魔法少女リリカルなのは -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs-   作:龍牙

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Battle017

 號斗丸がなのは達の登場に焦ったザクトパスを倒した事で戦況は動いた。

 

「ギガファンネル!!!」

 

 モンスター化したジオン三魔団と戦うアルガス騎士団の三人の側では、海中に潜んでいたザクトパスに対する警戒を行ないながら戦っていた法術師ニューが自由に戦える様になった為、大規模な魔法攻撃が可能となった。

 

 素早く発動させた電撃魔法でジオン三魔団を纏めて飲み込む。

 

「グギャァァァァァァァァ!!!」

 

「今だ!」

 

 それによって真っ先に影響が出たのは魔法攻撃に肉体的な強度で耐えているタイタンドライセンと、防御魔法で防いでいるメデューサキュベレイとは違い、防御魔法も無く肉体的な強度もキュベレイ以上ドライセン以下のステータスのワイバーンバウだ。

 

 如何なる技の持つ素早い動きも魔法ならば捉えられる。同時に技に特化した物は力に特化した物よりも肉体的な強度は低い。

 

 それによって、ワイバーンバウの攻撃を防いでいた剣士ゼータが攻勢に回る事が出来るようになった以上、次に取るべき行動は……。

 

「喰らえ、これが……」

 

「剣士ゼータの技と私の魔法の合体技だ!」

 

 電撃魔法でジオン三魔団の動きを止めつつ、炎の魔法を剣士ゼータの剣へと集める。

 炎を纏った剣士ゼータの剣の一閃がワイバーンバウを真っ二つに切り裂き、ワイバーンバウは悲鳴を上げる間も無く消えて行った。

 

 それと同時に法術師ニューは電撃魔法によって戒めていた残りの二体への戒めを解く。

 

「グォォォォォォォォォォォォオオオオン!!!」

 

 電撃の戒めから解放されたタイタンドライセンは、仲間を倒された事に怒ったのか、それとも電撃魔法によって動きを止められ続けた事に怒りを覚えたのかは定かでは無いが、かつて戦った時の様に漆黒の獅子の斧が変化した物では無い通常の大戦斧を振りかざして襲い掛かってくる。

 

「へっ、ダブルゼータ様を舐めるんじゃねぇぜ」

 

 獅子の斧でタイタンドライセンの斧を受け止める闘士ダブルゼータ。元々の騎士ガンダムパーティー一のパワーに獅子の斧によって高められた力はタイタンドライセンのパワーを正面から受け止められるほどのものと言う訳だ。

 

「良いぞ、ダブルゼータ!」

 

 力には技。如何なる力も翻弄する技の前には無力となる。当たらなければどれほどの力も意味は無いのだ。

 

「スクリュー波動剣!!!」

 

 剣士ゼータの錐揉み回転を加えた突きがタイタンドライセンの腕を貫き、同時に力の緩んだタイタンドライセンは闘士ダブルゼータに押し返される。

 

「喰らいやがれ!!!」

 

 獅子の斧による一撃によって切り裂かれたタイタンドライセンもまたワイバーンバウと同様に、声も無く闇へと消えて行った。

 

「シャャャャャャャァア!!!」

 

 仲間を倒された事に対して何も感じさせない様子で襲い掛かってくるメデューキュベレイ。元々仲が良くなかったジオン三魔団だが完全にモンスターとして思考となった今でも同様なのだろう。……以前のアルガス騎士団の三人も似た様な物だが。

 

 先程はワイバーンバウを倒した後は、長時間魔法攻撃で二体の動きを止め続ける事で魔力を消費し続けるよりも、一度戒めを解いて短期決戦でもう一体を撃破する事を優先した訳だが、それは上手く行った。これで残る敵はメデューサキュベレイ一体だけ。

 

 頭か背中かは正面からは分からないが、接近すれば蛇の頭から噴出す炎で、遠距離では魔法攻撃でアルガス騎士団を狙ってくる。

 

「アイフィールド!」

 

 力に特化した闘士ダブルゼータならばそれを正面から受けても耐えられるだろうが、流石の闘士ダブルゼータでも長時間攻撃魔法に曝され続ければ危険なのに変わりは無い。無力化しているのでも、防御手段で防いでいるのでもなく、単純に耐えているだけなのだから。

 闘士ダブルゼータの前に立って、メデューサキュベレイの魔法攻撃に対して法術師ニューが防御魔法で防ぐ。

 

「二人とも、掴まれ!」

 

「ああ!」

 

「おお!」

 

 それと同時に二人にそう指示する。当の二人も法術師ニューの目的を理解したのか、彼に掴まると、加速魔法を己へと掛けて防御魔法で他の二人を守りながら一気にメデューサキュベレイへと接近する。

 

「っ!?」

 

 メデューサキュベレイへと接近すると素早く剣士ゼータと闘士ダブルゼータは彼の後ろから飛び出す。それと同時に振るわれるのは剣士ゼータの剣と闘士ダブルゼータの獅子の斧。二人の一撃がメデューサキュベレイを切り裂くと、一瞬だけ大きな隙が生まれる。

 

「終わりだ!」

 

 メデューサキュベレイが剣士ゼータと闘士ダブルゼータに気を取られた瞬間、上に廻っていた法術師ニューの梟の杖での一突きを脳天に受け、メデューサキュベレイの瞳から光が消え、ゆっくりと消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルガス騎士団の三人がモンスター化したジオン三魔団を倒したのと同じ頃、マグマゴーレムと戦っていた劉備達三人は。

 

「こいつ、厄介な体してやがる!」

 

 迂闊に攻撃しては逆に武器が破壊されそうな高温の溶岩の体を持ったマグマゴーレムに対して張飛が毒づく。

 

「だけど、オレ達を信じて任せてくれた事に応える為にも、此処で負けるわけには行かない!」

 

 マグマゴーレムの攻撃を避けながら劉備が己の義兄弟達を鼓舞する。

 

 號斗丸が天孤九尾犬(アモンドック)を、アルガス騎士団がジオン三魔団と、それぞれが因縁のある相手と戦っているために消去法で劉備達にはマグマゴーレムを任せる結果となってしまった訳だが、やはりスダ・ドアカワールドのモンスターは未知の相手となる訳だ。

 

「劉備殿、このまま逃げ回っていても結果は変わりません」

 

「そうだな。だったら……一か八かだ!」

 

 関羽の言葉に劉備は一瞬の思考の後真下の海中へと視線を向ける。その一瞬の行動で関羽と張飛も彼の狙いを理解する。

 

「そう言う事か。分かったぜ、アニキ!」

 

「確かに奴に対する策としては悪くなさそうです」

 

『グォォォォォォォォォォォォォォ!』

 

 二人が答えると同時に咆哮を上げてマグマゴーレムが劉備達へと襲い掛かる。それに気付いた三人はそれぞれがバラバラに散開する。

 

 マグマゴーレムは彼らと戦った経験は無いはずだが、何故か三位一体の技を使わせないように動いている様にも見える。常に合流させず、合流しても相手に時間を与えない為に動いている様に見える事から間違いは無いだろう。

 

 着眼点は悪くないだろうが、今回の劉備達の狙いは《三位一体》ではない。そんな中、マグマゴーレムは三位一体の基点となる劉備へと襲い掛かるが、

 

「先ずはオレからだ! 聞け! 雷の雄叫びを!」

 

 張飛が雷を纏った矛をマグマゴーレムの足元を狙い、

 

「爆裂! 大雷蛇!!!」

 

『グォォォォォォオ!?』

 

 張飛の放った雷の蛇がマグマゴーレムの足を貫く。それによって劉備へと殴りかかろうとしたマグマゴーレムが前へ向かって倒れる事となる。

 

「今だ!」

 

「ハッ! 見よ! 鬼の牙の昂ぶりを!!!」

 

 劉備の合図に続いて動くのは関羽だ。倒れそうになるマグマゴーレムの真上から己の武器である青龍刀を、

 

「鬼牙! 百烈撃!!!」

 

 真上から放たれる百の突きの圧力が、バランスを崩したマグマゴーレムを海へと叩き込む。

 

『グォォォォォォォォォォン!!!』

 

「良し、これで……」

 

 高温の体を持ったマグマゴーレムが沈んだ事で大量の水蒸気が発生し、それが霧となって劉備達の視界を遮る結果となる。だが、霧の中に巨大な影が浮かび上がり、劉備へと向かって襲い掛かる。

 

「っ!?」

 

 海に落ちた事で冷やされマグマから石の体となったマグマゴーレムは尚も劉備達へと襲い掛かろうとする。だが、冷やされて固まった体では今までよりも鈍重な動きしか出来ず、簡単に買わされてしまう。

 

「だったら、これで! 星! 龍! 斬!!!」

 

 劉備の星龍斬がマグマゴーレムを切り裂き、それがトドメとなったのか活動を停止したマグマゴーレムは海の中へと沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケ、ケェーン!!!」

 

 一方、號斗丸、鋼丸、なのは、フェイト、ユーノ、アルフと戦っていた天孤九尾犬(アモンドック)は他のモンスター達が倒された事に慌て始める。

 

 號斗丸が前衛となり、ユーノとアルフがバインドで尾を縛り、鬼火や炎はなのはとフェイトが撃ち落す。即席のチームワークとは言えそれなりに有効な戦い方となっていた為に天孤九尾犬(アモンドック)を相手に優位に戦っていたわけだ。

 

(他のみんなは倒したみたいだね)

 

「そうなると後はこいつだけか」

 

 司の言葉に答えつつ、天孤九尾犬(アモンドック)の体を蹴って號斗丸は一度距離を取る。

 

 丁度號斗丸が天孤九尾犬(アモンドック)から距離を取った時、近くに転送用の魔法陣が現れ、その中からクロノが現れる。

 

「まったく、君達は勝手な事を」

 

「「ご、ごめんなさい」」

 

 BJ(バリアジャケット)の姿のクロノはそう呟きながらなのはとユーノを一瞥する。それに対してなのは達は申し訳無さそうに謝る。

 號斗丸達にしてみれば避難も出来ていない町の近くで暴走している危険物が六つも有る状況で無関係な数多くの人命優先では無く、自分達の利益になる点を優先している様にしか見えないが、なのは達にとっては命令を無視して勝手な行動をとった事になる。

 

「よくあんな状況で最善なんて言えたな」

 

(感性疑うよ)

 

「あの状況で放置すればどうなるか……少し考えれば分かりそうなものだろう……」

 

「うっ。た、確かにそれは……その」

 

 司まで加わって(司の声はクロノには聞こえてないが)の言葉に何も言い返せないクロノだった。

 ロストロギアの危険性を訴えたのは、クロノ達管理局だ。そんな事を訴えておいて一つでも起こりうる危険性まで説明した挙句にそんな物が六つも暴走している状況等……どう考えても地球の危機だ。

 そんな状況でフェイト達が力尽きるまで手を出すな等と言われ、しかもそれが最善だと言われては怒りを覚えるしかない。

 

 まあ、リンディも直ぐに動ける様に準備はしていたが……その僅かな間でも地球や最低でも町が壊滅的な被害を受けてしまう危険が有る。結果的にガンダム達に管理局への好意どころか不信感を与えてしまったのだから、最悪と言って良いだろう。

 

「と、ところで、あいつらはジュエルシードを核にして復活した様だけど、倒した奴のジュエルシードの封印は……」

 

「え? ユーノくんやフェイトちゃんが封印したんじゃ……」

 

「ううん、ぼくは封印してないけど……」

 

「フェイト、アルフ、君達は……」

 

「私達も封印してないけど……」

 

「それじゃ、あいつらの持ってるはずのジュエルシードは何処に……?」

 

 クロノの言葉になのはが首を横に振り、ユーノも疑問の声を上げる。號斗丸も管理局の人間であるクロノを警戒して號斗丸の影に隠れているフェイトと前に立っているアルフに聞くが返って来た答えは否定的なものだ。

 

 持っている筈のジュエルシードが無い事を疑問に思っていると、

 

 

 

―役立たずめ。貴様はもう用済みだ―

 

 

 

「ケーン!!!」

 

 突然現れた黒い影が半透明の剣《黒星剣》で天孤九尾犬(アモンドック)を真っ二つに切り裂く。それと同時に黒く染まったジュエルシードが現れる。

 

「な!? なんだ、あれは!?」

 

「あれって、ジュエルシードなの!?」

 

「そんな!? ジュエルシードがあんな風に真っ黒に染まってしまうなんて、一体何が……?」

 

 目の前の光景に驚きの声を上げるクロノ、なのは、ユーノの三人。シリアルナンバーさえも見えないほどに黒く染まったジュエルシードを黒い影が掴む。

 

 

 

―ジュエルシードよ。我が望みを叶えよ―

 

 

 

 新たに五つの黒く染まったジュエルシードが現れ、六つ目の黒いジュエルシードを中心に五角形を書く様に浮かぶ。それと同時に六つのジュエルシードは緑の鎧を纏った武者の姿を作り上げる。

 

「あの姿は!?」

 

「え? あれが何か分かるの?」

 

 唯一號斗丸だけが驚愕の声をあげ、フェイトがそう問う。號斗丸は幼少の頃は武芸よりも学問の方が優秀だった。その時に天宮の国の歴史書も読んだ事がある。

 

 目の前に居るのはその歴史書の中でかつての頑駄無軍団の仲間にして後の闇軍団の頭領。天宮の国の最初の闇の化身を倒した後の世では《時隠(ジオン)の国》の国主となった男、『殺駆頭』。

 

 意識がないのか瞳に光は無く力なく浮かぶその姿からは何の力も感じられない。だが、そんな殺駆頭の肉体を暗雲が包む。

 

 

 

―フフフフ、フハハハ……―

 

 

 

 六つのジュエルシードが作り出した殺駆頭の肉体を包み込む黒い暗雲から聞こえる不気味な笑い声が海上に響き渡る。

 

 

 

―これで、まだ完全と言う訳ではないが、貴様等を始末するには十分過ぎる力が戻った―

 

 

 

 暗雲が収束すると一つの禍々しい力を宿した鎧を作り上げていく。そして、出現した『闇の鎧』はバラバラになり、殺駆頭の肉体に装着される。

 

 体と足に装着される地獄の炎を思わせる赤い鎧『獄炎甲(ブレイズギア)』が、両腕には挟みの様な武器『邪殺(ジャキラー)』と爪『邪爪(ジャクロー)』が、両肩と頭には闇色の輝きを放つ鎧『闇影甲(シャドウギア)』が装着される。

 

 それこそが、かつて頑駄無軍団を苦しめた闇軍団を率いた闇の将軍の姿。

 

 

 

―ワシの名は『闇皇帝』。そして、この仮初の体は『闇将軍』よ!―

 

 

 

 かつて、闇皇帝が殺駆頭を操り闇軍団の支配者となり悪の権化となった姿、『闇将軍』。

 

 

 

「闇皇帝だって? まさか……天宮の国の最初に現れた闇の化身!?」

 

 これがこの世界に現れた最初の闇の化身との死闘が始まりだった。

 

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