提督と呼ばれた害虫の処刑から数週間後……世界は再び闇に呑まれた。
世界各地に潜伏し、それまで大人しかった深海棲艦達が同時期に暴動を起こし、世界の海は再び人類の手から離れていった。
日本の艦娘は団結して刻輪台鎮守府を本部とし、各鎮守府にて日本の領海の防衛に専念している状況である。
「武蔵さん……提督、大湊の響さんから伝令です」
刻輪台の秘書艦となった加賀はバインダーに挟んである書類を読み上げる。
「東北方面の海路は確保した、物資の補給を待つ、だそうです」
「そうか、流石は響だな?大潮とレ級もいるし大湊の方は心配はないな?」
純白の軍服に身を包んだ武蔵は、熊肉の塩漬けを食べながら加賀から書類を受け取り目を通す。
「佐世保と舞鶴の方はどうだ?」
「その前にそれ、私も食べてもいいのかしら?」
武蔵の返事も聞かずに熊肉の塩漬けをひと切れ口へと運ぶ。
「加賀さん!私も良いですか?」
鎖で両足を繋がれた赤城(深海棲艦)が物欲しそうに熊肉の塩漬けを眺めている。
深海棲艦の暴動に伴い、深海棲艦化した赤城、暁、大和は鎮守府内に軟禁されている。
赤城は冷蔵庫を空にしかけたので繋がれているのだ。
「可哀想な赤城さん、良いわよね?提督?」
「ふっ、好きにするがいい、それで?他の鎮守府はどうなんだ?」
「……えぇ、佐世保の方は戦力は充実しているので、今の所心配はなさそうですが……」
加賀は赤城に肉を食べさせながら言った。
「舞鶴か……確かにあそこの戦力は刻輪台鎮守府と半々に分けて配置している……」
元々数だけは多かった、舞鶴鎮守府の戦力を刻輪台と二分する事で各所の守りを均等にした形である。
「北上の奴……、加賀よ北上に伝令だ!」
「はぁ、何て?」
「頑張れ……とな」
「了解しました、予備戦力の第八駆逐隊を応援に向かわせますね」
「……ふっ」
武蔵は本気で頑張れと伝令を出そうとした様だったが、機転の利く加賀の独断で応援部隊を配備した。
そして、今世界の何処かで、新たな災厄が芽生えようとしていた。
日本のはるか南方に位置する、誰も知らないとある孤島……。
1人の男が目を覚ました。
「……ここは……一体?」
「ヲ!?」
青白い顔をした女が慌てた様子で俺の前まで走ってきた。
ほぅ?顔は少女と言っても通じそうだが、体の方はなかなかのモノをお持ちの様だ。
「深海提督が目を覚ましたぞー!大変だ!みんなに知らせないと!!ヲヲー!!」
慌ててやってきたかと思えば、すぐ様踵を返して何処かに行ってしまった……騒がしいお嬢さんだな?
「……あれ?そう言えば……俺……誰だっけ?」
待て待て、落ち着け落ち着け……此処は焦るところでは無いぞ?冷静に1つずつ思い出すんだ!先ずは……名前か?
深海提督 ('A`)
あいうえお かき【く】けこ さしすせそ
たちつてと なにぬねの はひふへほ
まみむめも や ゆ よ らりるれろ
わ お ん
「よし、取り敢えず名前はこれでいいか?」
「おお!?本当に目覚めたのか……ふふふ」
ん?先程の娘が仲間を引連れて戻ってき様だ。
「あれ?雷巡……チ級?それにさっきの娘は空母ヲ級?重巡リ級に高速戦艦タ級……わかるぞ?何故かは解らんがこの娘達の事が全て脳内にインプットされている!」
「とうとう提督がご帰還された……我々も遂に動き出す時が来たのだ!!」
戦艦ル級と思われる黒服の女性が拳を硬く握り、高らかに宣言した。
「ほほぅ?ル級君と言ったかな?」
「はい!提督!!これからは我々が提督の手足となりて、あの忌まわしい艦娘共を根絶やしにしてやります!!」
艦娘?……根絶やし?
何だか良くわからんが、妙に応援したくなるのは何故なのだろう?
「ル級君?」
「はっ!!」
ル級は俺の呼び掛けに対して、ビシッと敬礼して応える。
何だろう?とても懐かしいのに今まで1度も味わったことが無いと言う感覚……。
「張り切るのは結構なことだが……胸元がお留守ですよ?」
恐らくル級は急いで此処までやって来たのだろう、黒い上着の胸元がパックリとはだけていた。
そこに何故だかわからないが、本能的な何かが脳へと干渉したかのように、まさに条件反射的に腕をル級の胸元に滑り込ましたていた。
「……え?……提督?」
ル級は混乱しているためなのか、その場で固まって俺の事を見ている。
「あれ?俺は……いったい……」
そう言いながらも俺はル級の柔らかな感触を楽しむ為に、その柔い塊を手のひらで撫で回していた。
「あ、ちょっと……提督……?やめて……下さい」
ル級は両目から大粒の涙を流して俺に懇願して来る。
「……」
「……」
「……」
その様子を他の娘達は固唾を飲んで見守っている。
成程……これがこの深海提督というモノの絶対的な権限という事か?
この世界でこの俺に歯向かうものは存在しない!!
「ふふふ、こいつは愉快だな?ル級?」
俺は更に手の平を巧妙に使い、ル級の胸の中でもとびきり敏感だと思われる突起部分を刺激してやる。
「……くふぅん……提督」
何とも切なそうな表情を見せるル級……。
「もう!辛抱堪らんぞ!!」
俺はその場でズボンと褌を一気に脱ぎ捨てた!!
「アレ?」
俺はそこである違和感を覚えた。
「あれ?俺の……マイサンが……無い……だと?」
褌を取った俺の秘所にはそこにある筈のモノが無く……俺の股間は貝やらフジツボやらの欠片みたいな奴がビッシリと付いており、何とも言えないグロテスクな物体が構成されていた。
「……嘘だろ?」
俺はル級から離れ、その場に膝から崩れてしまった。
モノが無いのを認識した途端、一切の性欲が失われ、何故か艦娘と言う言葉への憎悪だけが心の中で膨れ上がった。
「良し!!お前達!すぐに抜錨だ!そこらの艦娘共に軽く挨拶と行こうじゃねぇか!!」
「「「「「オオーー!!」」」」」
この時を持って、対艦娘抵抗軍が結成された!
待て次回!
遂に本格始動した第3部!深海提督の艤装についてはあまり詳しくないので、恐らく出てこないと思います。