹿な!!それでは毎秒100000000体の深海棲艦が誕生しておるというのか!!!」

 

流石のヴェールヌイも、これは千歳の奴に一杯食わされたか?流石にそれだけの深海棲艦が発生しておれば、誰かしら気が付くじゃろ?

 

「……ヴェールヌイよ?それは……」

 

「利根さん?勘違いはしていないだろうね?刻輪台鎮守府の提督の……から生産されているのは、深海棲艦ではなくて、深海棲艦の源となる物質だよ?」

 

……?

 

「すまぬ!ヴェールヌイ、提督の何処で生産されていると言ったのじゃ?聞きそびれてしまったみたいじゃ」

 

我輩が尋ねると、ヴェールヌイは顔を真っ赤にして俯いてしまう、可愛えぇのう……。

 

「……だよ、利根さん……」

 

「あーん?聞こえんなー?」

 

「う……だから、……だよ?」

 

やはり聞こえない、我輩の聴力が著しく低下してしもうたのか?

 

「ごめんよ利根さん、耳を貸して欲しい……」

 

なんじゃろうか?

 

ともかく我輩はヴェールヌイの顔の前に耳を向ける。

 

「これは千歳さんからの報告をそのまま読んだものだよ?」

 

「うむ、わかっておる」

 

「刻輪台鎮守府の提督の……提督の……精巣……うわぁああああっ!!」

 

急に耳元で大声を挙げられて、我輩はその場で驚き竦み上がってしまった。

 

「うぅ、ヴェールヌイよ、照れるのは可愛くて良いのじゃが、我輩の鼓膜に対しての破壊工作は、やめてもらえぬか?」

 

成るほどの、つまりあの変態の玉金で毎秒100000000体の深海棲艦の源が生産されていると言うわけか、何処までも救えん男じゃな?

 

「……すると千歳はあやつの……」

 

「利根さん!その話はしないでおこう、千歳さんにどんな顔して会えば良いのか分からなくなる……」

 

確かヴェールヌイの言うことも一理あるな。

 

「そうじゃな、そんな事よりも重要な事態が判明したわけじゃが……他の鎮守府はこの事は気取られていないかの?」

 

「えーと、千歳さんからの報告によると、舞鶴のスパイの那珂ちゃんと同行していた神通さんの二人が、現在刻輪台鎮守府にいるみたいなんだ、もしかしたら舞鶴にも情報が漏れている可能性はあるみたいだね?」

 

那珂ちゃん……はともかく、神通が何故出ていったのか……ヴェールヌイが帰投したとたんの出来事じゃったが、代理の秘書艦という待遇が嫌だったのかのう……。

 

「うーむ、しかしヴェールヌイよ?あの提督から毎秒100000000体の深海棲艦の源が生産されるが、直ちに深海棲艦自体が生産されるわけではないとも言うたな?」

 

大分事情を飲み込めたが、一つだけ解らない疑問をヴェールヌイにぶつけてみる。

 

「そうだね?そのまま、その源が深海棲艦になることは無いみたいだよ」

 

「……ではな?どうすれば深海棲艦が生産されてしまうのじゃ?」

 

今まであやつから深海棲艦が生産されたことが無かったとしたら、何かしらの要因によって整われた条件を満たした場合のみ、深海棲艦が生産される環境が完成すると言うことか?

 

「……利根さん?これは千歳さんと私の予想であり、何かの根拠が有るわけでもないし、それを実験するわけにも行かない、それでも参考までに聞いてほしい」

 

ヴェールヌイの顔は未だに真っ赤に紅潮したいる。

 

「うむ、今わかることを聞かせてくれぬか?」

 

「その、提督の精巣……で作られると言うことは……あの、えと……それはつまり、深海棲艦の源と言うのは、うぅ……」

 

成る程、ヴェールヌイの表情と態度で何を言おうとしておるのか、大体理解できた。

 

「ヴェールヌイよ、何をしておる!いつものように自信を持って言ってみるのじゃ!もし、お主の意見が間違っていたとしても、我輩はなんとも思わぬ!もっと自信を持ってハキハキと話さぬか!!」

 

ふふふ、まごまごするヴェールヌイも可愛いのう?

 

「……利根さん?本当は大体察しがついているんじゃないのかい?」

 

ヴェールヌイがジト目で我輩を見詰めてくる。

 

「……うーん、まぁ、あれじゃ!つまりあやつの金玉で生産される深海棲艦の源はあやつの精液であり、性交をすることにより、受精して深海棲艦が生まれる、可能性があると言うわけじゃな?」

 

「……利根さん……、はぁ、もういいさ、利根さんの考えた事で大体合っているよ、それならば今までの10年間で、刻輪台鎮守府の提督から深海棲艦が産まれなかったのも納得出来る」

 

……確かに……。

 

「あやつと子作りするような、奇特やからはこの世界の何処を探してもおらぬだろうな?」

 

我輩とヴェールヌイは、この世界がまだまだ平和であることに確信していた。

 

世の中、漫画やアニメのようには行かぬ……、我輩は刻輪台鎮守府の提督に心からエールを送っていた。

 

この世界情勢に何の影響も及ぼさない、無駄なとんでも設定という十字架を背負わされたあの提督に……。

 

待て次回!!!




更に文字数が増えていく予定です。更新速度が低下する可能性は高い……
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