鷲巣は龍門渕高校の入学式に参加していた。
理事長らしき人物の長い長い話と共に入学式が終わり各々の教室に移動する。
その後教員の話もほどほどに今日は解散となった。
(ようやく終わったか…まさかこの歳でもう一度高校生活をすることになろうとはのぉ…
甘いものでも食べに行くか…この体になってから甘味が欲しくてかなわん。)
結構うまく女子高生をやっていけそうな鷲巣であった。
カラオケだのなんだの誘いを全て断り帰ろうとする鷲巣…その時1人の少女とすれ違った。
(うぬ~透華め!衣を置いて先に行くとは…)
(ケーキにするか。いや和菓子も捨てがたい…)
その瞬間2人の間に電流走る…それは強い者同士が惹かれあうような感覚…
(な、なんだこれは!?この感覚は始めてではないが…ここまで強烈なのは一度たりとてなかった…此奴は一体…?)
(ほう…こんな小娘がこれ程の力を…少なくともただの凡夫ではないな…)
一瞥し先を急ごうとする鷲巣。だが袖を引っ張られ振り返る。そこには先程の少女がいた。
「なんじゃ…小娘。」
「こ…こむす…衣は小娘ではない!立派なお姉さんだ!」
(とてもそうは見えんが…)
「と、こんなことを言っている場合じゃない。お主…麻雀は打てるか?」
「まあ…人並みにはの。」
一刻も早く甘味をむさぼりたい鷲巣は適当にあしらおうとするが…
(嘘だ…でなければさっきの説明がつかない…この者ならばなってくれるかもしれない…衣の莫逆の友に…)
少女には通じなかった。
「……すまぬ。ちょっとこっちに来てくれ!」
「ぬ…」
少女に袖を引っ張られる鷲巣。振り払うこともできたが流石にはばかられた。
暫く歩き、着いたのはやたら装飾めいた「麻雀部」と書かれた看板がぶら下がっている部屋。
「ここだ!」
そう言うなり少女はドアを開ける。
「衣!遅かったですわね…あらそちらの方は?」
「衣が連れてきた!」
「いやそれは見れば分かりますが…見たところ1年生のようですわね。お名前は?」
「名前は…名前は…聞いてない…」
「名前も聞かずに連れてきましたの!?」
暫くすると金髪の少女が鷲巣に話しかけてきた。
「すみませんわ…うちの衣が…」
「まあ…構わん。」
「それより衣があなたをここに連れてきたということに興味がありますわね…お名前は?」
「鷲巣…衣和緒…」
「衣和緒というのか!私は衣!天江衣だ!」
先程まで怒られていたのかしょげていた少女…もとい天江衣が会話に割り込んでくる。
「私
「はあ…」
「衣和緒!早速打とう!」
衣が衣和緒の腕を引っ張る。その先にはしっかりとした麻雀卓があった。
「ですが面子が1人足りませ「うぃーす」…揃いましたわね。」
ドアが開き、やたら背の高い女?が入ってくる。会話から察するに彼女も麻雀部員のようだ。
「おう透華。衣。誰だそいつ?新入部員か?俺たちも先輩か…」
「純!打ちますわよ。早くいらっしゃいな。」
「説明もなしかよ…まあいいや。よろしくな!名前は?」
「衣和緒…」
馴れ馴れしく話しかけてくるので少しイラつきながらも今日何度もした自己紹介(名前だけ)をする。
「そうか。衣和緒か!俺は井上純だ。まあ楽しもうぜ。」
しかし純はそんな鷲巣の様子に全く気づいてないようだ。
「ルールは半荘戦のアリアリ。赤4枚でいいですわね。」
鷲巣は雀荘で赤ドラありで打ったことがあるが面白いと思っていた。単純にドラが8枚となり高打点を作りやすい。
役牌のみでもドラ、赤ドラ次第でハネ満にも化ける。要するに場が荒れやすい。
つかみ取りの結果
東家 井上純
南家 天江衣
西家 龍門渕透華
北家 鷲巣衣和緒
…となった。
(なぜこうなったかは分からぬが………こんな小娘どもに負けてはいられん…そこそこやるようじゃがの…)
次回から闘牌始めます。衣の喋り方難しい…
鷲巣は闘牌中以外は割と穏やかです。(じゃないと日常生活送れへんし…)