魔法少女リリカルなのは -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs-   作:龍牙

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Battle010

「くらえぇ!!!」

 

 タイタンドライセンが叫び声を上げて大戦斧となった獅子の斧を横凪に振るう。

 

「グワァァッ!」

 

 慌ててそれを避ける號斗丸と法術師ニュー、剣士ゼータ。力に特化しているわけでは無い彼らにとって、正面から受け止めると言う選択肢は最初から存在して居ない。だが、闘士ダブルゼータだけがそれを正面から受け止めようとしてしまう。

 結果、闘士ダブルゼータは受け止めきれずタイタンドライセンの振るう大戦斧によって吹き飛ばされてしまう。

 

「ダブルゼータ!」

 

 吹き飛ばされた闘士ダブルセータの名前を叫ぶ。パワーファイターだけあって法術師ニューや剣士ゼータよりも丈夫なダブルゼータだが、タイタンドライセンの一撃のダメージは大きいだろう。

 

「次はオレの番だ!」

 

「「っ!?」」

 

 號斗丸達を黒い影が覆う。禍々しく変貌した龍の盾を持ったワイバーンバウが號斗丸達へと襲い掛かる。

 元々が騎士であったワイバーンバウが素手で有る事を疑問に思うが、それは直ぐに氷解する。

 片手から腕と一体化した剣が伸び、それを振るって襲い掛かる。

 

「ジオン剣術、乱れカマイタチ!!!」

 

「「うわぁぁぁぁあ!」」

 

 ワイバーンバウの姿が消えたと思ったら、同時にそれぞれの武器を構えていた號斗丸とゼータの体を文字通り無数のカマイタチが襲う。

 

「司、ゼータ!」

 

 姿が見えないほどの速度で動き回っているワイバーンバウへと梟の杖を向けるが、ニューが魔法を使うよりも早く、

 

「なにっ!?」

 

 突然薄い赤色の鎖がニューを拘束する。

 

「ふふふ……ずいぶん便利なものね、この世界の魔法と言うものも」

 

クロノとの戦いで学んだ拘束魔法(バインド)でニューを拘束したゴルゴーンキュベレイは愉快そうに哂う。

 

「悪いが、オレも遊んでいたわけじゃない」

 

 ニューは即座に己へと掛けられたバインドを解除するが、ゴルゴーンキュベレイもその程度は予想していたのだろう、驚く事無く次の行動に移る。

 

「連弾、『ブレイズキャノン』!!!」

 

「なっ!?」

 

ゴルゴーンキュベレイの周囲に出現した無数の魔力弾が一斉にニューへと襲い掛かる。その魔力弾の一つ一つがクロノと戦った際にコピーしたクロノの魔法である『ブレイズキャノン』だ。その連射性に反して破壊力は一つ一つが元と同等の物を持っている。

 ゴルゴーンキュベレイの力量か、黒い梟の杖によって強化されているのか、その両方なのか、明らかに本来の使い手以上の物となっている事だろう。

 

「っ!? アイフィールド!」

 

 とっさに防御魔法を展開させる事でそれを防ぐが、ニューはゴルゴーンキュベレイの攻撃に曝された状態で、動きを封じされてしまう。

 

「ムービガン!」

 

「くっ!」

 

 更に元々扱えるスダ・ドアカワールドの魔法を弾幕へと上乗せする事で、ニューへの攻撃の圧力が増す。何とか反撃の好機(チャンス)を伺っていたニューだが、少しずつそれを削られているような感覚を覚える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ……この野郎」

 

 巨大な戦斧と化した漆黒の獅子の斧を受け止めながらダブルゼータはゆっくりと立ち上がる。

 

「流石に丈夫だな、ダブルゼータ。だがな……」

 

「っ!?」

 

 タイタンドライセンの言葉と共にダブルゼータの体が浮かび上がる。そしてそのまま大戦斧毎床に叩きつけられる。

 

「今は力もオレの方が上なんだよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうする、號斗丸? 状況はこっちに不利だ」

 

「確かに」

 

 龍の盾でワイバーンバウの攻撃を防いでいるゼータが同じ様に二刀で防いでいる號斗丸へと話しかける。見れば、ダブルゼータとニューも完全に自分の得意分野で相手に圧倒されている。

 力には技、技には魔法、魔法には力と言うがモンスター化した事によるパワーアップは完全に相手の得意分野で相手を圧倒している。

 

(……一人でも倒せれば何とかなるだろうが、この状況は危険だ……)

 

 號斗丸は反応のない司の事を考えながらそう思う。例によってなのはに対するトラウマによる能力の低下……四つの大戦を戦い抜き、武者としては上位の実力者である號斗丸とスダ・ドアカワールドの伝説に刻まれる剣士ゼータ。二人がタッグで戦っている以上モンスターMSと化したバウを相手にしたとしても本来なら、こうも一方的な展開になる相手ではない。

 

 最大の問題は司のトラウマによる負担とそれによる號斗丸の戦闘力の低下。司の扱うコールの魔法によって召喚されたアルガス騎士団は、司と一体化している號斗丸がやられればカードに戻るだけだ。

 

(……何とかこの場を切り抜けられれば……)

 

 號斗丸かゼータのどちらかがダブルゼータに加勢できれば逆転の芽は出てくる。元々タイタンドライセンは翻弄される技には弱いのだから、技に特化している二人の何れかが加勢できれば優位になる。

 

 だが、ワイバーンバウもゴルゴーンキュベレイもバカではない。……タイタンドライセンについては微妙だが。

 ゴルゴーンキュベレイはニューが號斗丸達への援護出来ないように飽和攻撃と呼べる攻撃でニューを釘付けにしている。また、ワイバーンバウも號斗丸とゼータの動きを封じた上で攻撃を続けている。

 恐らくはゴルゴーンキュベレイもワイバーンバウも相手との決着を急ぐ事、大技を使う事で生じる隙を避け、ダブルゼータがタイタンドライセンに倒されるのを待っているのだろう。

 ……確実に勝利するためとは言え、己の宿敵との一対一での決着を諦めている辺り、この二人のドライセンへの評価がちょっとだけ理解できてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよう、ユーノ君!?」

 

「このままだと彼らが危ない……けど」

 

 なのはの言葉にユーノは言葉に詰まってしまう。

 三対一とは言え時空管理局の執務官相手に一方的には勝利する時点でジオン三魔団の恐ろしさは改めて“正しく”理解できた。

 実際、ユーノ自身『恐ろしい相手だけど、管理局の魔導師が来てくれれば大丈夫だろう』と考えていた。だが、能力だけでなく、経験でも上回っている上に相手の命を奪う事に躊躇も無い。実際、號斗丸やゼロの力を借りたとは言えなのはのクラスメイトである司が倒して来た事によって生まれた考えなのだろうが、今回の事で改めて相手の危険性を理解できた。

 

 だからこそ、號斗丸とアルガス騎士団が苦戦している状況を見て、高い魔力や才能があるなのはや、禄に戦うことも出来ない自分では何の役にも立たない事は理解できた。

 

(……考えるんだ……何か、何か有るはずだ)

 

 

 

―……の……り……です―

 

 

 

「え?」

 

 思わずユーノは何処からか聞こえた声に反応して周囲を見回すが、声の主は何処にも居ない。

 

「どうしたの?」

 

「な、なんでもないよ」

 

 ユーノの様子を疑問に思ったなのはがそう問いかけると、ユーノは慌ててそう答える。既に傷付いたクロノは床に寝かせ、封印の終ったジュエルシードはレイジングハートの中に収納済みだ。

 

 好機(チャンス)を伺っていたユーノの視界の中にニューと戦っているゴルゴーンキュベレイの姿が映る。

 

(……あの赤い奴以外にはなのはの魔法でも当たる可能性がある。だけど、あの青い奴は当て易くても効果が薄い)

 

 以前ジオン三魔団と戦った時の事を必死に思い出す。あの時の経験を元にこの場で出来る最善の一手を選ぶ。安全を優先するのなら一刻も早く此処から逃げてしまえばいい、だがそれは出来ず、それに失敗したら間違いなく自分達も危険になる。だからこそ、この一手を間違える事はできない。

 

(この場で援護するのに……最善なのは……)

 

 なのはの魔法が当たる可能性が高く、最も大きい効果が見込めるのは……

 

(一番攻撃に弱いのは……あいつだ)

 

 そう推測した結果、ニューと戦っているゴルゴーンキュベレイへと視線を向ける。

 

「なのは、よく聞いて……」

 

「うん、分かったよ、ユーノ君!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???SIDE

 

「ここは……」

 

 数枚の掌サイズの長方形状の光る何かが浮かぶ空間……その中の一枚を手にとって見て分かった事だが、どうやら一枚一枚がガンダム達の眠っているカードの様だ。

 

「何でこんな所に……」

 

 そんな疑問を思う。先程までモンスターMSとなったジオン三魔団と戦っていたのに、何時の間にかこんな所に居ればそう思うのも無理しないだろう。恐らく、誰かに呼ばれたのだろうが……。

 すっかり、ガンダム達によって異常な状況への適応能力が上がっている司だった。

 

 その内の四枚のカードだけが光るのではなく輝きを放っている。恐らく、今回目覚めたガンダム達の眠っているカードなのだろう。戦闘中なので話しかけるのではなくこうして呼び出したのだろう。

 

 手元に現れたカードは四枚、これがどんな形で力になってくれるか分からないが、少なくとも……

 

「これで何とかなる……かな?」

 

 ちょっと自信が無い司だった。何故か先程手にしたカードが『大丈夫、大丈夫だから』とでも言うように輝いていたのには気付いていなかったりする。

 

 

SIDE OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今だよ、なのは!」

 

「うん! ディバィィィィィィィィイン……バスター!!!」

 

 ニューへと攻撃を仕掛けながら気付かぬ内になのはの射線へと移動していたゴルゴーンキュベレイへと砲撃魔法(ディバインバスター)を放つ。

 

「っ!?」

 

 とっさに攻撃の手を止めて防御魔法(アイフィールド)でそれを防ぐが、その威力は無視できるものではないのだろう、少しずつ押されていく。そして、なのはのディバインバスターの魔力光の中に飲み込まれ、

 

「……やってくれるわね、小娘……」

 

 微かに体を焦がしながらも、明らかに軽傷と呼べる程度のダメージしか受けていないゴルゴーンキュベレイの姿が現れる。

 

「あっ……ああ……」

 

 文字通り蛇に睨まれたなのはは叩きつけられる殺気に思わず動きを止めてしまう。だが、

 

「今です!!!」

 

「ギガファン!!!」

 

「っ!?」

 

 ニューの魔法がゴルゴーンキュベレイと同時に號斗丸とゼータと戦っているワイバーンバウへと放たれる。

 

「「良し!!!」」

 

 ニューの魔法によって全身を焼かれたワイバーンバウの動きが止まる。その瞬間を逃す事無く、號斗丸とゼータはその場を離脱する。同時に、

 

「ガンダム剣法、波動剣!」

 

「ぐわぁ!!!」

 

 空を斬った筈のゼータの放った一閃がワイバーンバウの体を切り裂く。

 

「今だ、號斗丸!」

 

「ああ!」

 

『その前に……』

 

 なのはの攻撃から始まるガンダム達の反撃……ゼータがワイバーンバウの足止めをする事を聞けた瞬間、司の声が響く。そして、號斗丸の手の中に現れる三枚のカード。それが意味する事は……

 

『コール!』

 

 新たに目覚めた仲間達が居るという事だ。その内の一枚から現れたのは一機の戦闘機……何処と無く天宮の国の物と言う印象を与えるそれは號斗丸を乗せる。

 

「まさか……鋼丸、お前なのか?」

 

『ああ、久しぶりだな、號斗丸』

 

號斗丸の親友である一号機である鉄機武者『鉄機武者 鋼丸』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ、貴様ぁ……!」

 

 ゴルゴーンキュベレイが梟の杖を翳すが、それよりも早く司によって召喚された新たなガンダムが、

 

『聞け! 雷の雄叫びを!!!』

 

 現れるのは特徴的な形をした矛を持った赤い鎧のガンダム。

 

「爆裂! 大雷蛇!!!」

 

 雷を纏う矛がゴルゴーンキュベレイを切り裂く。

 

「よう、あんた、オレも加勢させて貰うぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「野郎……」

 

「今度こそ、砕け散れダブルゼータ!」

 

 ダブルゼータへとトドメを刺そうと大戦斧を振り下ろすが、それよりも早く緑の影がダブルゼータの前に立つ。

 

『見よ! 鬼の牙の昂ぶりを!!!』

 

 重圧で巨大な刃を持った長柄の刀を持ち鬼を思わせる面を着けた黒い髭の緑の鎧を纏ったガンダム。

 

鬼牙(オーガ)、百烈撃!!!」

 

 一秒間に放たれる百の突きの圧力は大戦斧となった漆黒の獅子の斧を弾き返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なに!?」

 

 新たな敵の出現に驚きを露にするワイバーンバウだが、直ぐに意識を切り替え目の前に居る剣士ゼータへと向かう。

 

「貴様等だけでも!」

 

「くっ!」

 

 ワイバーンバウの剣戟を受け止める剣士ゼータ。そんなゼータに加勢する形で新たなガンダムの姿が現れる。

 

「星! 龍! 斬!!!」

 

 星の軌道を描きつつ放たれた斬激がワイバーンバウを切り裂く。そして、新たに降りるのは赤、青、白の三色に彩られた鎧を纏ったガンダム。だが、目を引くのは彼の持つ二刀の内の一本、神々しい輝きを持った金色の剣『龍帝剣』。

 

「あ、新しいガンダムだと、もう目覚めたというのか!?」

 

「例え、異国……いや、別の世界とは言え、罪の無い人々を苦しめる様な奴を、オレは許さない!」

 

 その名は、戦乱の世に於いても真なる正義を持ち続けた漢、この世界に於いても同じ名を持つ英雄の存在する猛者の一人、龍帝の魂を継ぐ者『劉備ガンダム』。

 

 そして、その義兄弟たる『張飛ガンダム』、『関羽ガンダム』。

 

 號斗丸の親友、鋼丸と共に新たに目覚めた三人のガンダムこそ、『三璃紗(ミリシャ)』に存在する三国の一つ『翔』を治める英雄達。

 

 これこそが、反撃の狼煙たる三璃紗の英雄の目覚めである。




今回登場のSDガンダム

・モンスター騎士ワイバーンバウ
 モチーフ:バウ+ワイバーン
出展:オリジナル
 騎士バウが漆黒の龍の盾に秘められていた力で変貌したモンスターMS。元々の俊敏性にワイバーンの戦闘力が加わっている。禍々しく変貌した龍の盾は腕と一体化し、同じく腕と一体化している剣が武器。

・モンスター闘士タイタンドライセン
 モチーフ:ドライセン+タイタン
出展:オリジナル
 闘士ドライセンが漆黒の獅子の斧に秘められた力で変貌したモンスターMS。元々の力により強靭な力と防御力を得た。大戦斧に変貌した獅子の斧が武器。

・モンスター呪術師ゴルゴーンキュベレイ
 モチーフ:キュベレイ+ゴルゴーン
出展:オリジナル
 呪術師キュベレイの正体であるモンスター・メデューサキュベレイが漆黒の梟の杖に秘められた力によって強化されたモンスターMS。メデューサキュベレイの能力に飛行能力が加わり、クロノとの戦いで盗んだミッド式の魔法も操る。禍々しく変貌した梟の杖が武器。

・劉備ガンダム
 モチーフ:ガンダム
出展:SDガンダム三国伝
 龍帝を継ぐ者。本作の主人公。三璃紗の北部、幽州の楼桑村出身の若きサムライ。かつての白龍頑駄無(白龍大帝)同様、遥か昔に三璃紗を治めていた古代の英雄・三侯のひとりである龍帝の血をひき、その魂を受け継ぐ若者。決して悪を許さず、正義のためには何者にも恐れず立ち向かう侠の中の侠で、義に厚く頼れる兄貴分として慕われ、彼の元に多くの武将達が集う。曲がったことが大嫌いな熱血漢だが、当初は若さと義侠心ゆえに直情のまま行動しがちであった。普段は優しい陽気な性格だが、楽天的なお人よしでもあるため、ややドジで天然ボケな一面もある。本作ではカードの中から鋼丸と共に義兄弟である関羽と張飛と共にコールの魔法で召喚される。

・張飛ガンダム
 モチーフ:Zガンダム
出展:SDガンダム三国伝
 無双の戦刃。関羽とともに劉備を支える義兄弟。細身ながら怪力を持つ屈強の武将。口が悪く、クールで孤高の戦士を気取っているが、おっちょこちょいで喧嘩っ早く、涙もろいという一面もあるなど、基本的に根は優しく弱い者を見捨てておけない誰よりも熱い心を持つ侠である。楽天的な劉備や冷静沈着な関羽のペースに巻き込まれることが多いが、心の底では彼等を信頼している。何気にZガンダムがモチーフのキャラクターの中では珍しい例だったりする。本作ではコールの魔法で召喚された。

・関羽ガンダム
 モチーフ:ZZガンダム
出展:SDガンダム三国伝
 鬼髭の大武勇。冷静沈着にして大胆不敵、礼節と武勇を兼ね備えた天下に並ぶ者なしといわれる豪傑で、軍師としても活躍している。その腕っ節と男気あふれる性格は、敵である曹操からも大いに気に入られている。一人称は「拙者」。兜の前立てにつけている鬼面(ハイメガキャノン砲)は、彼が本気状態の時に装着する、鬼神の力を宿すと言われる。本作ではコールの魔法で劉備、張飛と共に召喚された。
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