Road to ポケモンマスター ~逆襲のポケモン編~   作:鍋奉行Lv5

28 / 30
今明かされるミュウツーの過去!


ハナダの洞窟~天より愛を込めて~

ミュウツー

「…。」

 

サカキ

「ようやく、素直になってくれたか。

事の発端は十数年前、私がロケット団をまとめ上げ、組織として活動的になっていた頃だ。

当時の私はボスであると同時に化学部の班長も兼ねていた。ポケモンの生態系についての研究が主で、まだ見ぬ存在…可能性を解き明かそうと必死だった。

そこで働いていた同僚のフジという男から、1つの情報を聞き得た…。

それが、貴様の親である"ミュウ"だ!」

 

レッド

「ミュウ…幻のポケモン。」

 

サカキ

「そう、星の数ほどいるポケモンの中で極めて発見例が少ないとされる幻のポケモンだ。

私達は各地に渡り、躍起になって情報をかき集め、数年をかけてやっとの思いで生息地を割り出すことができた。

最も報告例が多かったギアナ…その奥地で我々ロケット団は念願のミュウ捕獲に成功することができた!!」

 

レッド

「そうまでして手にしたかったミュウに、一体何が隠されてたんだ…。

全てのポケモンの祖だって言われてたのは聞いた覚えがあるけど…」

 

サカキ

「そこが肝心なのだよ!

全ての始まり…つまりそいつを軸として派生していく幾多の進化、成長、発達!!

ミュウを調べることで、何が生まれるのか、その期待に胸が膨らむ一方だった!

…しかし、貴重な母体を無闇やたらにいじる訳にはいかない、それは私だけでなく他の者も同じ考えだった。」

 

ミュウツー

「ダガ、貴様ラハ実行シタ!!

所詮、人間ニ慈悲ナドナイノダヨッ!」

 

サカキ

「それはお前の勝手な思い込みだ。」

 

ミュウツー&レッド

「!?」

 

サカキ

「ある日、研究に行き詰まった我々にミュウはテレパシーを用いて頭の中に語りかけてきた…。」

 

~回想~

 

研究員(A)

「うわぁっ、頭の中から声が聴こえてくるぞっ!?」

 

研究員(B)

「お、俺もだ!何がどうなっているんだ!?」

 

フジ

「これはっ…!サカキ!!」

 

サカキ

「あぁ、間違いない…ミュウの仕業だ。

恐らく、テレパシーによるものだろう。

…で?何の用で話しかけてきた。」

 

ミュウ

「貴方達ノ日頃ノ研究、常ニ見テイマシタ。

私ヲ調ベタイノデショウ?ドウゾオ構イ無ク、遠慮セズトモ結構デスヨ?」

 

サカキ

「随分とまぁあっさりしているなぁ、話が上手く出来すぎている。」

 

ミュウ

「…。」

 

フジ

「ほれ、黙っていては何も伝わらないぞ?

折角こうしてテレパシーを通じて我々と交信できるのだから、遠慮しなくてもいいのはお互い様だ。」

 

ミュウ

「…子供。」

 

小さくか細い声で呟く

 

研究員(C)

「恥ずかしがってないで、俺みたいに大きな声で喋ってみなよ!」

 

サカキ

「貴様は少し喧しい…。」

 

ゲラゲラと笑う一同

その温かい空間に心の蟠りが解けたのか、ミュウは勇気を振り絞って口に出す

 

ミュウ

「…子供ガ欲シイ!

私ダケノ、オリジナルノ子供ガ!!」

 

研究員(A)

「ははっ!ポケモンの交配だって!?そんな喉から手が出るくらいの化学の結晶をましてや幻のポケモンで行うだなんて、夢のまた夢!

…ですよねぇ、サカキさん!?」

 

フジ

「サカキ…何か打つ手はないだろうか?」

 

サカキ

「できなくはない。」

 

一同

「なっ!?」

 

サカキ

「過去例がないならやってみるしかないだろう。それには人為的な遺伝子操作が外せない。

ただ…、現在の化学技術では間違いなく支障が出る。下手をすれば失敗だって考えられる、まさにハイリスクハイリターンとなるが、それでも自ら実験台になる覚悟はあるか?」

 

ミュウ

「私ダケノ子供ヲ産ムコト、ソレガ私ノ願イダカラ!」

 

サカキ

「ふっ…いい度胸だ!

よし、早速このミュウの血液から遺伝子情報及び、適合する受精卵を生成するのだ!!」

 

ーーーーー

 

サカキ

「こうして毎晩遅くまで机に向かう日々が続いた。

試行錯誤、挫折、この時の我々は表の活動を控え、ミュウの研究だけに専念していたな…。

そして2年の月日を費やし、どうにか人工卵を作る事に成功した!」

 

~回想~

 

研究員(C)

「…はぁ、やった。遂にやったぞぉーっ!!

後はこの受精卵をミュウの胎内に入れれば、完成だ!」

 

フジ

「しかし、1つだけ不安な点がある…。

ミュウの体に適合させる為に、遺伝子改造という人の手を加えすぎたこの受精卵がミュウに副作用を起こさなければよいがな。」

 

サカキ

「…本当にいいんだな?止めるなら今の内だが?」

 

ミュウ

「待望ノ子供デスモノ…、多少ノ痛ミナラ耐エテミセル。

ソレガ母親ノ強サデスカラ!!産マレテクル子ニ弱イ姿ハミセラレナイ!」

 

サカキ

「ポケモンながら、尊敬に値する。

では…始めるぞ!」

 

・・・

 

研究員(B)

「産まれました、無事に産まれましたよ!!」

 

サカキ

「すぐに培養カプセルに入れるんだ!

栄養剤、体温調節を怠るなよ…!」

 

フジ

「これがミュウオリジナルの子供…ミュウJr.…、"ミュウツー"だ!!」

 

ミュウ

「ナンテ逞シイ子…。

皆ヲ守ル強イ子ニ育ッテ…ウッ!」

 

研究員(C)

「サカキさん!ミュウの容態が急激に悪化、恐らくは副作用によるものだと思われます!」

 

サカキ

「全て問題なく終わらせてはくれなかったか…!」

 

研究員(C)

「心拍数低下!どんどん落ちていきます…このままだとっっ!」

 

サカキ

「我々だけ喜びをあげて、こいつだけ不幸にだなんて真似…絶対に許さんぞ!

何としてもこのミュウを救うのだ!」

 

研究員(C)

「しかしっ…、打つ手ありません!!」

 

フジ

「どいておれ!!出てこい、マルマイン!【電気ショック】で心臓マッサージするんだ!!」

 

激しくミュウに電気マッサージを与えるが、電気音と小さくなっていく心拍数だけが非情にも虚しく響く

 

ミュウ

「子供(ミュウツー)ヲ…頼ミマス…ネ。」

 

サカキ

「死ぬなぁぁぁっ!!!!

くそぉっ!レアコイルっ、エレブーっ、【電気ショック】だぁっっ!!」

 

ーーーーーーー

 

ミュウツー

「ソウカ、私ノ親ハコイツラ人間ノ欲ニ騙サレタンダナ。

フン、情ケナイナァッ!幻ノポケモンガ聞イテ呆レルワッ!!」

 

サカキ

「…本当に弱いな、貴様は。

親と違って聞き分けが悪く、幼少の頃から自我に溺れ、挙げ句の果てには暴走。

親から受け継いだ能力を振りかざす始末。

貴様の親はなぁ、自らの命を賭してまで貴様という新たな命…ポケモン界での新種を産んだ偉大なポケモンだったのだよ!!

…世間から貴様は、悪魔と罵られているが、実際は人とポケモンが手を結び、協力して誕生させた希望そのもの!架け橋だったのだよ!」

 

ミュウツー

「!!」

 

サカキ

「闇の塊?…違う、貴様は親からたっぷり注がれた愛の塊だった!!」

 

ミュウツーの肩に入っていた力がどっと抜け、どす黒く纏った殺気が浄化されていくかのように洞窟内の空気が澄んでいった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。