危険な提督と娘達   作:片栗虎

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前の話の続きとなります。


始まりはいつも味気ない 2

うぐっ……熱い……主に側頭部が……いや、脳みそ全体が激しくシェイクされたかのような、言葉で言い表すのは中々に苦労する様な、そんな物凄い鈍痛が頭全体を覆う!

 

「良い乳してるよ!加賀さん!!!」

 

思わず叫んだ、と同時に意識が覚醒していくのが解る。

 

「……」

 

真っ白い天井が突如として姿を現す。

 

「良い乳?……おっと、気が付きましたかな?」

 

白衣を纏ったホームレスの様に、悪臭を放つ爺の汚ならしいすきっ歯が眼前に迫る。

 

「うわっ!?寄るな糞爺!!死にたいのか!?」

 

俺は持てる力の全てを振り絞り、爺の顔面へ拳を叩き込んだ……と思ったが、その拳は柔らかい感触に止められた。

 

俺の渾身の一撃は、加賀のか細い手に軽々と受け止められていた。

 

流石は艦娘である、見かけはひ弱そうな、か細い女性であるが、装備している艤装は大の男でも歩くことが出来ないほどの重量があるのだ、それを軽々と涼しい顔で運用出来るのは、人間とは構造自体が違う艦娘だからである。

 

「目を覚ましていきなり何をするつもりですか?まぁいいですが、無事だった(死んではいなかった)みたいなので私はこれで……」

 

俺の記憶からは抜け落ちてしまったが、恐らく俺をこんな目に合わせたであろう張本人は素っ気ない様子で部屋から出ていってしまった。

 

「提督殿?貴方は先程の加賀殿の加減を許さぬ裏拳(一撃必殺)を側頭部に見舞われ5日間も意識不明だったのですぞ?」

 

この汚ならしい爺が何を言っているのかは解らなかったが、一言だけ言わずにはいられなかった。

 

「ゴミの分際で人語を話すなよ?」

 

「……」

 

それ以来この(生きる生ゴミ)は俺に対して一言も発すること無く天寿を全うしたと言う。

 

それにしても、正式に提督となったその日に味方の攻撃によって入院してしまうとは……くそっ!加賀さんの柔らかおっぱいの感触が全く思い出せない!!!

 

悔しい!!

 

俺はこの苛立ちを打ち消すかのように腕立て伏せの様な真似(布団擦り付け式摩擦法)をしてみた。

 

ギシっギシっ……。

 

「くっ、ふぅ~!」

 

腕を曲げる度に【マイサン(オティムコ)】がシーツにあたり、僅かな摩擦(得も知れぬ快感の波)を生む……。

 

「提督~?にゃにしてるのにゃ?加賀に殴られて頭がイカれてしまったのにゃ?……あぁ、もとからか……」

 

「たんなる腕立て伏せだ、気にすることではないよ」

 

俺は努めて平静を装い、ノックもせずに突然部屋に侵入したペットの目をじっと見つめる。

 

「腕立て伏せ?それならなんで提督は下半身丸出しでいるにゃ?風邪引くかもしれにゃい(気持ち悪いからパンツはけゴミ屑)……」

 

ほぅ?流石は多摩だな?鋭い観察眼はまさに野生みが溢れんばかりだな?

 

しかし!こんなことで狼狽えるようでは、提督の名が廃るってものだ!

 

ここは平静を装って……。

 

「さて、そんな事より皆に復帰の挨拶をしないといけないな?多摩、皆を呼んできておくれ?廊下は走らずにゆっくりと歩けよ?」

 

ふっ、まさに悪魔的発想!多摩が部屋を出た瞬間にせめてズボンだけでも履いてしまおう。

 

「大丈夫にゃ、皆来てるにゃ!」

 

「加賀から意識が戻ったと聞いて来てみれば……ここで死ぬのが望みのようだな?」

 

武蔵がとてつもない物騒な主砲(おっぱいの事ではありません)を俺の眉間に押し当ててくる。

 

どうせなら股間に押し付けて欲しいが、此処でそんな事を言おうものなら、俺とこの艦娘達の冒険は、ここで幕を閉じることになりかねん!!

 

それだけは阻止せねばならない!!!

 

「押し当てるならその豊満なバスト(80cmドーラ列車砲)にしてもらえないか?」

 

「は?」

 

しまった!!!思っていることがまるで呼吸するが如く口にでて仕舞う!!!

 

「い、いや、そうではなくて、その褐色のバストに搭載された薄紅色の主砲(ビーチク)を……」

 

「遺言はおわったか?」

 

おかしい!!なぜいつもは心の奥に秘めたる思いがペラペラとTPP(環太平洋経済連携協定)の如く軽々と出てきてしまうのだ?

 

何かの呪いか?しかし、今心の中で思っていることは声には出ていない様だが……。

 

「恐らく脳に障害がでた(頭がイカれた)のだろうな?」

 

あの糞爺(腐った死体)がまたもや生意気にも人語を発していやがる、本当に死なないと解らないのか?

 

俺は殺意の波動を何とか押さえ込む、そして爺の話を静聴することにした。

 

「うむむ、加賀殿の人命に関わる一撃を受けて提督殿は、生命の危機と言う脳から伝わった信号を過剰に受け過ぎた為、種の保存の為の行動が制御出来なくなったじゃ!!」

 

「つまりどういう事だってばよ!」

 

焦りと緊張から俺の口調は火影(だってばよ語)そのものになっていた。

 

「つまり、オープンスケベの節操なし(第1級性犯罪者予備軍)と化したのだ!」

 

辺りを静寂が支配する。

 

此処にいる誰もが受け入れがたい事実を、何とかして受け入れようと思考を巡らしていることだろう。

 

「いや、それっていつも事だろう?」

 

「そうにゃ、いつも丸出しの(たんなる露出狂の)提督はいつもとおんなじにゃ!」

 

「提督は……трансформация」

 

口々に俺を辱しめる面々に俺の涙腺は崩壊すんぜんだ。

 

「まぁ、今のはワシの妄想なので、本気にしないようにな?」

 

頭の奥底でプチんっと何かが千切れる音が鳴り響くと共に、俺の右手に握られた刃渡り70センチの牛切り包丁が風切り音と共に降り下ろされた。

 

その後、このやぶ医者の姿を見た者はいない……。

 

 

姦(艦)

 

 

 

 




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