「やあ、大潮?随分と機嫌が良さそうじゃないか?」
その日の響ちゃんは何だがいつもと様子が違った、いつも一緒にいるからこそ気付くことが出来たのかも知れない……。
「え?そ、そう……かな?えへへ」
響は無言で立ち上がり文字通り私の顔の目と鼻の先位まで顔を近付けてきた。
「ひ、響……ちゃん?」
「昨日、練度が99になったよね?」
響ちゃんの息が顔にかかる……。
「え?う、うん!ようやく99になったんだ!」
そう!これで司令官とケッコン……
「んん!?」
いきなり響ちゃんの唇が私の唇に重ね合わされる。
「ん……んふん……」
そして直ぐに響の舌が私の口内を這いずり回る。
じゅるじゅるといやらしい音を立てて響ちゃんの唾液が私の口の中に広がっていく……
私は親友の起こした突然の奇行に思考が停止してしまい、響ちゃんの成すがままにされてしまっていた。
そして当然の様に響ちゃんの白く細い指先が私のスカートの中に侵入してくる……。
「だめぇっっ!!!やめて!響ちゃん!!!」
私は我に我に返って反射的に響ちゃんを突き飛ばしていた。
「はぁ……はぁ……、ど、どうして?響ちゃん……」
未だに正常に働くことの無い思考を少しずつ呼び戻しながら響ちゃんに問いかけた。
「どうして?ふふ、大潮は本当に可愛いな?私は大潮が好きだ!あんな大潮の事をまるで解っていない男に取られるなんて、我慢ならないんだ……私は大潮の全てを知っている……」
そのときの響ちゃんの表情は普段のクールなモノではなく、飢えた狼の様に妖艶な雰囲気が漂っていた。
「そんな……私は司令官と……」
「ダメだよ大潮?もしあの男と一緒になると言うのなら、私があの男の幸せを全て奪い尽くす……」
響の目は真剣そのものであった。
「ひ、酷いよ……響ちゃんは親友だと思ってたのに……」
「酷い?私がかい?ふふっ、先代提督を罠に嵌めて破滅させた大潮にそんな事言えるのかい?」
「……」
声が出なかった……証拠は全て消したはずなのに……何故?
「どうして知ってるの?って顔だね?」
思っていることを簡単に言い当てられた。
どうやら私は響ちゃんには隠し事は出来ないらしい……。
「簡単な事だよ?大潮、君の帽子には小型の盗聴機が内臓されているんだ、近代化改装の時に私が仕込んだんだ、まさか君があの男の為に散々世話になった提督の人生を破壊するとはね?」
「ど、どうして今まで黙っていたの?解っていたのなら、未然に防げたはずじゃ……」
響の表情が一層暗くなる。
「さっきも言っただろ?私は大潮の事が好きなんだ……
出来ることなら君の願いを叶えてあげたかったんだ」
響ちゃんは全てを知った上で私の凶行を黙認していた。
「だったら……私と司令官の……」
「それは駄目だ、あの男じゃ君を幸せには出来ない!!奴は口では何とでも言うだろうが本当の所は君の事なんて微塵も考えてはいないんだ!!」
「いや!!私は司令官にも響ちゃんにも認めて貰いたいの!!」
「……そんな事……無理だよ……」
…………。
私は鎮守府を出る事にした……このまま私が鎮守府に居ると司令官に迷惑がかかる……。
でも、司令官が私を捜しに来てくれたなら……駆け落ちしちゃってもいいかな?なんて思ってた。
「いつまでもまってるぞ~」
「……まぁ、そうだよね……ははっ」
響ちゃんも司令官と共に歩んで行けば、本当の司令官の
魅力に気付いてくれるはず……そんな時が来てくれる事を私は何時までも祈っています。
そして鎮守府正面海域……。
「決戦の時は近いみたいね……」
改ニとなった大潮は最終決戦に向けて鎮守府に帰還したのは作戦開始前日の事であった。
終わり
シリアスが2話続くとしんどいですわ……。