危険な提督と娘達   作:片栗虎

185 / 203
この物語りもようやく序盤に差し掛かってまいりました。


復活の妙高

俺が駆けつけた時には、既に大艦巨乳の権化率いる数名の艦娘達が、数百人はいるであろうイ級の群れに取り囲まれていた。

 

「久しいな?」

 

敵に囲まれているにも関わらず、武蔵の表情には余裕すら感じる事が出来た。

 

「ふふっ、私も久しぶりの実戦……血が騒ぎます……」

 

武蔵の余裕の意味を理解した。

 

「妙高、まさかお前が復活していたとはな?」

 

「あら?」

 

妙高が俺の方を凝視した。

 

「む?」

 

条件反射の如く俺は自身の下半身に目をやる。

 

「ぐぅおっ!?」

 

その刹那、妙高の硬くそして鋭利な肘が俺の額を文字通り貫いた。

 

「どぼじで?」

 

薄らぐ意識の中で妙高の不敵な笑みだけが記憶に残った。

 

「ゴミの分際で私を呼び捨てにしないで下さい?永遠に苦しむ様な拷問も心得てるのよ?」

 

時に可愛らしい少女の様な表情をする妙高……。

 

「おや?」

 

そこで俺は意識がハッキリており痛みすらも感じていない事に気付いた。

 

「本当には攻撃してませんよ?私はただ、いつでも今みたいな攻撃が出来ることを教えてあげただけです」

 

成程……意識を飛ばして来たという訳だ……。

 

武を極めた達人にのみ修得できるという究極の護身……。

 

イ級達は全員失神してしまっている。

 

「さてと元提督よ?神通達はどうした?」

 

「えーと、多分あそこだと思う」

 

俺は近くのローソンを指さした。

 

「レ級に連行されたらしい……くっ!あの裏切り者め……」

 

俺がなんとも悔しげに表情を歪ませて、近くの電柱を殴りつける様な演技をした。

 

「おや?」

 

しかし武蔵達はローソンへと歩を進めており、俺の事などチラ見すらしていなかった。

 

「馬鹿やってないでさっさとついてきなよー?」

 

最後尾に付けていた北上改二さんが、軽く俺のデコをつっついて行ってしまった。

 

「馬鹿が伝染るわよ?」

 

多磨が俺に聞こえるように北上改二さんに耳打ちした。

 

「北上&大井改二さんに多磨……それに武蔵か……」

 

何となく第1章の頃を思い出して涙が出てきた。

 

「加賀さんは赤城さんと元俺の深海艦隊の所で宜しくやっている筈だ、全員勢揃いとまではいかないが……」

 

元俺の部隊は誰1人轟沈すること無く立派に生きている……。

 

俺だけ死んでいるが……。

 

とにかく、残る仲間達を助けに行かないとな?

 

俺はローソンで俺の助けを待っているであろう、大潮と響(ヴェールヌイ)向けて走り出した。

 

 

 

 

深海棲艦本部

 

「ここか?」

 

武蔵は眼前にそびえる、大きな鉄扉の前で呟いた。

 

ここまでの道中、全く敵の妨害に会うこともなくただ普通に歩いてここまで来れた。

 

もしかして……。

 

「武蔵さん?」

 

「どうした妙高?」

 

「もしかして神通さん達が、既に敵を殲滅してしまったのでは?」

 

ビンゴ!俺も今それを言おうとしていた。

 

言ったところで真スルーされるだけだがな?

 

「うーむ、いや流石にそれは無いだろう?」

 

ほう?俺と妙高の博識コンビの予想を否定するとはな?筋肉だるまが偉くなったもんだ?

 

「仮に敵を殲滅してたとして、なぜすぐに出て来ない?」

 

ちぃ、このメガネドラッグいつの間にかケチな知恵付けやがって……。

 

「そうですね、そう考えると……このゴミがデタラメ言ったのか……」

 

妙高さんが、人を切断出来そうな流し目でこちらを向いた。

 

「い、いやっ!俺も街の深海棲艦に聞いただけだから……」

 

「もしくは……神通さん達は本当にレ級に捕えられたか……」

 

本当に?成程、妙高さんは俺の言ったことを1ミリも信じてはいなかったという事か!

 

「確かに、私もレ級の芝居によって敵の本部に潜入したのかと思っていたが……」

 

武蔵が何やら難しそうな事を言いながら首を傾げる。

 

この肉便器が何を言っているのか、今の俺には理解出来なかった。

 

「まぁ、答えはこの扉の向こうにありますから、行きましょうか?」

 

妙高の提案に武蔵は無言で頷き、大きく46cm三連装砲を振りかぶった!!

 

「はぁっ!!!」

 

気合一閃……渾身の力で振り下ろされた主砲は、堅牢と思われた鉄扉を一撃で粉砕した。

 

また腕を上げたな?武蔵?

 

実の娘の成長を見守る父親様な、なんとも言えない気持ちであった。

 

「神通!無事か!?」

 

俺達は武蔵に続いて室内に突撃した!!

 

「な……なにぃ!?」

 

そこには俺達の想像を遥かに凌駕する有り得ない光景がァ!!!

 

まて次回!

 




妙高さんは佐世保明石のトンデモ技術で復活を遂げました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。