危険な提督と娘達   作:片栗虎

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ついに直接対決の時!


本当に大切な事 3

さてと、いくら俺が最強の提督であろうともいきなりビッグセブンと称される戦艦に喧嘩を売るわけにはいかない、先ずは敵情視察だ!

 

先程俺が飛び出した会議室に床下からの侵入に成功した。

 

取り敢えずこの高性能補聴器を使って盗聴する事にした。

 

 

「……と言うわけだ!加賀は不必要な艦載機の破棄を早急に行え、武蔵はもっと勉学に励め!あとオーバーワークな筋トレは金輪際禁止だ」

 

うわっ!まじか!

 

「多摩は普段から真面目な態度をとる様に、北上は……無意識に毒を吐かないように注意しろ!」

 

くっ!ようやく筆者が考え抜いて強引に定着させようとしている設定を全て押さえ込もうとはっ!

 

……だが長門の言うことには同意出来る部分が多いのは否定できないが……

 

「あぁそうだ、当艦隊に新しい艦娘を入隊させる予定だ、あの無能な提督が何故か1枠空けっぱなしにしていたが、もう大丈夫だ最新鋭の戦艦を配備する予定だからな?」

 

くっ、確かになぜ俺は1枠空けっぱなしにしていたんだ?コンチクショウ!!

 

「駄目だ!!それは駄目なんだ!!」

 

おっ?いきなり響が机を両手でぶっ叩いたぞ?

 

「……響?どう言うことだ?提督である私に意見するつもりか?」

 

なんだかにわかに空気が熱くなって来たようだ。

 

「最後の席は……大潮の……席なんだ……」

 

「大潮?大潮は確か脱走した駆逐艦だな、そんな逃げ出すような奴が今更戻って来るわけが無いだろ?」

 

うーむ、響は大潮の事をずっと待っているのか……初耳だぜ!

 

「帰ってくるさ、必ず帰ってくる!!」

 

「例え帰ってきてもそもそも駆逐艦はお前だけで十分だ、陸奥……コホンっ、新たに配備予定の戦艦に比べれば到底戦力としては使えないだろう?」

 

うーむ、確かにビッグセブンのもう一角と大潮では比べるべくもないか……まてよ?だったら必要なくなった大潮は俺の部屋で末永く暮らすと言うのはどうだろうか?

 

などと妄想を広げていると、頭上で乾いた音が響いた。

 

「うっ、この私が反応すら出来ないとは!流石に早いな?……だが!!」

 

どうやら逆上した響が長門に張り手を見舞ったらしい

 

「そんな軽い一撃では戦艦どころか重巡すらも小破出来んぞ!!」

 

「にゃ!オチビ避けるにゃ!ヤバイにゃ!」

 

多摩の叫びに触発される様に俺は床下から飛び出した!!

 

「……っっ!!!!」

 

凄まじい衝撃と共に俺の顔面にとてつもなく硬い拳がめり込んでいく感触が、まるでスローモーションの様にゆっくりと伝わってくる。

 

「て!提督!!」

 

響の声で時が動き出したかの様に俺は長門の反対側の壁にめり込んだ!!!

 

「む!貴様!」

 

「……」

 

俺の前には死んだ妙高さんが大破している光景が広がった。

 

そんな中でも物語は進行していく、ここからは文字どおり天の声となった俺のナレーションを楽しんでくれ

【ここから3人称視点になります】

 

「馬鹿な男だ、わざわざ死ぬために戻ってくるとは」

 

「馬鹿はお前だ!長門のバカヤロー!!」

 

冷めた長門とヒートアップする響、二人は視線をぶつけて臨戦態勢をとった。

 

「いくら馬鹿な提督であろうと!大潮にとっては大切な人なんだ!殺すことなんて無かったんだ!」

 

響は何処から取り出したのか連装砲を長門に向けて構えている?

 

「響!それを抜いたら私も手加減は出来んぞ?」

 

感情を圧し殺したような表情で響を睨む長門、響は少しも動じること無く一点に向けて連装砲を構えている。

 

「……」

 

永遠とも言える沈黙が続く……お互いに動くに動けずにいる、強気な態度を崩さない長門ではあったが武装した高錬度の駆逐艦を非武装で鎮圧するのは容易なことでは無かったのだ。

 

「ふぁ~アレ?会議は終わったのですか?」

 

先程まで机に突っ伏していた加賀がいきなり口を開いたのだ。

 

「はれ?貴女は確か長門さん?なんでこんなところにいるの?」

 

どうやら加賀は今の今まで眠り呆けていた様だ、半開きの眼が更に糸目になっている。

 

「加賀?お前……」

 

流石の長門も混乱したらしく一瞬ではあるが、気が抜けてしまった。

 

しかし!

 

その一瞬を見逃さず響は一気に距離を詰めて砲門を長門の額に押し付けていた。

 

「くっ、油断したか……」

 

長門は諦めた様に両手を上に挙げた。

 

「私の敗けだ……」

 

「私たちの提督はこの男以外にはあり得ない……」

 

「……ふっ、そうか此処まで慕われているならば心配は無いか……」

 

長門は静かに響の頭を撫でる。

 

「あの?一体何が起きたのですか?」

 

長門はこれ迄の事を簡潔に加賀に伝えた。

 

「えぇ!!あのクズ人間がクビに?……素晴らしい!!今すぐにこいつを焼却処分して新指揮官と共に艦載機を量産しましょう?」

 

加賀はノリノリ提督をゴミ箱に棄てて艦載機の開発をしまくっている。

 

「いや、加賀……無駄な艦載機は造るなと……」

 

「「「「っっ!!!!!」」」」

 

その場にいた長門を除く面々は一気に会議室から脱出した。

 

「無駄?」

 

「あぁ、必要以上に艦載機を開発するのは無駄だろう?」

 

「っっっ!!!!!」

 

その場は数秒後には地獄絵図と化していた。

もはや動くことが出来なくなるまで痛め付けられた長門は人体が生存できるギリギリの破壊をされて、身体と心に大きな傷を負い空母恐怖症に取り付かれ、その後戦線に復帰することは無かったと言う。

 

 

ちなみに今回の騒動は提督の素行が悪いので長門に提督を教育するように命令が下ったのだか、長門に陸奥と艦隊を組みたいという欲望が生まれた為に起きた悲しい事件であった。

 

提督はその後2ヶ月の入院を経て復帰をはたした。

 

北上さんと武蔵は一言も発する事が無かったのは此処だけの話である。

 

 




本当に大切な事は加賀さんに艦載機を与える事だったのです。
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