魔法少女リリカルなのは -レジェンド・オブ・BraveBattleHEROs- 作:龍牙
鋼丸とアルガス騎士団の奮戦で敵の勢いを押し返す中、司の変身した號斗丸達の元へと袁紹バウと袁術ズザの兄弟が向かって来る。
「良し、陣地確保!」
敵陣の様子に気付かぬまま、残った武装局員達やクロノと共にアルガス騎士団の面々が陣地の構築に成功する。負傷者の手当てを初める中、
「良し、二人はこのまま広範囲の魔法で敵の数を削ってくれ!」
「分かったの」
「うん」
鋼丸と號斗丸、なのはとフェイトの二人も其処に合流する。鋼丸にはリアル形態を避けて通常形態で戦って貰っているが、休む暇が無い状況ではコレが正解だろう。
號斗丸の二刀によって切り裂かれ、討ち漏らした敵は後方に居る局員達が撃破してくれている。
「ふはははは! その首貰ったぞ! やれ、袁術よ!」
「はい、兄上!」
兵の中を掻き分けて號斗丸の前に現れた袁紹バウの言葉を受けて袁術ズザの姿が闇に包まれる。
「フフフフ……見せてあげましょう、皇帝ジークジオン様より賜った私の闇の『天玉鎧』の力を!」
闇の中から現れた袁術ズザの姿が『十極呪導鎧』を纏った『袁術ズザ 飛翔形態』へと姿を変えると、二本の鎌を連結させたような形の武器『
「っ!? 司!」
「ふっ!」
不意打ちと言う形で襲い掛かってきたが、袁術ズザの纏う十極呪導鎧の放つ瘴気はとても隠しきれる物ではない。偶然気付いたフェイトの警告と同時に號斗丸は二刀を持って袁術ズザの攻撃を受け止める。
「なんと! 私の闇の天玉鎧の力を受け止めるとは!?」
「天玉鎧? 劉備達の言っていた三璃紗の神器の事か?」
「ですが!」
鎧の与える推進力を利用する事で力任せに號斗丸を弾くと空高く舞い上がり、そのまま空中から號斗丸へと襲い掛かる。
「ダメだ、私じゃ入り込めない」
十極呪導鎧の与える機動力は高速戦の得意なフェイトでさえ着いて行くだけでもギリギリの速度であり、同時に鎧を纏う事で得られる防御力と闇の瘴気が強化する攻撃力はフェイトを大きく上回る。
號斗丸は三度に渡る大戦を潜り抜けた事で得た経験で相手の動きを見切った上で、司に掛ける負担を抑えた為に最小限の動きで相手の攻撃を防ぎ、又は回避している。……何より、袁術ズザは『魔星大将軍』やその配下の『三羅将』に比べれば劣る相手だ。
「號斗丸!」
號斗丸が袁紹バウと袁術ズザに襲撃された事に気が付いた鋼丸は直ぐに其方へと加勢に向かおうとするが、
「今だ、やれぇ!」
鋼丸や彼の背後に居る局員達を轢き殺さんばかりの勢いで雷火の指示で
「くっ! 金剛形態!」
リアル形態……金剛鋼丸形態へと変形すると己へと向かって来る闇凶車を正面から受け止める。
「くっ! 司!」
「拙いぜ、幾らあいつ等でもこの状況で二対一ってのは!」
「ああ、だが……」
敵精力の中でも精兵と言うべき相手に囲まれている剣士ゼータと闘士ダブルゼータの二人。敵ではないが、それでも二人を手間取らせるのには十分過ぎる質と量を持って二人のガンダムを抑えている。
法術師ニューも他の仲間達のフォローへと廻りたくても、広範囲の攻撃魔法で敵の雑兵の相手に勤めている。下手に抜けたら数で劣る本陣が危ない。幹部ほどの圧倒的な能力は無くてもそこそこの実力を持っている者も多くおり、簡単に倒せる雑兵も一体一体は弱くても数が厄介だ。
「私の天玉鎧の前に、死になさい!!!」
「そんな物が神器だと? ……笑わせるな!」
「なんですって!?」
「お前の纏っているのはタダの闇の力の鎧だ。断じて神器である天玉鎧じゃない!」
「黙れっ! 重ね重ね無礼な奴ですね! 良いでしょう、この名門・袁家の血を引く私の手にかかって死ぬ事を光栄に思いなさい!」
頭上に掲げた飛双旋鎌を高速回転させ、発生させた真空の刃の余波が周囲に居る雑兵を切り裂いていく。
「
袁術ズザの放つ真空の刃が竜巻となって號斗丸へと襲い掛かる。
「悪いが、名門なんて言うならオレも天宮の国を統べる、大将軍の家の次男だ!」
それを向かい撃つべく號斗丸の鎧が爆熱の陣へと変形、
「熱火! 爆輪斬!!!」
號斗丸は放った闘気の刃と袁術ズザの放った真空の竜巻がぶつかり合い相殺する。
「
袁術の必殺技を相殺した直後の號斗丸へと袁術の放った闇の怨念が襲い掛かる。
「っ!?」
不意打ちの形で放たれた袁術バウの必殺技を寸前のところで回避するも、鎧の一部に掠ってしまう。
「ちっ! 今のを避けるとは……なかなかやるではないか」
飛紅剣を持った袁紹バウが悔しげに呟く。恐らく袁術ズザが號斗丸と戦っている隙を伺っていたのだろう。
「兄上! 今のは惜しかったですね」
「まったくだ。あと少しで敵の大将首を取れたものを」
『見るに耐えんな、袁紹よ』
「「なっ!?」」
「今の声は?」
突然響く声に戸惑いを見せる號斗丸と驚愕する袁紹バウと袁術ズザ。そして、號斗丸の手の中にその声の主である一枚のカードが現れる。
『小僧、さっさと余を呼べ!』
『え? あっ、はい! コール!』
そのカードから響く声に言われるままにそのカードを持ってコールの魔法を唱える。
カードの中から現れた光が鳳凰……否、朱雀となって本陣の後方、段になっている場所に降り立ち、真紅の鎧を纏った『覇王』の風格を持ったガンダムが現れる。
その際にクロノへと、
『今はまだ余の力を使わせるには未熟なようだ。だが、その“理想”は気に入ったぞ』
と伝えていた。
三璃紗の伝説のガンダムの一人、雀瞬の魂を受け継ぐもの『曹操ガンダム』
そして、曹操は突然の事に驚いている袁紹バウと袁術ズザと対峙している號斗丸へと視線を向け、
「何時まで寝ておる、さっさと起きて余の為に働け!」
誰かへと向けて一括を放つと同時に號斗丸へと変身している司の元から六枚のカードが出現する。ガンダム達のカードに比べて比較的弱い力を宿していた事から、恐らくアルガス騎士団よりも多少消費は少なく呼べるだろう。
『コール!』
本陣としている場所、丁度曹操の真下に降り立つ六色の光、
「この命尽きるまで」
「我等が命はお館様の元に」
鋼の猛将『夏侯惇ギロス』
隼の闘将『夏侯淵ダラス』
「一度は闇に堕ちた身、我等が太陽である曹操様のために晴らす為に、この武を振るおう」
「望むところ!」
壮絶なる闘魂『張遼ゲルググ』
勇壮たる戦斧『徐晃サーペント』
「……かつての主君に刃を向けるのは多少戸惑いはあるが、我が意思に迷いは無い!」
深緑の孤狼『張郃ザクⅢ』……元は袁紹バウの配下だったりする。
「おおー、感激じゃー……また曹操様の元で戦えるとは」
不動の怪力『典韋アッシマー』
曹操の元に集いし機駕五将+1の機駕の将達。彼らと共に現れる朱雀を思わせる機駕の旗印。三璃紗の覇王とその将達が闇の化身と戦うべくこの地に集う。
「久しぶりだな、袁紹。だが、以前のお前の方がまだマシだったぞ」
袁紹バウを見下ろしながら告げるその言葉に込められた意思は、かつての腐れ縁の相手に対する軽蔑の意思。
「者共……」
『炎骨刃』を抜き放ち己の配下の将達に静かに告げ……
「余に続け!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
曹操に続き敵陣へと切り込んでいく。
「あ、兄上……」
「ま、まさか曹操が現れるとは……。こうなれば……」
「おお、何か策がお有りなのですね。流石は兄上。それはどの様な策なのでしょうか?」
「それはな」
そう言って近付いてくる袁術ズザに袁紹バウは、飛紅剣を突き刺す。
「キャア!」
「酷い……」
『兄弟なのに……なんでそんな事が出来る……』
「血を分けた実の弟に……何て事を!」
なのは、フェイト、司、號斗丸の四人が抗議の声を上げる。特に幼いなのはやフェイト、司の三人は思わず目を覆ってしまう光景だ。
「チッ! 流石に見るに耐えんな」
「まったくだぜ」
仲間である筈の龍将と飛翔も袁紹バウの行動には嫌悪を覚え。
「実の弟を手にかけるとは……禄でもない兄だな」
「だが、我等兄弟はヤツラとは違うぞ!」
「ああ、我等が力を合わせれば無敵だ!」
敵ながら兄弟仲は良いのだろう、雷火と氷破の兄弟も袁紹バウの行動に嫌悪を覚える。
「ガハッ! あ、兄上……?」
「こうなれば貴様の力をワシの物にして、さっさとあの小僧を始末するに限るわ!」
十極呪導鎧が袁術ズザより外れると袁術ズザから飛紅剣が引き抜かれると、そのまま地面に倒れる。微かに息はあるが猛長くは無いだろう。
「酷い? 所詮弟と言っても道具に過ぎんわ! だが、最後まで役に立ってくれたようだな」
袁紹バウの体を十極呪導鎧から放たれる闇が包むと、その姿を袁術バウの腕と下半身を取り込んだ、竜の如き強さを誇り、飛行能力まで持つ魔神『袁紹バウ 龍飛形態』へとその姿を変えるのだった。
今回登場のSDガンダム
・曹操ガンダム
モチーフ:ガンダムDX
登場作品:BB戦士三国伝
紅蓮の覇将軍。軍事、政治、芸術などあらゆる面において天才的な能力を発揮する乱世の英傑。徹底的な実力主義者だが、決して卑怯なことはしない高潔な魂を持つ武将。絶対的な統率力とカリスマ性を持ち、敵味方を問わず多くの武将を惹きつける官軍最後の闘将。
・機駕五将
モチーフ:ベルガ・ギロス、ベルガ・ダラス、サーペント、ゲルググ(アナベル・ガトー専用機)、ザクⅢ改
曹操に仕える機駕の将軍達。夏侯惇ギロスと夏侯淵ダラス以外の三人は元は他の軍の所属だった。
・典韋アッシマー
モチーフ:アッシマー
不動の怪力。怪力が自慢の兗州軍衛兵隊所属の武将で、曹操を心の底から尊敬しており、彼を太陽と崇めている。元は山賊の身であったが、曹操に才能を見出される。体ごと大斧化して相手を斬りつける攻撃を得意とする。
アニメと漫画では命を落とす時期が違うが、どちらでも命を賭して曹操を救って果てている。本作は機駕五将と共に曹操の声に答える形で目覚める。