魔法少女リリカルなのは -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs-   作:龍牙

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Battle015

『『「っ!?」』』

 

 その日、突如ゼロだけでは無く司や號斗丸にも感じ取れるほど強大な魔力が発生した。

 

『オレだけじゃなくて、お前達にもはっきり分かるほどの魔力……ジュエルシードの一つや二つじゃないぞ、これは』

 

「幾つも同時って……まさか!?」

 

 残りのジュエルシードの数は大体予測していた。同時に落下した範囲がこの町の中だけとしても、陸地だけで有ると限らない……寧ろ、落下する可能性が高い場所は海である可能性も、だ。

 

『どうやら、司の推理が最悪な可能性で当たっていたと言う事だ』

 

「……はぁ、悪い方ばっかり当たるよね、ぼくの考えって」

 

 號斗丸の言葉で思わず溜息を吐く。最悪の事態として多くのジュエルシードが海に落ちていたと推理していたが、最悪な事にその推理は当たってしまっていたのだ。

 悪い事にガンダム族の九割は海での戦闘に弱い。水中での戦いが得意なのは極一部の者達(主に“コマンドワールド”の『ガンダイバー』とか)だけになる上に、その極一部はまだ目覚めてさえ居ない。

 そんな訳で海中に落ちたと思われる分のジュエルシードはその範囲の広さと探索方法の無さで困っていたのだが、悪い事にその手段を見つけるよりも早く発動してしまったと言う訳だ。

 

「行くよ……武者へ……何あれ?」

 

『竜巻と雷……だな』

 

『間違い……無いな』

 

 部屋の窓を開けて號斗丸に変身して飛び出そうとした時、思わず窓の外の景色に唖然としてしまう。

 …………普段と変わらない町の景色の背景に……丁度海の方向には此処からでも竜巻と雷が荒れ狂っているのが良く見える。まだモンスターでも出現してくれた方がマシと言える。どうやって自然災害を相手に戦えば良いのか心底悩みたくなるが、今は悩んでいる暇など無い。

 

 そして、何より……

 

(ぼくの直感が悪い事に限って当たるって言うなら……)

 

 海の方向には司の直感が告げている。ジュエルシード六つ程度等(・・・・・・・・・・・・)比べる事さえ出来ない強大過ぎる何かが居る、と。

 その直感を裏付ける材料も揃っている。少なくとも、此処からでもジュエルシードの発動が分かるほどで有る以上結界は存在して居ない。その点を考えるとなのは達と管理局、フェイト達の二組の可能性は消える。恐らくはジュエルシードの存在を知っていて、存在が大勢に知られる事もそれによって起こる被害も、一切考慮する事のない者達……闇の化身の配下によるものだろう。

 

「……闇の化身……」

 

 そんな推測を組み立てると自然とそんな言葉が口から零れた。

 

『司、どうかしたのか?』

 

「え? あ、うん、大丈夫。改めて……行くよ、二人とも」

 

『『ああ』』

 

「武者変化!」

 

 司の姿が號斗丸へと変わる。そして、

 

『コール!』

 

「鋼丸、頼む!」

 

「ああ! 転身、目牙守羽多(メガシューター)!!!」

 

 カードより召喚される鋼丸が目牙守羽多へと変形し、號斗丸は飛行形態へと変形した鋼丸へと搭乗する。

 

 目牙守羽多へと変形した鋼丸のスピードなら直ぐに目的地まで辿り着くだろう。まあ、號斗丸を乗せて高速で飛行する鋼丸の姿は、多少は目立つだろうが大半の人は飛行機と誤認してくれるので問題は無いだろう。

 

 號斗丸と鋼丸が海へと向かっていると、その途中で先程まで荒れ狂っていた竜巻と雷が消える。封印された様子がない事から誰かが結界を張ったのだろう。

 

『コール!』

 

 それを確認して新たに召喚するのは法術師ニュー。

 

「事情は分かっている、急ぐぞ。ターン!」

 

 ニューのターンの魔法による転移がニューと共に號斗丸、鋼丸を結界の内側へと転移させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

 海上へと転移された號斗丸は突然の突風に一瞬吹飛ばされそうになるが踏み止まる。

 

「流石に近くだと飛び難いな」

 

「流石にこの風だとな」

 

 そもそも魔法で飛んでいるニューとは違い鉄器武者である鋼丸は基本的に科学の技術で飛んでいるのだ、当然ながらニューと違って風の影響を受け易い。しかも、その上に乗っている號斗丸はある意味では鋼丸以上に、だろう。

 騎士ガンダム世界の機兵に付いては、飛行能力に関しては二分出切るだろうから論外としておくが、主に明らかに技術の違う主役機が。

 

「それにしても、ジュエルシードのある場所からは離れているな」

 

「流石にあそこに急に転移したら、一歩間違えると海に落ちると思ったからな」

 

「確かに」

 

 ニューの言葉に思わず納得する號斗丸。やはり、水中・海上と言う戦場は不利と言うしかない。

 

『今はそんな事を話している暇は無いよ』

 

 司の言葉に號斗丸達は其方へと視線を向ける。其処ではフェイトが必死になって竜巻と雷を避けつつ何とかジュエルシードを封印しようとしていた。……付け加えると、アルフはもっと必死になってたりする。

 

((アルフさん……))

 

 彼女達の自宅に案内された時に唯一アルフの身に起こった事を(聞こえた声からの推測レベルだが)知っているだけに心底同情する號斗丸とゼロだったりする。

 

「ああ、急ごう」

 

 

 

『その必要は無いよ』

 

 

 

 號斗丸達の前にクロノが映し出されているモニターが現れる。

 

「クロノ・ハラオウン?」

 

 

 

『放っておけば彼女は直に力尽きる。その後で彼女とジュエルシードを保護すれば良い』

 

 

 

「「「はぁ?」」」

 

 冷たく言い放つクロノに呆れた声を出す。そんなクロノの言葉に呆れた様な声を上げるガンダム達だが、そんな彼らの心境を知ってか知らずか、それに続くようにリンディが言葉を続ける。

 

 

 

『残酷かも知れないけど、私達は常に『最善』の方法を取らないといけないの。残酷かも知れないけど、これが現実……』

 

 

 

「黙れ、外道!」

 

 

 

『なっ!』

 

 

 

 通信を通じてでも分かる程の怒気が込められた號斗丸の言葉に思わずリンディはそんな声を上げる。

 

 

 

『げ、外道って私達は……』

 

 

 

「お前達はロストロギアが暴走した場合、最悪世界が一つ消滅したとも、ジュエルシードは一つでも次元震と言う災害を起す力を持っているとも言っていたな」

 

 

 

『え、ええ……』

 

 

 

 最初に時空管理局についての説明した時に一緒に行なったロストロギアについての説明だ、忘れる訳がない。

 

「そんな危険な物が、こんな町の近くで発動しているのに、お前達は彼女とロストロギアの確保の為に町への被害を無視する……お前達の『最善』の中では長時間六つもあれが暴走している事で起こる事態は全て“無視できる被害”と言うんだな」

 

 

 

『っ!?』

 

 

 

 號斗丸のその言葉で全て理解してしまった。下手に彼女が力尽きるまで待っていたとして、町に被害が出る危険を見過ごしていた訳でも無かったが、それでも……號斗丸達にして見れば周囲の避難を促さずに爆発物の処理を行なうのに等しい行為だと言う事に。

 しかも、それを『最善』等と言ってしまった。いや、せめて自分達の対応を話した上でならまだ良かったかも知れないが、僅かに話しの順番を間違ってしまったのは信頼関係に罅を入れるには十分過ぎるミスだ。

 

 

 

『そ、そんな事はありません! 私達は』

 

 

 

「黙れ!」

 

 

 

『ひっ!』

 

 

 

 慌てて弁明しようとしたリンディの映し出されたモニターを號斗丸の刀が貫き、彼の怒り満ちた視線がリンディを射抜く。

 

「お前達が信頼に値しない連中だと言う事がよく分かった。あの時の言葉は撤回させて貰う、お前達の様な外道に協力する気は無い」

 

 

 

『そんな!』

 

 

 

 急いで弁解しようとするが號斗丸達はこれ以上の問答は時間の無駄だとリンディの声を無視してフェイト達の所へと向かう。

 

 

 

『待ってください、私達はそんな心算で……』

 

 

 

 己のミスを悟って慌てて弁解しようとしても相手は取り合ってはくれない。いや、下手にこの状況で弁解しようとしても良い結果等得られないのは分かっている。最悪すぎる失敗をしてしまったと、嫌でも理解してしまった。

 その後、先程の会話を聞いていたなのはにも不信感を持たれてしまって、彼女の心もリンディ達から離れてしまうだがそれはまた先の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結界の中に有る黒い影は號斗丸達の転移を見て笑みを浮かべる。己の宿敵が現れた事への笑みを。そして、黒い影……『闇皇帝』は六つの竜巻の中に有るジュエルシードへと手を翳す。

 

 そんな中力尽きたフェイトに竜巻の一つが迫ってくる。

 

「……ごめんなさい」

 

「『メガバズ』!」

 

 フェイトに迫っていた竜巻にニューの放った魔法が直撃し、一時的に竜巻を消し去る事に成功したのだが、直に再生する。同時にメガバズの魔法と竜巻がぶつかり合った時の爆風に吹飛ばされそうになるフェイトを目牙守羽多に乗った號斗丸が助ける。

 

『ニューさん、お願いします』

 

「ああ。ギガファン!!!」

 

 広域に降り注ぐ稲妻が彼らを囲んでいた竜巻をなぎ払っていく。

 

「つ、司? なんで……」

 

「話は後だ。一度下がって体勢を立て直す」

 

 フェイトを抱きかかえながら號斗丸とニューはアルフも含め一時避難する。

 

「ん?」

 

 一度その場を離れようとした時妙な疑問を感じる。

 

『可笑しい……さっきは再生したはずの竜巻が、今度は全然再生しない』

 

 司の言葉が彼らの抱いた疑問の招待を告げていた。竜巻が再生する様子も無い。

 

「あれを見なよ」

 

 アルフの言葉に視線が集まる。そこには六つのジュエルシードが封印されるでもなく浮かんでいた。

 

「気を付けろ……何か嫌な予感がする」

 

 梟の杖を構えながら六つのジュエルシードに起こっているであろう異変をニューは警戒するが、その異変の正体は直ぐに明らかなる。

 

 六つのジュエルシードに黒い影が纏わり着くと再度ジュエルシードの暴走が引き起こされる。暴走体として現れたのは……

 

 

 

『ケェェェェェェェエーン!』

 

 天孤九尾犬(アモンドック)

 

 

 

『グォォォオオン』

 

 マグマゴーレム。

 

 

 

『フシュ……』

 

 モンスター・ザクトパス。

 

 

 

『『『オォォォォォォォォォ』』』

 

 メデューサキュベレイ、ワイバーンバウ、タイタンドライセン。

 

 

 

 呪術師キュベレイだけはパワーダウンしているが、海鳴市でこれまでガンダム達が倒してきた強敵達が暴走体と言う形で再度復活したのだった。

 

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