魔法少女リリカルなのは -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs- 作:龍牙
ジュエルシードを媒介に一斉に復活する海鳴の町でガンダム達が戦ってきた強敵達。ザクトパスは出現して直ぐに己のテリトリーである海中に姿を隠してしまい、残る五体に囲まれている形になった。
「
どれも一度は倒したとは言え何度も危険に晒された強敵達。ザクトパスはザクロードの姿も含めて號斗丸とゼロのアルガス騎士団の連携で瞬殺した相手だが、それは本来のフィールドに入れなかったと言うのが瞬殺出来た理由だ。
現状に於ける唯一の幸いは呪術師キュベレイのモンスター化した姿であるゴルゴーンキュベレイは元の姿と言うべきメデューサキュベレイに弱体化したと言う事だろうが、それはあまり好条件とは言えない。メデューサキュベレイも十分に強い方に分類できるモンスターである事には間違いないのだ。
『ボスラッシュって奴かな、これは?』
司がそう呟くと號斗丸の前に五枚のカードが浮かび上がる。この場に居る號斗丸、鋼丸、法術師ニューとゼロを除くガンダム達のカード。
『だったらこっちも総力戦で行こうか。コール!』
彼の呪文と共に解放されるカードの中に眠るガンダム達。劉備、関羽、張飛、剣士ゼータ、闘士ダブルゼータの五人のガンダム達。予め召喚していた法術師ニューと鋼丸に號斗丸を含めてゼロを除いた八人のガンダムが集まる。
「状況は分かってたが、対峙してみると悪い状況だ」
「ったく、どうする?」
モンスター化したジオン三魔団と対峙するのはアルガス騎士団の三人。
「なあ、何て言うか……」
「確かに、改めて見てみるとちょっと珍しい相手だな」
「だが、四凶を思い出す」
「敵はどれも強敵だ。みんな、油断するなよ」
「「「「「「「ああ!」」」」」」」
ガンダム達へと飛行形態の鋼丸の背に立つ號斗丸の激が飛ぶ。
「司、私達も」
「すまない、助かる!」
数の上ではガンダム達は八人、フェイト達を加えれば十人となるがそれでも各モンスター達はどれも一対一では多少手間取る相手ばかりだ。
『仕方ない。海中に逃げたザクトパスは後回しだ。みんな、それでも全員海中からの奇襲に注意を忘れずに。號斗丸と鋼丸で
素早く司はメンバーへと指示を出す。早めに
海中に逃げたザクトパスは全員が水中が不利な為に奇襲に注意しつつも、倒すのは後回しにする事を決める。
劉備達とアルガス騎士団はその言葉に頷くとそれぞれ指示された相手へと向かう。本来ならマグマゴーレムの相手は相性から考えて司達がした方が良さそうだが、
『衛府弓銃壱ィィィィィィィィィィイ!!!』
以前倒した時と同じ咆哮を上げて
「来い、九尾犬(バウンドドック)!」
二刀を構えて號斗丸は
(やはり、闇の化身か)
號斗丸は直感的にそう思う。少なくとも、天宮の国やスダ・ドアカワールドのモンスターや妖怪の姿をとっている上に僅かながら記憶まで持っているとなると、闇の化身が関係していると考えないほうが可笑しい。
劉備達はスダ・ドアカワールドのモンスターと言う未知の敵に多少苦戦している。だが、そんな三璃紗(ミリシャ)の地には存在して居ないモンスターと言う未知の相手に多少の苦戦で済んで、直ぐに対応できているのは流石と言うべきだろう。
タイタンドライセン、ワイバーンバウ、メデューサキュベレイと戦うアルガス騎士団だが、此方は互角に戦えていた。
どれも一度戦った相手、しかも元の騎士や闘士、呪術師の能力を活かしていた頃と違い完全にモンスターと化している上に、相手は三武具も持たないのだ、三対三でやられるほど脆くは無いと言う事だろう。
問題は海中に逃れているザクトパスだ。水中はザクトパスのホームグウンドであり、海上と言う戦場は常に真下からの奇襲に注意しなければならない。ガンダム達にとって水中は弱点になるのだから。
アースラ内……
「凄い……」
クロノはそんな感想を零す。八人のガンダム達の戦いはどれもその一言に尽きるだろう。当然と言えば当然だ。司と共に戦うガンダム達は誰もがそれぞれの世界で『英雄』と呼ばれるだけの力と実績を持っている戦士達。
そんな中でクロノは法術師ニューの戦いに目を奪われていた。飛行魔法を使い飛行形態の鋼丸の背に乗った號斗丸を除く他の者達が自由に戦える様に援護しつつも、自身も簡単な魔法だが戦闘にも参加している。
海上と言う不利な戦場であるが故にそれで戦力を削られているが、恐らく足場があればもっと優位に戦っているだろう。
少なくとも、法術師ニューの場合、剣士の一族であるガンダム族の初の魔法使いになった魔法の『才能』と『努力』、アルガス騎士団の一部隊を預かり法術師としても騎士ガンダム達と共に戦った『経験』。少なくとも、経験の一点だけはクロノはニューには簡単には追いつけない。
(……拙いわね)
一方リンディは映し出されるガンダム達の戦闘映像を見ながらそう思っていた。目の前に居る巨大な怪物達と戦う姿を見て聞かされていた予言の一文にある『ガンダム』とは彼等の事で間違いは無いだろう。
ハッキリ言って先程の判断は拙かったと自覚している。少なくとも、彼らもフェイト達を半ば見捨てると言う判断については理解していたが、問題は彼女が力尽きるまで六つのジュエルシードを放置すると言う判断だった。
『時空管理局はロストロギアの確保の為には多くの人命を省みない非道な組織』……少なくとも、ロストロギアの危険性を訴えた後で、そんな物が六つも暴走しているのに傍観すると言う選択肢をとった時点でそう思われても不思議じゃない。
(何とかして信頼を取り戻さないと)
予言に記された英雄らしき存在を見つけた時点で彼女の中に予言の信憑性に対する疑いは既に消え、確信だけが残っていた。だとすれば、近い将来予言の中に記されている『魔王』によって数多くの犠牲が出る。
彼等の住む地球は守れるだけの力を持った
(加勢に向かう……ダメ、下手な戦力じゃ返って足手纏いになるだけ)
少なくともあの戦闘に辛うじて入り込めるのはなのはやクロノだけだろう。それでも、主戦力にはなれず足手纏いになる可能性が高い。現にモンスター化する前のジオン三魔団にクロノは袋叩きにされたし。
(司君、フェイトちゃん……)
なのはは戦闘映像を見ながら彼等の名前を思う。司ともフェイトとも話したい事は沢山有った。あの場へと飛び込んで自分も二人に協力したいとも思うと同時に、あの場へと飛び込んだ所で自分に何が出来るのか、とも。
『行って』
そうユーノの声が聞こえてきた。振り向くと人間の姿のユーノが微笑みを浮べながら立っていた。先程の声はユーノの念話による物だ。
『なのは、行って。ぼくがゲートを開くから、行って彼らを助けてあげて』
『でも、私があそこに行っても足手纏いに……』
『何も出来ないかもしれない。でも、これまでも何も出来ないと思っていても、出来た事は有った筈だ。なのはが彼らを助けたいって言うなら、ぼくもなのはを助けたい。……君がしてくれた様に』
「ごめんなさい! 高町なのは、指示を無視して勝手な行動を取ります!」
「あの子の結界内へ……転送!」
ユーノの言葉と同時になのはの姿がブリッジから消えた。
『最良とは言えないかもしれないが、良い判断だとは思う。だが……』
『ええ。あの状況では彼女を危険に晒してしまうでしょうね。恐らく今回のジュエルシード自体、彼らを始末する為の罠でしょう』
「え?」
ユーノの耳に聞き覚えの無い声が二つ続いて聞こえる。その声に驚いて振り返るが其処には誰も居ない。念話とも思ったがその声には今までアースラで出会った人達の声とも違う。
「くっ」
硬質化した尾を使った攻防一体の攻撃に加えて鬼火を使った戦闘方法。以前戦った時もそうだったが、
少なくとも、號斗丸は刀の間合いに入れない以上通常の攻撃は届かず、奥義で確実に倒す為には素早く動き回っている今のままでは直撃させるのは難しい。
幸いにも鬼火はフェイトが撃ち落してくれているが、飛行形態の鋼丸よりも球体状になった
「これでどうだ!?」
空中を飛び回りながら鋼丸は爆空弾を放つ。それらのミサイルは正確に
爆空弾の爆煙に視界が包まれるがそれを切り裂き、硬質化した事で槍となった尾が號斗丸達へと向かう。
「避けろ!」
慌てて號斗丸はフェイト達を含めて指示を出す。爆煙を切り裂きながら見えている様に號斗丸達を追跡する。
ある一定の高度を取り続けていなければ今も海中に潜んでいるザクトパスの餌食になる。実際真下から此方へと襲い掛からんとする敵の殺気が伝わってくる。
爆煙が晴れて行きその中から無傷の
「弓銃壱ィィィィィィィィィィィィィイイイ!!!」
「こうも昔の父上と勘違いされ続けているのは、流石に気に入らないな」
別に嫌っている訳でもなく父である『新生大将軍/烈光頑駄無/武者衛府弓銃壱』の事は尊敬しているが、こうも父の名前でばかり呼ばれるのも気に入らない物がある。
(どうしよう、このままじゃ何時までもジュエルシードが封印できない)
マグマゴーレムやジオン三魔団と戦っている劉備達やアルガス騎士団も、互角には戦っているものの決定打には至っていない。しかも、海中に潜んでいる敵まで存在している状況、そんな中でフェイトの中で焦りが生まれる。
再生モンスターとして復活する前の竜巻の時から戦っていた彼女の魔力も尽きそうになっている。そんな状況で打開策は思いつかない。
『司くん、フェイトちゃん!』
『っ!?』
そんな声と共に白いバリアジャケットを纏った少女……なのはが舞い降りた。当然ながら司のトラウマと呪いによるマイナス補正が発動してしまうが、
「フェイトの邪魔をするなー!!!」
なのはの登場に合わせてアルフが突進していく。母から管理局に関わらない様に言われているだけに、管理局と協力関係に有るなのはは警戒の対象なのだろうが。
付け加えるなら、司の場合は飽く迄闇の化身やその配下と戦う時に限定しての協力関係であるが、先程の一件で既に崩れていると言って良いだろう。
「待って! ぼく達は君達と戦いに来たんじゃない! 先ずはジュエルシードで再生したあいつ等を止めないと大変なことになる! だから、今は封印のサポートを」
アルフの攻撃を防御しつつ、同時に
「フェイトちゃん、司くん、手伝って! 一緒にジュエルシードを止めよう!」
なのははフェイトと號斗丸にそう話してレイジングハートをフェイトへと向けると、レイジングハートから飛び出した桃色の光がフェイトを包み込む。
「どうして?」
『フシュウウウウウウウウウウウ!!!』
フェイトがなのはの行動に驚いていると、新たな敵の行動に焦ったのか海中からザクトパスが飛び出し、なのは達へと襲い掛かる。だが、相手は所詮は飛行能力を持たないモンスター、己のテリトリーから飛び出したそれは號斗丸にとって良い獲物だ。
「爆熱の陣!」
海中から飛び出したザクトパスを迎え撃つ為に一直線に飛翔する鋼丸。同時に號斗丸の鎧が爆熱の陣へと変形し、
「熱火! 爆輪斬!」
「フシュュュュュュュュュュュュュュュユユ!!!」
そのまま十字に切り裂かれ爆散する。何故かジュエルシードは残らなかったが、今はそんな事を気にしている暇は無い。
鋼丸と共に號斗丸はなのは達の元へと向かう。
「(司にとっても良い機会だろう)力を貸して貰えるのはありがたいが、管理局の方は良いのか?」
「うん。あとでちゃんと怒られるから!」
「分かった。但し無理はするな。本能だけだが奴等の力は以前と変わらない」
ユーノと共に
號斗丸となのは、フェイトの三人は改めて