ちぃ……昨日はただムラムラしただけで1日が終わってしまった。
うーむ、武蔵は大和と飯を食うイベントしか無さそうだし……加賀さんは赤城とイチャコラだが俺が現れると排除しようとするだろう……。
俺は消去法により、修練場に向かった。
修練場……
そこで響と暁は艤装を着けずに素手で戦っていた。
「暫く会わないうちに、かなり練度が上がっているみたいね?」
「暁姉さんはあまり進歩していないみたいだけど?」
「う、うるしゃい!あの島で平和に暮らしてたんだから仕方ないでしょ!!」
暁は顔を真っ赤にして響の下半身目掛けて高速でタックルをかます!
不味いぞ暁!あれは俺も使った戦法だ、響の速さを殺すためのタックルだが……奴には渋皮流もとい、合気道の真髄がある!!
俺の予想通り暁の体は宙に浮いてしまう。
くっ、このまま倒されて勝負ありか……っっ!!!
其処からは俺の予想を遥かに凌駕する展開となっていた。
「相変わらず……良い合気ね?」
「っ!?」
一瞬宙に浮いて1回転する暁だったが、其処からさらに回転を早めて1回転半回る事で元の体勢に戻し見事な着地を見せたのだ!
その光景に驚いた響は常人から見ればほんの僅かな隙が出来てしまった。
時間にしておよそ0.3秒にも満たない程の反応の遅れ、しかし高練度の艦娘同士の戦いに於いてはこの0コンマ数秒のミスが命取りとなるのである。
暁の切れ味抜群だと思われる手刀が響の頸動脈から僅か数ミリの所で寸止めされる。
「まだまだ、一人前のレディには成れそうにないわね?」
「ハラショー、練度では上回っていても暁姉さんには格闘戦では勝てる気がしないよ」
二人はお互いの強さを認め、硬く握手を交わす。
「ブラボー!!ブラボー!!!」
俺は思わず拍手をしながら二人の側まで来ていた。
「いやはや、二人とも素晴らしいファイトだったぞ?」
「司令官?見ていたのか……」
「どお?司令官さん?姉より優れた妹なんていないのよ?」
最高のファイトを見せてくれた二人は、先程までの張り詰めた空気とは打って変わって和やかなムードだ。
「いやー、正に手に汗握る闘いだったけど……」
「「けど?」」
俺は先の闘いを見た素直な感想を述べた。
「肉弾戦って深海棲艦相手に役に立つの?」
「「……」」
暫くの沈黙の後、響が口を開く……。
「司令官?砲雷撃戦の時代は終わったよ?どんな強大な砲撃も、当たらなければ意味は無いよ?」
響は鼻息荒く語る……
何という気迫だ!こいつは暁達を迎え入れた意味があったと言うものだ……。
その後俺達は暫く談笑した後、響達はまた修練を開始した。
俺は静かに修練場をあとにした。
終わる……。
大規模殲滅作戦まであと5日っっ!!
ストック枯渇寸前……