現在、日本を除く世界の鎮守府は深海棲艦への反攻作戦に追われている。
アメリカと北朝鮮を中心とする連合軍が設置され、世界各国で激戦が展開されているが、戦況は五分五分であった。
そして、新生鎮守府の深海提督である俺はと言うと……
「よし!ハーレム王国でどうだ?」
「……名乗りたくない名前デスネ?」
今日も平和に深海棲艦達と暮らしている。
「そうか、まぁ鎮守府の名前はいずれ決めるとして、今後の我々の方針を決めたいと思う」
冷たい風が吹き荒ぶなか、青空幹部会が開かれている。
「提督、何故私まで参加しなければならないの?」
加賀さんが不機嫌そうに俺の生爪を1枚1枚丁寧にムシっていく……人間であればその場で発狂してしまう程の激痛だが、深海提督と化した俺は辛うじて意識を保ってしまう……死ぬほど痛いが死ねない辛さだ。
「いや、深海棲艦だけだと鎮守府を攻める方へストーリーが進んでしまうので、艦娘の意見も取り入れたいと思いまして……」
加賀さん達とこの島にやって来て1ヶ月……。
最近までは深海棲艦の娘達から尊敬と信頼を得ていたが今では、毎日の様に加賀さんに折檻されてこき使われる姿に俺の威厳は地に落ちていた。
「我々はカガサンの意見を尊重シマス」
タ級がビシッと敬礼して忠誠の意を示す。
もはやこの島の住民は加賀さん従順な下僕と化してしまったのだ。
「そう、だったら食糧の調達を強化して貰えるかしら?赤城さんがお腹を空かせているわ」
ちっ、毎日大量の食糧を消費していると言うのに、まだ足りないとは……。
ここは提督としての威厳を保つ為に一言言っておかなければならないな?
「加賀さん!」
「何か?」
再生を繰り返す生爪を剥ぐのに飽きたのか、今度は指をあらぬ方向へと曲げ始める加賀さん、失禁はしているが此処で引き下がるワケにはいかないぜ!
「最近の赤城は肥え太りすぎではないかね?」
メキッ!と言う小気味よい音共に、俺の手首と肘、そして肩の関節が全てへし折られていた。
「うごっ!!!」
声にならない悲鳴を上げた俺の意識は遠のいて行った。
……一体、何処で間違えてしまったのか……?
薄れ行く意識の中で自問自答を繰り返すが、思い当たる節が多過ぎて答えはでなかった。
「うわぁあぁぁー!!」
悪夢の中目を覚ますと、既に真夜中……滅茶苦茶に破壊された筈の腕は回復していた。
はぁ……結局これまでと変わらない日常、何だかもう辞めたくなってきたな、提督なんて何もいい事ないし……。
俺は全てを投げ出して深海に身を投げようかと思ったその時、俺の手の中に小さな包みが握られている事に気が付いた。
「ん?コレは……」
その包みを開けると、中には小さなハート型のチョコが入っていた。
「……ま、まさかコイツは……」
その包みには……
「私は貴方に期待しているわ、これからも提督として頑張りなさい────加賀」
と書かれていた。
本日2月14日……。
「うおぉぉお!!!」
俺は明日へのやる気を爆発させて1晩中雄叫びを上げた!!
待て次回!!
子の日だよー?