魔法少女リリカルなのは -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs- 作:龍牙
『奴は龍将と飛翔!? それに父上が戦ったと言う雷火と氷破の兄弟……と、誰だ?』
號斗丸がモニターに写る、多くの兵を率いている幹部級の闇の化身の配下を一瞥して驚愕の声を上げながら……妙に情けない呟きが零れる。
まあ、無理も無いだろう。天宮の国の武者である號斗丸が三璃紗の国の武将を知っている訳が無い。
……どうでも良いがモニターに写る袁紹バウと袁術ズザもずっこけている様にも見える。此方の声……特に號斗丸の声など聞こえないはずなのに……。龍将と飛翔、雷火と氷破も哂っている様にも見えるのも気のせいだろう……多分。
『あれは、袁紹と袁術!?』
その後、直ぐに彼等の姿に気付いた劉備がそんな声を上げる。元々劉備達の世界三璃紗の武将と言うだけでなく、『董卓ザク』とその配下の軍と戦う際には“一応”共に戦った仲間だったのだから、驚きも有るだろう。もっとも、この兄弟100%欲望で参戦したんだろうが。一度も前に出て戦わなかったし。
その後は色々と有ったが、それでもまさか闇の化身の配下として復活するとは劉備達も思わなかった。
「リンディさん、ぼく達が行きます!」
「ええ、お願いできるかしら」
そんな號斗丸や劉備達の言葉を聞き、後ろにいるアルガス騎士団達へと視線を向けて互いに頷きあうと、司はリンディへと視線を向けてそう叫ぶ。
一体ずつでも苦戦する闇の化身の配下が六体も居ると言う状況なのだ、唯一戦える自分達がいくしか無いと言う判断だ。リンディもまた同意見らしく悔しげな表情で司達の出撃を願い出る。
武装局員は雑兵に対して決定打を与えられず、逆に敵の雑兵の攻撃で戦線から離れる者も多く出ている。幸いにも死者こそ出ていないが、これ以上の被害の拡大は避けたいのだろう。寧ろ、彼らを無事に退避させる為にも司達の投入は必要な事だ。
『ゴブリンザクに戦士ザク……他は天宮と三璃紗の兵か。號斗丸は前の戦いで消耗している。此処は……』
『いや、ジークジオンの元まではオレが行く』
ゼロの言葉を遮って號斗丸の声が響く。伝説の武具より放たれた光の波動によるパワーアップの反動によって消耗の激しい劉備と號斗丸を休ませるためにジークジオン戦から外すと言う考えだったが、號斗丸はゼロの消耗を少しでも避けるために自らが向かうべきだと判断した。
『だが……』
『大丈夫だ。いざとなったら、オレもいる』
ゼロの言葉に劉備もまたそう告げる。號斗丸と劉備の二人でゼロの消耗を極力避けると言う判断だ。
『寧ろ、オレ達よりも司の方が大変なんだ、これくらいどうって事無いさ』
劉備の言葉に號斗丸もまた頷く事で同意を示す。
『分かった』
その中にはスダ・ドアカワールドの闇の化身であるジークジオンとの戦いには消耗している上に専門外である自分達よりもゼロの方が向いていると言う判断もある。そんな二人の意思を理解して二人の考えにゼロも同意する。
「司君、私も連れてって!」
「私も行く」
なのはとフェイトがそう言って自分達も向かうと言い出す。なのはが向かうと言う理由は分からないが、フェイトの場合は母親の安否が心配なのだろう。
「元凶を止めると言うならぼくも行くぞ」
二人に遅れて参加を決意するクロノ。一応は二度も闇の化身の配下との戦いを、一度とは言え闇の化身(不完全)との戦いを潜り抜けたのだからその脅威度の高さは身に染みて分かっている。だからこそ、放っては置けない。
「危険……」
『いや、彼女達にも力を貸してもらおう』
(っ!? 號斗丸!?)
危険と言う理由で断ろうと思った司だが、何故か號斗丸が動向に賛成する。危険だと言う事が分かっている筈の彼の言葉とは思えない。
『確かに、此処で断って勝手に行動されるよりもそっちの方が良いな』
(そう言う事か……それなら着いて来て貰った方が良いね)
ゼロの言葉で號斗丸の真意を正しく理解する。ある程度近場にいてくれた方が安心すると言った所だろう。
「仕方ないか……。武者変化!」
號斗丸の姿へと変身し、なのは達もそれぞれのバリアジャケットを纏い準備を整える。アルフには念の為に倒れているユーノの事を見ていて貰うことを頼んだ。……あの状況に攻撃力に乏しいユーノが単独で現れても危険だと判断した結果だ。
號斗丸達が時の庭園へと飛び込んだ瞬間、先行して時の庭園に来ていた武装局員達の一角が崩れている。
連携して襲い掛かっているのは龍将と飛翔の本来の部下である暗黒軍団の
……序でに袁紹バウと袁術ズザの配下には三璃紗の国の彼らが従えていた名も無き一般兵達だ。
「行くぞ! ギガファン!」
「ディバインバスター!」
事前の打ち合わせ通り砲撃型のなのはと法術師ニューの魔法が
「行くぞ!」
「ああ!」
「おう!」
二刀を構える號斗丸、各々の武器を構える剣士ゼータと闘士ダブルゼータを戦闘になのはと法術師ニューの一撃によって空けられた空間へと切り込んでいく。
「ぼく達も続くぞ!」
クロノとフェイトの二人が號斗丸達三人に続きその後に続くのがなのはと法術師ニューの後衛組み。最後に殿となるのが鋼丸だ。先ずは闇の化身の軍に押されている局員との合流だ。なるべく早く袁紹バウと袁術ズザ、龍将と飛翔と言った幹部達を倒してしまいたいのだ。
本来のターゲットこそジークジオンだが、此処に居る連中も無視していける相手ではない。
「ふふふ、来おったな」
「その様ですね、兄上」
その様子を眺めながら笑みを浮かべる袁紹バウ。雑兵である連中はガンダム達ならば一撃で倒せる程度の相手……魔導師であってもクロノ程の
……まあ、一騎当千の実力者達と言う特殊な例外、計算外を除けば、だが。……その計算外となる一騎当千の実力を持ったガンダム達の存在は戦況を変えるのには十分過ぎると言う事だろう。
「くっ、己! あれだ! あれを投入しろ!」
ガンダム達の参戦によって引っくり返されつつある事に焦りを見せる雷火。その戦況を再び自分達の優位な状況にするべく切り札を投入する様子だ。
『グォォォォオ……』
後方より地響きを上げて現れる巨人……モンスター『ジャイアントジオング』が向かって行くのだが、
「グォォォォォォォォォオン!!!」
なのはとフェイトによる連携攻撃に倒された様子だ。まあ、ピンク色の砲撃と落雷のコンボなど他に無いだろうが。
「「うそぉん……?」」
切り札の大型モンスターをこうも簡単に倒されたのには、流石に雷火と氷破も驚いている様子だった。
「な、ななななんだったの、さっきのあれ!?」
「でもそんなに強くなかったね」
「そ、それなりに強いモンスターの筈なんだが……」
流石に機兵クラスの巨体のカイザータイタニアス程の巨体は無いが、ジャイアントジオングはかなりの大型のモンスターに分類される。まあ、海で出現した六体のモンスター達の方が僅かな差だが巨体だったが。
ジャイアントジオングは騎士ガンダムの時代のジオン族モンスターの中でもそれなりに高い戦闘力も有していた。先制攻撃が決まったと言う事を含めても、簡単に倒せたと言う事はなのはとフェイトの才能と成長もあるのだろう。
「おのれ、小娘共! 自慢の大砲で吹っ飛ばしてくれるわ!」
巨大な大砲を背負った暗黒軍団の武者
「発射!」
容赦なく砲撃を放つ。
「っ!? 危ない!」
「うわぁ!」
「司君!」
「司!」
砲撃の直撃を受けて吹飛ばされる號斗丸に慌てて駆け寄る二人。
「こいつ!」
「ぐぎゃー!!!」
即座に鋼丸の砲撃で
「こいつ等、限が無い!」
新たに現れた
「ふふふ、奴がガンダム共の総大将か? ならば、手柄を手に入れるのは我等だ」
「はい、兄上」
なのはとフェイトの二人に支えられて立ち上がる號斗丸を見据えながら、袁紹バウは笑みを浮かべつつ袁術ズザと共にその場を離れていく。何を狙っているのかは良く分かるが、龍将と飛翔も彼等の行動を黙認している様子だ。
「奴等は號斗丸を討ちに行った様だな」
「その様だ」
袁紹バウ達の行動を黙認した龍将が飛翔に話しかけると飛翔は笑みを浮かべる。
「どれ、手伝ってやろう。おい、お前達、『
後方に控えていた雑兵達に指示を出すと雑兵たちは黒い戦車、
「ふふふ、ヤツラが號斗丸を倒せれば良し」
「失敗したとしても消耗した所を
???
白い空間の中、一枚のカードに眠っていたガンダムが新たに目を醒ます。
『堕ちたものだな、袁紹よ』
ジークジオンの配下として蘇った袁紹バウを一瞥しながら配下の将さえも居ないその姿を一瞥してそう呟く。理想を失ったかつて覇を競ったライバルの姿に思うところがあるのだろう。
『だが、どうやら余の出番のようだな』
ゆっくりと立ち上がるその漢……地球に於いて名を轟かせた伝説の英雄と同じ魂を宿す者、その名を
機駕の王、『紅蓮の覇将軍』、『曹操ガンダム』
今回登場のSDガンダム
・龍将、飛将<リュウショウ、ヒショウ>
モチーフ:バウ+バウ・アタッカー、ズザ+バウ・ナッター
出展:SD戦国伝 天下統一編
黒魔神の側近。暗黒軍団の左大臣(龍将)と右大臣(飛将)。龍将は空中戦を、飛将は地上の高機動戦闘を得意とする。今回はジークジオンの配下として再生した。
・雷火、氷破<ライカ、ヒョウハ>
モチーフ:バウ、ズザ
出展:新SD戦国伝 伝説の大将軍編
炎魔忍軍、氷魔忍軍に所属する兄弟。執念深い性格の雷火が兄で、傲慢かつ冷酷な性格の氷破が弟。
・袁紹バウ、袁術ズザ
モチーフ:バウ、ズザ
出展:SDガンダム三国伝
三璃紗の名家袁家の生まれである兄弟。兄弟仲は最終的には冷めていた様子である。
袁紹の方は兵卒からの人望が薄い。曹操とはお互いを利用しあう関係だが一方で奇妙な友情も存在する『腐れ縁』と言う間柄。
袁術のほうは表面上は絶大な権力を持っている兄に付き従っているが、裏ではあまり信頼していない。基本的な高慢かつ他力本願名性格だが、少々どじな一面を持つ。