ハイスクールD×D モンスターでクリーチャーな俺   作:misuta

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第23話

 

「せっかくだ、ハンデをやろう。俺は飛ばないし槍も一本しか出さない…破格の条件だろ?」

 

コカビエルは余裕そうにハンデを付けてきやがった。

普通の人間にここまでしてくれるなんてありがたい話だ。

倒せるかはわからないが手傷をより多く付けられれば今後の戦いが楽になるだろう。

よし、ならこっちから攻める!!

 

「お゛お゛お゛お゛お゛っ!!」

「ほぉ、動きも速さも悪くないな」

 

一気に接近してから左手の爪での突きを繰り出すと奴は槍で防ぐ。

全力のスピードも当然読まれていたか…これならどうだ?

ノーモーションからの右爪の突きを奴の腹を目掛けて繰り出す。

だが、槍を器用に振り回して防いだ瞬間、俺の左肩に穂先を突きつける。

ドーナシークよりも槍の技術が高い…っ!

 

「小手先だけの攻撃は俺に効かんぞ? もっと全力で来い!」

 

突きつけるだけで攻撃しようともしない…遊ばれてるな。

仲間が襲われている中でこんな遊ばれているなんてイラつきが増してくる。

無論、ここで熱くなったら駄目だ。

落ち着いて攻撃を重ねていけば、一撃を与える事は出来る!

 

両手の爪を使った突きや引っ掻き、スピードと技術を使ったフェイント、

持ちうる格闘技もフルに使って攻撃するも全て防がれる。

まだだ! まだ力が足りない!!

限界まで出しきれ、タイラントぉぉぉぉぉっ!!

 

「ふむ、力と速さが増してきたか。ここまでやるとはな、褒めてやるぞ人間!」

「ウ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ッ!!」

 

徐々に体の熱が高まっていくと動きも力も増していく。

速度と重さを増した攻撃が少しずつ奴の防御を崩していく。

このまま行けば攻撃が通るかもしれない…!

だが、俺は大切な事を忘れていた。

 

「だが、その程度では俺を倒せん」

「っ!?」

 

こいつは『わざと攻撃をして来なかった』という事を。

最高速度の突きを躱した瞬間に俺の腹に槍を突き刺した。

血が喉奥から込み上げてきてそのまま吐血した。

俺を刺した槍をそのまま持ち上げて振り抜かれた瞬間に俺は壁に叩き付けられた。

咽る様に血を吐きながら立ち上がろうとするが力が入らない。

 

奴は俺が捨てた剣を拾ったが偽物だと判った瞬間に破壊した。

そして俺の方へ向き直す。止めでも刺すつもりだろうか。

只では死なないぞ…生まれたての小鹿のように震える足を無理やり使って壁伝いに立ち上がる。

目だけは真っ直ぐと奴を睨みつける、まだまだ戦えるぞ俺は!

 

「瀕死の状態でも俺に立ち向かうか?」

「………っ!」

「チャンスをやろう、小僧。俺は近々グレモリーの娘が根城にしている学び舎を中心に暴れる予定だ」

「!?」

「俺は戦争を再び起こす。止めたければ貴様も来るがいい、俺に勝てればな?」

 

奴はそれだけを言い残してどこかへ飛んで行った。

駒王学園で暴れるどころか戦争を勃発させるだと…?

体力に限界を感じて変身を解除した俺はタイラントが守ってくれたダメージを全身に感じる。

血反吐を吐き、腹から多量の出血しながらも手帳に急いで書く。

やばい…血を流し過ぎたせいか思うように書けない。

意識が朦朧として、きた…。

 

 

 

 

 

 

『ナース、もっと回復アイテムを宿主に! 処刑マジニとザ・キーパーはタイラントを培養カプセルに入れて!』

 

遠くから聞こえる涙声、この声はロビー君か。

周りがバタバタとしている…また病院にお世話になっちまったか?

目も開けられないし体も動かない。

本当に危険な状態なんだろうな。

 

『くそ、いきなりコカビエルと戦闘だなんて予想外にも程があるよ! 宿主も何で逃げなかったのさ!?』

『フシュルルルルッ…』

『ミショナリー…わかっているよ、宿主が仲間の為に戦う人だって事は』

『シャァァァッ…』

『大丈夫だよ、エイリアン。宿主はすぐに元気になるさ』

 

そうか…俺が死ぬとこいつらも消えてしまう。

俺の命は俺だけの物じゃない、こいつらがいなければ俺は既にはぐれ悪魔に喰われていたしな。

目を覚ましたら謝らないとな…そしてもっと強くならないと宿主として相応しくない。

こいつらの力だけ借りて大物気取りになっているなんて、何て恥ずかしい真似をしちまったんだろう。

 

『………』

 

先程から俺の真後ろに立っている奴もそれを言いに来たんだろうな。

何となくだがわかるんだ…お前、俺と一緒で喋れないんだろ?

お前の存在はどこか親近感が湧くし似ている…。

 

『………』(スッ)

 

そいつはある方向を指し示すと光が見えた。

どうやらまだ俺は生きているようだ、ありがたい。

何れお前と遊べたら思いきりやろうぜ。

じゃあ、またな。

 

『………』(フリフリ)

 

手を振って見送ってくれるのを背中に感じて俺は光の方へ歩いていく。

 

 

 

光が一面に広がったと思うと、すんなりと目を開ける事が出来た。お、体も動かせる。

いきなり目を開けた事でロビー君を始め、皆驚いていた。

身体を見ると刺された痕は残っているが傷口が塞がっている。

ナース達の医療技術は世界一ぃぃぃぃぃぃっ!

するとロビー君がいきなり抱きついてきた。

 

『宿主ぃぃぃぃぃ! 目を覚まして良かったよぉぉぉぉぉ!』

『俺が悪かったから離れろ! 暑苦しいし着ぐるみの血が付く!』

 

それでも放してくれないロビー君に続いてエイリアンも飛びついてきた。

甘えるのは良いけど涎は拭いてくれぇぇぇ!

ミショナリーも両手で顔を覆って涙流しているしナース達も泣いている。

処刑マジニも飛び跳ねて喜んでいる。ザ・キーパーは恐らく娘さんの所へ報告しに行ったのだろう。

 

『皆すまなかった…判断を誤って死に掛けちまった』

『本当だよ! タイラントがダメージを庇ってくれなかったら死んでいたんだよ!』

『そうだ、タイラントは!?』

『何とか生きているよ。今は培養カプセルで治療中』

『そうか…あいつにも悪い事をした』

『後でちゃんと謝るんだよ? あの一族は死に掛けても復活するけど』

『あぁ、わかっている。また後で来る』

 

この世界で回復が出来たのなら現実でも大丈夫だろう。

あんなところで倒れたままなら騒ぎになっちまうから早く目を覚まそう。

そう思った俺は病室にある鏡に触れると体が吸いこまれるような感覚を感じ、一気に現実へと戻る。

 

 

 

 

 

 

「お、ようやく覚ましたな、兄ちゃん」

「…?」

 

目を覚ませば見覚えのない部屋…起き上がって見るとやけに高級そうなソファで寝かされていた。

声を掛けられた方へ向けば、前髪が金髪で後ろが黒髪というかなり攻めた髪型をしている男がいた。

どうやらこの人が倒れている俺を助けてくれたのだろう。

お礼を言わないとな…えーと、ボードはどこだ?

探していると男が俺のボードを差し出してくれた。

 

「もしかしてこれを探しているのか? 筆談という事は喋れないんだな。ほらよ」

『ありがとうございます。介抱してくれた事も感謝します』

「はははっ。デカいし怖そうな風貌なのに礼儀正しいんだな」

『礼儀は重んじろと後見人に教わっているので』

「色々と事情がありそうだな。所でお前さんは時間とか大丈夫なのか?」

 

そう言われて俺は携帯を見る…あれから1日は経っているし皆から連絡が何度も来ている。

何っ!? コカビエルが戦争の火種にする為にこの街を滅ぼす…だと!?

今すぐ駒王学園に向かわなければっ!!

立ち上がって緊急の用事があるので急いで行く事を伝えた。

 

『後日お礼に伺います! お名前だけでも教えてください』

「大した事はしてねぇから気にするな。ほれ、急ぎなら早く行ってやれ」

『…すいません、失礼します!』

 

 

 

「あの馬鹿の所へ行っちまったか…ま、お前さんとはすぐにまた会えるだろう。

 神が忌み嫌う化物共(・・・・・・・・・・)に魅入られた兄ちゃんよぉ?」

 

 

 

 

 

 

「もう終わりか? グレモリーの娘!」

「何て、力なの…!?」

 

俺達は駒王学園の校庭で宣戦布告してきたコカビエルに挑んでいた。

ソーナ会長達は学園の周囲に結界を貼っているので動けない。

最初に地獄の番犬、ケルベロスが数匹出てきた。

思った以上にタフなケルベロスに手こずっていると、聖剣使いのゼノヴィアが加勢に加わり、木場も戻ってきた。

 

しかし皆殺しの大司教、バルパー・ガリレイによって4本の聖剣エクスカリバーは結合されてしまった為はぐれエクソシストのフリード・セルゼンの手に渡ってしまう。

さらにコカビエルも戦いに加わり、かなりの劣勢を強いられた。

その最中に、かつての木場の仲間達の想いが形として現れた事で神器が禁手に至り、

双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』と成してエクスカリバーに勝てた。

 

この時バルパーは何かに気づいてしまったが、その瞬間にコカビエルによって殺された。

あと残されたのはコカビエルだけだがこいつがかなり強い。

見た事もない程の巨大な光の槍で体育館を木端微塵にしてしまい、

俺達が総出でいくら攻撃しても全く通用しない。

その中でとんでもない事実がわかってしまった。

 

剛先輩が既にコカビエルと戦って負けてしまった事、

朱乃さんが堕天使の子供である事、

そしてアーシア達が信仰していた神が死んでいた事。

 

特に神の死という事実はアーシアやゼノヴィアが崩れ落ちてしまう程だ。

そして俺がブーステッド・ギアで溜めた力を譲渡した部長でも通用しなかった。

どう考えても絶望的な状況で、俺は諦める訳にはいかない!

剛先輩の敵を討つのも、皆が住むこの町を守るのもそうだ!

そしてハーレム王になる俺の計画をこいつなんかに邪魔されてなるものか!!

 

俺は立ち上がって向かおうとした瞬間に後ろから何かが通り過ぎた。

それはとてつもない速さでコカビエルに向かっていく。

咄嗟に避けたコカビエルもだが俺達もブレーキをかけて止まったそれを見た。

誰もがここに来るとは思っていなかった人だった。

 

「何だ貴様は?」

「グルルルルルッ!!」

「剛、先輩…?」

 

 

 

 

 

俺は外へ出た瞬間、ミショナリーに変身しながら走った。

タイラントの時と同様にいつもよりスピードが上がっている。

走りながらロビー君に連絡してタイラントの容態はどうかを確認する。

どうやら回復はしているらしく、戦える状態にあるらしい。

だが自分の力不足を感じて後悔しているとか。

 

『タイラントに伝えておけ。リベンジするぞって』

『宿主がそう言わなくても、タイラントもその気満々だよ』

 

なら心配はいらないな。

一気に駒王学園まで走ると一度門の前で止まる。

ソーナを始めとした生徒会の皆が結界を貼っていたのだ。

ミショナリーを初めて見た椿姫や匙たちは警戒していたが、変身を解いた瞬間に俺だとわかって安堵していた。

そしてソーナは声かけてきた

 

「剛君!? 今までどこへ行ってたんですか!?」

『匙がいるという事は話は聞いていただろ? あの後俺はコカビエルと遭遇して半殺しにされた』

「何ですって!?」

「門星先輩が半殺しに!?」

『もう回復したから今は大丈夫だ。俺は奴にリベンジをしに来た、通せ』

「…ダメだと言っても諦めませんよね?」

『その時は力尽くで結界をぶっ壊してでも通るぜ?』

「はぁ…この戦いが終わったら匙同様にお仕置き受けてもらいますよ?」

『後で説教でも何でも受けてやる…生きて帰ってくるから心配すんな』

「約束ですよ?」

『わかってる』

 

すると結界が一部開いて通れるようになった。

俺は頭を下げてから再びミショナリーに変身して最高速度で走りながら校庭へ向かう。

両手のトンファーを構えて立ち上がろうとするイッセーの横を通り過ぎてコカビエルへ攻撃する。

だが、瞬時に気づいた奴に避けられてしまい当たらなかった。

すぐにブレーキを掛けた俺は体ごと向き直して構える。

 

「何だ貴様は?」

「グルルルルルッ!!」

「剛、先輩…?」

 

コカビエルが問いかけるとミショナリー自身が唸りを上げていた。

俺は変身を解いて奴に姿を見せる。

すると奴は怪訝そうな顔をしていた、まさか1日で回復するとは思っていなかっただろう。

俺だって思わなかったし。

 

「貴様、あの傷を回復させてきたというのか?」

『負けっぱなしは嫌だからな、リベンジだ』

「昨日今日で俺を倒せる力があると思っているのかぁ? これは愉快だな!」

『戦争がしたいんだろ? なら俺とお前で戦争だ』

「待ってくれ、先輩! 俺もやらせてくれ!!」

 

突然、イッセーがそう叫んで俺の隣に立った。

お前も皆もボロボロにやられている中、ちっとも諦めずに戦うつもりか。

全く無茶苦茶で馬鹿な後輩だな…と言っている先輩が無茶苦茶で馬鹿だから仕方ねぇか!

 

「何人で挑んでこようが俺は一向に構わん、だが急げよ? 残された時間はあと僅かだ」

 

向こうもそう言っているんだ、遠慮なくやらせてもらうぜ?

タイラント、準備は良いな?

右手にタイラントの覆面を出すと、普段無表情な奴がやる気満々な顔をしている。

サポートは処刑マジニ、お前に任せるぜ?

左手に処刑マジニの覆面を出す。相変わらず暴れたいのか、お前は。

 

覆面を真上に投げて両手を思い切り叩く…そう、覆面の融合だ。

ザ・キーパーでも良かったけど今回はタイラントのリベンジでもある。

なら、タイラントの融合で戦わせてやるのが筋ってもんだろ!

融合して落ちてきた覆面を受け取って被る。

 

すると肉体が変化していき、筋力が増大し体中から触手のような物が現われる。

服はダークグリーンのコートではなく、真っ黒なロングコートになるが右肩が露出している。

一番の異形は顔だ。

タイラントは白い肌のスキンヘッドだが、こいつは違う。

所々に筋組織が露わになっていて、口は歯茎が剥き出しで右目は手術痕の様に潰れている。

 

タイラント以上の異形でありながらもタイラント以上の力を持つ者。

名は…【復讐の女神(ネメシス)

リベンジマッチには相応しい名前だろう?

さぁ、復讐戦争の時間だぞ!

コカビエルゥゥゥゥゥッ!!

 

「ウ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッ!!」

「行くぜ、コカビエルッ!!」

「さぁ、かかってこい。赤龍帝と覆面人間!」

 




『しかし見事に傷が塞がったな…』
『そりゃあナース達が頑張ったからね』
『手術した痕はないけど薬か何かか?』
『えーと、調合したハーブ(バイオ仕様)のを傷口に詰めて…』
『Σ(´Д` )』
『そこに栄養ドリンク(静岡仕様)を3本くらい入れて』
『Σ(゚Д゚;)』
『んで注射器(サイブレ仕様)を1本ぶっ刺して傷口直したよ』
『((((;Д; ))))ガクガクブルブル』
『まぁ嘘だけどね♪』
『おい(゚Д゚#)』


閲覧ありがとうございます。


皆様大変お待たせしました。
今回の新クリーチャーは、リクエストとして多かったクリーチャーの一体で、
バイオハザード3のトラウマで有名な追跡者こと「ネメシス」です!
ゲーム界のクリーチャーとして真っ先に挙げられる存在なので次回はその活躍を楽しみにしてもらえるとありがたいです!


それでは、また。
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