危険な提督と娘達   作:片栗虎

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ここから、グラップラーバキ色が強まりますが、バキを知らなくても問題なくお楽しみ頂けると思います。


地下最大トーナメント編 1回戦

「さてさて、ようやく始まった世界統一!地下最大トーナメントな訳なのじゃが、なぜ吾輩が司会進行せねばならぬのじゃ?」

 

不満げに漏らす利根提督の隣には、解説と書かれた札を胸に付けた艦娘がにこやかな表情で佇んでいた。

 

左腕と右足を失い、車椅子生活を余儀なくされた元最強の艦娘、バルバロイ妙高さんである。

 

「それはですね、利根提督が暇そうにしていたからでしょうね?」

 

「何じゃと?吾輩だって試合に向けての準備くらいはするわ!」

 

ふっ、利根提督はまだまだスポーツマンだな?常在戦場という言葉がある、格闘士と言うものはいついかなる時でも隙を見せてはならないものなのだ。

 

その様な事、深海提督となり更に強くなった俺にとっては常識なのだ。

 

「利根提督の試合は明日の予定ですね?」

 

「……う、そ、……そうであったかの?」

 

利根提督は照れ臭そうに後頭部をかく、そして備え付けのマイクを力強く握り、大きく息を吸い込んだ。

 

「そぉれではぁ!!第一試合!!深海提督チームVS!!中華水軍!!先鋒戦の開始じゃ!!」

 

「ヨシ!チ級!頼むぞ!敵のデータは皆無ダガ、恐るるに足らぬ相手だ!まずは勢いを付けるためにも快勝シテコイ!」

 

タ級がチ級に活を入れて送り出している、あの2人は主従関係を超越した信頼で結ばれている、そのタ級が送り出したんだ、心配は無用だな……。

 

「艦娘ファイトぉー!レディーゴー!なのじゃ!」

 

カーンという小気味よい金属音と共に、弾けたようにチ級が突っ込んで行く、頼もしい限りだ。

 

「フフ、地に足をつくのは初めての経験だナ……」

 

チ級はいつも専用の乗り物に乗っているからな、良いぞチ級……存分に地上を堪能して来い!

 

「中国水軍所属、航空母艦遼寧アル!」

 

腰のあたりまでスリットが入った、グリーンのチャイナ服とそこから見える健康的な眩い太股……。

 

「中国四千年の歴史、とくと味わうがヨロシ!!」

 

五星紅旗の如く紅い髪は腰周りまで届く程の長髪、うむ、中国等に置いておくには勿体無い逸材だ。

 

ビシッと大きく地を打ち、チ級に対して低い体勢で構える。

 

「……ッッ!?」

 

その構えに対してチ級は前に出れないでいる。

 

「ふっ、提督よ?貴様はあいつの力、どう見る?」

 

背後からオメガウェポン(おっぱい眼鏡の略)が現れた。

 

「どう見ると言うより、どう作ったかが問題なんだよな〜」

 

全く隙の無い構えの前に、チ級は狼狽えている。

 

「クッ……」

 

「……?」

 

突然遼寧は構えを解いた。

 

「私とした事が、大人気なかたアルネ?さぁ、コレでどうね?何処からでもかかってくるアルよ?」

 

遼寧は両腕を広げてチ級の前に立つ。

 

「ふ……フザケルナァ!!」

 

チ級は最近覚えたボクシングの構えを取り、高速の左ジャブ連打する!!

 

「……」

 

常人ではガードすることすら難しいであろうチ級の連撃、それを遼寧はギリギリの所でガードしている。

 

「おおおっっ!!」

 

その攻防に観客は大盛り上がりだ。

 

「ちっ、観客は盛り上がっているが……こんなの試合でも何でもない!!」

 

「くっ!コレならドウダぁ!!」

 

チ級は身体ごとぶつかり、右肩を遼寧の鳩尾にうちつけた。

 

成程な……ここまで密着されては、如何に体術に優れた遼寧であっても交わすことは疎か、反撃に転じる事も不可能だな……。

 

しかし、チ級はこの状態からの必殺の一撃を放つ事が出来る!勝ったな……。

 

チ級の左肘から筒状の物体が突き出て来た。

 

「あっ!?アレはぁあぁ!!」

 

「知っているのか利根提督!?」

 

「……いや、知らぬな……深海棲艦が素手で戦う姿を見るのは初めてじゃからな」

 

ご最もだ。

 

説明しよう!

あの筒の中では圧縮された空気が作られている。

そして十分に圧縮された空気を一気に外に打ち出す!

その結果は言うまでない事だ。

 

「喰ラエぇ!!」

 

空気砲の反動を受けた音速の拳が遼寧の顔面を捉える!!

 

「吻っ!!」

 

チ級の拳が遼寧の顔面に触れるその直前の出来事であった。

 

「あがァッ!?」

 

「な!何も見えなかった……?」

 

チ級は俺の目の前の鋼鉄製の壁に身体ごとめり込み、血を吐きながら痙攣している。

 

「と、利根提督?アレは……」

 

「うむ、吾輩の目には辛うじて見えたが、あの中国の娘……至近距離から放たれる音速を超える拳に対してカウンターを決めおったのじゃ……これは、本格的に中国拳法対策を考えねばならぬかも知れぬな……」

 

「……グビビィ……」

 

チ級が呻き声を上げる。

 

「勝負ありぃいぃぃー!!なのじゃ!!」

 

利根提督の雄叫びに反応するかのようにタ級とホキュウが飛び出してチ級を担ぎ上げる。

 

「ホキュウ!あまり頭をユラスナ!」

 

「はっ!!ハイぃぃ!!」

 

これが艦娘同士の素手ゴロ……。

 

おれはこの光景に圧倒されて立ち尽くすだけであった。

 

「提督、次はワタシの番デス……必ず我が艦隊に勝利を捧げます」

 

「あぁ……頼む……」

 

「フン頼りない提督だ……まぁいい、チ級を倒したくらいで調子に乗るなよ?超弩級戦艦!ル級!抜錨するぞ!」

 

待て次回ー!!

 

チ級は




チ級は我々深海棲艦鎮守府の中でも一番の小物よ……
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