危険な提督と娘達   作:片栗虎

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ふう、3000文字に2時間以上かかってしまう……。


響と大潮 再開編

刻輪台鎮守府跡に提督が流れ着いたちょうどその頃、大潮と戦艦レ級と提督が仲睦まじく暮らしていた島に、一人の少女が流れ着いていた。

 

 

ーー島の南側に位置する砂浜ーー

 

提督に置いてきぼりをくらった大潮は、寂しさを誤魔化す為に、毎日砂浜で走り込みをして足腰を鍛えていた。

 

「司令官……」

 

大潮は涙を堪えて走り続けた。

 

「あうぅ……」

 

大潮何かに躓いてスッ転んだ!

 

「いったたぁ~、もーなんですかー?……え?」

 

大潮が躓いたの物体は、白い帽子に白い上着、紺のスカートを身に付けている。

 

「も、もしかして……」

 

大潮はその人物に駆け寄り、抱き起こした。

 

「響ちゃん!?」

 

服装こそ大潮が知るものとは違っていたが、元々大潮が属していた刻輪台鎮守府で、最強駆逐艦のツートップとして活躍していた、暁型駆逐艦の響と瓜二つであった。

 

「怪我してる!?」

 

響と思われるその人物は全身に傷を負っていて、武器の類いは身に付けられていなかった。

 

「……あれ、使えるかな?」

 

大潮は自宅の倉庫に眠っている、高速修復材(バケツ)の事を思い出し、響と思われる少女を担ぎ上げて自宅へと急いだ。

 

 

ーー提督と大潮・愛の巣ーー

 

「響ちゃん!」

 

大潮は響と思われる少女の服を脱がせて、修復材の入った浴槽に寝かせた。

 

「……こ、ここは……?」

 

修復材に浸かってすぐ、響と思われる少女が意識を取り戻した。

 

「響ちゃん!?」

 

「え?……あ……あぁ」

 

響は大潮の姿を確認したとたん、涙を流して泣き出してしまった。

 

「響ちゃん!?」

 

大潮は服のまま浴槽に入り、響に抱き付いた。

 

「大潮……会いたかった……ずっと……捜してた……んだ……大潮ぉ~」

 

「響ちゃん……」

 

10年間の思いの丈をぶつけて泣きわめく響を見て、大潮は複雑な表情で響を見つめる。

 

「……」

 

そして大潮は、黙って響を抱き締めた。

 

「ごめんよ大潮……少し取り乱してしまったね?」

 

暫くして響は冷静さを取り戻した。

 

「うん、私の方こそ心配かけてごめんね?そろそろ、お夕飯のじかんです、すぐに用意しちゃいますねー?」

 

大潮は駆け足でお風呂場をあとにした。

 

「……ようやく、ようやく此処まで来れたんだ……」

 

響は大潮の温もりを確かめるかの様に、自らの胸に手を当て、目を閉じる。

 

「もう、離さないよ大潮……」

 

響の瞳は堅い決意によって、熱く燃え上がっていた。

 

そして響も風呂から上がる。

 

「あれ?大潮?私の服は?」

 

脱衣所のかごの中には、大潮の改装前の服が入っていた

 

「響ちゃんの服はボロボロだったので、修復材に浸けてあります!なので今日はそれを着てくださいね?サイズが合うかどうか解りませんが、我慢してください」

 

「……うん、わかったよって!!大潮!?その格好はなんだい!?」

 

響の目の前には、素肌にエプロンを着けただけの格好で料理をする、大潮の姿があった。

 

なせが前屈みになる響……。

 

「え?響ちゃん?私の格好がどうかしましたか?」

 

「え?いや、どうかって、その……物凄くやらしいと言うか、魅力的と言うか……」

 

響は顔を真っ赤にしながらも、大潮の姿を目に焼き付けるべく、凝視している。

 

「いやー、私の服がぬれちゃったので、はしたない格好ですみません、司令官さんは可愛いって褒めてくれたんですけど、やっぱり変……ですよね?」

 

調理を終えてテーブル上に料理を並べる大潮、今日の献立は小魚の南蛮漬けと海草サラダと卵焼きである。

 

「くっ、アイツの前でもそんな格好を……大潮!確かに可愛い!物凄く可愛くて色っぽいよ!!だけど、異性にとっては少し刺激的すぎるから、私の前だけでその格好をするようにして欲しいな?」ハァハァ……ハァハァ……

 

普段の響は、常に落ち着いていて、何事にも動じないクールな艦娘なのだが、こと大潮に関する事に限り、理性と倫理観が著しく低下してしまうのである。

 

「え?でも司令官さんは似合ってるって……」

 

大潮は困惑しているが、響の気持ちは過去の出来事から痛いほどに理解していたので、この話題を早めに切り上げることにした。

 

「あ、あのっ!響ちゃんって、今は大湊警備府の提督さん何ですよね?」

 

戦艦レ級から響の事は、ある程度聞いていた大潮はどうしても聞いてみたいことがあった。

 

「え?あぁ、そうだね……」

 

響は露骨で唐突な話題のすり替えに少々狼狽えていた。

 

「あの、レ級ちゃんから響ちゃんのことを色々と教えて貰っていたのですが、響ちゃん……あんまり良い評判じゃ無いみたい……だね?」

 

レ級から聞いている情報では、他の鎮守府とは敵対して、中立を表明していた艦娘達を無理矢理取り込んで、従わない場合は監禁していると言うものであった。

 

「……力を付ける必要があったんだ、大湊警備府を強く大きくしなければならなかった……その為には嫌なことだって、やらなくちゃいけなかったんだ……」

 

そう言った響の表情は、苦虫を噛み潰したような、苦々しいものであった。

 

「……そう……なんだ……」

 

大潮の瞳は次第に水気を帯び、涙目になっていく。

 

「大潮?泣いているのかい?」

 

響は大潮に駆け寄り、さりげに大潮の手を握る。

 

「響ちゃん、どう……して……?なんで嫌々そんなことをしなくちゃならないの!?」

 

大潮は涙を流しながら言い放った。

 

「なんでって……それは大潮を捜し出すために……」

 

大潮は響がそう言うのは予想済みであった。

 

「やっぱり……私を捜す為だったんだね?私を捜し出すために響ちゃんが悪者なって……それで私が喜ぶとでも思ったの!?」

 

大潮は響の両肩を力一杯掴みかかった。

 

「お、大潮?」

 

響は大潮に掴まれている喜びと、大潮の怒りにも似た感情を真正面から受けた衝撃で思考が停止してしまった。

 

「私は嫌だよ!私なんかの為に響ちゃんが色んな人から恨まれたり、怖がられたりするのは絶対に嫌だよ!!」

 

狼狽える響に対しての更に畳み掛ける大潮……。

 

「それに……そんな事をしなくたって……長門元帥や武蔵さんや加賀さん達だっているのに!どうして皆と敵対してまで大湊警備府なんて立ち上げたの?」

 

大潮の最大の疑問を響にぶつける。

 

「そ、それは……」

 

「北上さんと喧嘩したのは知ってるけど、でも……それで他の皆と敵対するなんて!……そんなの……そんなの絶対におかしいよぉ……」

 

大潮は響の肩を離してその場で泣き崩れてしまった。

 

「……そう言えば……」

 

この修羅場において、響の頭は何故だか解らないが、いやに冷静に働いていた。

 

「私に独立を勧めて、大湊の地を提供した人物……」

 

響の脳内において記憶を司る海馬に、忘れかけていた独立の切っ掛けとなった4年前のあの出来事の記憶が、高圧洗浄機の放水の如き勢いに乗り、鮮明によみがえって来た。

 

「……大潮、私はお前が行方不明となったあの時から、お前を見つけ出す事だけを目的に生きてきた……だが、どうやら大湊警備府の方は別の目的のために作られた様だ……」

 

「え?それってどういう事ですか?」

 

響の冷静な物言いに、大潮は涙を拭いながら尋ねる。

 

「うん、大潮、これから私と一緒に大湊に向かおう?」

 

「へ?」

 

唐突な響の提案に大潮はすぐに答えられない。

 

「……もしかしたら、この世界を再び闇に落とそうとしている奴がいるのかもしれない、頼む大潮!一緒に来て欲しい……私の予想が正しければ、もう私には……仲間はいないから……」

 

響の寂しそうな顔を見て、大潮は条件反射的に響の頭を抱き抱えていた。

 

「大潮……」

 

「わかったよ、響ちゃんの事……信じるから!」

 

響は大潮の胸を優しく揉む……。

 

「ありがとう大潮、詳しくは移動中に話すよ」

 

「うん、でも……」

 

響の意思とは無関係に、響の白魚のような指が大潮の乳頭(ビーチク)を優しく弄くっている。

 

「あんまり、そういうことはしないでください……」

 

「あ……ごめんよ、無意識……」

 

 

 

そして翌日、二人は大湊警備府に向かって旅立つのであった。

 

待て次回!!




できるだけ毎日更新したいけど……果たして?
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