「ふふっ、完璧ね……理論上は可能だわ……」
私は自室でいつもの様に机に向かい、自前の製図ノートにペンを走らせる。
「これさえ完成すればもはや戦艦の時代は終わる……」
一人で部屋で作業していると自然と声が出てしまう。
最近鎮守府内で私の事を脳筋だと噂されている様だけど、コレが完成したあかつきにはそんなくだらない噂なんて鎧袖一触よ……
と言うか何故私が脳筋キャラだと言われるのかしら?噂を流してる奴からコレの餌食にしてやろうかしら?
「あ……そう言えば……」
大分前にあの汚物(提督)がレベリングするだとか言ってた事を思い出した。
響さんと武蔵さんはやる気満々だったみたいだけど……完全に忘れてたわ……どうしたものか……。
私はしばらく考えた所でこの話が昨日の事だった事を思い出した。
「呼びにも来ないし……まぁいいか……」
どうも開発をしていると時間を忘れてしまう、そう言えば最後に寝たのは3日前だった……。
まぁ、M作戦だって私の新艦載機があれば鎧袖一触だしわざわざレベリングする意味は薄いわね。
……M作戦……そう言えば私あの汚物(提督)に物凄いバカにされた様な気がする。
3話くらい前だったかしら?今度会ったら無言で一発食らわせてあげる……。
私は艦載機を撫でながら無意識に薄ら笑いを浮かべてしまう。
「おらー!加賀さん!!居るかー?」
突然の侵入者に対して私は脊髄反射の如く鳩尾に深々と浮き刺さるソーラープレキサフブローを放っていた。
「うぐっ!!い、息が出来ない!?」
汚物(提督)はその場にうずくまりのたうち回っている。
「いきなり入ってきて何の用ですか?」
敢えて汚物(提督)のリアクションを全て無視して一緒に入ってきた響さんに尋ねた。
「……これから皆でレベリングしよう!」
「……」
うーん、どうしたものか?アレの開発に集中したいけど……。
私はこの娘の真っ直ぐに向けられた熱い眼差しをむげに出来るほど落ちぶれてはいない……。
「……」
何か良い言い訳はないかしら?
「赤城さん……」
「え?」
私が言い訳を考えるのに必死になっていると、響さんの口から何とも聴き心地の良い懐かしい言葉が出た。
「赤城さんも訓練やレベリングを怠って敵に連れ去られたんだよ?」
は?
気付いたら私は愛してやまない艦載機を握り潰していた。
「どういう……事?」
「そのままの意味だよ、赤城さんはまだ轟沈が確定したわけじゃない」
赤城さん?前の提督からは敵の強襲で轟沈したと聞いていた……。
「赤城さんを取り戻すにはあの最強の深海棲艦を倒さなければならないんだ、その為には今以上に鍛えなければ駄目なんだ!」
「…………」
赤城さんが生きている?私の最終目標であり……最愛の人……あの人が居れば艦載機なんてどうでも良く感じられる程の圧倒的存在感……。
「響さん?それは本当の事なの?もしウソだったらいくら響さんでも許さない……」
「……ほ、本当の事だよ、大和さんに暁姉さんも連れ去られた」
この娘がウソをついている様には見えない、やはり赤城さんは生きている!!
「わかったわ、そういう事なら協力するわ」
「チョロいぜ加賀さん!!」
此方の開発とレベリングを同時進行すれば問題ない……。
私は汚物(提督)を殴り飛ばし実戦の準備を開始する。
終わるわ
もう少しこのシリーズが続きます。