それから、俺の存在などまるで初めから必要が無かったかのように、トントン拍子に捜査が進められた。
「成程、もう一つの次元か……利根よ?貴様の意見を聞こうか?」
鎮守府合同会議が開催され、各鎮守府の提督と秘書艦が刻輪台へ集まっていた。
「うむ、それは間違いないぞ?我々佐世保鎮守府は元々別の次元の鎮守府じゃったからな!恐らく龍田とうちの明石は別次元に行ったのであろう」
自慢げに言い放つ利根さんの頭を、撫でたやりたくなる衝動をグッと抑える。
まぁ俺は現在身体中に槍が刺さった状態で動く事もままならないわけだが?
死にはしないが、痛みが永遠と続くこの感じ……悪くは無いか……。
「うーん、それと今の現状はさぁ、なんか関係ある訳?」
気だるそうな声で質問したのは、舞鶴の北上提督……元俺の秘書艦を務めた艦娘だ。
「……そうだね、たんなる推測だけど良いかい?」
響……いや、こっちは佐世保鎮守府の秘書官のヴェールヌイか、紛らわしいからヴェールヌイはヴェールヌイで大湊の提督は響と呼称しよう。
ヴェールヌイが伺いをたてると、他の提督達は静かに頷く。
「Спасибо、私の予想だと龍田と明石さんは私達が元居た世界の深海棲艦の核を見つけ出し、こちらの世界に持ち込んだのではないかと考えているんだ」
「成程、確かにそれならば深海棲艦の暴走時期も説明がいくな?」
なるほど、単純な脳筋オッパイは今の話の全ては理解出来てはいまい?
ヴェールヌイの予想通りだとするならば、俺があちらの世界に行って新たな提督としてハーレムを作る事も可能だと言うことだ。
「よし!今すぐ俺をあちらの世界へ送り出してくれ!」
俺は意気揚々とムスコをいきり勃たせて言った。
「……元提督、貴方が何を考えているのかは解らないが、あちらの世界へ行っても元提督が女の子にモテるなんてことは無いよ?残念だけどね?」
響が無感情な表情で遠回しに俺を罵倒しているぞ?
もし俺が別の事を考えていたらどうするつもりだったんだ?
まぁ、残念ながら響の予想通りの事を考えていたので、ここは黙っておこう。
「……」
大潮が冷たい視線で俺を蔑んでくる……。
「ヴェルの考え通りだとすると、一つだけわからぬ事がある、龍田は何故そんな事に協力したのか?」
「はい!それは私が説明しますよー!」
めちゃでかい声で元気に答えたのは大潮だった。
現在大湊でレズレズ新婚生活を送ているが、俺は離婚した覚えはないぞ?
「龍田さんは姉の天龍さんを生き返らせたいってずっと言っていましたァ!」
「よし、話を整理するぞ?つまり、龍田が天龍を蘇らせる為に明石と協力して別次元の深海棲艦の核を手に入れ、こちらの世界に持ち込んだ所為で深海棲艦が暴れている訳だな?」
くっ、今回の騒動には俺は無関係だったのか!それなのに俺は全身を槍で貫かれ生きながら地獄を味わっていると言うことか……。
復讐したいけど無理だろうな、絶対……。
「今後の方針は決まりましたね?」
今まで沈黙を貫いていた加賀さんの口が開く。
「あぁ、各鎮守府は深海棲艦の鎮圧を続けつつ、龍田及び明石の捜索に全力を注げ!見つけ次第全ての鎮守府へ報告すること、深追いはするなよ!!」
「「「「「了解」」」」」
こうして、俺の存在など軽くスルーしながら大規模捜索作戦が開始されたのである!
待て次回!!!
なんか、もうすぐおわりそうな気がする今日このごろ