加賀さんの脅威から生還した俺は、この事が切っ掛けで大潮との距離が縮まりよくお喋りする様になった。
「清掃員さんは夢とかありますか!?」
「夢?」
「はい!!私はいつか素敵な旦那様と結婚するのが夢です!!」
元気一杯に返事をする大潮と接していると、俺もなんだか勇気が沸いてくる。
「ぼ、僕も……可愛いお嫁さんと……盛大な結婚式を挙げたい……なんて……」
「……」
俺の言葉を聞いた大潮は真剣な眼差しで俺の目をじっと見る。
「……あ、あの……」
「清掃員さん!!」
俺が間を持たせようと声をかけるのと同時に大潮も声をだす。
「は、はい?」
恥ずかしい事に当時の俺は女の気持ちなど毛ほども理解してはいなかった。
「……あの!!もし私の練度が99になったら……」
「……?」
もしこの不甲斐ない男が俺の目の前にいたら間違いなくぶち殺しているだろう、今の俺ならばその場で色々とおっ始めている所だ。
「わ!私と……
「え?何?……」
思ひ出とわかっているが、マジでこの男を血祭りにあげたくなったぞ!?
「お!!大潮とっっ!!!けっ!!結婚してくれますか!!!」
辺りが騒然とする。
仕方無いことだった。
得たいの知れない只の清掃員に艦隊の主力が結婚を申し込んだのだ。
「あ、あの……俺と?結婚?」
「駄目ですか!?」
「駄目だよ?」
突然俺達の背後から声をかけたのは響だった。
「響ちゃん!!今の……聞いてた?」
「聞きたくは無かったけどね?あんなに大声で叫ばれちゃね……」
成る程、今思うと確かに響は大潮を意識している様に見えるな……。
「響ちゃん?駄目ってどういうこと?」
大潮は少し悲し気な表情になっている。
「そんなのきまってるさ、艦娘が結婚を許されているのは司令官だけだからね」
提督……つまりあの糞じじいか……今思うとうちの艦隊の練度が低くて良かったぜ、下手したら皆アイツのモノになっていた可能性もあるわけだからな……。
「……それは……」
大潮のテンションが最高潮からの急降下してしまう。
「それとも?この清掃員が司令官になれるとでも言うのかい?」
響が追い討ちを被せていく。
「現在の司令官が引退するのはまだまだ先の話だよ?この前タ級を素手で倒してたからね」
「それは……」
大潮は今にも泣き出しそうなほど瞳をうるませている。
「……お、俺!!!」
当時としては自分でも信じられない程の声量が出たと思う。
「俺が提督になって!!!大潮ちゃんと結婚する!!!」
ドンッ!!と言う効果音が出たかどうかは定かではないが俺は高らかに宣言したんだ……。
そうだ……俺は確かにあの時……大潮と婚約したはずだった……。
しかし何故だろう、その後何か思い出したくない出来事があったような……記憶の彼方に仕舞い混んでしまった何か……。
「さっぱり思い出せん!!!」
「司令官!!!」
俺の背後から聞こえてきた声は、俺の心に響く程に心地好いハツラツとした声であった。
「……大潮?」
次回!!感動の再開!!!
続け!!
コレがラブコメ?いや昼メロである。