危険な提督と娘達   作:片栗虎

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深夜の夢庵は人がいない


戦いの火蓋

「ここがカップルバトル会場かぁ……」

 

広々とした草原に、四方を金網で囲われた正方形のリングが設置されている。

 

「司令官さん!!」

 

大潮が馬鹿でかい声で興奮気味に叫び、リングを指差す。

 

これから俺達はあのリングで血で血を洗う、壮絶なカップルバトルを繰り広げなければならないのか……。

 

「大潮、作戦を発表する!聞き漏らすなよ?」

 

「作戦!了解しました!!」

 

背筋をピンと伸ばし、お手本の様な海軍式敬礼をする大潮、その表情は自信に満ちていた。

 

「よし、いい顔をしているな?作戦は至って単純だ、開始のゴングがなった直後、大潮は的に向かって一直線に突撃する」

 

俺の一見真剣そうな表情を見て、大潮は固唾を飲んで聞き入っている。

 

「敵を1人で蹴散らしてこい!」

 

「ゴングが鳴った直後に、敵を蹴散らす!わっかりましたァ!!」

 

大潮が納得した直後、会場がにわかに熱を帯びてくる。

 

「さぁ!今年もやって参りましたぁ!第35回カップルバトル!!今年はどんなカップルが現れるのかぁ!!」

 

アナウンサーのハイテンションな実況に、会場全体が呼応するように歓声に包まれる!

 

ふっ、どんな奴が来たところで所詮はただの人間……大潮の敵ではない

 

俺は余裕の笑みを浮かべてリングへと上がる。

 

「エントリーナンバー1番!!ロリコンがなんだ?法律がなんだ?小五ロリはオレの嫁!とある鎮守府からやって来た合法ロリカップル!!提督&大潮の入場だぁ!!」

 

「……」

 

なぜ俺がロリコンだと誤解されているのか分からないが、物凄く失礼な紹介のされ方であった。

 

そして、俺たちの後に数組のカップル達がリングに上がり、それぞれ様々な紹介を受けて苦笑していた。

 

正直負ける気がしない、率直な感想であった。

 

今回エントリーされたのは全て人間同士のカップル、所詮艦娘の敵ではない。

 

「それではぁ、第一回戦を行います!提督&大潮組と大輔&花子さん組以外はリングの外へお願いします」

 

俺たちの向かい側のコーナーには、熟年夫婦と思われるオッサンとオバサンが佇んでいた。

 

コイツらが相手か……。

 

俺の脳裏に大潮が2人を撲殺する地獄絵図が浮かび上がる。

 

「お、大潮?」

 

「はい!!ゴングが鳴ったら蹴散らす!!ですよね!?」

 

大潮はやる気満々の様だ、まぁ……本人がやる気なら仕方ない……か?

 

俺は黙って大潮の勇姿を見届けると心に誓った。

 

「さぁ!それでは1回戦のルールを発表します!!」

 

俺はアナウンサーの言葉を理解する事が出来なかった。

 

「ルール?FFXの人形つかいかな?」

 

「1回戦は……恋人の事をどれだけ知ってる!?恋人クイズで対決だーー!!」

 

恋人クイズ……?よくわからないが待て次回!!




深夜の夢庵は割高だ
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