「にゃにゃー!!」
何だか執務室ではピンク色の何かが起こっているみたいだけど、今は集中にゃ!!
「ほう?前会った時はまるでヤル気が無かったようじゃが?今回は違うようじゃのう?」
「前は勝ち目の無い戦いだったからね?たまには活躍するのも悪くないかなって思ってね?」
私は愛用の20cm連装砲で相手との距離を一定に保ちながら牽制する。
流石に類い稀なる回避能力のある"あの″利根にはそう簡単に当てられる筈もなく、私の砲撃は空を切るばかりだった。
「ふっふー!確かに良い腕をしておるが……武蔵や先程の雷巡と比べるとのう、いまいちパッとせんのう?」
利根はあの横っ飛びと急停止急発進を駆使して回避しながらも距離を詰め始める……。
ふっ、あの脳筋や妹達と私じゃあ……比べる事すら失礼なんだよ!!私にねぇ!!!
私は無差別に砲撃しながらも利根に向かって一直線に突撃した。
「ほほぅ?その気合いは良いぞ!!」
勿論利根に私の砲撃が当たる筈もなく、利根と私の距離は目と鼻の先……数mの位置まで詰まっていた。
「ふっ、武蔵や雷巡が相手なら……この距離はまさに死地とも言える場所なのじゃろうが?中口径の主砲の1発や2発では我が輩は沈まぬぞ?」
「あぁそうかい?なら早く撃ちなよ?」
提督も誰も見ていない戦場……此処でだけ私は自由となることが出来る……さぁ!パーティの始まりだよ?
「うむ!威勢だけは良いが……実力を伴わせてから挑むことじゃな!!!」
利根の銃が私の胴に照準を合わせる……この揺れる水面では確実に当てるには胴を狙うのが定石……。
「ちと痛いが!我慢するのじゃぞ?」
利根の指が引き金を引いた……。
恐らく威力は20cm砲並、弾速は更に速い……当たれば中破……当たり所によっては大破も有り得る凶弾が私を襲う!!
「だけど、砲弾は砲弾なんだよ!」
私は利根の砲弾に向かって主砲を放った、弾は相手の弾に命中して何処かに弾かれてしまった。
「な!!そんな事が……出来る筈は……くっ!まだ!まだじゃ!」
一瞬驚いた利根だったがすぐに第2射を撃とうと構える。
「遅い……」
私は既に利根の目の前に接近している、慌てて利根が銃を向きなおすがこの距離でもまだ銃に頼るなんて、まぁ、こいつもまた、普通の艦娘だった訳だね……。
私は利根の懐に潜り込み指に装着しておいた鋼鉄の爪で利根の脇腹を引き裂いた。
「ぬおっ!な!なんと!」
青ざめる利根の目前で爪を寸止めする。
「どうする?まだやるかい?」
「ふふ、元気一杯だぜっ!……と言いたいがどうやら接近を許した時点で敗けは見えておったようじゃの?」
利根は両手を挙げて降伏のポーズをとる。
「しかし、おぬし程の艦がおるのにこの艦隊は武勲を上げておらぬ様じゃのう?」
「私は武勲なんざ興味ないからね……それに私なんか球磨姉さんに比べればまだまだ雑魚だからね……」
「お?俺が気を失ってるうちに大井っちの百合百合第2ラウンドと多摩と利根さんの演習も終わってしまったようだな?」
「にゃ?提督?おはようにゃ!!」
「おう、多摩は相変わらず気が抜けてるな?」
提督とじゃれる様子を利根は複雑な表情で見つめることしか出来ないのであった。
続く
多摩改二の際は軽巡のままでお願いします