アメリカ艦隊のおかげで無事作戦海域にたどり着いた日本艦隊……。
「敵増援部隊はまだ来ていないようね?」
加賀さんが主砲を構えて辺りを見回す。
弓矢が無いので偵察も飛ばすことが出来ないのだ!!!
「戦闘区域だと言うのに随分と静かだな……」
作戦海域到達から2時間あまりが経とうとしていた。
「司令官さん!なんだか……おかしくないですか?」
大潮の疑問は声には出していないが艦隊皆の思いだろう。
確かに俺達のいる場所はM島から大分離れているが、砲弾の音1つ聞こえて来ないなんてありえるのか?
甲標的に搭載されている魚群探知機にもイワシの群れ位しか表示されていない。
「おい!提督!後方より黒煙を発見した!!……これはっ!!!」
水上偵察機を飛ばしていた元帥の表情が青ざめる……。
「元帥?どうしました?」
俺はドサマギで胸部ロケットにハイタッチならぬ、パイタッチをかましてやろうと長門元帥に突進する。
「長門?」
陸奥秘書艦のレバーブローが俺の肝臓に深刻なダメージを与える。
「……フランス最強の原子力空母、シャルル・ド・ゴール……」
長門元帥はそのまま気絶してしまった。
こんな時まで発症するとは……加賀さん、恐ろしい娘……。
「うぅ、に……日本艦隊……?」
暫くして元帥の言っていた黒煙が見えてきた。
「うっ!!!」
俺を含め艦隊全体に緊張が走る……、演習でたった1人で我が艦隊に圧勝したあの艦娘は……。
「大丈夫かッ!!!」
武蔵が慌ててシャルル・ド・ゴールに近寄る。
核搭載の艦載機を運用するあのシャルル・ド・ゴールの姿はあまりにも無惨なものであった。
「す……直ぐに撤退……して……」
行きも絶え絶え訴えるその姿は、艤装は殆ど破壊されほぼ全裸に近い状態であり、右腕は肘から先を失い止めどなく血が流れる水面を赤く染めている。
「ばっ!馬鹿なっ!こんな事が……」
俺が受けた教育では大破した艦娘は半裸状態にはなるが、そこで撤退すれば致命傷等は受けないと言うことだった。
「大破進軍したのか?」
俺は血に染まる海を掻き分けてシャルルに近寄った……
噎せ返る程の血の臭いが俺の鼻をつき、俺は思わず今朝食べたバイアグラとすっぽんを全て吐き出してしまった。
「……撤退しようとした…………世界連合艦隊……は……追撃を受けて全て……轟沈した…………この事を貴方達に…………伝えられて……よかった……提督……私もそちらに……マイリマス……………………」
そのままシャルルは満足そうな笑顔のまま、沈んでいった……。
辺りが再び静寂に支配される。
我が艦隊にとって初めて艦娘が轟沈する姿を目の当たりにしてしまったのだ……。
加賀さんは赤城の腕にしがみついている。
武蔵はシャルルが沈んだ場所をじっと見つめて微動だにしない。
「みんな!!しっかりして!!」
そんな中陸奥秘書艦が声を上げる。
「彼女の死を無駄にするつもり!?早くこの海域からてった……い……」
その時……俺の目の前には想像を絶する光景が……!!!
続くっ!!!
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